本日は日本野鳥の会 神奈川支部のガンカモ調査を行った。
担当エリアは①鶴見川の支流である恩田川と②鶴見川中流域である。
①の恩田川の調査エリアは町田市と横浜市の市境でもあり県境から河口までの約7.5㎞である。
②の鶴見川中流域の調査エリアは恩田川河口から鴨居と小机の間にある新川向橋までの約3.5kmである。
③そして今回は久々に調査終了後このまま鶴見川を下って河口まで約16.3kmを走破した。
①恩田川
JR長津田駅で下車してスタート地点に向かう。
恩田川はざっくり説明すると横浜線の長津田駅から中山駅の線路に沿って流れている川である。
ちなみに昨年秋にノビタキを観察した場所も恩田川沿いであった⇒この記事はこちら
スタート地点 板の下にあるのは毎回調査で使用している折りたたみ自転車
恩田川はキセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの3種が同時に簡単に観察できる場所が多く、特にスタート付近は密度が濃い気がする。
例年オナガガモとカルガモが多いが、今回はオナガガモの姿は観察できず。
奈良川との合流点付近では田園が広がり、気持ちの良い眺めだ。
この辺りはユリカモメが集団越冬しており、2016年の調査時に確認して以来、年々増加しており、今回は恩田川全域で少なくとも150羽以上はいた。
横浜市ではユリカモメはこの時期なら山下公園など港湾部に多くいるイメージであるが、横浜奥地まで進出・定着した感じだ。
また周囲ではハヤブサやチョウゲンボウなどの猛禽類の目撃談があるが、今回も会うことができなかった。
いつもならコース通りに恩田川を進むのだが、昨年11月下旬、このそばの貯水池でオシドリが観察された。
今回ガンカモ調査ということでオシドリがまだ観察できるか気になったので、スタート早々に寄り道をすることに。
そばといっても自転車で20分、なかなかの距離ではあるが、横を流れる奈良川ではカワセミを何度も観察することができて面白かった。
場所はこどもの国駅そばのならやま公園に隣接する貯水池である。
※付近では駐車場が乏しいので、電車手段をお勧めします。
前回11月26日に訪れた際はオシドリが20羽くらいは確認できた。
貯水池の水面や草むらを確認するもオシドリは見当らず。
もう移動したのかと思いきや、鳴きながらオシドリ雌が水面中央に出て来て、しばらく辺りをキョロキョロした後に茂みに隠れてしまった。
とりあえず1羽でもオシドリを確認できて良かったと安堵していると、今度は目の前の森の方から水鳥が群れとなって飛来して水面に着地した。
何だ!何だ!と急いで見ると、オシドリであった。
森の中でドングリでも食べていたのだろうか?直ぐに帰らずにいて良かった!
今までの静けさが嘘のように水面中央で雄雌が活発に動き回っている。
オシドリの婚活パーティー 目指せオシドリ夫婦!
綺麗な雄をじっくり見ると繁殖羽の三列風切の飾り羽根が一際目立っている!
気合がガンガン伝わってきます!
なるほど!雄雌が活発に動き回っているのは求愛行動なのだと、これを見て理解できた。
じっくり観察して勉強させてもらったが、スタート直後の寄り道で時間が気になる。
もう少し観察したいが、コースに戻ることに。
※詳しい婚活レポートは後日の特集で!
合流点から再スタート。
ここまではカルガモだけだったが、ヒドリガモ、マガモ、コガモと確認できてようやくガンカモ調査らしくなってきた。
護岸沿いには例年に比べて、イソシギが目に付くがカワセミの姿が見えないのは気になる。
田奈駅そばの公園で一休み。
ここの公園は狭いが、斜面の木々からはエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ウグイスなど水辺ではあまり見聞きできない小鳥がいて、毎年良い気分転換となっている。
この辺りもユリカモメの群れが目立つ。
田奈駅を過ぎるとようやくオナガガモを発見、コガモの数も上流より増えてきた。
十日市場の東名高速道路と交差する付近でまたもユリカモメの群れと会ったが、この下流以降は群れは見なかった。
八十橋付近は例年オカヨシガモを観察することが多いが今回はいなかった。
マガモとカルガモの交雑種
この辺りから中山までは護岸工事が数年来続いているせいか、カワセミをここ数年観察できていない。
しかし、コガモは恩田川でも一番多く観察できた。
中山駅周辺に近づくとゴイサギが2羽休んでいるのを発見、恩田川での調査では初観察か?
中山大橋付近少し上流の浅瀬はイカルチドリを毎年観察することができるが、今回は観察できず。
中山大橋から河口までは川幅が広く、両岸は一番自然に近い形で残っている。
中山駅周辺から恩田川河口を望む
カモは例年より少なく、いつも観察できるカワセミもいない。
草地ではアオジ、モズ、タヒバリなどの小鳥を観察、特にタヒバリはようやく会うことができた。
ゴールの恩田川河口に到着。
ここで青葉台付近を流れる谷本川と恩田川が合流して、鶴見川となって東京湾へと流れる。
次回は②鶴見川中流域と③河口までの様子を掲載!
カモの調査結果
カルガモ 性別不明58
ヒドリガモ 雄15 雌14
マガモ 雄0 雌2
コガモ 雄34 雌38
オナガガモ 雄2 雌0
※コース外 オシドリ 雄8 雌4
※ほとんどが右岸からの観察で、両岸からの観察ではないので、死角にカモがいる場合は観察不能。
見聞きした野鳥(観察順)※カモを除く
キセキレイ
メジロ
ヒヨドリ
ハクセキレイ
ユリカモメ
ハシボソガラス
キジバト
ツグミ
セグロカモメ
ジョウビタキ
イソシギ
モズ
コサギ
カワセミ
カイツブリ
アオジ
スズメ
ムクドリ
ゴイサギ
コゲラ
ウグイス
シジュウカラ
エナガ
オオバン
タヒバリ
カモと合わせて31種