オバシギ 2020.7.19 三番瀬

今回の特集は先日三番瀬で観察した2羽のオバシギ成鳥です。

2羽で並ぶと体色の濃淡だけでなく、大きさにも違いがあることが分かります。

この差は雄雌の差か?栄養を取って脂肪を蓄えているのか否か?それとも個体差か?あれこれ考えながら観察しました。


個体A   


個体B

個体AもBも繁殖羽初期の新鮮な頃に比べて特に頭部と雨覆が摩耗されて黒さが目立ちます。


右にいるキアシシギに比べると、体型が違いますね。


飛翔時、オバシギは白い腰が目立ちます。幼鳥では無斑に見えますが、成鳥(少なくとも繁殖羽では)は無斑ではありません。

動画 

盛んに採食行動をして貝を丸飲みするオバシギ達とそばにいるだけのキアシシギ

当日はおそらくこの1羽だけのキアシシギしかいなかったと思いますが、この時以外でも2羽のオバシギを追うように飛翔したりネット上で休んでいました。

 

 

 

 

 

 

オオソリハシシギ 2020.7.19 三番瀬

今回の特集は先日三番瀬で観察したオオソリハシシギ雄成鳥です。

警戒心が強いので、遠くからの観察・撮影となりましたが、体の下面に赤褐色の繁殖羽の名残はしっかりと見えました。


こちらを見るオオソリハシシギ くちばしが真っすぐに見えるとオオハシシギに似ますね。

 


奥)オオソリハシシギ 手前)オバシギ 飛翔している方が赤褐色の模様が見やすいですね。


左)オオソリハシシギ 右)オバシギ 飛翔した時に腰が白くないので、亜種コシジロオオソリハシシギではないですね。

動画 ※水際で採食行動中の様子

当日は1羽のみの観察でしたが、これから仲間の後続隊が到着することでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミヤコドリ 2020.7.19 三番瀬

今回の特集は昨日観察したミヤコドリです。

三番瀬で越夏する群れの中にT6の足輪が付いた個体がいました。

この個体は2019年7月15日にロシアのカムチャッカ半島でヒナの状態で足輪が付けられたもので、2019年9月25日に三番瀬で確認されて以来、ここにいると思われます。以上は、認定NPO法人 行徳野鳥観察舎友の会 「すずがも通信No.240から抜粋させていただきました。

この個体が三番瀬で発見された意義は日本に飛来するミヤコドリの繁殖地が初めて確認されたことです。

更に個人的には幼鳥が繁殖地に向かわずにそのまま三番瀬で越夏したことも興味深いです。

これからの戻り渡りでミヤコドリが徐々に繁殖地から戻って来て、冬には400羽近くが三番瀬に集結し、三番瀬は日本最大の越冬地となります。

今後は三番瀬で探鳥する際はT6個体を見つけて、その行動や成長を観察したいと思います。

※以下の動画の後半には標識が見やすいように歩く様子をスロー再生があります。


 

 

 

 

探鳥記 2020.7.19 三番瀬 10:20~13:00 曇

朝起きて外を見ると、昨夜までの雨の天気予報が見事に外れて、晴れているではないか!

急ぎ準備をして、シギ・チドリの戻り渡りが始まっている三番瀬探鳥を決行した。

コロナの影響で楽しみにしていた春の三番瀬でのシギ・チドリ観察ができなかった分、戻り渡りは例年以上に探鳥したい!

いつも以上に気合を入れて現地入り。

干潟はほぼ干潮状態であり、潮干狩りの人達があちこちにたくさんいる。

肝心のシギ・チドリ達をどこにいるのか?ざっと探索すると、はるか遠くにバーダー達が集まっているのが見えた。

60倍スコープで見るとオオソリハシシギのように見える。

遠すぎるので潮が満ちて近づいて来た時に観察することにして、近場にいるミヤコドリの群れへ向かった。

鼻息荒く来た割には最初から日和ってしまった、、、。

ミヤコドリは23羽おり、繁殖地へ向かわずにそのまま三番瀬に居残った越夏組と思われる。


ミヤコドリ 三番瀬では1年中観察できる

ミヤコドリのそばにはメダイチドリが5羽、盛んに採食行動をしている。

彼らは夏羽が摩耗しており、繁殖地から戻って来たばかりなのだろう。


メダイチドリ雄成鳥

戻り渡りの序盤と人が多いこともあって、なかなかシギ・チドリを探すのに苦労したが、潮が満ちてくるにつれて出会える機会が増えていった。

まずはオオソリハシシギ雄の成鳥。

繁殖羽の体下面の赤褐色は薄れているが、雄と識別するには十分である。


1羽だけで寂しそうな背中?のオオソリハシシギ雄成鳥

次は2羽のオバシギ成鳥の夏羽の登場である。

冬羽への換羽前で夏羽の摩耗が目立つので全体的に黒っぽい。


この時期の黒っぽいオバシギ成鳥もこれはこれで好きである


正面から見ると更に黒さが増すオバシギ


上空を旋回飛行するオオソリハシシギ左)とオバシギ右)

その後はコアジサシの群れを観察したが、最近目撃情報のあるチュウシャクシギソリハシシギは最後まで出会えなかった。

数種とも戻り渡りの序盤なので少なかったが、久々の再会となったオオソリハシシギオバシギをじっくり観察できたし、何より久々に三番瀬で探鳥できたことが有意義であった。

見聞きした野鳥(観察順)

カワラヒワ、ウミネコ、ミヤコドリ23、ダイサギ、メダイチドリ9、オオソリハシシギ雄成鳥1、キアシシギ成鳥1、オバシギ成鳥2、ダイゼン、コアジサシ 計10種 目撃談 シロチドリ1

キアシシギ 2020.7.11 平潟湾

今回の特集は先日平潟湾で観察したキアシシギです。

平潟湾での戻り渡り第1号となった個体は、摩耗や擦り切れがある繁殖羽の後期の成鳥でした。

成鳥 繁殖羽後期 2020.7.11  平潟湾

拡大図

羽根が擦り切れているのが分かります。

次の繁殖羽の前期の綺麗な状態と見比べると違いが分かります。

比較画像その① 成鳥 繁殖羽前期 2017.5.7  平潟湾

拡大図

繁殖期前半ですので、綺麗な状態ですね。

参考画像その② 成鳥 繁殖羽後期 2018.7.8 平潟湾

2年前のほぼ同時期の戻り渡り第1号の個体です。

やはりこの個体も摩耗や擦り切れがある繁殖羽の後期の状態ですね。

拡大図

 

 

 

探鳥記 2020.7.11 平潟湾 12:20~13:00 晴れ

 

5月22日以来の平潟湾での探鳥。

目的は繁殖地から越冬地へ向かう戻り渡りのシギ・チドリである。

ここ平潟湾では例年7月の前半にキアシシギが戻り渡りの先陣として飛来し、9月くらいまで休息する姿を観察できる。

ちなみに2018年は7月8日に戻り渡りのキアシシギを1羽観察している。

今年はすでにキアシシギ飛来の情報があるので、自分の目で早く確かめたいところ。

到着時、干潟はまだ残っており、2018年に観察したローソン前から野島水路の八景島方面の辺りを探索。

ざっと見渡したところ、姿が見えない。

すでに南方へ飛び去ってしまったか?

再度丁寧に観察したところ、巨大な流木のそばにいる1羽を無事発見!

2か月ぶりの再会となった。

 

春は綺麗だった繁殖羽も戻り渡りの後半になると摩耗したり擦り切れている。

しばらく羽根の状態を見ながら、繁殖地の様子や長旅の苦労を考えていると、野島水路の対岸上空に3羽のコアジサシが登場。

フワフワ飛びながら、水面の様子を探っていた。


サプライズゲストのコアジサシ

遠くても黄色のくちばしが目立っていた。

本日はシギ・チドリの戻り渡りを自分の目で確かめることができて良かった。

いよいよ大好きなシギ・チドリ観察の開幕である。

見聞きした野鳥(観察順)

カワウ、キアシシギ、トビ、コアジサシ3、ハシボソガラス 計5種

コシアカツバメ 2019.7.13 葉山町

今回の特集は昨年の今頃に葉山町の海岸線で観察したコシアカツバメです。

珍しいツバメではありませんが、意外とじっくり観察する機会が少ないのでないでしょうか。

まずは名前の由来である赤い腰を見ましょう。


真っ赤というよりは赤茶色ですね。


胴体の下面に広がる細長い黒い縦斑模様も他のツバメ類にはない特徴です。


コシアカツバメの巣は普段見慣れているツバメの巣とは明らかに違います。


巣のそばの側壁にしがみつく親鳥

作成中に飛翔する姿の画像がないことに気が付きました、、、。

ということで、今年の2月に酒匂川で撮影した画像をどうぞ。


上面からはもちろん赤い腰が目立ちますが、実際の観察では腰が白いイワツバメのようには目立ちません。


見上げて観察することが多いので、下面の胴体に広がる縦斑のほうが赤い腰より識別するには有効と思います。

 

カッコウ 2020.7.2 新治の森

昨日、鳥仲間からの情報で、先週末から新治の森でカッコウの鳴き声がするとのこと。

横浜でカッコウの鳴き声⁈

いまだ横浜ではカッコウを見聞きしたことがないので、ピンとこない。

が、横浜バーダーの私としては姿はともかく声だけでも是非とも聞きたいところ。

ということで本日新治の森へ。

新治の森が見えたところで、ホトトギスの声が聞こえて来た!

本日の主役は君ではないよ、と思いつつも声が聞けて嬉しい。

森の中に入ると直ぐに遠くから「カッコウ、カッコウ」と小さな声が聞こえて来た!

早くも目的達成!と喜ぶもすぐに幻聴か?どうか確かめるべく声がした方向へ移動。

しばらくすると先ほどより近い場所からハッキリと鳴き声を聞くことができました。

待望のカッコウの声です。

カッコウの声が聞こえる光景といえば、涼しげな高原を思い出してしまいますが、ここは横浜の森の中であり、改めて不思議な気持ちになりました。※音量を上げてお聞きください。

 

こちらはそばで鳴いていたホトトギスの声です。

 

さて、このカッコウの状況はどうなんでしょうか?

繁殖(カッコウの場合は他の鳥への托卵)できずに或は繁殖地にたどり着けずに各地を移動しているのか?

あるいは繁殖を終えて南へ帰る途中での立ち寄りなのか?

ここ数日各地で夏鳥であるコムクドリの戻り渡りが観察されているように、早々と托卵を済ませたカッコウが立ち寄っているように思えるのですが真実はどうでしょうか。

ちなみにカッコウは6月27日から新治の森で鳴き声が聞かれているとのことです。

コロナ自粛で夏鳥遠征が叶わず、今季はカッコウを見聞きすることができないだろうと思っていたのですが、、、。

改めて今回の横浜での出会いを実現させてくれた鳥仲間に感謝!感謝!


カッコウ 2014.6.1  北富士演習場