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レポート 2021年横浜市内一人ガンカモ調査

今回は今年一月に実施した横浜市内一人ガンカモ調査の報告です。

野鳥の会神奈川支部が毎年実施している県内ガンカモ調査と同時期に横浜市内全域のガンカモの調査を実施しました。

調査期間は1月1日~31日で、調査地は市内全18区の49か所でした。

昨年も横浜市内の主要なガンカモ観察地23か所を調査しましたが、調査できなかった場所があったり、すべての区を回れなかったりと不十分な出来となり残念でした。

そこで今年は気合を入れまくりまくって、市内全域49か所を調査しました!

その調査結果がこちら。

観察種と個体数

オシドリ    91羽(雄58 雌33)
オカヨシガモ  234羽(雄58 雌33)
ヨシガモ    6羽(雄3 雌3)
ヒドリガモ   249羽(雄142 雌107)
アメリカヒドリ 1羽 (雄0 雌1)
マガモ     107羽(雄59 雌48)
カルガモ    421羽(雄雌不明)
ハシビロガモ  86羽(雄56 雌30)
オナガガモ   106羽(雄68 雌38)
コガモ     1046羽(雄553 雌493)
ホシハジロ   250羽(雄173 雌77)
キンクロハジロ 417羽(雄283 雌134)
スズガモ    691羽(雄335 雌356)
ミコアイサ   6羽(雄4 雌2)
ウミアイサ      2羽 (雄0 雌2)

合計 15種   3713羽

調査期間中、こども自然公園から一時行方不明になったクビワキンクロ、2月になって恩田川に登場したトモエガモ、八景島沖で多分見逃しただろうホオジロガモなど結果に反映できず残念でした!

次の調査は5年後!というつもりで全力で取り組み、終了時は達成感に満ちあふれていましたが、、、時間が経過するとともに反省点とその改善点が頭に浮かんでは次回のことを考えてしまい、怖いですね!

次回開催がいつになるか分かりませんが、今回の結果を基準値にして今後の横浜のガンカモの動向を調査し続けていきたいです。

新横浜公園では最大6羽のミコアイサが観察された

スズガモ雄 山下公園にて

ハシビロガモ雄 菊名池にて

調査地一覧

瀬上池
いたち川
日野川
大岡川
久良岐公園
舞岡公園
柏尾川 (笠間~平戸永谷川遊水地)
金井遊水地
野島周辺
海の公園
八景島周辺
称名寺
長浜公園
富岡船だまり
ベイサイドマリーナ
新杉田臨海公園
三渓園
山下公園
みなとみらい地区(大桟橋~臨港パーク)
ポートサイド
神奈川区臨海部 (東神奈川駅周辺)
鶴見川河口
三ツ池公園
二つ池
菊名池
岸根公園
四季の森公園
こども自然公園
帷子川 (鶴ヶ峰~天王町)
新横浜公園
恩田川(県境~河口)
鶴見川中流①(恩田川河口~新川向橋)
鶴見川中流②(新川向橋~大綱橋)
鶴見川中流③(大綱橋~矢上川河口)
谷本川(寺家~川和)
奈良山公園
もえぎの公園
寺家
早渕川(いずみ野駅~センター南駅)
山崎公園
徳生公園
都築中央公園
鴨池公園
茅ヶ崎公園
せせらぎ公園
矢上川(日吉~河口)
境川遊水地(俣野・下飯田)
和泉川(境川遊水地~二ツ橋)
境川(新道大橋~立石)

以上、49か所

調査地で見聞きした他の野鳥達(鳥類目録改訂第7版順)

キジ、カイツブリ、アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、キジバト、ヒメウ、ウミウ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、クロサギ、クイナ、ヒクイナ、バン、オオバン、イカルチドリ、ヤマシギ、タシギ、イソシギ、キョウジョシギ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ミサゴ、トビ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、フクロウ、トラフズク、カワセミ、アリスイ、コゲラ、アオゲラ、チョウゲンボウ、モズ、カケス、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ミソサザイ、ムクドリ、トラツグミ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、シメ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、クロジ、オオジュリン 計74種

※調査したカモと合わせると89種となります。更に自分と信頼している鳥仲間の1月の記録ではクビワキンクロ、ホオジロガモ、セッカ、ヨシゴイ、ケリ、ツミ、ハヤブサ、サンショウクイ、キクイタダキ、ヒガラ、アカゲラ、キレンジャク、ヒレンジャク、ビンズイ、ウソの15種が確認されています。合計すると横浜市内では1月に少なくとも104種が記録されました。

 

レポート 2017.7.17 アオバト観察と企画展 大磯町 8:20~9:50 晴れ

アオバト観察   大磯町 照ヶ崎海岸

大磯駅から照ヶ崎に向かう途中、観光案内所の前を通るとアオバトグッズが目に飛び込んで来た!

ぬいぐるみ、ストラップなどが販売されている。

「いそべぇ(オス)」と「あおみ(メス)」という名前だそうです。 詳しくはこちら

 

 

大磯駅から照ヶ崎までは徒歩10分。駅から近からず遠からずの距離なので、特に暑い夏は、道に迷わないで下さいね!地図にあるエリザベス・サンダース・ホームはこの後の文章に出てきます。

 

8:15分に照ヶ崎海岸の堤防の上に到着。

この時間はすでにアオバト観察の終盤で、本来ならもっと早く来ないともったいないです(反省!)。

今の時期ですと6時頃から一気に増えて7時頃が飛来のピークのようです。

正面に広がる岩礁でアオバトは海水を飲みます

早速、こまたん(照ヶ崎でアオバトの観察を長年続けている野鳥観察グループです)メンバーの方々とアオバトを観察を開始。

前日の午前中はアオバト飛来数2000羽を超えたそうです!

こまたん関係者の話によると、例年この時期に幼鳥の初飛来が記録されるとのこと。

残念ながら今回17日の観察では幼鳥は現れず。

以下の動画で当日の雰囲気を味わって下さい。

 

観察場所の背後のあるエリザベス・サンダース・ホームの森の上では休憩中のアオバトを観察することができました。

防波堤の上から森を望む。森の上に点々アオバトの姿。
森をズームすると休憩中の2羽のアオバトの姿が。

アオバトの飛来も9時半頃になると30分に1回程度に減少するそうで、観察現場にそろそろ撤収の雰囲気が漂う。

アオバトの展示会が近くの城山公園で開催中とのことなので、そちらに移動することにしました。

 こまたん・大磯町郷土資料館共催 企画展「ようこそアオバト楽会へ」

城山公園に到着。

閑静な森の中に立派な建物が見えてきた、今回の開催場所の郷土資料館である。

郷土資料館の入口
企画展の入口 こまたんが誇る英知がここにあります。

ここから奥は、来訪者のみが知ることができるディープなアオバトの世界であります。

と言ったら、宣伝にならないので簡単な展示内容をお知らせします。

・全ての部位の羽根の展示

・換羽の順番

・青く見える羽根の構造

・シーボルトとアオバトとの関係

・まだまだ謎の多い繁殖の様子

・食べ物と海水を飲むことの関係

・照ヶ崎以外での全国のアオバトの生息状況

などなど。

今回幸運にも、こまたんの中心メンバーの方から全ての展示についてご説明していただきました。

展示内容はこまたんグループが今までの地道な活動の中で築き上げた素晴らしいもので、何度も展示品に感嘆し唸ってしまいました。

一つ一つ展示品に関する裏話や展示に至る過程なども聴くことができ、また多くの質問もさせていただき、知的好奇心をくすぐる楽しい時間となりました。

知れば知るほど知りたいことが増えていく。

今後はさらにアオバトの鳴き声の音声分析を進めてアオバトの秘密を解明していくようです。

最後に今回照ヶ崎でのアオバト観察と企画展に行き、何より印象に残ったのは、

こまたんメンバーの皆さんのアオバトへの愛情と飽くなき探求心、そして、活動の原動力となるチームワークの良さでした。

毎回感じていることですが、今回改めて思いました。

こまたんの皆さん、今回はありがとうございました。

今回の企画展の開催期間・場所等の詳細な情報と7月30日開催のアオバト観察会&講演会の案内はこちら

レポート 2017.4.15 野毛山動物園 

ミゾゴイを間近で観察したくなったので野毛山動物園へ。

横浜市立野毛山動物園はJR桜木町駅から歩いて約15分の横浜市の中心部にある。

開園は昭和26年で現在100種類以上1000個体以上の動物を有し、今時珍しく入場無料の動物園である。

動物園正面入り口
野毛山ミゾゴイに会うのは今回で3回目。

いつもはじっとして動かないミゾゴイだが、今回はエサがあるのか時々ゆっくり動く。

隣のゲージがインコなのだが、声も姿もにぎやかでミゾゴイと対照的で面白い。

地面中央にいます
このミゾゴイに名前が付けられていたことを初めて知った。

ミゾタロウという名なので雄だったのか。

はじめまして、ミゾタロウです。
金網越しではあるが、こんなに近くでじっくりとミゾゴイを観察できるとは!

ぎこちない歩き方をするので、脚を怪我して自然放鳥できずに、飼育されているのだろう。

しばらく眺めていると、案の定、エサを食べ始めた。

これは動画でとらねば。

エサは肉だが、野生のミゾゴイはミミズが大好物。

 食事の後に水を飲む。

画像にはないが、エサの付いたくちばしを容器に擦り付けて掃除していた。

ちなみに横浜市繁殖センターでは2015年、2016年と2年連続ミゾゴイの繁殖に成功しました。

今年の繁殖を祈るとともに繁殖の成功で新たに分かったミゾゴイの生態が公表されることを望みます。

みなさん、野生のミゾゴイはなかなか見ることはできませんので、雰囲気も含めてミゾゴイを野毛山動物園で観察することをお勧めします!

一度観察しておくと、フィールドでミゾゴイを探す時あるいは不意に出くわした時に役立つことでしょう!!

野毛山動物園では、もちろんミゾゴイの他にも鳥が展示されている。

関東では珍しいツクシガモ雌
ノスリ
クロツラヘラサギ

その他、キジインドクジャクコンドルブロンズトキホオアカトキシロトキキンクロハジロオシドリ、コガモ、マガモ、オナガガモなど。

 

フィールドで野鳥観察するだけでなく、動物園で間近に観察することからも楽しく学べる。

雨の日などフィールドに行けない時は動物園に行くのもありだと思いました。