探鳥記 2017.12.8 九州探鳥② 大授搦 後半 11:40~14:50 曇り一時雨

前回からの続き。

堤防上で帰り支度をしている最中にミサゴが上空を飛んでくれた。

ここではトビよりミサゴの方が観察頻度が高い。

動画※最後に0.125倍スロー映像あり

ミサゴが大授搦での鳥の見納めと思ったが、せっかくだから干潟の裏にある後背地での冬鳥観察をすることにした。

ツリスガラタヒバリ類、淡水系シギチドリなどをざっと探してみよう。

まず向かった先は隣接する干潟よか公園で、ただ単にトイレ休憩するだけの立ち寄りが素晴らしい幸運をもたらしてくれた。

駐車場に止まって何気なくフロントガラス越しに目の前の樹上に目をやると、ハトが2羽とまっている。

いつものならキジバトがいるで終わってしまうのだが、頭に先ほどのシラコバト情報があったのだろう、左にいる個体の方が右個体より一回りぐらい小さいことに気が付いた。

以前、上野動物園でシラコバトキジバトと一緒に観察したことがあるのだが、その時の大きさの違いと似ている気がした。
参考動画 ※BGMにセミと子供の声

逆光気味だが急いで双眼鏡で観察すると、頭部がキジバトにしては明るい灰色と感じた。

観察したメンバーによると喉元付近がより白く見えたそうだ。

ここで2羽のハトは奥の森の方に飛び去ってしまい、慌てて車外に出て1羽の居場所を突き止めたが、距離が遠すぎてどうしようもない。

こうなったらシラコバト?探索することにして公園内での探鳥を開始。

公園入口の橋に立つと、向こうから鳴きながらカワセミ2羽がこちらに向かって来た。

もう求愛活動かと思いきや後ろから追いかけてきたのが急ターンして枝先に止まった。

急いで観察すると後ろに飛んでいたカワセミの正体は実はモズの雄で、モズカワセミの狩りを試みるも失敗した状況を観察していたのだった。

カワセミの方がモズより速いようだ。

シラコバト?探索を進めよう。

公園内の芝生ではツグミがあちこちで採餌しているがハトの姿は見えない。

樹木を丁寧にチェックするも、キジバト見つけるがシラコバト?は見つからず。

ふと公園外側を見ると電線にキジバトが1羽また1羽と止まり始めた。

この流れでシラコバト?も止まってくれないか!と祈る気持ちで周囲を観察していると、樹木の間をすり抜けるように体上面が灰色で翼の先端部が黒っぽいハトが飛ぶ姿を見た!

大雑把にハイイロチュウヒ雄の飛翔イメージである。

そばで一緒に観察したメンバーと、キジバトとは明らかに違う模様であることあるを確認して、後で検討する保留事項とした。

※帰宅後、改めて文献等を調べたところ、東アジア圏内で観察されるハトの飛翔時の模様のうち、今回観察した模様はシラコバトベニバトが候補に挙がるが、ベニバトムクドリより小さいので明らかに違うこと、そして最初に観察した頭部付近の印象からシラコバトと判断した。
また、シラコバトは中国東部も生息圏であり、九州への飛来も不自然ではなく近年九州各地での観察例があること、翌日に諫早湾でお会いした方が2日後同じ場所でシラコバトを撮影していることも間接的な判断材料となった。

結局シラコバトは電線に止まらずにその先の畑の方に向かって行方不明となった。

シラコバトを追って川のほとりに出たのが、その場所は水鳥のたまり場でツルシギハシビロガモコガモが集まっていた。
発見当初は2羽いたと思っていたツルシギだったが、合計8羽もいることが判明して、メンバー全員、本日一番の盛り上がりを見せた。

ツルシギ 肩羽に新羽が見えるので第一回冬羽に移行中と思われる。
動画

最後の最後に続々と登場!

ハシビロガモももちろんチェック!


ハシビロガモ雌若い個体 三列風切の羽縁が白く、くちばしが綺麗な黄土色。


黄土色の虹彩もチェック!

しばらく観察したかったが、次の目的地での探鳥時間が少なくなってきたので、切り上げることにした。

帰り際に、カササギ街道でようやくカササギを観察できて気持ちよく大授搦を去ることができた。

次の大授搦への訪問は春のシギチドリ観察かな?

次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)前後半合計

チョウゲンボウ
スズメ
ハシボソガラス
ズグロカモメ
ツクシガモ
ダイシャクシギ
チュウシャクシギ
ハマシギ
シロチドリ
ダイゼン
セグロカモメ
ミヤコドリ
クロツラヘラサギ
ユリカモメ
アオアシシギ
メダイチドリ
マガモ
オナガガモ
ハクセキレイ
ダイサギ
ミサゴ
キジバト
ハシビロガモ
カワセミ
モズ
ツグミ
シラコバト
ツルシギ
コガモ
コサギ
アオサギ
ハシブトガラス
カササギ

計33種 目撃談:カワラヒワ、ソリハシシギ

 

探鳥記 2017.12.8 九州探鳥① 大授搦 前半 11:40~14:50 曇り一時雨

前日になって参加メンバーからヒメハマシギが大授搦で観察されているとの情報がもたらされた!

今回の2泊3日のツアーでは、大授搦での探鳥は2日目の諫早湾から出水への移動の途中に立ち寄ってズグロカモメツクシガモを観察するだけに留める予定だった。

が、ヒメハマシギが観察できるチャンスがあるとなれば、話は変わる。

諫早湾でナベコウ探索に時間をかけたいので、予定通り2日目に行くことも考えたが、いつヒメハマシギが飛び去るか分からないし、潮位も初日は5.1m、2日目は4.8mと5mを切ってまう。

大授搦は遠浅の干潟なので、少なくとも5m以上が観察に適した最低ラインであるし、ヒメハマシギのような小型のシギを探索するには潮が満ちてより近くで観察できる初日の方が良いに決まっている。

実際のところ、機内での動向メンバーとの話合いでようやくこの結論に至ったのは有明海の上空を過ぎた頃である。

長崎空港到着後は迷うことなく真っ直ぐ大授搦へ。

大授搦付近に近づくと前回の探鳥癖?で車窓からのカササギ探索が自然と行われた。

前回は車で通る度にカササギを観察できたカササギ街道でも見当たらなかったが、飛翔するカササギを観察できたメンバーもいた。

大授搦の懐かしい堤防が見えてくると、前回のシギチドリ探鳥の思い出と今回の期待感で気分が一気に高揚する。

堤防上に駐車して、現場にいたバーダーの皆さんにヒメハマシギ等の干潟にいる野鳥の状況を尋ねると、本日は観察していないとのこと。

彼らは堤防裏の桜並木に来るシラコバトを待っているようである。

シラコバト

まずは満潮近いタイミングでヒメハマシギを探すことに夢中で、その時は関心を示さなかったが、後々この情報のおかげでシラコバト観察につながった。

準備を終えて目の前に広がる広大な干潟を眺めると、この中からヒメハマシギを探すのかとしばらく呆然とする。

遠くから眺めると、ヒラヒラと飛んでいるズグロカモメ、脇羽の白が目立つツクシガモ、干潟で一番大きいダイシャクシギが目に付く。

干潟の降りて再度近距離からざっと観察すると、あちこちに鳥がいるので観察に迷ってしまうが、まずはダイシャクシギの群れに注目!

9月の探鳥時でもダイシャクシギの群れを観察したが、ここまでは多くなかった。ざっと50羽はいるか。

よく見るとややくちばしが短い幼鳥やチュウシャクシギも混じっている。
ダイシャクシギ。下腹から下尾筒の白さが目立つ。

ダイシャクシギの群れの周囲にはハマシギシロチドリミヤコドリがおり、改めてダイシャクシギの大きさが分かる。

左手からコサギの群れが飛んで来たと思ったら、何とクロツラヘラサギだった。

突如現れたクロツラヘラサギの群れ。


ヘラ状のくちばしは逆光でも目立つ。

単体のクロツラヘラサギは何度も葛西臨海公園で観察しているが、数えてみると14羽の群れであり、さすが大授搦である。

クロツラヘラサギは干潟に降り立ったので採餌ではなく休息するのだろう。

ダイシャクシギのそばではツクシガモが採餌に夢中だ。

ツクシガモは干潟にたくさんいるのだが、ほとんど奥の水際にいるので観察・撮影には苦労した。
動画

ツクシガモを中心にさっと干潟の様子を撮影。

この個体だけがかろうじて近くにいてくれて助かった。
動画

ツクシガモ成鳥雌

右手を見るとハマシギの大群が上空をしばらく右往左往したのちに干潟に舞い降りた。

この中にヒメハマシギがいる可能性があると降り立った場所近くに移動する。

ヒメハマシギヨーロッパトウネンくちばしが長いタイプとざっくりイメージして、集中力が持つ限り、ひたすら探した。

探索中の合間にシロチドリメダイチドリを見つけたり、上空を飛んだり干潟でじっとカニを待ち構える?休憩する?ズグロカモメを観察。
動画

ハマシギの群れを駆け抜けるメダイチドリ

以前、ズグロカモメを冬に葛西臨海公園で1羽観察したことがあるが、ここは本場の越冬地九州だから数が違う。

干潟にはユリカモメもいるがズグロカモメの方が断然多い。

ユリカモメと比較すると、くちばしの色よりも短さの方が違いが目立つ。

ズグロカモメ成鳥冬羽  ユリカモメに比べてくちばしが短くがっしりしているのが特徴

動画

強風で鳴き声が聞こえないのが残念!

引き続きヒメハマシギ探索は続くも見当たらず。

すでに南に飛び去ってしまったのか?潮位などの条件が悪いだけで有明海のどこかにいるのか?もともと今回の九州探鳥で観察できるとは思わなかったが、かすっていただけに残念ではある。

またアカツクシガモソリハシセイタカシギは冬の大授搦だったら観察できると淡い期待をしていたので、ヒメハマシギより残念度は高い(※先日、大授搦でアカツクシガモが観察されたとのこと)。

満潮が近づくにつれ鳥達がこちらに近づくのを期待したが、満潮時間の12時41分となっても干潟も鳥達にもさほどの変化がない。
動画

強風と時折降る小雨の中で、本来の目的だったツクシガモズグロカモメをじっくり観察できたし、本日中に探鳥したい場所も他にあるので、今回はこの辺で終わりにしよう。


ダイシャクシギ 干潟でのラストショット
大授搦後半編は次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)前半のみ

チョウゲンボウ
スズメ
ハシボソガラス
ズグロカモメ
ツクシガモ
ダイシャクシギ
チュウシャクシギ
ハマシギ
シロチドリ
ダイゼン
セグロカモメ
ミヤコドリ
クロツラヘラサギ
ユリカモメ
アオアシシギ
メダイチドリ
マガモ
オナガガモ
ハクセキレイ
ダイサギ

計20種 目撃談:カワラヒワ、ソリハシシギ

野鳥 オオセグロカモメ 2017.12.3 長井

今回は、前回の長井で観察したオオセグロカモメの特集です。

観察場所には、オオセグロカモメセグロカモメウミネコユリカモメがいました。

成鳥冬羽

セグロカモメと比較すると、体上面の灰色の濃さが濃い点、頭部の褐色斑が目の周囲に集中する傾向にある点、くちばしがより大きく特に先端部は太く見える点が主に異なります。

第2回冬羽と推定


この画像から識別するのは乱暴ではありますが、①肩羽にも雨覆にも褐色の軸斑があるように見えますので、肩羽が灰色になる第3回冬羽ではない②くちばしの先端部の黒斑も第3回より第2回冬羽の模様に近いので、第2回冬羽と推定しました。

第1回冬羽と推定


上画像の拡大図
この画像だけから識別するのは乱暴とは思いましたが、淡色の羽先縁がハッキリとあるので、セグロカモメではなくオオセグロカモメと推定しました。

飛び去る姿


飛び去るオオセグロカモメ達。体上面の濃い灰色と翼の後縁の白が目立ちます。

参照:「カモメ識別ハンドブック」 氏原 巨雄・氏原 道昭氏 著

探鳥記 2017.12.3 長井 9:30~11:15 晴れ

午後から横須賀で用事があるので、その前に三浦半島で探鳥しよう。

どこに行くか迷ったが、越冬キョウジョシギウミスズメとの出会いを期待して井に行くことにした。


快晴で海も穏やかな景色にしばしホッコリ。

冬季は目の前の磯でイソシギイソヒヨドリ、越冬中のキョウジョシギなどを観察する機会が多いのだが、今日は見当たらない。

沖を見るとハジロカイツブリが1羽ポツンと浮いているだけでウミスズメオオハムなどの姿はない。

いない、いない、お目当てがいない!

湾内に目を向けると長井の冬の主役?のウミアイサの群れを発見!

じっくり観察するとウミアイサ7羽の群れが潜水して採餌行動を繰り返していた。
動画

 1羽が潜水すると次々と潜水するのが見ていて面白い。

先日酒匂川でカワアイサをたくさん観察したので両方の比較をするなど観察を楽しんだ。

対岸の佐島方面を望む

再び磯に目を向けて、目的の1つである越冬キョウジョシギを探すも見つからず。

岩陰に隠れて見えないことも多いので、時間を空けたつもりだったが、、、。

隣接する富浦公園そばの海岸に移動する。

岸から10mくらいのところに砂地が現れており、そこにオオセグロカモメセグロカモメウミネコユリカモメカルガモマガモなどが50羽ぐらいだろうか集まっていた。

ゆっくり距離を詰めながら観察・撮影を開始。

特にオオセグロカモメセグロカモメの背中の色合いの違い、これらとウミネコユリカモメの大きさの違いを確認した。

おそらく引き潮に現れた場所と推定するが、シギチドリの渡りの時期も何かが観察できるかも。


オオセグロカモメ成鳥冬羽


左からマガモの雄と雌

一方が体の向きを変えると一方がそれに合わせて向きを変えるなど、既にペアになっているのか良い雰囲気。

撤収時間も近づいて来たので、そろそろお開きにしようと思っていたら、最後の最後で目の前をカワセミが通り過ぎたり、沖合をミサゴが悠然と飛ぶ姿を観察でき、気持ち良く探鳥を終えることができた。

見聞きした野鳥(観察順)

ユリカモメ
カワウ
アオサギ
セグロカモメ
ウミアイサ7
ウミネコ
イソヒヨドリ
マガモ
ハジロカイツブリ
ヒドリガモ
オオセグロカモメ
カンムリカイツブリ
ミサゴ
カワセミ

計14種

野鳥 ハシビロガモ 2017.12.2 不忍池

 

前回同様に不忍池の野鳥の続きで、今回はハシビロガモを特集します。

不忍池では間近で様々な羽衣のハシビロガモを観察・撮影できました。

個体A 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中

三列風切に注目すると、白い軸斑が羽先まで突き抜けているので、エクリプスから繁殖羽へ移行中と分かる。

⇔羽先が淡色の羽縁で目立っていれば、幼鳥から第1回繁殖羽の個体となる。

個体B 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中

上の個体Aと比べて、胸の白い部分がほとんど見えず、また頭部も黒くて緑光沢という状態ではないなど、繁殖羽への移行が進んでいません。

個体C 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中 

見にくいですが、三列風切は白い軸斑が見えるので成鳥です。個体Bに比べて、頭も胸もより繁殖羽に近づいています。

個体D 雌成鳥 非繁殖羽

⇔雌の繁殖羽:まずは三列風切に注目!繁殖羽では淡橙色の斑が現れます。また淡色の羽縁が広がって体全体が明るく見えます。
⇔雄のエクリプス:ここでも三列風切に注目!雄のは黒みが強く、鈍い緑光沢をしています(個体A・Bを見ると分かります)。また体全体が雌に比べて暗く見えます。

個体E 雄幼鳥 幼羽から第1回繁殖羽へ移行中

拡大図にあるように、三列風切の羽先を中心に白い羽縁があることから成鳥ではなく幼鳥です。
頭部やくちばしも黒っぽくなっているので雌ではなく雄です。
虹彩は、成鳥の黄色に比べて幼鳥では黄土色のように鈍い色合いです。

個体F 雄幼鳥 幼羽から第1回繁殖羽へ移行中

個体Eよりも第1回繁殖羽への移行が遅いです。
まずは三列風切の羽先の白い羽縁が目立つので、成鳥ではなく幼鳥です。
次に雄雌の判断ですが、くちばしが黄色でしたら雌幼鳥?と思ってしまいますが、黒いので雄です。また三列風切は雄幼鳥は黒みが強いのですが、雌幼鳥は淡く褐色みがあります。
ちなみに画像では虹彩は黒く見えますが、よく見ると黄土色をしています。この点からも成鳥ではなく幼鳥です。

最後に!
三列風切の模様がハシビロガモの識別の重要な識別点であることが分かります。
皆さん、ハシビロガモを観察・撮影する際は要チェックをお願いします!

野鳥 ユリカモメ 2017.12.2 不忍池 

今回は前回の不忍池探鳥時のユリカモメの冬羽の様子を掲載します。

ユリカモメは3年かけて成鳥になります。

以下の画像では左から成鳥冬羽、第1回冬羽、第2回冬羽と並んでおり、1年ごとに外観が変わる様子が分かります。

若い順に並ぶ姿を撮りたかったのですが、思うようにはなりませんね。次回チャレンジします!


3個体とも同じ条件で太陽光を受けているので色の濃さの違いが分かると思います。脚の色が成鳥に進むにつれて濃い色になっています。

第1回冬羽

今年生まれの幼鳥が最初の冬に換羽する状態を第1回冬羽といい、ユリカモメの場合はくちばしと脚がオレンジ色または黄色を帯びたピンク色となり、雨覆、三列風切、尾羽に褐色斑が出ます。


雨覆、三列風切の褐色斑が目立ちます。よく見ると尾羽の黒帯(4枚目の画像参照)がたたまれた状態でも分かります。


雨覆の拡大画像です。


2個体とも第1回冬羽ですが、右個体の方が雨覆の褐色斑が薄いです。褐色斑の出具合は個体差があり、ほとんど褐色斑に覆われる個体もいます。


飛翔中の個体は2個体とも第1回冬羽で、飛翔時の特徴である尾羽の黒帯が見えます。


顔アップ

動画

第2回冬羽

分かり易い特徴は、①くちばしと脚の色が成鳥の赤よりも薄くオレンジ色に見えること②第1回冬羽のような褐色斑がないことです。


くちばしの色合いの違いは観察条件によって影響しますので注意して下さい。


顔だけですと成鳥冬羽と似ていますね

動画

成鳥冬羽

成鳥冬羽はくちばしと脚が赤いです。第2回冬羽よりハッキリした色になりますが、観察条件によっては第2回冬羽に見える可能性もありますので注意です。


顔アップ


ユリカモメはどのステージでもくちばしと脚の色が連動しているように見えます。

動画

ちなみに横浜でじっくりユリカモメを観察できる場所は山下公園の氷川丸付近がおススメです。

 

探鳥記 2017.12.2 不忍池 10:30~11:30 晴れ

本日は午後から錦糸町で野鳥専門店ホビーズワールド15周年記念企画のカモメ講座を受講する。

せっかく東京に行くので、その前に不忍池で軽くカモ観察をした。

前回不忍池を訪れたのは10月20日で、飛来して間もないオナガガモハシビロガモを観察したのだが、その後彼らはどうなったのだろうか?

前回と同様に弁天堂から入って池の周囲を一周するコースを採った。

弁天堂脇のハス池でさっそくキンクロハジロ雄、オナガガモ雌雌、ハシビロガモを観察。


上から見るとキンクロハジロは湯たんぽのような形に見えませんか?

体前方に日差しを受けるオナガガモ雄。やはり日差しの有無で体色に差が出る。尾がもう少し伸びると繁殖羽に完了。

不忍池は弁天堂を中心に3つの池があるように見えるが、上野寄りの2つの池はハスが水面を覆っているので、残る本郷寄りの池が池らしく広い水面となっている。


手前にキンクロハジロの群れ、奥にスカイツリー、右手奥に弁天堂が見える。

この池ではもっとカモがたくさん水面に浮いている光景を想像していたが、それほどでもなくキンクロハジロカルガモの小群が観察した岸辺近くで休んでいるだけだった。


伸びをするキンクロハジロ。翼帯の様子が良く分かる!

今回カモに変わって目を引いたのはユリカモメ達である。

カモメ講座に行く前だからユリカモメをじっくり観察して予習しよう。

ユリカモメは私達の近くにある柵の上に止まったり頭上付近を飛び回っており、その距離は2mくらいか?

ユリカモメでも雨覆の褐色斑が目立つ第1回冬羽と成鳥冬羽はすぐに分かるが、第2回冬羽の個体はこれらの個体と並ぶと違いが容易に分かる。

ユリカモメをじっくり観察と撮影をした後は、池の外周を回らず左に曲がって弁天堂に向かって進む。

途中の池の水際でハシビロガモオナガガモをじっくり観察できた。

上陸するハシビロガモ雄 エクリプスから繁殖羽へ移行中の個体


一喝!


別名ヘラガモ


オナガガモ雌の優しい表情


オナガガモ雌の羽根模様

最近気になるハシビロガモをしばらく間近で観察・撮影できた!

新横浜公園でも長浜公園でもよい画像が撮れなかったので一安心。

帰り際、今回は前回観察したカワセミに会えないのかなぁと思っていたら、遠くからカワセミの声がする!

どこだ?どこだ?と探索すると遠くのハスの枯れ枝に止まっている姿を発見!

ここで時間となったので、探鳥終了。

カワセミを観察できて気持ち良く不忍池を去ることができた。

最後はスズメでお開き

その後、12時半から18時まで怒涛のカモメ講座を受けた。

講師はカモメ識別ハンドブックの作者である氏原 巨雄・道昭氏である。

日本で観察された全てのカモメを画像を見ながら識別解説する内容である。

講義の3分の2ぐらいは神経をとがらせて集中して聴講したが、密度の濃い内容に最後の方は頭が飽和状態となり、終了後もしばらくは頭がボ~としてしまった!

せっかくのインプットを活かすよう忘れないうちに銚子に行こう!と同行メンバーと誓って本日の野鳥活動を終えた。

見聞きした野鳥(観察順)

キンクロハジロ
オナガガモ
ユリカモメ
セグロカモメ
カルガモ
スズメ
オオバン
カワウ
ハシビロガモ
カワセミ

計10種

野鳥 キンクロハジロ雌 第1回冬羽と推定 2017.11.26 三ッ池公園

前回に続いてキンクロハジロ特集、今回はキンクロハジロ雌の第1回冬羽です。

現場で雌の第1回冬羽を観察した感想は①虹彩が黄土色 ②下腹が白くない ③体が周りの成鳥に比べて小さく見えたことでした。

※この個体は「日本のカモ識別図鑑」P209の右側中段の個体に似ていると思いました。
その下段にある幼鳥画像と見比べると、体上面の色合いが違うので幼鳥ではないと思いますが、もしかしたら幼鳥から第1回冬羽への移行中かもしれません。幼鳥と第1回冬羽との境界が分かりませんので、現時点では第1回冬羽とします。

画像


雌の幼鳥の虹彩は黄土色に見えます。

参考画像

一方、雌幼鳥以外の虹彩は黄色に見えます。画像は成鳥雄です。


成鳥に比べて、体色が薄く、小ぶりな印象を受けました。


成鳥に比べて、下面の色が薄く、下腹や脇に褐色の細かい斑が見えます。

動画

おそらく餌付けに慣れているのでしょう足元まで来ました。

この個体、動画撮影後に対岸に移動して観察していたところ、餌を求めて真っ直ぐこちらに向かって来ました。

同行者からは私がこの個体に好かれていることになっておりましたが。

野鳥 キンクロハジロ雄 2017.11.26 三ッ池公園

今回は三ッ池公園で観察したキンクロハジロ雄の様子を掲載します。

私が見た限りでは、現場にいた雄は全て繁殖羽へ移行中でありましたが、脇羽にうっすらと褐色模様が見えているだけのほとんど繁殖羽に近い状態でした。

水面に白っぽい羽毛があちこちの浮いており、換羽中であることを物語っていました。

画像


脇羽に旧羽の褐色模様が残っています。


次列風切りから初列風切にかけての翼帯は白です。ちょうどくちばしの灰色と翼帯がつながって見えますね。


成鳥の下腹は真っ白です。 ⇔幼鳥には細かい褐色斑の幼羽があります。


紫紺の顔に黄色の虹彩が映えます。

動画

①羽繕い

ラッコのような格好が可愛い!

②羽繕い頭掻き

頭掻きではなくてくちばし掻きですね。
水掻きが手のひらに見えて、自分の顔をひっぱたいているように見えませんか?
俺ってバカ!バカ!バカ!ではなく、実際はかゆい!かゆい!かゆい!でしょうが。

探鳥記 2017.11.26 三ツ池公園 14:50~16:00 晴れ

寺家から三ッ池公園へ。

「三ッ池公園、野鳥」で脳内検索すると、2002年の冬クビワキンクロが観察された場所とトラツグミが割と観察できる場所(最近は分からない)とが出てくる。
魅力的ではあるがクビワキンクロの越冬も後日聞いた話であり、トラツグミも観察済みだったので、実は今回が初訪問。

三ツ池北門に到着するも駐車場が一杯で道路沿いに駐車待ちの車の列が見える。

しまった!入れないか!

正門の駐車場に移動するも、こちらも満車で焦ったが10分ぐらい待って何とか駐車できた。

刻一刻と夕暮れが近づく中でのスタート。

公園内は土曜日なので家族連れを中心に利用者が多い。

ちょっと落ち着いて探鳥するという雰囲気ではないが、カモ観察なので水面に集中して探索する。

下の池をさっと見るも水鳥がいないので、中の池へ。

中の池

水面中央にホシハジロ雌の姿を発見して、まずは一段落。

周りでは2羽のカイツブリが盛んに潜水漁をしている。

奥の方に目を向けるとキンクロハジロの群れを発見!

群れにクビワキンクロが混じっていないか?じっくりとチェックをするも残念ながら見当たらない。

というのも2002年に観察されただけでなく、今シーズン新横浜公園でクビワキンクロ雌幼鳥が観察されたのだが、新横浜公園で確認される前は三ツ池にいたという話を聞いていたのである。

珍鳥クビワキンクロとなぜか縁のある三ッ池公園、今後も注視していきたい。

キンクロハジロの群れは50羽前後で、雄の方が多いようだ。

キンクロハジロ換羽によるものだろう水面に白い羽毛があちこちに浮いている。

ほとんどのオスは脇羽に薄い褐色斑があるも繁殖羽へ完成間際といった感じ。

後もう少しで繁殖羽

キンクロハジロは時々ビックリするぐらい翼を水面に打ち着けてバシャバシャしたり、下腹を見せて羽繕いをしている。

シンクロ?


池の奥の方ではホシハジロの群れも見える。

同行者がキンクロハジロの幼鳥を見つけたので下腹の様子に注意して観察する。

キンクロハジロ雌幼鳥 上陸すると下腹の模様が成鳥とは異なることが分かる。

そばにいる小さい子供がキンクロハジロのことをカモメちゃんと呼ぶ度にニヤニヤしてしまった。

下の池に移動する。

ここではカルガモを多く観察したが、ペア?なのか2羽での行動が目に付いた。

夕暮れが近づいて来たので、観察を切り上げる。

今回ようやく探鳥することができ、三ッ池公園の様子を知ることができた。

週末は利用者が多いので、駐車も含めて快適な探鳥をするならば、早い時間帯がよいと思った。

ところで12月8日早朝に九州探鳥に向かう長崎行きの飛行機から横浜市内を見る機会があった。

水鳥の気持ちになって、どこに降りたら安全かという目線で見ると、横浜市北部なら三ッ池公園と新横浜公園の池が目についた。

北から飛来して来たカモにも同じように見えるのだろう。

ちなみに横浜以外だとやはり相模川や酒匂川流域は広々として降りて休憩したくなる場所に思えた。

こういう場所がガンツルなど警戒心がより強い野鳥の飛来地になっているのもうなずけた。

次回は三ツ池公園のキンクロハジロ特集!

見聞きした野鳥(観察順)

ホシハジロ
カイツブリ
キンクロハジロ
カルガモ
ヒヨドリ
ムクドリ
スズメ

計7種