野鳥 ハシビロガモ 2017.12.2 不忍池

 

前回同様に不忍池の野鳥の続きで、今回はハシビロガモを特集します。

不忍池では間近で様々な羽衣のハシビロガモを観察・撮影できました。

個体A 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中

三列風切に注目すると、白い軸斑が羽先まで突き抜けているので、エクリプスから繁殖羽へ移行中と分かる。

⇔羽先が淡色の羽縁で目立っていれば、幼鳥から第1回繁殖羽の個体となる。

個体B 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中

上の個体Aと比べて、胸の白い部分がほとんど見えず、また頭部も黒くて緑光沢という状態ではないなど、繁殖羽への移行が進んでいません。

個体C 雄成鳥 エクリプスから繁殖羽へ移行中 

見にくいですが、三列風切は白い軸斑が見えるので成鳥です。個体Bに比べて、頭も胸もより繁殖羽に近づいています。

個体D 雌成鳥 非繁殖羽

⇔雌の繁殖羽:まずは三列風切に注目!繁殖羽では淡橙色の斑が現れます。また淡色の羽縁が広がって体全体が明るく見えます。
⇔雄のエクリプス:ここでも三列風切に注目!雄のは黒みが強く、鈍い緑光沢をしています(個体A・Bを見ると分かります)。また体全体が雌に比べて暗く見えます。

個体E 雄幼鳥 幼羽から第1回繁殖羽へ移行中

拡大図にあるように、三列風切の羽先を中心に白い羽縁があることから成鳥ではなく幼鳥です。
頭部やくちばしも黒っぽくなっているので雌ではなく雄です。
虹彩は、成鳥の黄色に比べて幼鳥では黄土色のように鈍い色合いです。

個体F 雄幼鳥 幼羽から第1回繁殖羽へ移行中

個体Eよりも第1回繁殖羽への移行が遅いです。
まずは三列風切の羽先の白い羽縁が目立つので、成鳥ではなく幼鳥です。
次に雄雌の判断ですが、くちばしが黄色でしたら雌幼鳥?と思ってしまいますが、黒いので雄です。また三列風切は雄幼鳥は黒みが強いのですが、雌幼鳥は淡く褐色みがあります。
ちなみに画像では虹彩は黒く見えますが、よく見ると黄土色をしています。この点からも成鳥ではなく幼鳥です。

最後に!
三列風切の模様がハシビロガモの識別の重要な識別点であることが分かります。
皆さん、ハシビロガモを観察・撮影する際は要チェックをお願いします!

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