探鳥記 2017.12.8 九州探鳥① 大授搦 前半 11:40~14:50 曇り一時雨

前日になって参加メンバーからヒメハマシギが大授搦で観察されているとの情報がもたらされた!

今回の2泊3日のツアーでは、大授搦での探鳥は2日目の諫早湾から出水への移動の途中に立ち寄ってズグロカモメツクシガモを観察するだけに留める予定だった。

が、ヒメハマシギが観察できるチャンスがあるとなれば、話は変わる。

諫早湾でナベコウ探索に時間をかけたいので、予定通り2日目に行くことも考えたが、いつヒメハマシギが飛び去るか分からないし、潮位も初日は5.1m、2日目は4.8mと5mを切ってまう。

大授搦は遠浅の干潟なので、少なくとも5m以上が観察に適した最低ラインであるし、ヒメハマシギのような小型のシギを探索するには潮が満ちてより近くで観察できる初日の方が良いに決まっている。

実際のところ、機内での動向メンバーとの話合いでようやくこの結論に至ったのは有明海の上空を過ぎた頃である。

長崎空港到着後は迷うことなく真っ直ぐ大授搦へ。

大授搦付近に近づくと前回の探鳥癖?で車窓からのカササギ探索が自然と行われた。

前回は車で通る度にカササギを観察できたカササギ街道でも見当たらなかったが、飛翔するカササギを観察できたメンバーもいた。

大授搦の懐かしい堤防が見えてくると、前回のシギチドリ探鳥の思い出と今回の期待感で気分が一気に高揚する。

堤防上に駐車して、現場にいたバーダーの皆さんにヒメハマシギ等の干潟にいる野鳥の状況を尋ねると、本日は観察していないとのこと。

彼らは堤防裏の桜並木に来るシラコバトを待っているようである。

シラコバト

まずは満潮近いタイミングでヒメハマシギを探すことに夢中で、その時は関心を示さなかったが、後々この情報のおかげでシラコバト観察につながった。

準備を終えて目の前に広がる広大な干潟を眺めると、この中からヒメハマシギを探すのかとしばらく呆然とする。

遠くから眺めると、ヒラヒラと飛んでいるズグロカモメ、脇羽の白が目立つツクシガモ、干潟で一番大きいダイシャクシギが目に付く。

干潟の降りて再度近距離からざっと観察すると、あちこちに鳥がいるので観察に迷ってしまうが、まずはダイシャクシギの群れに注目!

9月の探鳥時でもダイシャクシギの群れを観察したが、ここまでは多くなかった。ざっと50羽はいるか。

よく見るとややくちばしが短い幼鳥やチュウシャクシギも混じっている。
ダイシャクシギ。下腹から下尾筒の白さが目立つ。

ダイシャクシギの群れの周囲にはハマシギシロチドリミヤコドリがおり、改めてダイシャクシギの大きさが分かる。

左手からコサギの群れが飛んで来たと思ったら、何とクロツラヘラサギだった。

突如現れたクロツラヘラサギの群れ。


ヘラ状のくちばしは逆光でも目立つ。

単体のクロツラヘラサギは何度も葛西臨海公園で観察しているが、数えてみると14羽の群れであり、さすが大授搦である。

クロツラヘラサギは干潟に降り立ったので採餌ではなく休息するのだろう。

ダイシャクシギのそばではツクシガモが採餌に夢中だ。

ツクシガモは干潟にたくさんいるのだが、ほとんど奥の水際にいるので観察・撮影には苦労した。
動画

ツクシガモを中心にさっと干潟の様子を撮影。

この個体だけがかろうじて近くにいてくれて助かった。
動画

ツクシガモ成鳥雌

右手を見るとハマシギの大群が上空をしばらく右往左往したのちに干潟に舞い降りた。

この中にヒメハマシギがいる可能性があると降り立った場所近くに移動する。

ヒメハマシギヨーロッパトウネンくちばしが長いタイプとざっくりイメージして、集中力が持つ限り、ひたすら探した。

探索中の合間にシロチドリメダイチドリを見つけたり、上空を飛んだり干潟でじっとカニを待ち構える?休憩する?ズグロカモメを観察。
動画

ハマシギの群れを駆け抜けるメダイチドリ

以前、ズグロカモメを冬に葛西臨海公園で1羽観察したことがあるが、ここは本場の越冬地九州だから数が違う。

干潟にはユリカモメもいるがズグロカモメの方が断然多い。

ユリカモメと比較すると、くちばしの色よりも短さの方が違いが目立つ。

ズグロカモメ成鳥冬羽  ユリカモメに比べてくちばしが短くがっしりしているのが特徴

動画

強風で鳴き声が聞こえないのが残念!

引き続きヒメハマシギ探索は続くも見当たらず。

すでに南に飛び去ってしまったのか?潮位などの条件が悪いだけで有明海のどこかにいるのか?もともと今回の九州探鳥で観察できるとは思わなかったが、かすっていただけに残念ではある。

またアカツクシガモソリハシセイタカシギは冬の大授搦だったら観察できると淡い期待をしていたので、ヒメハマシギより残念度は高い(※先日、大授搦でアカツクシガモが観察されたとのこと)。

満潮が近づくにつれ鳥達がこちらに近づくのを期待したが、満潮時間の12時41分となっても干潟も鳥達にもさほどの変化がない。
動画

強風と時折降る小雨の中で、本来の目的だったツクシガモズグロカモメをじっくり観察できたし、本日中に探鳥したい場所も他にあるので、今回はこの辺で終わりにしよう。


ダイシャクシギ 干潟でのラストショット
大授搦後半編は次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)前半のみ

チョウゲンボウ
スズメ
ハシボソガラス
ズグロカモメ
ツクシガモ
ダイシャクシギ
チュウシャクシギ
ハマシギ
シロチドリ
ダイゼン
セグロカモメ
ミヤコドリ
クロツラヘラサギ
ユリカモメ
アオアシシギ
メダイチドリ
マガモ
オナガガモ
ハクセキレイ
ダイサギ

計20種 目撃談:カワラヒワ、ソリハシシギ

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