「九州・沖縄エリア探鳥記」カテゴリーアーカイブ

探鳥記 2019.1.20 諫早干拓地③ 2日目前半 7:10~17:50 雨のち晴れ

前夜からの雨は出発の6時ぐらいには止むとの予報であったが、諫早干拓地に到着した7時になっても降り続いている。

ねぐら入りした付近に到着したとは思うが、周囲は暗くしばらく待機が続く。

横浜より日の出の時間も遅いし、しかも雨模様なのだから暗いのは当たり前。

待機中の車窓からコガモ?の小群が道路脇の農耕地から飛び去っていくのが見えた。

夜行性のカモ達は食事を終えて、ねぐら入りするのだろう。

少しづつ明るくなり始めた頃、仲間が早速に電柱止まりしているナベコウを発見!

ナベコウとの距離を考えつつ、ねぐら立ちを待つ。

待機中、ナベコウのいる電柱の下を放し飼いにされた犬や車が通り過ぎて、その度に我々を冷や冷やさせたが、ナベコウは日常の光景なのか別段気にしていない様子。

電柱のナベコウが脚や頭をもぞもぞと動かし始めたので、こちらも呼応して緊張感が高まっていく。

もぞもぞする度に動画撮影を開始するというフライングが何回も続く。

そしてついにテイクオフ!

ナベコウのねぐら立ちの瞬間に立ち会え、動画撮影にも成功した。

周囲は緊張感から解放され、安堵感と喜びに包まれたが、ナベコウの着地場所が気になる。

遠くへ飛び去ってしまうかと心配したが、そばにある水路に降り立った模様。

その場所に移動して、恐る恐る水路をのぞき込むが見当たらない。

確かにこの水路だと何度も確認して、遠くまで伸びる水面付近を探すもいない。

諦めかけてふと土手に目をやると、目の前20mくらいの場所にナベコウがたたずんでいるではないか!


探鳥記3回目にして初登場のナベコウ アフリカの大地が似合いそうな鳥である

ナベコウはしばらくその場にいた後⇒そばの農耕地で採餌行動⇒工場の屋根に上がる⇒電柱に移動⇒そばの水路に降りる行動をした。


明るくなっても、黒っぽく見えるのは変わらないナベコウ

ナベコウには人目を気にせず朝食をとってもらいたいので、この場を離脱して、森山干拓地へ移動。

前回探鳥時、早朝の森山干拓地は鳥密度が特に凄かったので、オオカラモズの探索に集中する前に覗いてみたかったのだ。

到着した時には雨が止んではいたが、まだ所々薄い霧が残っている。

アシ原や霧の合間からヘラサギナベツルマナヅルなどが観察するのも風情があって良い。

マガンアカツクシガモの情報もあるが、見当たらず。

再度来ることにして、いよいよオオカラモズを求めて中央新干拓地へ移動。

前日の午前中は駐車場前に広がる農耕地で活発に採餌行動をしていたとのこと。

そこで農耕地を中心に探索することにした。

農耕地では多くのタゲリタヒバリヒバリハクセキレイなどが盛んに採餌行動中。

特に関東バーダーにはタゲリの多さに驚く。

車をゆっくり走りながら観察していると、前方の農耕機の上にセキレイみたいな鳥がいる。

取り敢えず双眼鏡で確認してみたら、ビックリ!何とオオカラモズではないか!

良く見るとセキレイではなくモズのフォームなのだが、長い尾羽が特に目に付く。

オオモズとの分かり易い違いである、翼にある白斑が2つ見えるのを確認した。

メンバー全員が突然の出会いに歓喜して、急いで観察と撮影をする。

オオカラモズが逃げないように祈りながらの観察・撮影であったが、やはり車内からの観察・撮影の方が鳥への警戒心は低いので助かった。

このオオカラモズ、前日と同じく農耕地や周辺の樹木やポールなどを活発に動き回っていた。


ナベコウオオカラモズ観察と2大目標を遂に達成!

オオカラモズを観察中、仲間が駐車場前にある広い水路にいるツルシギを発見。

ツルシギのそばでは6羽のタシギが採餌や水浴びをしていた。


意外にも初めて見たタシギの水浴び 次列風切先端の白色が見えます 

まだ他にシギがいるかもと探したところ、クサシギを発見。

立て続けのシギ3連発はこれまた嬉しかった。

前日の午前中にマミジロタヒバリが頻繁に観察されていたとのことで、引き続き周囲の農耕地を探索。

残念ながらマミジロタヒバリは発見できなかったが、仲間がホシムクドリを発見!

※音声は消しています

これまた嬉しい出会いとなった。

お腹が空き始めた頃なので、干拓地の外にあるコンビニへ移動。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順) 今回の中央新干拓地までの分

ナベコウ
タヒバリ
キセキレイ
ハシボソガラス
カルガモ
アオサギ
ハクセキレイ
ヘラサギ
ホオジロ
ツグミ
キジバト
カワラヒワ
トビ
ベニマシコ
アオジ
バン
ツリスガラ
ウグイス
マガモ
オオバン
ミコアイサ
カワウ
チュウヒ
ジョウビタキ
ヒヨドリ
キジ
ミサゴ
コガモ
ハシブトガラス
ハイイロチュウヒ
タゲリ
オオカラモズ
ヒバリ
タシギ
ツルシギ
チョウゲンボウ
クサシギ
モズ
ダイサギ
ヒドリガモ
ホシムクドリ
スズメ

計42種

 

 

探鳥記 2019.1.19 諫早干拓地② 1日目後半 11:00~18:00 晴れ

前回の探鳥では鳥密度の濃かった森山干拓地。

初日に様子だけでも是非とも確認したかった場所だ。

小川のほとりでベニマシコカシラダカなどの声を聞きながら周囲を探索していると、今度も不意にハイイロチュウヒ雄が登場。

颯爽と我々の前を横切っていった。

やはり華のある彼が登場すると盛り上がる。

次にクロツラヘラサギの小群!が頭上を通過して行った。

奥のアシ原ではナベツルマナヅルがねぐら入りしているのが見えた。

関東では見られない光景が続き、九州に来たことを改めて実感する。

ここからは遠くではあるが諫早湾内の水鳥も観察できる。

ウミアイサミコアイサカンムリカイツブリなどを観察。

※期間中この場所にアカツクシガモがいたとのことだったが、残念ながら計4回チャレンジしたが観察できず、当日観察できたバーダーもおり、運をナベコウオオカラモズで使い切ったようだ。

だんだん夕暮れが近づいて来た。

急いで再度オオカラモズを見つけるため、中央新干拓地に戻る。

堤防上から2つのポイントを中心に探索するも見つからず。

本日はご縁がないので、明日早朝に気合を入れて探索しよう。

草原ではコチョウゲンボウの雄と雌が別々の木立に止まっている。


コチョウゲンボウ


コチョウゲンボウ

どちらも羽繕いをするなどのんびりとしている様子。

少しでも近くから観察しようと草原の中央にある観察台に移動。

この移動のおかげで、観察台そばでツリスガラと出会えることになった。

最後に観察したのが1998年の葛西臨海公園だから約20年ぶりの再会!

ナベコウも嬉しいが、この再会も感慨深いものとなった。

この頃は西日本の冬鳥ツリスガラが東進していた時期で、毎年葛西臨海公園で会っていた。

まさかその後に西に後退して、20年かかるとは思わなかった。

最近では生息環境や習性は異なるが、リュウキュウサンショウクイが東へ爆進中?であり、当時はこのような存在であった。

久々のツリスガラの印象であるが、20年前に観察したのと異なるのは、チゴモズと頭部が似ていることだ。

青灰色の頭部と太くて黒い過眼線はそっくりである。

周囲ではチュウヒハイイロチュウヒがねぐら入りなのだろう舞い始めた。

ねぐら入りといえば、渡良瀬遊水地や稲敷であれば、このまま猛禽類のねぐら入りを観察するのだが、今回はナベコウのねぐら入りを観察できるチャンスであるから、きちんと押えておきたい。


観察台から駐車場へ向かう

17時を過ぎて中央旧干拓地へ移動。

先ほどのバーダーの方の情報によると、16時半過ぎにはねぐら場所の電柱にいることが多いとのこと。

すでにねぐら入りしているとの前提で、まずは前日観察したという場所に向かうも姿がない。

そこで周囲の電柱等高い場所をひたすら探すことに。

だんだん暗くなり始めて、探索が困難になってきた。

諦めムードが漂う中、ついに仲間が電柱止まりするナベコウを発見!


ねぐら入りしたナベコウ

肉眼だとすでに黒い塊状態だが、スコープではくちばしと脚の赤さは確認できた。

このナベコウ、時々くちばしを出し入れしたり、羽繕いをしていた。

そんなナベコウを見ながら、改めて本日ナベコウを観察できた喜びに浸った。

まさかねぐら入りまで見ることができるなんて、、、。

と、しんみりとしたのは数秒、欲は膨らむもので、明日はねぐら立ちを是非見たい!

夜明け前にこの場所に来ることに決めて、本日の宿のある長崎市内に向かった。

ナベコウのねぐら入りの撮影は動画からも分かるように相当の距離から観察・撮影しており、かつ長居はしておりません。この距離がはたしてナベコウに過剰なストレスを与えない適正距離かどうかは分かりませんが、こちらを警戒しているようには見えませんでした(あくまで主観でありますが)。これは次回掲載のねぐら立ちでも同じでした。この動画が今後の観察・撮影の参考(というか検討材料)になれば嬉しいです。

見聞きした野鳥(観察順)1日目合計

ミヤマガラス
アオサギ
ダイサギ
カルガモ
ハクセキレイ
カワラヒワ
アトリ
トビ
チョウゲンボウ
ノスリ
ヒバリ
スズメ
クサシギ
コサギ
カワセミ
コガモ
ホオジロ
オオバン
ハシボソガラス
ハイイロチュウヒ
ナベコウ
タヒバリ
ミサゴ
セグロセキレイ
ムクドリ
モズ
カイツブリ
イソシギ
ハシビロガモ
マガモ
ベニマシコ
ヒドリガモ
オカヨシガモ
コチョウゲンボウ
タゲリ
ツグミ
チュウヒ
ジョウビタキ
カシラダカ
アメリカヒドリ
カワウ
ヒヨドリ ⇦ここから後半に新たに観察できた種
ハシブトガラス
クロツラヘラサギ
ウグイス
ナベヅル
マナヅル
カンムリカイツブリ
ヘラサギ
ウミアイサ
ミコアイサ
ヨシガモ
オナガガモ
タシギ
オオジュリン
ツリスガラ
アオジ

計57種

探鳥記 2019.1.19 諫早干拓地① 1日目前半 11:00~18:00 晴れ

今回は諫早干拓地を探鳥、1泊2日の強行遠征である。

前回の訪問は約1年前の2017年12月9日、ナベコウを終日探索したが見つからず、残念無念のまま出水平野に向かったのを覚えている。

前回からこの1年、ずっと頭の片隅にナベコウが住み続けるので、今回はナベコウを何としても観察したい。

そのナベコウ探索メンバーは、前回参加の3人と、ナベコウに過去3回フラれているが4度目の正直を願う大物女性バーダーの計4人。

つまり4人ともナベコウは未見であり、目をギラギラさせた状態で羽田空港から諫早干拓地入り!

さぁ、いよいよ探鳥だ!というムードで機材の準備をしていると、島原鉄道線の黄色の可愛い車両が通過するのが見え、しばしホッコリ気分となった。


車体側面には、日本の1号機関車が走った島原鉄道 との文字

仕切り直しで周囲を見渡すとミヤマガラスの群れを発見。

諫早干拓地の探鳥第1号の鳥は、九州らしいのだが渋すぎる。

ミヤマガラスの群れを見ると反射的にコクマルガラスを探してしまうが、確認できず。

いよいよ本格的に干拓地に入り込んでナベコウを探すため、前回同様にナベコウの目撃談が多い中央旧干拓地へ。

目の前に広がる1年ぶりの風景を見て、前回の広大な農耕地とその脇を通る水路を1本1本丁寧に探索し続けた苦労を思い出してしまい、今回も見れないのではないか?と不安がよぎった。

そんな気持ちを打破したのは突如間近に現れたハイイロチュウヒ雄だ。

どうやら近くの水路から飛び立ったようで、狩りでもしていたのだろう。

ハイイロチュウヒ雄の登場に興奮冷めやらぬうちに、今度は仲間がはるか上空を飛翔する未確認飛行物体を発見!

急いで双眼鏡で入れると首を伸ばして悠然と舞う大きな鳥の姿が見えた。

ナベコウ

更に凝視すると下面の白と黒の模様がナベコウと符合した(前日にナベコウの体下面の模様をチェックしたばかりだった)。

ナベコウだ!

突然のナベコウの出現に現場は興奮状態。

今度は60倍のスコープで確認すべく苦労して視界に入れると、特徴であるくちばしと脚の赤を確認できた。

まさにナベコウ

探鳥開始間もなく訪れた、いきなりのクライマックス!

メンバーと顔を合わせて喜びを分かち合いたいのだが、今はせっかく遭遇したチャンスを逃すまいとナベコウがどこに降りたつのか?スコープでの追跡に専念した。

60倍スコープの視界にずっと入れて、はるか上空を舞いながら奥へ移動するナベコウを数分は追跡したと思う。

ついにナベコウは遠くの工場や病院施設のような建物の手前に舞い降りた。

ここからどれくらい離れているのだろうか。

ナベコウが次の場所に移動しないうちに降り立った付近に急行することにする。

目印の屋根を頼りに付近を捜索するが見当たらない、、、が、探索中にコチョウゲンボウチョウゲンボウノスリ猛禽類を次々に発見した。

取り敢えずナベコウを見たのだから、本日のねぐら入りや明日以降の観察を期待して、中央新干拓地に移動。

ここでの目標はオオカラモズだ。

話は前後するが、ナベコウ発見時に我々と同じく遠征中のバーダーと出会った。

この方からは初対面にもかかわらず惜しげもなく諫早干拓地の貴重な情報をいただいた。

中でもナベコウの最近の行動の様子やねぐらポイントだけでなく、オオカラモズが諫早干拓地にいるという情報は有難かった。

というのも、秋に諫早干拓地と大授搦で観察されたオオカラモズがまだどちらかに滞在中であることは把握していたのだが、どちらにいるのか?分からないまま来てしまったのだ。

そこで無事ナベコウを観察した際はオオカラモズを求めて大授搦へ行く準備もしていただけに、まさに吉報となった。

話を戻すとして、ナベコウを見つけた勢いでオオカラモズも見つけるぞ!と、中央新干拓地奥の駐車場に到着。

最近のオオカラモズのポイントは、①そこから堤防に上がって面前に広がる広大な草原が一部スクエアに刈り取られたエリアと②駐車場前に広がる農耕地とのこと。

オオカラモズが止まりそうな樹木、ポール、杭などを何度もチェックするも、オオカラモズがいる雰囲気がない。

オオカラモズ探索をしつつ、今朝道路脇に出ていたというマミジロタヒバリや、猛禽類、サンカノゴイ、水辺のカモを探索した。


ここでは普通種のタゲリ 

これといった成果がないまま、貴重な時間が過ぎていく。

タイミングの問題もあると考えて、もう一度ここに戻ることに決めて、いったん森山干拓地へ移動することにした。

続きは次回。


前)イソシギと奥)クサシギ  やはり諫早でもシギ・チドリは気になる存在である。似たもの同士だが、大きさは明らかに違う。

見聞きした野鳥(観察順) 今回の中央新干拓地まで

ミヤマガラス
アオサギ
ダイサギ
カルガモ
ハクセキレイ
カワラヒワ
アトリ
トビ
チョウゲンボウ
ノスリ
ヒバリ
スズメ
クサシギ
コサギ
カワセミ
コガモ
ホオジロ
オオバン
ハシボソガラス
ハイイロチュウヒ
ナベコウ
タヒバリ
ミサゴ
セグロセキレイ
ムクドリ
モズ
カイツブリ
イソシギ
ハシビロガモ
マガモ
ベニマシコ
ヒドリガモ
オカヨシガモ
コチョウゲンボウ
タゲリ
ツグミ
チュウヒ
ジョウビタキ
カシラダカ
アメリカヒドリ
カワウ

計41種

 

探鳥記 2018.4.7~9 奄美大島 まとめ

行動記録

4月7日 奄美空港⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒アヤマル岬⇒名瀬市⇒南部林道⇒名瀬市

4月8日 名瀬市⇒秋名⇒観察の森⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒アヤマル岬⇒観察の森⇒北部林道⇒名瀬市

4月9日 名瀬市⇒観察の森⇒打田原⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒奄美空港

プランについて

参加数:6人で1台のレンタカーを使用

時期:春の渡りと奄美固有種の繁殖期とが重なる時期を狙いました。

宿泊日数:2泊3日でしたが、羽田⇔奄美大島の直行便がJALの1日1本のみ。しかも羽田12:05⇒奄美空港14:20、15:05⇒17:05の運行なので島内での活動時間は約48時間のまる2日分のみ。今回は北部中心でしかも天気が良かったので探鳥に時間が取れましたが、島内全域での探鳥や悪天候を考慮すると3泊4日でも良いと思います。

事前の会合:今回は初めて事前にメンバー間で会合する機会を作りました。スケジュールの把握はもちろんですが、メンバー各々で見たい鳥、行きたい場所などの意見を出し合って活動中のストレスの軽減を図りました。見たい鳥が見れない状態が続いた時に現場での判断材料の1つとして役立つと思います。

探鳥雑記

南国・4月というイメージで勝手に温暖な気候であると決めつけて防寒対策を怠り困りました。まさか奄美大島でカイロを腰や肩に貼るとは思いませんでした。フリースなどを用意すると良いです。

アマミヤマシギは夜間に林道で探鳥した経験者の意見を加味すると、そこまで観察に苦労する鳥ではないようです。観察中はゆっくりとした速度で対向車・後続車・地表面の生き物をひき殺さないように気を付けてください。

ルリカケスは島内の様々な環境で観察することができました。観察メインなら奄美自然観察の森をおススメします。

大瀬海岸は空港の近くなので、搭乗時間までの時間調整ができる探鳥地です。潮が引くと遠距離観察となるので潮見表で事前のチェックをお願いします。

事前情報だけでなく現場での最新情報を得ることも大切です。バーダーと出会った際は情報交換をおススメします。

見聞きした野鳥(鳥類目録 改訂第7版順)

ヒドリガモ
カルガモ
ハシビロガモ
オナガガモ
カイツブリ
カラスバト
キジバト
カワウ
アオサギ
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
クロサギ
シロハラクイナ
オオバン
アマツバメ
ムナグロ
ダイゼン
コチドリ
シロチドリ
メダイチドリ
セイタカシギ
アマミヤマシギ
タシギ
オオソリハシシギ
アオアシシギ
キアシシギ
イソシギ
キョウジョシギ
オバシギ
ハマシギ
ツバメチドリ※
クロハラアジサシ
ミサゴ
トビ
ツミ※
サシバ
リュウキュウコノハズク
カワセミ
コゲラ
オオアカゲラ
サンショウクイ
ルリカケス
ハシボソガラス
ハシブトガラス
ヤマガラ
シジュウカラ
リュウキュウツバメ
ヒヨドリ
ウグイス
メジロ
セッカ
ムクドリ
トラツグミ
シロハラ
アカヒゲ
イソヒヨドリ
キビタキ
スズメ
キセキレイ
ハクセキレイ
ムネアカタヒバリ

合計62種 ※は他のメンバーが観察。

春の渡りの珍鳥観察に淡い期待を寄せていたが、今年は特に状況が悪かったです。

同時期の目撃談として、ヤツガシラマミジロタヒバリアオバズクがありました。

 

探鳥記 2018.4.9  奄美大島探鳥④ 3日目 7:00~13:45 晴れ

本来なら最終日は南部の渡り鳥の観察ポイントを巡る予定であった。

が、奄美大島に到着してからの最新情報を分析した結果、どうやら今年の渡りの観察状況は厳しいとのことなので中止とした。

ということで最終日も引き続き自然観察の森や大瀬海岸など北部を探鳥することにした。

まずは自然観察の森へ。

奄美自然観察の森 7:00~10:10

昨日より2時間早く到着。

やはり時間帯が早い方が鳥を見聞きする機会が増える。

個人的には声は聞けども姿を見ていないアカヒゲを何とか観察したい。

昨日アカヒゲが目撃された場所を中心にして森の中を探索。

突如、メンバーからオオアカゲラ発見の一報!

駆けつけるとちょうど捕食のため木を削っている最中だった。

※0:37付近で幼虫を捕食

その後も様々な鳥を観察するが、アカヒゲには出会えず。

森の中を歩き回って、そろそろアカヒゲ探索を諦めないといけない時間となった。

最後にもう一回と決めてアカヒゲがいそうな林床部を探索していると、オレンジ色が目に入った。

その時の場面が以下の画像で、執念が実った瞬間であった。

前に振り向いて顔から胸にかけて黒い部分がないので雌と分かった。

ただでさえカワイイ小鳥なのに最後の最後で見つけた喜びも合わさって感激した!

雌に会えたことで満足して余韻に浸っていると、更にメンバーがそばにいる雄を発見!


雄は雌に比べて顔から胸にかけて黒いので一目で区別できる。


沖縄にいる亜種リュウキュウアカヒゲに比べて脇に黒斑がある。

アカヒゲとの出会いは奄美大島探鳥のクライマックスであった!

お世話になったレンジャーの方に感謝のご挨拶を済ませ、気持ちよく観察の森を去った。

見聞きした野鳥(観察順)

キジバト
ズアカアオバト
メジロ
ヤマガラ
ルリカケス
アマツバメ
アカヒゲ
サンショウクイ
シジュウカラ
シロハラ
オオアカゲラ
コゲラ
ウグイス

計13種 目撃談:ツミ

打田原 11:20~11:40

カラスバトルリカケスが観察しやすい場所との話を聞いたので、大瀬海岸方面に向かう前に立ち寄った。

到着後、奥の草原から早速カラスバトの唸り声が聞こえてきた。

姿を探すも一度だけの声でそれ以降は見聞きできなかった。

眼下に奄美の綺麗な海を臨むことができ、鳥を中心に奄美大島を見て来た私にはより鮮やかに見えた。

海の手前に広がる緑地をルリカケスが頻繁に行き来していた。

今回の探鳥中、森から海岸線まで様々な環境でルリカケスをたくさん観察でき、一時期の個体数減少による危機は脱したかのように思われる。

ここでも時よりアカヒゲの朗らかな声を聞くことができ、ニンマリ。

次の目的地、ムネアカタヒバリを求めて宇宿漁港へ。

聞きした野鳥(観察順)

カラスバト
ルリカケス
アカヒゲ
ハシブトガラス
シジュウカラ

計5種 目撃談:ヤマガラ

宇宿漁港 12:10~12:40

今日こそムネアカタヒバリを観察したい!

二度あることは三度ある?三度目の正直?

今回は漁港の奥地まで徹底的に探索するつもりだったが、到着して直ぐに2羽いるところを発見!


前半は前方からの動画で胸の薄紅色が目立つ。後半は横からのスロー動画で上面の太い縦斑が目立つ。

5分は近くにいただろう、2日分じっくり観察できた。

ここではセッカやシロチドリの他、メンバーがサシバを観察した。

ちなみに次の日にマミジロタヒバリが観察されたとのことで、タヒバリ類の観察が多いという噂通りの探鳥スポットであった。

見聞きした野鳥(観察順)

ハクセキレイ
ムネアカタヒバリ2
セッカ
シロチドリ

計4種 目撃談:サシバ

大瀬海岸 12:45~13:45

本日もまた探鳥することになった大瀬海岸。

飛行機の出発時刻が15:05なので、ここを最後の探鳥地として時間調整をすることにした。

昨日よりもシギチドリが種類・数ともに増加、新顔はセイタカシギタシギ

本日もクロハラアジサシを観察、大瀬海岸が気に入っているようだ。

メンバーが海岸の陸地側の上空でツバメチドリの群れを観察。

私は海岸にいるシギチドリ観察中で観察できず残念!

ここで時間となったので空港へ向かい、今回の奄美大島探鳥が無事終了。

見聞きした野鳥(観察順)

ムナグロ
オバシギ
クロサギ
リュウキュウツバメ
セイタカシギ
ダイサギ
アオアシシギ
オオバン
マガモ
イソヒヨドリ
アオサギ
メダイチドリ
ハマシギ
ハシビロガモ
クロハラアジサシ
キアシシギ
コチドリ
ダイゼン
タシギ

計19種 目撃談:ツバメチドリの群れ

探鳥記 2018.4.8 奄美大島探鳥③ 2日目後半 12:40~21:45 晴れ

奄美自然観察の森から宇宿漁港へ。

宇宿漁港 12:40〜12:45

天候も穏やかで良い観察条件だったが、昨日に続きイソヒヨドリのみの観察となった。

ムネアカタヒバリとは出会えるのか?

大瀬海岸へ移動。

大瀬海岸 12:50〜13:08

昨日に比べて水際がより手前で観察しやすい条件ではあるが、鳥の種類・数ともに少ない。

シギチドリムナグロのみで残念であったが、昨日に続きクロハラアジサシを観察できた。

※早朝にここで岩の上にいるヤツガシラの目撃談があった。

見聞きした野鳥(観察順)

ダイサギ
チュウサギ
アオサギ
クロサギ
ムナグロ
クロハラアジサシ
ミサゴ
オナガガモ

計8種

アヤマル岬 13:15〜14:00

天気が良いので人が多く、探鳥には不向きな状況。

昨日不活発であったツバメは本日は悠々と青空を飛び回っていた。

あちこちに広がる芝生の上にいる珍鳥を妄想しながらの探鳥となったが、発見できず。

再度、奄美自然観察の森へ。

見聞きした野鳥(観察順)

ミサゴ
ツバメ
クロサギ
カワウ
イソヒヨドリ
ヒヨドリ
オオバン
カイツブリ

計8種

奄美大島自然観察の森 14:30〜18:10

3時間ぶりの観察の森、いよいよ後半戦のスタート!

先ほどよりは森が鳥の声でにぎやかに感じる。

アカヒゲの美声が相変わらず森に響き渡り(観察できないのだが)、上空高い場所からはカラスバトズアカアオバトの声、一度だけリュウキュウコノハズクの声が聞こえてきた!

そしてオーストンオオアカゲラのドラミング!

奥の水場に行くとちょうどルリカケスがいた。

水を飲む行動からも警戒心の強い鳥と感じた。

この旅、一番の近さでの撮影となって喜んだが、その間にアカヒゲが今まで待機していた場所に登場して観察機会を逸してしまった。

全てはうまくいかないものである、、、。

この頃、観察の森にY社とA社の野鳥ツアーが到着して、森がにぎやかになった。

我々はY社の皆さんの近くで引き続き野鳥観察を続けていたのだが、ここでY社担当のNさんと初めてお会いした。

Nさん担当のツアーの人気は何度も耳にしていたが、なるほどNさんの気配りと適切な指示と気さくさを目の当たりして納得した。

そばにいる我々一同もまるでツアー参加者ではないかと思ってしまうほど、Nさんや参加者と野鳥談義や情報交換をするなど雰囲気の良い時間を過ごすことができた。

ここではズアカアオバトの姿を観察することができた。

森の中で声は何度も聞いていたが、ようやくの御対面。

ズアカアオバトは周りの緑に溶け込んでおり、見つけにくい理由が改めて分かった。

夕方近くになり、今回の探鳥の主目的であるアマミヤマシギが今夜観察できるのか?そわそわしてくる。

自力で見つけたいという頑な考えはもはや不要だ。

朝から我々に優しいご対応のレンジャーの方におススメ観察ポイントをすがりつくように尋ねると快諾!

どうやらこの付近の林道ではたいてい観察できるとのこと。

まだ観察していないのに、もうアマミヤマシギに出会った気分となり、気持ちよく夕食を求めて市街地へ向かった。

夕食は豆腐料理専門店の島とうふ屋。前日に続き、ここの料理も美味しかった。

見聞きした野鳥(観察順)

ルリカケス
ヤマガラ
アカヒゲ
カラスバト
ズアカアオバト
ヒヨドリ
オオアカゲラ
キジバト
サンショウクイ
リュウキュウコノハズク
キビタキ

計11種

北部林道 20:00〜21:45

お腹も満たし、いよいよ夜の林道に出陣!

昨夜の林道探鳥と同様にリュウキュウコノハズクの声を聞きながらの探鳥となった。

今回はリュウキュウコノハズクの枝止まりの姿も是非見てみたい。

ゆっくり車両を進めながらアマミヤマシギがいないか道端付近の草地を凝視する。

しばらくすると道沿い高い斜面でシギらしき個体をメンバーが見つけた。

すぐに飛び去ってしまったが、目撃メンバーによると大きさとくちばしの形から多分アマミヤマシギだろうとのことであった。

いよいよアマミヤマシギと出会うチャンスが近づいて来た。

更に車を進めると今度は運転手の「いたー!」という叫びが。

どこだ?どこだ?と必死の探すと何と目の前の草地の斜面にいた。

車のライトだけではハッキリ見えなかったので、手持ちのライトを照らすと憧れのアマミヤマシギの姿が!

舞岡公園で長年ヤマシギを見てきたので、一目でヤマシギとは異なるのが分かった。

念願のアマミヤマシギと出会えて喜びと安堵感で胸が一杯となった。

更に別個体を見つけるべく車を進める。

前方50mぐらい前の路上中央で再びアマミヤマシギを発見。

この個体は全身の姿を観察できたので、ヤマシギと比べて長くガッシリした脚を持つことが分かった。

アマミヤマシギを観察した後、今度は夜の観察の森に立ち寄ってリュウキュウコノハズクとの接触を試みる。

接触といっても要は鳴きマネをして寄って来るのを観察するだけのことなのだが。

夜の森は真っ暗ではあるが、3個体の雄の「コホッ、コホッ」という声が響き渡り、時々その声に呼応する雌の間の抜けたような「プ~」という声がする。

4個体目の雄を目指して10分くらい「コホッ、コホッ」の鳴きマネをするが、雄雌ともに相手にされていないようで、私への雄の威嚇や雌の興味を示す接近がない。

やはり即席の鳴きマネでは通用しない。

のどの痛みと虚しさを感じたので森を撤収。

帰りの途中、林道で今回もアマミノクロウサギを観察して、無事2日目が終わった。

見聞きした野鳥(観察順)

リュウキュウコノハズク声18、アマミヤマシギ4、アマミノクロウサギ1

探鳥記 2018.4.8  奄美大島探鳥② 2日目前半 6:30~11:40 晴れ

本日2日目は奄美大島屈指の探鳥地・奄美自然観察の森がメインであるが、その前に付近にある秋名という探鳥スポットへ寄ることにする。

名瀬⇒秋名の移動途中  6:30〜7:50 

名瀬市から秋名までの道沿い、特に山間部では何度もルリカケスの枝止まりを観察できた。


ついに登場!鹿児島県の県鳥・国の天然記念物・日本固有種と多くの肩書を持つルリカケス

途中でいかにも野鳥がいそうな川沿いの草原で小休止した。

見事に当ては外れたが、そばにある民家近くの森では次々とルリカケスリュウキュウサンショウクイの姿、アカヒゲの美声を聞くことができて、一同大満足!

まさか民家の近くでアカヒゲの美声を聞くとは思わなかったので、一気にテンションが上がるとともに奄美の野鳥の濃さを垣間見た気がした。

見聞きした野鳥(観察順)

ヒヨドリ
シジュウカラ
ルリカケス
コサギ
チュウサギ
メジロ
サンショウクイ
ハシボソガラス
セッカ
ムクドリ

計10種

秋名 7:50〜8:40

田畑の広がる秋名は、水鳥観察はもちろん渡りの時期も思わぬ珍鳥との出会いがあるそうだ。

イメージしているより広くはなく、こちらでもよくある集落と田畑のある景観である。

ここではひょっこり草やぶから現れたシロハラクイナや繁殖?越冬中?のサシバを観察できた。

珍鳥がどこにいても不思議ではない時期と環境なのだが、見当たらず。

見聞きした野鳥(観察順)

カルガモ
ヒドリガモ
シロハラクイナ
ハシビロガモ
セッカ
イソシギ
イソヒヨドリ
カワセミ
キセキレイ
サシバ
キジバト
ハシブトガラス
ヤマガラ

計13種

奄美自然観察の森 9:10〜11:40

自然観察の森に近づいてきた。

車窓からルリカケスを何羽も簡単に観察できるようになる。

電線にはリュウキュウサンショウクイ

ついに観察の森に到着!

ここは山野の鳥の濃さと観察のしやすさは奄美で1番の探鳥地であるとのこと。

アカヒゲの声がさっそく森の奥から聞こえてくる。

入口にある事務室そばではオーストンオオアカゲラオオアカゲラの亜種)が営巣中で、その保護のため巣の周りにロープがかなり長く四方に張られている。

レンジャーによりコントロールされている状態なので、バーダーにとっても観察・撮影しやすくて良い。


動画前半は雌で後半は雄。雌が雄の帰りを待ちわびているような様子から抱卵中かと思っていたが、雄が削りくずを外に捨てていることから営巣作業中の状態と考えられる。

この森ではルリカケスを簡単に観察することがことできるが、いざ撮影となるとなかなか良いショットが撮れない。

時折アカヒゲの美声がそばから聞こえてくるので、簡単に観察できると思いきや必死に探すも見つからず。


このような森の雰囲気の中でアカヒゲの声が響き渡り、南国にいることを感じることができた。

そばで突然オーストンオオアカゲラのドラミングの音が響いた!


最後のスロー動画を分析したところ、約1.5秒間で23回突いていた!

ちなみに奄美大島にはコゲラオオアカゲラしか生息していない。

2時間半探鳥して、森の様子も把握でき、また野鳥の動きも朝に比べて不活発になったので、気分転換に昨日観察した探鳥地を巡ることにする。

見聞きした野鳥(観察順)

ルリカケス
サンショウクイ
ヤマガラ
シロハラ
アカヒゲ
ハシボソガラス
メジロ
カラスバト
コゲラ
オオアカゲラ

計10種

続きは次回!

探鳥記 2018.4.7 奄美大島探鳥① 1日目 15:40~22:30 曇り 強風

4月7~9日の3日間、鹿児島県奄美大島で探鳥をした。

奄美大島での探鳥は1995年3月以来23年ぶりである。

前回はルリカケスヤツガシラアカショウビンズアカアオバトなどを観察できたが、アマミヤマシギ観察できず。
ここ数年はシギチドリへの関心が特に高いので、アマミヤマシギへの思いは募るばかりであった。

今回は何としてもアマミヤマシギを探して、できれば捕食活動など様々な行動を長時間観察したい。

出発日当日は日本列島に強風が吹き荒れて、奄美大島も例外ではなく、奄美大島空港への着陸もやり直しを余儀なくされるほどであった。

宇宿漁港  15:40〜15:50

最初の目的地は空港から車で数分のところにある宇宿漁港で、渡りの時にムネアカタヒバリなどのタヒバリ類やセキレイ類が観察されることが多い。

最近も知り合いがムネアカタヒバリを観察している。

地上でも相変わらず風が強く探鳥コンディションはよくないが、芝生や空き地でじっとしている野鳥をイメージして探索開始。
強風の影響かタイミングが悪いのか岸壁にイソヒヨドリがいるのみ。

すぐそばにある大瀬海岸に移動。

見聞きした野鳥(観察順)
イソヒヨドリ

大瀬海岸  15:55〜16:55

渡りの季節はシギチドリ観察で有名なイントであり、海が荒れると沖合に思わぬ海鳥が登場する場所である。

到着時、海岸はほぼ干潮状態で鳥との距離が遠い。

シギチドリで最初に見つけたのはムナグロ

黄色の繁殖羽から非繁殖羽まで様々な個体がいる。

目が慣れてくるとメンバーでオオソリハシシギキョウジョシギメダイチドリと次々とを見つけていく。

いつの間にかオバシギ20羽の群れが飛来しており、遠目からでも胸の黒い繁殖羽が目立つ。

強風の中での割にはシギチドリを中心に観察できた方だと思う。

シギチドリ観察の合間にミサゴクロハラアジサシが不意に現れて間近まで飛んで来たりした。

見聞きした野鳥(観察順)

アオサギ
ダイサギ
オオバン
コガモ
ムナグロ15
オオソリハシシギ
キョウジョシギ
メダイチドリ2
アオアシシギ2
ミサゴ
シロチドリ
クロハラアジサシ
ダイゼン
オバシギ20
ヒヨドリ

計15種

アヤマル岬周辺  17:05〜17:30

次はさらに北上してアヤマル岬へ。

23年前はここで知り合いがヤツガシラを観察している。

渡りの時期は岬や島の突端などは渡り鳥が休んでいることが多いので注目である。

駐車場に到着すると、地面に20羽以上のツバメがうずくまっている。

時々地上1メートルくらいの高さで短い距離を飛んでは着地を繰り返している。

警戒心がないのか近づいても逃げず、こちらが心配するくらいだ。

やはり強風の影響はあるのだろう、鳥が少ない。

18時を過ぎたので、周辺の田んぼや畑をチェックしながらホテルのある名瀬市へ向かった。

見聞きした野鳥(観察)

ツバメ
キジバト
ハシブトガラス

南部林道  20:30~22:30

チェックインしてからホテルそばのよろこび庵で奄美名物の鶏飯を食べた。

美味しい鶏飯でお腹と冷えた体を整えて、個人的には最大の目的であるアマミヤマシギの探索に南部の林道へ向かう。

名瀬市から南部の林道までは車で1時間弱。

南部の林道では一定間隔ごとにリュウキュウコノハズクの「コホッ、コホッ」という声が闇夜から聞こえてきた。

全部で10個体の声を確認。

一方、アマミヤマシギは林道の両側を見逃しがないようにメンバーで集中して探索したが、結局、観察できず。

野鳥以外ではアマミノクロウサギを3回、ケナガネズミを1回観察した。

どちらも日本固有種であり、アマミヤマシギルリカケスと同様に非常に貴重な生き物だ。

ケナガネズミはその体の大きさと尾の長さが特に印象に残った。

22時半頃まで林道観察を続けて、ホテルへ戻ることに。

正直、アマミヤマシギは林道に行けば、観察するのは難しくないと思っていただけに意気消沈!

明日の夜しかアマミヤマシギを観察する機会がない。

明日の観察の成功を祈りながら夜の林道を後にした。

※夜間での林道観察における注意点です。最近、夜間走行中に貴重なカエルなど小動物を轢いてしまうロードキルが増えているそうです。野鳥だけでなく、路上にも注意が必要ですね。

見聞きした野鳥(観察)

リュウキュウコノハズク10回声、1回姿

※アマミノクロウサギ3
※ケナガネズミ

探鳥記 2017.12.8~10 九州探鳥 まとめ

行動記録

12月8日:長崎空港⇒大授搦⇒白石市新拓の貯水池⇒肥前鹿島干潟⇒長崎市内のホテル

12月9日:長崎市内のホテル⇒諫早干拓地(終日)⇒有明フェリー⇒出水市内のホテル

12月10日:出水市内のホテル⇒出水平野⇒大山ダム⇒隼人干拓地⇒鹿児島空港

プランの作成過程

参加メンバーは4名。
主目的は①諫早干拓地でナベコウ ②出水平野でツル4種(ねぐら立ちも含めて)を観察すること。
行動日数は2泊3日。
移動手段は九州までは飛行機、現地ではレンタカー。

この条件下でできるだけ探鳥する時間を長くして、たくさんの野鳥を観察・撮影するにはどういうプランが良いのか?検討しました。

1番悩んだのは飛行機で長崎から入るか鹿児島から入るか?でした。

諫早から出水まで約300㎞で少なくとも移動時間は5時間くらいはかかるので、冬の探鳥時間が短い中で日中に移動するのはあまりにも時間がもったいない。
そこで、①探鳥を終了する夕方から移動を開始すること②ツルのねぐら立ち観察のためには前日までに出水にいることの条件を満たすのは、長崎空港からスタートして1日目は諫早。2日目は午前中諫早⇒午後から日没まで大授搦⇒出水。3日目は翌早朝から出水で探鳥して鹿児島空港ということになりました。

前日に大授搦のヒメハマシギ情報で1日目と2日目が逆になりましたが、結果的に諫早で日の出から日の入りまで観察できたのでナベコウを見れずとも気持ちよく諦めることができました。

最初の中途半端な2日またぎプランの諫早探鳥でしたら、同じ見れなくても朝夕はいたのかな?と後悔したかもしれません。

ただ、効率性重視のこのプランは運転手に負担を掛けてしまいますので、ご注意下さい。

探鳥雑記 1日目

・大授搦では潮位が5m以上の観察をおすすめします。やはりシギチドリは遠かったです。

・東よか公園を含め、後背地での観察も次回以降は時間を割きたいと思いました。

アカツクシガモソリハシセイタカシギの観察も考えれば、観察時期を遅らせても良かったと思います。今回は鳥インフルエンザのこともあり、12月中に出水に行くことが念頭にありました。

・白石市の貯水池付近のタヒバリ類観察やカモ観察にも次回以降は時間を割きたいですね。

・肥前鹿島干潟は微妙な感じですが、後背地は何かいる予感がします。

大授搦の水鳥達

探鳥雑記 2日目

・諫早干拓地はとにかく広いので野鳥情報あるいはポイントなどを現地のバーダーに教えてもらうと非常に助かります。今回は幸運にもAさんにお世話になったので充実した探鳥ができましたが、お会いしていなかったら苦労したと思います。

・干拓地内にはコンビニ等食料を調達する場所はありません。

・堤防沿いの狭い道を走行することができると有意義な探鳥を行えることが多いので、軽自動車や小型車での観察をおすすめします。

・やはり早朝の方が野鳥の出は良いです。一方、夕方は猛禽類のねぐら入りが楽しめると思います。
夜明けの諫早干拓地 遠く雲仙普賢岳を望む

探鳥雑記 3日目

ツルのねぐらポイントの東干拓地に到着したのは日の出ちょっと前でしたが、半分ぐらいが飛び立った後のような気がしました。暗いうちに到着した方が更に良かったと思います。

カナダヅルクロヅルを探すのに必死で、交雑種のナベグロヅルを探すのを忘れてしまいました。

・今回はツル目的だったので、タヒバリ類やムクドリ類などの冬鳥をじっくり探索できなかったのが残念です。

・出水での宿泊場所だったホテルウイングインターナショナル出水は野鳥の会の協定宿泊施設であり、清潔な施設と丁寧なサービスと美味しい朝食でした。
・大山ダムは一年を通じて楽しめそうな探鳥地のような気がします。コシジロヤマドリを見たいですね。

・さつま町の轟大橋周辺のコウライアイサポイントは次回じっくり探鳥したいです。

・夕方駆け込んだ隼人干拓地はもっと時間をかけて探鳥したい場所でした。付近にある国分干拓地は次回行きたいですね。

夜明けの出水平野 ツルのねぐら立ち 

見聞きした野鳥(鳥類目録 改訂第7版順)

ヒシクイ
ツクシガモ
オシドリ
オカヨシガモ
ヨシガモ
ヒドリガモ
マガモ
カルガモ
ハシビロガモ
オナガガモ
トモエガモ
コガモ
オオホシハジロ
ホシハジロ
キンクロハジロ
スズガモ
ミコアイサ
ウミアイサ
カイツブリ
カンムリカイツブリ
ハジロカイツブリ
キジバト
シラコバト
カワウ
ゴイサギ
アオサギ
ダイサギ
コサギ
ヘラサギ
クロツラヘラサギ
カナダヅル
マナヅル
クロヅル
ナベヅル
バン
オオバン
タゲリ
ダイゼン
シロチドリ
メダイチドリ
ミヤコドリ
タシギ
チュウシャクシギ
ダイシャクシギ
ツルシギ
アオアシシギ
クサシギ
ソリハシシギ
イソシギ
ハマシギ
ユリカモメ
ズグロカモメ
ウミネコ
セグロカモメ
ミサゴ
トビ
チュウヒ
ハイイロチュウヒ
オオタカ
ノスリ
カワセミ
チョウゲンボウ
コチョウゲンボウ
ハヤブサ
モズ
カササギ
コクマルガラス
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス
ヤマガラ
シジュウカラ
ヒバリ
ツバメ
ヒヨドリ
ウグイス
エナガ
メジロ
ムクドリ
ホシムクドリ
カワガラス
ツグミ
ジョウビタキ
イソヒヨドリ
ニュウナイスズメ
スズメ
キセキレイ
ハクセキレイ
マミジロタヒバリ
タヒバリ
アトリ
カワラヒワ
ベニマシコ
ホオジロ
カシラダカ
アオジ
オオジュリン

計97種

あと3種類観察できれば100種類だった!残念!

今回の探鳥中に見逃した、あるいは見逃した可能性が高い野鳥を列挙しますので、皆さん、私の分まで見てください!

大授搦では、居残りシギとしてコオバシギキリアイオオソリハシシギです。またアカツクシガモが最近飛来したそうです。
潮位条件が良ければ、居残りシギを観察できそうですね。

諫早干拓地ではナベコウツメナガセキレイサンカノゴイマガンです。ハイタカクイナ辺りもいると思います。

出水平野ではカラムクドリです。

普通種ではセグロセキレイホオアカイカルチドリキジコゲラなどはどの場所でも観察できそうですね。

探鳥記 2017.12.10 九州探鳥⑧ 大山ダム~隼人干拓地 13:00~17:30  曇り一時雨

大山ダム 13:00~14:10 曇り一時雨

出水平野から車で30分くらい山間部を進むと渓流が現れた。

ヤマセミがいるような雰囲気なので、下の画像を撮影した橋の上からしばらく探鳥。

この画像の風景からの探鳥で短時間の間にアオサギキセキレイカワセミクサシギカイツブリカワガラスイソシギカルガモと次々と現れて、自然度の高さに驚いた。

特にクサシギは渓流で初めて見たので新鮮な驚きだった。

大山ダムに到着すると小ぶりの雨が降って来た。

車でダム湖を一周するので大した影響はないが、小鳥の出が心配だ。

しかし、直ぐにメジロエナガの群れに出くわして一安心。

大山ダムでの探鳥記録では、今の時期ならミヤマホオジロウソシメルリビタキなどを、通年ではコシジロヤマドリを観察できる可能性があるので、湖面だけでなく道路沿いの樹木や行く手にも注意して探鳥しよう。

またダム湖ということで、神奈川で言うなら丹沢湖を探鳥するイメージを重ねて、周遊道路では視界が開けた場所があれば車を止めて湖面をチェックした。

もちろんヤマセミにも細心の注意を払って探索するも鳴き声も姿もない。

岸辺をよく見るとオシドリがひっそりとたたずんでいる姿を何度も目撃した。

いつの間にか雨がやんだ。

晴れ間が見え出した大山ダム

ダム湖の奥に進むにつれて、オシドリの数が増えていき、全部で100羽はいたような気がする。

結局、最後までヤマセミは観察できなかったが、オシドリを観察したり、ミサゴが飛んでくれたりした。

何よりこの静寂に包まれた大きなダム湖を我々だけが探鳥していたので、贅沢な気分となって探鳥を終えた。

この後、ここ数年コウライアイサが観察されているさつま町の轟大橋付近に行った。

しかし、橋周辺を探索しても見当たらず、また今年の飛来が確認されておらず、上下5㎞辺りが生息ポイントで探鳥するには時間がかかる。

錦江湾そばの隼人干拓地にオオホシハジロが滞在中との話を聞いていたので、セーフティな選択を取ることにして、隼人干拓地に向かった。

見聞きした野鳥(観察順)

アオサギ
キセキレイ
カワセミ
クサシギ
カイツブリ
カワガラス
イソシギ
カルガモ
メジロ
ジョウビタキ
エナガ
オシドリ
マガモ
シロハラ
ヤマガラ
ミサゴ
ホシハジロ
ヒヨドリ
シジュウカラ

計17種

隼人干拓地  16:50~17:30  晴れ

目的地を正確に把握していなかったので観察できる夕暮れ前にたどり着けるか心配だった。

目ぼしい候補がいくつかあったが、運よく最初に訪れた場所がいかにも野鳥の密度が濃そうな場所であった。


日没が近い隼人干拓地の様子。

16:50到着。

この時間なら関東では探鳥は無理だろうから、まだまだチャンスはある。

時間がないので直ぐに水面に浮かぶカモをチェックする。

特に西側の奥に50羽くらいだろうかホシハジロキンクロハジロの群れが寝ている。

オオホシハジロはこの群れの中にいると推定して重点的にチェックするも、特徴的なくちばしは背中に隠れているし、目立って大きい個体もいない。

群れ以外の水面を丁寧に探すも見当たらず。

残念ながらオオホシハジロはこの場所ではなかったようだと諦めて、今度はツクシガモの群れに注目した。

その数40羽はいるだろうか、何より今回の九州探鳥でツクシガモを最も近くから観察できた。

動画

よく見ると羽毛の色合いが淡い個体、くちばしの基部付近が白い個体がいるが雌と思われる。

雄の繁殖羽はくちばしに大きなこぶ状の突起物が出るのだが、まだ早いのだろう見当たらない。

一通り水面を観察したので、周囲に目をやると池の奥の原野が気になる。

冬のこの時間帯ならチュウヒハイイロチュウヒが草原の上をヒラヒラと舞う姿があってもおかしくない環境である。

海岸の堤防から内陸部に広がる干拓地を望む

堤防付近では到着時からずっと上空を数羽のツバメが飛んでいる。

このまま鹿児島で越冬するのだろうか。

17:30を過ぎた。

オオホシハジロは見当たらず、何となく夕暮れの景色を楽しみながらマッタリと水鳥や周りの風景を見ていると目の前のカモの群れがにわかに活動し始めた。

こちらに3羽のホシハジロの群れが近づいて来た。

何気なくチェックすると、先頭のホシハジロの頭部が他の2羽と明らかに違う。

くちばしが黒く大きく額とスムーズにつながっている。

おぉ、オオホシハジロだ!

背中に注目すると、ホシハジロと比べて淡色な色合いであることがハッキリと分かる。

オオホシハジロの英名はCanvasbackで、油絵などで使用されるキャンバス生地のように白い背中のカモの意味なのであろう。

雄の成鳥は真っ白に見えるくらいであるが、雌も雄ほどではないが、比較されるホシハジロの雌よりは淡い背中の色である。

体の大きさは、オオホシハジロは48~61㎝でホシハジロは42~49㎝で一回り大きいという表現が使われるが、確かに大きいがそこまでの差はないようだ。

最初から群れの中にオオホシハジロいたのに見つけられなかったのは、一回り大きいという表現に重きを置いて識別していたのが原因だ。
確かにホシハジロの群れのほとんどがくちばしを背中に隠して寝ており、夕暮れ時だから背中の色の差の違いは分かりにくかった。

しかし、一つの識別ポイントに偏るのは危険である、特に大きさは個体差や体毛のふくらみや寝かせで印象がだいぶ変わる、と改めて反省!

成鳥冬羽か第1回冬羽かの判断であるが、①腹部に細かい褐色斑が並んでいる ②顔の模様が一様に見える、と第1回冬羽である。

この画像からでは①は判断できず、②は淡い涙のような後ろに流れるラインが見えるから成鳥冬羽に見える。

したがって識別できないので雌個体にしておく。

動画

カメラ撮影が困難なくらい辺りは暗かったが、何とか動画は撮影できた。やはり背中の淡さは目立つ。

一度首を伸ばすのを観察したのだが、首一個ぐらいホシハジロに比べて高く見えた。

九州探鳥の最後に観察したのがオオホシハジロ

見事なオオトリを飾ってくれた。

見聞きした野鳥(観察順)
カルガモ
ホシハジロ
キンクロハジロ
アオサギ
コサギ
ツクシガモ
ツバメ
ゴイサギ
ウミネコ
イソシギ
コガモ
オオホシハジロ

計12種 目撃談:ズグロカモメ

参照文献:「日本のカモ識別図鑑」 氏原 巨雄 氏原‣氏原 道昭 著