今回は氷上に着地した際に滑って尻もちをついたハシビロガモをお見せします。
池が結氷したため、下りる場所に困りながらのハードランディングとなりました。
とはハシビロガモは思っていないでしょうが、個人的には滑った場面とウンチの場面を見ることができて楽しかったです。
以上
前回同様に不忍池の野鳥の続きで、今回はハシビロガモを特集します。
不忍池では間近で様々な羽衣のハシビロガモを観察・撮影できました。
三列風切に注目すると、白い軸斑が羽先まで突き抜けているので、エクリプスから繁殖羽へ移行中と分かる。
⇔羽先が淡色の羽縁で目立っていれば、幼鳥から第1回繁殖羽の個体となる。
上の個体Aと比べて、胸の白い部分がほとんど見えず、また頭部も黒くて緑光沢という状態ではないなど、繁殖羽への移行が進んでいません。
見にくいですが、三列風切は白い軸斑が見えるので成鳥です。個体Bに比べて、頭も胸もより繁殖羽に近づいています。
⇔雌の繁殖羽:まずは三列風切に注目!繁殖羽では淡橙色の斑が現れます。また淡色の羽縁が広がって体全体が明るく見えます。
⇔雄のエクリプス:ここでも三列風切に注目!雄のは黒みが強く、鈍い緑光沢をしています(個体A・Bを見ると分かります)。また体全体が雌に比べて暗く見えます。
拡大図にあるように、三列風切の羽先を中心に白い羽縁があることから成鳥ではなく幼鳥です。
頭部やくちばしも黒っぽくなっているので雌ではなく雄です。
虹彩は、成鳥の黄色に比べて幼鳥では黄土色のように鈍い色合いです。
個体Eよりも第1回繁殖羽への移行が遅いです。
まずは三列風切の羽先の白い羽縁が目立つので、成鳥ではなく幼鳥です。
次に雄雌の判断ですが、くちばしが黄色でしたら雌幼鳥?と思ってしまいますが、黒いので雄です。また三列風切は雄幼鳥は黒みが強いのですが、雌幼鳥は淡く褐色みがあります。
ちなみに画像では虹彩は黒く見えますが、よく見ると黄土色をしています。この点からも成鳥ではなく幼鳥です。
最後に!
三列風切の模様がハシビロガモの識別の重要な識別点であることが分かります。
皆さん、ハシビロガモを観察・撮影する際は要チェックをお願いします!
今回、不忍池でエクリプス状態のハシビロガモ雄を観察しました。
エクリプスを簡単に説明すると、繁殖のために派手な格好をしていたカモの雄が繁殖を終えて雌のような地味な格好になる状態をいいます。
日本に渡って来る頃の雄カモはエクリプス状態あるいは繁殖羽に移行中の状態で観察されることが多いです。
成鳥雌に比べて全体的に体色が暗いです。特に頭部の黒が目立ちます。
綺麗な翼鏡の白と緑、雨覆の青。三列風切の白い軸斑が先まで伸びているので成鳥雄です。
画像角度が悪いですが、エクリプスから繁殖羽に変化すると最終的にこの雄の姿になります。2014.3.14 不忍池
以前、不忍池に来た時に撮影したものを探していましたら採餌の動画もありましたので、この機会に掲載します。
ハシビロガモは掃除機の吸い込み部分のようなくちばしで水中にあるプランクトンなどを食べます。
私個人は掃除機の吸込み部分と表現しましたが、英名はNorthern Shovelerですから命名者はシャベルに見えたのでしょう。
他のカモのように1羽単独で採餌することもありますが、動画のように複数のハシビロガモが集まってグルグルと回って採餌することがあります。
中心に渦を作って餌をかき集めて採餌しやすくしていると思います。
このような採餌をするカモはハシビロガモ以外には見たことがありませんが、他のカモもするのでしょうか。
※参照文献:「日本のカモ識別図鑑」氏原巨雄・氏原道昭