「キョウジョシギ」カテゴリーアーカイブ

キョウジョシギ 2019.5.2 横浜市金沢臨海部

先日、横浜市金沢区のベイサイドマリーナで撮影したキョウジョシギです。

撮影条件の厳しい場所でしたが、キョウジョシギの群れが徐々に我々に近づいて来てくれました。

雄 雌に比べて①頭部がより白く②上面の茶色が鮮やかで、茶色の面積もより広いです

雌 雄に比べて体上面は全体的に焦げ茶色で、この時期は遠目でも違いがハッキリ分かります

くちばしも脚も太く短くガッシリとしているので、岩場などの固い場所での採餌行動には適していると思います。

シギの中では一番ずんぐりした体型に見えませんか?

キョウジョシギの声 ※風の音がかなり入っていますが、、、。

野鳥 キョウジョシギ 2018.8.5 東京港野鳥公園

今回はキョウジョシギの特集です

前回のオグロシギを撮影した後、新しく新設された前浜干潟手前にある観察窓から撮影しました。

キョウジョシギの他にキアシシギも確認、今後はシギチドリの良い観察場所になりそうな予感がします。

このキョウジョシギ、パッと見た印象は上面の羽縁の白さが目立つので幼鳥か?と思いましたが、赤褐色の繁殖羽が残っているので、成鳥の繁殖羽が摩耗した個体と認識しました。

雄か雌かですが、最初、頭部の白さが目立つことや頭頂の色模様から雄かな?と思いました。

が、この個体の摩耗している羽根の形や模様を見て、綺麗な繁殖羽の雄と雌の姿をオーバーラップして比較してみると、雌の繁殖羽の状態が想像できましたので、この個体は成鳥雌と判断しました。

今回はキョウジョシギの採餌行動をじっくり観察することができました。

キョウジョシギの特徴ある採餌行動としては、がっしりとした太く短いくちばしを用いて、石などをひっくり返してその裏に潜む生き物を食べることがあります。

この特徴から英名ではRuddy Turnstone(意味は赤っぽい体をした、石をひっくり返す鳥といったような感じでしょうか)と呼ばれています。

冒頭のムクドリへの威嚇から始まり、頭掻き、貝殻をひっくり返すなどして、最後の最後で石をひっくり返しています。

もの差し鳥であるムクドリと胴体はほぼ同じ大きさなので、把握しておくと便利だと思います。

※以前に掲載したキョウジョシギの採餌行動です⇒ここをクリック

 

野鳥 キョウジョシギ 2017.11.5 平塚新港

先日の相模川河口探鳥では河口の岸辺で渡り途中?越冬予定?のキョウジョシギを観察しました。

確かにシギチドリの渡りのピークは過ぎていますが、成鳥はともかく幼鳥はこの時期でも観察されています。

越冬の可能性ですが、神奈川県内の長井や横浜の金沢臨海部では毎年越冬するキョウジョシギの小群を観察しています。

この個体の4方向画像


上2枚の側面画像を見ると、雨覆の幼羽の白い羽縁が摩耗して細くなり、羽根が尖っている感じに見えます。

肩羽にでも新しい羽根が出ていれば第1回冬羽へ移行中と言えるのですが。
後方の肩羽は新羽のように見えるような?どうでしょうか?
こういうレベルになると、画像の質もきちんとしない話が進みませんね。
キョウジョシギの冬羽あるいは第1回冬羽を意識してきちんと観察してこなかったので、現時点ではこの個体は幼鳥もしくは第1回冬羽へ移行中?と思われるにとどめておきます。
今シーズンは長井や金沢区臨海部で冬羽あるいは第1回冬羽をきちんと観察して勉強したいですね。

参考画像① 2017.1.8 長井


右個体の雨覆の部分は摩耗がかなり進んでいるように見え、上の肩羽と比べると羽根の状態に差があることが分かります。
成鳥冬羽なら同じ時期に換羽するので羽根の状態も同じと考えるのが普通です。
このことから雨覆が幼鳥のままの第1回冬羽の個体と判断したいと思います。

参考画像② 2016.10.29  三番瀬

囚われの身?のキョウジョシギではなく、三番瀬の左端の堤防奥でじっとして動かない個体を柵越しに撮影しました。
今回の個体とほぼ同じ時期ですが、この個体の方が幼鳥の特徴である淡色の羽縁が目立ちますね。

この個体の水飲み動画

水をくちばしですくってごくごくと飲むのではなく、上を向いて喉に落とし込んでいます。

野鳥 キョウジョシギのカモフラージュ 2015.5.3 野島

 

以下は2015.5.3に横浜市の野島で撮影した画像です。

キョウジョシギは繁殖期になると白・黒・茶の三色(三毛猫と呼んでいます)の繁殖羽になります。

撮影時はキョウジョシギが錆付いた鉄製の防波堤の上で休んでいる姿を偶然発見して喜んだだけでした。

しかし後々画像を見て、キョウジョシギは自分の三毛猫模様を認識してわざわざ似たような色合いの場所を選んで休憩したのではないか?と考えました。

というのも最近シギチドリが繁殖地で抱卵している画像を見たのですが、繁殖羽が地面などの周りの環境色と似ていて周囲に溶け込んでいるのです。

種によっては雌にアピールするために繁殖羽を派手にしますが、シギチドリに関しては、繁殖羽になる目的は繁殖地で外敵に見つからないようにするカモフラージュの意味合いが強いのではないか?と思いました。

ですから、今回のキョウジョシギの休憩場所も敢えて彼らはその場所を選んだと思ったのです。

 

お分かりのようにピンボケブレブレ画像三連発でブログに出せるクオリティ(他の画像も?)ではありませんが、敢えて掲載しました。

証拠写真で良いと開き直らずにきちんと撮らないといけませんね。

 

野鳥 キョウジョシギの採食行動 2017.4.29 谷津干潟

今回(2017.4.29)の谷津干潟での探鳥中にキョウジョシギの採餌の様子をじっくり観察しました。

サイやカブトムシが敵をツノで跳ね上げるような動作で自分のくちばしを使って貝殻をひっくり返しては貝殻の下にいる生物を探していた。

以下がその時の動画です。

キョウジョシギの英名はRuddy TurnstoneまたはTurnstone。

意味は赤い(血色のよい)、石をひっくり返す鳥といったところか。

つまり、採餌動作が名前の由来であり、アリスイ=アリを吸うと同じ名前の付け方である。

シギチドリはくちばしの形と大きさからそのシギチドリがどのような餌をどのような方法で採るのかが想像できる。

キョウジョシギのくちばしは、他のシギチドリに比べて①太い②上部くちばしが下部のくちばしより太い(上下で均一ではない)③短い、の特徴を有している。

このくちばしの構造は、石などをひっくり返して裏に潜む虫などを採餌するのに適していると言えるのか?考えてみました。

①太さ
石や貝殻など重い物をひっくり返すにはくちばしに強い負荷がかかるため細いよりは太い方が良い。嘴が曲がったり折れてしまうことはシギチドリにとって致命傷となる。

②上部の方が太い
下から石などの物体を持ち上げるので、くちばしが物体に直接触れることになる。そのため上部のくちばしは下部より力が直接伝わるし痛みやすいので頑丈な方がより良い。

③短い
長いほうが物体の奥までくちばしを差し込めてより楽な力で動かせるが、短いくちばしの方がひっくり返した後の餌取りの動作を俊敏に行える。

以上を考えるとキョウジョシギのくちばしは、この採餌方法に相応しいと思う。

この採餌状況を他のシギチドリに置き換えてみると、オバシギ(二枚貝を丸呑みする)ぐらいの大きいシギチドリなら、くちばしでくわえて払いのけたりつまむことができる。

しかし、小さく機敏な動きをする昆虫などを補足するのは難しいだろう。

トウネンミユビシギなどの小型のシギチドリは機敏だがパワー不足で難しいだろう。

そうなると機敏で丈夫そうなくちばしを持つダイゼンあたりなら、Turn Stoneできそうだ。

私はまだその現場を見たことはありませんが、今後注意して観察していきたい。

特徴あるくちばしが持っていたから特徴ある採餌方法で今日に至るまで種を生存できたのか?

それとも特徴ある採餌方法を行うためにシギが長い時を経て洗練されて特徴あるくちばしを手に入れたのか?

キリンの首が長いのは、高い場所にある葉を食べることできる長い首を持ったキリンだけが生き残った結果として子孫を残しているとの考えに立てば、前者の考えなのか?

谷津干潟でキョウジョシギを見てこんなことを考えました。