探鳥記 2018.10.9 権現山 9:15~14:30 曇り

ここのところ、シギチドリ観察に夢中になり、タカの渡りの観察が疎かだったので、本日は権現山でタカの渡りを観察することにした。

権現山の展望台に9時15分に到着。


湘南平方面を望む


箱根山・足柄峠を望む ここを通過するタカが向かう方面である

ここでタカの渡りの調査をしている皆さんに御挨拶を済ませて、ご一緒に探鳥開始。

この日は9:27サシバ10、10:13サシバ17、10:30サシバ12と3回のサシバの鷹柱を比較的近い距離で観察できた。

※音声は消しています

鷹柱の他にも、不意に目の前にサシバが2羽湧いて来るように姿を見せる場面があり、観察者を嬉しいパニックに陥れた。

※最後にスロー再生あり。

また、上空高く飛ぶタカの識別にあれこれ悩むのも楽しい時間だった。

もちろん写真判定すれば識別できることが多いのであるが、上空を飛んでいるタカをリアルタイムに肉眼で判断するのは緊張感があって楽しい。

ところで権現山はタカの渡りの観察地であるとともに、この時期は夏鳥・渡り鳥・冬鳥と様々な小鳥達が観察できる場所である。

地上ではエゾビタキコサメビタキオオムシクイキビタキモズなどの小鳥達が観察されていた。


渡り途中のエゾビタキ


モズ 梢で秋の高鳴きを何度も披露してくれた。

午後になると、タカの渡りはほとんど動きがなくなり、時々のノスリツミが現れるだけの状態。

14時過ぎに観察を終了した。

この日は滞在中サシバ59羽、ハイタカ1羽、ノスリ2羽、ツミ羽現れたと記憶している。

確かに合計数はそれほど多くはなかったが、サシバの鷹柱を3回観察したり、至近距離で観察するなど充実した探鳥となった。

見聞きした野鳥(観察順)

スズメ
ヒヨドリ
メジロ
モズ
サシバ
ハイタカ
トビ
ノスリ
ツミ
キジバト
アオバト
コゲラ
エゾビタキ
ハシボソガラス
アオゲラ

計15種

 

 

 

探鳥記 2018.10.7 三番瀬 8:30~12:20 晴れ

先週は目的のコオバシギを観察できず残念な結果となったが、何といまだ三番瀬に滞在中とのことなので、今週も三番瀬へ。

干潟に降り立つと即コオバシギ探索を開始。

しばらくした後、オバシギの群れに混じって食事中のコオバシギを観察することができた。


コオバシギ幼鳥 体上面に幼鳥特有の、いかり模様のサブターミナルバンドがある


コオバシギ幼鳥 後ろのダイゼン冬羽はやはり大きい


幼鳥から第1回冬羽へ移行中のオバシギ  特に左個体の肩羽は灰色の冬羽が目立つ

まとめ動画

コオバシギは前半はダイゼンのそば、後半はオバシギのそばで食事中。
オバシギと比べると、名前の通り胴体やくちばしが小さいことが一目で分かる。

 

コオバシギの観察を終えた後は、いつものように市川側から船橋側へ移動してシギチドリ観察。


オオソリハシシギ幼鳥 前回同様に幼鳥3羽一緒で行動していた


珍しくじっとしているミユビシギ

その他、ハマシギシロチドリメダイチドリなど常連さんを観察して、探鳥終了。

今回はなんといっても待望のコオバシギ

幼鳥のサブターミナルバンド模様が印象に残った探鳥となった。

見聞きした野鳥(観察順)

ミユビシギ
ウミネコ
ミヤコドリ
オバシギ
ダイサギ
コオバシギ
シロチドリ
コサギ
ハマシギ
セグロカモメ
カワウ
メダイチドリ
オオソリハシシギ
ソリハシシギ
モズ

計15種 目撃談:トウネン、ヒバリ

探鳥記 2018.9.30 三番瀬 15:20~17:00 雨

台風24号が関東に接近する中、多摩霊園でのヨタカ観察を無事終えた。

雨がポツポツ降って来たが、当初の予定通りコオバシギ幼鳥に会うため三番瀬へ強行探鳥。

多磨霊園から三番瀬への道中、台風による雨足の強さだけでなく、明るいうちに到着できるかも気になったが、何とか無事15時過ぎに到着。

この状況下でさすがにバーダーは見当たらない。

それではシギチドリ達もいないかというと、台風前でも黙々と採餌中。

とうより人がいないので伸び伸びとしているように見える。

観察に本腰を入れ始めた頃、雨足が強くなり、傘を差しながらのスコープ観察となった。

まずは遠くにいる、体上面に白い羽縁があるミヤコドリ幼鳥をじっくり観察。

手前ではハマシギの幼鳥達が活発に採餌中。

以下、その時の動画です。

このまま雨が続くかと思いきや、しばらくしたら止んだので、次の雨までにできるだけ早く探鳥しよう!

目的のコオバシギはどこにいるか?

メンバー3人でできる限りの探索したが、結局見つからず。

南に渡ってしまったのか?付近へ移動してしまっただけなのか?

それでも、この日の三番瀬は幼鳥の姿をじっくり観察することができ、有意義な時間となった。


ハマシギ幼鳥から第1回冬羽に移行中の個体 背中や肩羽に灰色の冬羽が見える


メダイチドリ幼鳥  肩羽は、新しい冬羽?摩耗した幼羽?幼羽のサブターミナルバンドが見えるような見えないような、、、。


オオソリハシシギ幼鳥 くちばしの長さから2羽とも雄?幼鳥なので今後成長して伸びるかも


トウネン幼鳥

雲行きが怪しくなってきた、、、。

雨の三番瀬もなかなか良いと余韻に浸りたかったが、横浜ベイブリッジが閉鎖されても困るので、速やかに退散した。

見聞きした野鳥(観察順)

ハマシギ
ミユビシギ
ダイゼン
ミヤコドリ
ウミネコ
オオソリハシシギ
メダイチドリ
ソリハシシギ
オバシギ
シロチドリ
トウネン

計11種

野鳥 ヨタカ 2018.9.30 多磨霊園

今回は台風24号が関東に接近する直前に多磨霊園で観察したヨタカです。

台風が夜半に最接近するということなので、日中何とか短時間でも探鳥しようと行く場所を検討。

三番瀬では今シーズン未見のコオバシギがまだ滞在中とのこと。

台風でいなくなる可能性が高いので、その前に観察することに決めて、鳥仲間のSさんにお誘いの連絡をしたところ、何とSさんは多磨霊園でヨタカを観察中でした!

ヨタカと聞いては、問答無用!

まずは多磨霊園に行き、台風の状況を見て三番瀬へ行くことに変更。

横浜から多摩霊園までの道のりはもちろん、多磨霊園内に入ってからも侵入禁止の場所が多く、ポイントにたどり着くのに難儀して、やっとの思いで観察できました!


第1印象は思っていたより大きい!でした。全長約30㎝です。

夜間に観察したことはありますが、明るい時間できちんと観察するのは初めてです。


ポツンとしたくちばしは小さく見えますが、口を開けると横幅がありますから飛んでいる虫を捕まえるのは問題なしです。

 


枝の下へ歩きながら移動中。薄っすらと目を開けています。

 

 


今度は反対側から撮影。

この木のどこかにヨタカがいる!と思って探さないと見つからないレベルだと思います。第1発見者の方は凄い眼力ですね。


こちらを向いていますが、分かりにくいですね。頭部右に閉じている目が見えると思います。

 


下腹が見える角度から撮影。横幅が意外とありますね。

まとめ動画

※最後に口を開けるスロー再生があります。

 

探鳥記 2018.9.24 稲敷② 8:00~17:30 雨のち晴れ

稲敷探鳥、午後の部スタート。

心配された天気だったが、フィールドの到着した頃には晴れ間が見えていた。

午後の部は午前に回ったポイントを再度丁寧に探鳥することにした。

まずはツルシギエリマキシギなどがいたポイントへ。

到着して真っ先にツルシギを探したが、見当たらず。

しかし、その他のシギ、特にトウネンオジロトウネンは増えたように思えた。

午前中は雨で探鳥への執着心が減退して見逃していただけかもしれないが。


どんどん近づいて来たトウネン幼鳥 


エリマキシギ雌幼鳥 目を離すと再度見つけるのに苦労した!

トウネンの中にヨーロッパトウネンがいないか?

今シーズン観察例があるアメリカウズラシギがいないか?

サプライズを期待しながら探鳥していると、いつの間にかエリマキシギ雌が2羽になって、一緒に採餌していた。

次は蓮田の広がる場所に移動。

ここでは1区画の蓮田にオグロシギやオジロトウネンの群れを中心に、アカアシシギハマシギトウネンタカブシギが集まって採餌中。

周囲にもシギが採餌できそうな蓮田がいくつもあるのに、なぜか1つに集まっている場面に出くわすことが多い。

これはカラ類の混群のように、猛禽類など外敵から身を守るための共同防衛の意味合いがあるのか?


存在感抜群のオグロシギの群れ 幼鳥から第1回冬羽に移行中


手前)アカアシシギ幼鳥 奥)タカブシギ幼鳥


オジロトウネンの群れ 真ん中の個体は幼鳥

時間を気にせずに様々なシギを1個体ずつ丁寧に観察することができて幸せな時を過ごすことができた。

陽がずいぶんと傾いてきたので、最後は浮島湿原で猛禽類を観察することに。

遠くの湖面に突き出た杭の上にミサゴを、おそらく地付きのチュウヒと思われる個体が草原の上をひらひらと飛ぶ姿を観察できた。

今回の稲敷探鳥、午前中の雨には参ったが、午後はこれぞ稲敷!というシギチドリ観察を堪能でき、満足した探鳥となった。

見聞きした野鳥(観察順) 午前・午後

チュウサギ
コサギ
アオサギ
スズメ
タカブシギ
ヒバリ
ダイサギ
ホオジロ
ムクドリ
モズ
カワウ
キジバト
チョウゲンボウ
アマサギ
ハシブトガラス
ムナグロ
オグロシギ
セイタカシギ
クサシギ
セグロセキレイ
アオアシシギ
ハクセキレイ
ハヤブサ
ハシボソガラス
トビ
オジロトウネン
ツルシギ
エリマキシギ
トウネン
コチドリ
ウズラシギ
ヒヨドリ
チュウヒ
イソシギ
カワセミ
アカアシシギ
ハマシギ
ミサゴ

計38種 目撃談:セッカ、カルガモ

探鳥記 2018.9.24 稲敷① 8:00~17:30 雨のち晴れ

昨年に続き、野鳥の会茨城支部の稲敷探鳥会に参加した。

開始1時間前の8時に稲敷に到着したので、開始まで周辺を探鳥することにした。

農耕地ではムナグロを想定しながら、コモンシギコバシチドリを妄想して探索。

現実はチュウサギコサギアオサギアマサギなどサギ類中心の観察であったが、約180羽のアマサギ大群に出会うことができた。


アマサギ コサギよりやや小ぶりで太い首が目立つ

蓮田では本日初めてのシギであるタカブシギの小群を観察してテンションが上がった。

9時になり浮島湿原前の駐車場から探鳥会が開始された。

まずは目の前の農耕地でムナグロの幼鳥の小群を観察。


ムナグロ幼鳥

このムナグロたち、一度目を離すと再度見つけるのに苦労するぐらい装いが地面に溶け込んでいた。

残念なことに観察中、雨が降り始めて、にわか雨と思いきや雨足がだんだん強くなり、傘をさしながらの観察は大変であった。

ムナグロ観察を終えて、蓮田が集まるエリアへ移動。

この時期なら簡単にタカブシギクサシギオジロトウネンなど見つけることができるが、見当たらない。

やっと遠くの蓮田にいるセイタカシギオグロシギを発見。

そばの水路ではアオアシシギタカブシギクサシギを観察するも、最近観察例のあるコアオアシシギアカアシシギは見つからず。

このエリアは天気が良ければ、渡り途中のショウドウツバメを観察する機会が多い場所だけに残念であった。

次に移動したポイントでは、エリマキシギがいるとの話で向かったのだが、その他にもツルシギ幼鳥、オジロトウネントウネンタカブシギウズラシギコチドリを観察。


エリマキシギ雌 2週続けて観察することができた。


ツルシギ幼鳥 今年初めての観察となり、嬉しい出会いとなった。

ようやく稲敷らしい状況になり、夢中で観察・撮影した。

11時半を過ぎた時点で更に雨足が強くなったので、ここで探鳥会は残念ながら終了となった。

探鳥会のリーダーの皆さん、車移動や想定外の雨で非常に運営が難しい状況の中、有難う御座いました!

衣類もずいぶんと雨に濡れて寒くなり、またお腹も空いたので近くのショッピングモールへ移動して、午後の探鳥に備えた。

午後の稲敷探鳥は次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)午前のみ

チュウサギ
コサギ
アオサギ
スズメ
タカブシギ
ヒバリ
ダイサギ
ホオジロ
ムクドリ
モズ
カワウ
キジバト
チョウゲンボウ
アマサギ
ハシブトガラス、
ムナグロ
オグロシギ
セイタカシギ
クサシギ
セグロセキレイ
アオアシシギ
ハクセキレイ
ハヤブサ
ハシボソガラス
トビ
オジロトウネン
ツルシギ
エリマキシギ雌
トウネン
コチドリ
ウズラシギ

計31種

野鳥 クサシギ 2018.9.16 平塚市

今回の特集はクサシギです。

同じ場所で2羽のクサシギを観察しました。

クサシギは神奈川県の西部では渡りの時期だけでなく冬季にも観察されるシギです。

ですから、この2羽が渡り途中なのか?そのまま付近で越冬するのか?分かりませんが、お気に入りのシギなので、この辺りで春先まで留まってもらいたいものです。

以下の2個体とも、体上面にある小さい斑が褐色なので幼鳥です。ちなみに成鳥はその斑が白いです。

個体A

個体B

Bの方がAに比べて、眉斑がハッキリと白く、また上面の褐色の斑は摩耗により薄く見えます。

※音声は消去しています

後方にいるのはイソシギです。

イソシギは形や大きさや色模様などでクサシギと似ています。

野鳥 アカエリヒレアシシギ幼鳥 2018.9.16 平塚市

今回はアカエリヒレアシシギです。

平塚の休耕田では2羽の幼鳥が活発に採餌中でした。

いつもに増して鮮明な画像ではありませんが、特徴だけでも把握してもらえれば、と思います。


コアオアシシギセイタカシギのような黒色の細いくちばしが目に付きます。


幼鳥の主な特徴は、成鳥冬羽に比べて頭頂や体上面は黒っぽく見え、また体上面には淡黄褐色の羽縁があることです。この画像の個体にも上面後方に淡黄褐色の羽縁が見えますね。


意外と後ろからのショットは目にしないので、どうぞ。

それでは動画をどうぞ。

秋の渡りの時期にアカエリヒレアシシギを観察する機会が多いですが、いつ見ても忙しなく動き回っているイメージですね。

最後に登場するのはエリマキシギ雌幼鳥。

 

野鳥 トウネン 2018.9.16 平塚市

今回は前回のヨーロッパトウネン幼鳥と一緒にいたトウネン幼鳥です。


ヨーロッパトウネンに比べて、胴体が横長で脛が短く見えます。

トウネンヨーロッパトウネンとの識別点として、脚の長さの差から前傾姿勢の角度の浅い深いが注目されます。
この識別点は、今回の水気の多い休耕田などの地面では差を見分けるのが厳しい状況となります。

それでは動画をどうぞ。

比較のため、前回のヨーロッパトウネン幼鳥に再登場してもらいましょう。

 

野鳥 ヨーロッパトウネン 2018.9.16 平塚市

今回は平塚の休耕田で観察したヨーロッパトウネンです。

ツミの特集が終わり、シギチドリ特集の再開です。

隣の休耕田にいたアカアシシギエリマキシギの観察がメインでしたので、到着時にさっと2羽のトウネンがいることを確認しただけでした。

第一印象は、1羽は典型的なトウネンの幼鳥、もう1羽は軸斑が太く上面全体が黒っぽく見えるトウネンで繁殖羽が摩耗している成鳥?でした。

アカアシシギエリマキシギの観察・撮影を終えて一段落して、今度はトウネンをじっくり観察することに。

やはり気になるのは黒っぽい個体です。

スコープでじっくり羽根を観察していると、内側大雨覆の軸斑が中央付近でくびれているのを発見。


ヨーロッパトウネン幼鳥で羽根の摩耗が進んでいる状態


上の画像の拡大図です。中央の右下にたれている羽根の黒模様に注目!中央部分が上下から圧縮されたように凹んでいます。

このくびれはここ数年ヨーロッパトウネンの特徴として、トウネンとの有効な識別点として注目されています。

BIRDER愛読者の方ならご存知かも知れません。

不思議なもので、ヨーロッパトウネンの目で見直すと、トウネンと並んだ時に脚が長いので胴体の位置が高いですし、脛が細長いです(優秀な知り合いはまずは脛の細長さをチェックするそうです)。


くびれや脛の細長さが分かると思います。

以下は比較画像として同じ現場にいたトウネン幼鳥です。

また体型はトウネンに比べて胴体の後ろ半分が短いので前に圧縮された形に見えます。

以下は昨年観察した幼鳥です。
この赤褐色の綺麗な羽根模様の幼鳥のイメージが強かったのも、今回すぐに識別できなかった原因ですね。
この個体が元々赤褐色の薄い個体なのか?摩耗して薄くなってしまったのか?


2017.8.26  三番瀬にて

それでは動画をご覧ください。

ヨーロッパトウネントウネンエリマキシギアカエリヒレアシシギが登場!