今回は4年前に平潟湾で観察したメリケンキアシシギです。
撮影した2014年の数年前からキアシシギの群れにメリケンキアシシギが混じるようになり、毎年観察されていました。
まさか横浜市内でメリケンキアシシギを見ることができるとは!
観察時は非常に喜んだことを思い出します。
今では東京湾奥部での観察が定番ではありますが、この頃はまだ首都圏でもメリケンキアシシギの観察例は少なかったと思います。
以下、当時の様子を思い出してみました。
到着時、ほぼ満潮だったため、メリケンキアシシギはキアシシギの群れと共に海面にぽつんとある鉄柵で休憩中。
第1印象は体色の濃さと下面の横斑の密度の濃さでした。
体下面の横斑の太さと多さの違いがハッキリと分かります。
また、画像ですとそこまで差はありませんが、現場では上面の体色はメリケンキアシシギは暗灰色、キアシシギは灰褐色と違いがハッキリと分かりました。
くちばし全体が黒く、うっすらと鼻孔の先に伸びる溝も長いです。
メリケンキアシシギを未だ見たことがなかったので、似ているキアシシギとの識別点を現場で理解できるか少し不安でした。
が、識別点をチェックして改めて両者を見比べると、明らかにキアシシギとは違うという印象を持ちました。
参考画像 キアシシギとの大きさ比較 2015.5.9 平潟湾
左がメリケンキアシシギ、他の2羽がキアシシギです。
全長はメリケンキアシシギが27.5㎝、キアシシギが25.5㎝と差はわずかですが、現場での印象は数値以上に大きく感じました。
動画 2014.5.8 平潟湾
時々上空を警戒したり、鉄板が熱いせいなのか?そろりそろりと歩く姿が面白いです。気持ち脚が太い気がします。
残念ながらメリケンキアシシギは2015年の春の渡りを最後に観察が途絶えてしまいました。
地元バーダーの話によると、実は毎年秋の渡りの際にも立ち寄っていたそうで、おそらく同一個体と推察されています。
以前にもお伝えしましたが、この夏から平潟湾の野島水路上に道路を建設する予定です。
そのため、例年シギチドリの渡り時の中継地として利用される主要なポイントは消滅する運命にあります。
例年、7月中旬頃からキアシシギなどシギチドリが戻りの渡りの中継地として平潟湾に戻ってきます。
この時までに波止場が残っているか?
残っていないとしたら代替場所を探すのか?
そのまま素通りしてしまうのか?
今後の動向が気になります。
その頃に平潟湾に行って様子を調べたいと思います。