探鳥記 2018.4.14 大井ふ頭中央海浜公園 14:15~15:45 曇り

葛西からの帰り道、葛西だけの探鳥というのは寂しい?ので、どこかにふらっと立ち寄ろうということに。

今の時期なら大井野鳥公園、多摩川河口、六郷干潟あたりが面白いので候補地に挙がった。

どの場所もちょっと探鳥するには重い。

ふと、大井野鳥公園そばに小規模の野鳥観察施設があることを思い出した。

探鳥したことがない場所なので、この機会に行くことにした。

全体図 野鳥観察の中心は上半分の運河沿いのエリア

公園内に入ると、自然観察路の看板が。

ちょっとした散策路かと思いきや大きい池に沿った緑の濃いエリアだった。

池ではダイサギアオサギの姿を発見。

ゴイサギカワセミが水面を凝視している姿やカルガモカイツブリが浮いている姿を想像して探して見たが観察できず。

今の渡りの時期ならキビタキセンダイムシクイなどの夏鳥を見聞きしても不思議ではない環境だ。

散策路を抜けると目の前に観察舎が現れた。

中に入ってレンジャーの方と当地の環境や観察できる鳥などについて会話した。

今回はほぼ満潮状態で干潟は現れていなかったが、この時期なら潮が引くとキアシシギメダイチドリなどが観察できるそうだ。

観察舎の前から運河を望む。

満潮でも杭の上や岸辺にシギチドリがいることもあるので探索するも発見できず。

また潮巡りが良い状態で観察に来よう。

帰る間際に遠くの杭にカワセミを発見!

※大井野鳥公園の近くなので、セットでの探鳥をおススメします。

見聞きした野鳥(観察順)

ダイサギ
ヒヨドリ
アオサギ
カルガモ
ハクセキレイ
カワウ
オオバン
カワセミ
コゲラ
キジバト

計10種

探鳥記 2018.4.14 葛西臨海公園 8:05~13:30 曇り

奄美大島探鳥前後は奄美大島の野鳥のことで頭が一杯であった。

ようやく通常運転ということで東京湾岸エリアに向かった。

この時期ならやはりシギチドリや夏鳥の渡りが気になる。

淡水池ではさすがに越冬カモはまばらであったが、これからの主役となる繁殖羽のカイツブリの姿が綺麗だった。

葦原では冬鳥のオオジュリンの姿はなく寂しかったが、もうすぐしたらオオヨシキリでにぎやかになるだろう。

擬岩付近ではコチドリや渡り途中のシギチドリに期待したが不在だった。

鳥類園周辺では冬鳥のアカハラシロハラを観察

アメダスポイント付近では東なぎさの遠くにいるハヤブサウミアイサミヤコドリなどを観察。

東なぎさの対岸には4羽のアオアシシギがいた。

ようやくシギチドリを発見!4羽は渡り途中ではなく越冬中の群れかも知れない。

しばらくして再度アメダスポイントで探鳥した際には、対岸の浅瀬で食事中のホウロクシギクロツラヘラサギダイサギを観察する機会に恵まれた。


ホウロクシギ


うっすらと黄色の繁殖羽になっているクロツラヘラサギ

3種の大きさを比較してみるとホウロクシギがイメージしたより小さい。

日本で観察されるシギチドリの中では最大なのだが。

大きさ比較は思わぬ発見や過去の記憶や先入観を払拭してくれることがあるので、意識して観察している。

奄美疲れ?もあってここで探鳥を終えて、西なぎさに立ち寄ることなく葛西を後にした。

見聞きした野鳥(観察順)

ヒヨドリ
オオバン
キンクロハジロ
ハシビロガモ
オカヨシガモ
ツバメ
カルガモ
アオサギ
カイツブリ
アカハラ
シロハラ
ダイサギ
ハヤブサ
ミヤコドリ
カワウ
ウミアイサ
アオアシシギ4
スズメ
カンムリカイツブリ
ウミネコ
ユリカモメ
セグロカモメ
スズガモ
ムクドリ
ツグミ
スズメ
ホウロクシギ
クロツラヘラサギ
ハクセキレイ
カワラヒワ
セッカ

計31種

野鳥 ルリカケス 2018.4.8 奄美大島

今回は奄美大島を代表するルリカケスです。

まだまだ奄美大島引っ張ります!

ルリカケス(全長は38㎝)であり、カケス(33㎝)に比べて尾の長さを考慮しても大きく見えます。

ルリカケスは観察しやすい鳥ではありますが、警戒心が強く観察中でも我々と一定の距離間を保持しているように見えました。

生息数は、一時期絶滅の危機が騒がれるほど減少傾向にありましたが、その後の研究や保護活動の成果もあって増加しているそうです。

今回の探鳥ではルリカケスを平地の海岸や市街地から山奥まで普通に観察することができ、今後の動向は気になるところですが一安心でした。

以下の動画は山間部を走行中に発見・撮影しました。
しばらく枝止まりして、良いモデルになってくれました。
尾羽の白い先端部は飛翔時に瑠璃色より目立っていました。

次は3年前に上野動物園で撮影したルリカケスです。
現在、上野動物園ではルリカケスの繁殖活動に取り組んでいます。
最も近く?観察したいのでしたら上野動物園へ!

 

※以前に掲載した動画

 

 

野鳥 ズアカアオバト 2018.4.8 奄美大島

今回はズアカアオバトの特集です。

今回の奄美大島探鳥ではズアカアオバトを以下の画像を撮影した観察の森のような緑の濃い場所から平地の市街地まで様々な場所で観察しました。

画像を見るとズアカ=頭赤ではないのですが、台湾に生息する亜種はまさに頭部が赤いそうです。

頭部が赤くないズアカアオバトは、アオバトに色模様、形、大きさがそっくりですが、両者の主要な相違点は①下腹の色と②下尾筒の軸斑の太さです。
アオバトは淡黄白色なのに対して、ズアカアオバトは下腹を含む胴体下面全体が緑褐色であること
ズアカアオバトの方がアオバトより軸斑が太いのでより目立つことです。

参考画像 

2018.3.24 アオバト 昭和記念公園にて

アオバトズアカアオバトも緑の中では目立たないので、見つけるのには苦労しますね。

参考までに以前に掲載したアオバト特集です⇒ここをクリック!

野鳥 アマミヤマシギ 2018.4.8 奄美大島

今回はアマミヤマシギです。

初日の南部の林道では観察できず焦りましたが、翌日の北部での林道では念願の御対面となりました。

道路の中央にいる個体を発見した際には全身を観察する機会に恵まれました。

ヤマシギとの比較ですが、遠目からは特に脚が太く長いのが印象に残りました。

脚の上に胴体が横方向にドンと乗っているようなヤマシギに比べて、脚が長いのでアマミヤマシギの方がより立っている姿勢に見える気がしました。

また図鑑の記載にあるように顔の模様や目の位置もヤマシギとはパッと見で違うと思いました。

詳細な差異はもちろんありますが、夜間の現場という悪条件では以上の2点が分かり易い差でした。


アマミヤマシギ

参考画像

ヤマシギ 2016.2.26 舞岡公園

クリアーでなく全身が映っていない動画ですが、、、掲載しました!

 

探鳥記 2018.4.7~9 奄美大島 まとめ

行動記録

4月7日 奄美空港⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒アヤマル岬⇒名瀬市⇒南部林道⇒名瀬市

4月8日 名瀬市⇒秋名⇒観察の森⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒アヤマル岬⇒観察の森⇒北部林道⇒名瀬市

4月9日 名瀬市⇒観察の森⇒打田原⇒宇宿漁港⇒大瀬海岸⇒奄美空港

プランについて

参加数:6人で1台のレンタカーを使用

時期:春の渡りと奄美固有種の繁殖期とが重なる時期を狙いました。

宿泊日数:2泊3日でしたが、羽田⇔奄美大島の直行便がJALの1日1本のみ。しかも羽田12:05⇒奄美空港14:20、15:05⇒17:05の運行なので島内での活動時間は約48時間のまる2日分のみ。今回は北部中心でしかも天気が良かったので探鳥に時間が取れましたが、島内全域での探鳥や悪天候を考慮すると3泊4日でも良いと思います。

事前の会合:今回は初めて事前にメンバー間で会合する機会を作りました。スケジュールの把握はもちろんですが、メンバー各々で見たい鳥、行きたい場所などの意見を出し合って活動中のストレスの軽減を図りました。見たい鳥が見れない状態が続いた時に現場での判断材料の1つとして役立つと思います。

探鳥雑記

南国・4月というイメージで勝手に温暖な気候であると決めつけて防寒対策を怠り困りました。まさか奄美大島でカイロを腰や肩に貼るとは思いませんでした。フリースなどを用意すると良いです。

アマミヤマシギは夜間に林道で探鳥した経験者の意見を加味すると、そこまで観察に苦労する鳥ではないようです。観察中はゆっくりとした速度で対向車・後続車・地表面の生き物をひき殺さないように気を付けてください。

ルリカケスは島内の様々な環境で観察することができました。観察メインなら奄美自然観察の森をおススメします。

大瀬海岸は空港の近くなので、搭乗時間までの時間調整ができる探鳥地です。潮が引くと遠距離観察となるので潮見表で事前のチェックをお願いします。

事前情報だけでなく現場での最新情報を得ることも大切です。バーダーと出会った際は情報交換をおススメします。

見聞きした野鳥(鳥類目録 改訂第7版順)

ヒドリガモ
カルガモ
ハシビロガモ
オナガガモ
カイツブリ
カラスバト
キジバト
カワウ
アオサギ
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
クロサギ
シロハラクイナ
オオバン
アマツバメ
ムナグロ
ダイゼン
コチドリ
シロチドリ
メダイチドリ
セイタカシギ
アマミヤマシギ
タシギ
オオソリハシシギ
アオアシシギ
キアシシギ
イソシギ
キョウジョシギ
オバシギ
ハマシギ
ツバメチドリ※
クロハラアジサシ
ミサゴ
トビ
ツミ※
サシバ
リュウキュウコノハズク
カワセミ
コゲラ
オオアカゲラ
サンショウクイ
ルリカケス
ハシボソガラス
ハシブトガラス
ヤマガラ
シジュウカラ
リュウキュウツバメ
ヒヨドリ
ウグイス
メジロ
セッカ
ムクドリ
トラツグミ
シロハラ
アカヒゲ
イソヒヨドリ
キビタキ
スズメ
キセキレイ
ハクセキレイ
ムネアカタヒバリ

合計62種 ※は他のメンバーが観察。

春の渡りの珍鳥観察に淡い期待を寄せていたが、今年は特に状況が悪かったです。

同時期の目撃談として、ヤツガシラマミジロタヒバリアオバズクがありました。

 

探鳥記 2018.4.9  奄美大島探鳥④ 3日目 7:00~13:45 晴れ

本来なら最終日は南部の渡り鳥の観察ポイントを巡る予定であった。

が、奄美大島に到着してからの最新情報を分析した結果、どうやら今年の渡りの観察状況は厳しいとのことなので中止とした。

ということで最終日も引き続き自然観察の森や大瀬海岸など北部を探鳥することにした。

まずは自然観察の森へ。

奄美自然観察の森 7:00~10:10

昨日より2時間早く到着。

やはり時間帯が早い方が鳥を見聞きする機会が増える。

個人的には声は聞けども姿を見ていないアカヒゲを何とか観察したい。

昨日アカヒゲが目撃された場所を中心にして森の中を探索。

突如、メンバーからオオアカゲラ発見の一報!

駆けつけるとちょうど捕食のため木を削っている最中だった。

※0:37付近で幼虫を捕食

その後も様々な鳥を観察するが、アカヒゲには出会えず。

森の中を歩き回って、そろそろアカヒゲ探索を諦めないといけない時間となった。

最後にもう一回と決めてアカヒゲがいそうな林床部を探索していると、オレンジ色が目に入った。

その時の場面が以下の画像で、執念が実った瞬間であった。

前に振り向いて顔から胸にかけて黒い部分がないので雌と分かった。

ただでさえカワイイ小鳥なのに最後の最後で見つけた喜びも合わさって感激した!

雌に会えたことで満足して余韻に浸っていると、更にメンバーがそばにいる雄を発見!


雄は雌に比べて顔から胸にかけて黒いので一目で区別できる。


沖縄にいる亜種リュウキュウアカヒゲに比べて脇に黒斑がある。

アカヒゲとの出会いは奄美大島探鳥のクライマックスであった!

お世話になったレンジャーの方に感謝のご挨拶を済ませ、気持ちよく観察の森を去った。

見聞きした野鳥(観察順)

キジバト
ズアカアオバト
メジロ
ヤマガラ
ルリカケス
アマツバメ
アカヒゲ
サンショウクイ
シジュウカラ
シロハラ
オオアカゲラ
コゲラ
ウグイス

計13種 目撃談:ツミ

打田原 11:20~11:40

カラスバトルリカケスが観察しやすい場所との話を聞いたので、大瀬海岸方面に向かう前に立ち寄った。

到着後、奥の草原から早速カラスバトの唸り声が聞こえてきた。

姿を探すも一度だけの声でそれ以降は見聞きできなかった。

眼下に奄美の綺麗な海を臨むことができ、鳥を中心に奄美大島を見て来た私にはより鮮やかに見えた。

海の手前に広がる緑地をルリカケスが頻繁に行き来していた。

今回の探鳥中、森から海岸線まで様々な環境でルリカケスをたくさん観察でき、一時期の個体数減少による危機は脱したかのように思われる。

ここでも時よりアカヒゲの朗らかな声を聞くことができ、ニンマリ。

次の目的地、ムネアカタヒバリを求めて宇宿漁港へ。

聞きした野鳥(観察順)

カラスバト
ルリカケス
アカヒゲ
ハシブトガラス
シジュウカラ

計5種 目撃談:ヤマガラ

宇宿漁港 12:10~12:40

今日こそムネアカタヒバリを観察したい!

二度あることは三度ある?三度目の正直?

今回は漁港の奥地まで徹底的に探索するつもりだったが、到着して直ぐに2羽いるところを発見!


前半は前方からの動画で胸の薄紅色が目立つ。後半は横からのスロー動画で上面の太い縦斑が目立つ。

5分は近くにいただろう、2日分じっくり観察できた。

ここではセッカやシロチドリの他、メンバーがサシバを観察した。

ちなみに次の日にマミジロタヒバリが観察されたとのことで、タヒバリ類の観察が多いという噂通りの探鳥スポットであった。

見聞きした野鳥(観察順)

ハクセキレイ
ムネアカタヒバリ2
セッカ
シロチドリ

計4種 目撃談:サシバ

大瀬海岸 12:45~13:45

本日もまた探鳥することになった大瀬海岸。

飛行機の出発時刻が15:05なので、ここを最後の探鳥地として時間調整をすることにした。

昨日よりもシギチドリが種類・数ともに増加、新顔はセイタカシギタシギ

本日もクロハラアジサシを観察、大瀬海岸が気に入っているようだ。

メンバーが海岸の陸地側の上空でツバメチドリの群れを観察。

私は海岸にいるシギチドリ観察中で観察できず残念!

ここで時間となったので空港へ向かい、今回の奄美大島探鳥が無事終了。

見聞きした野鳥(観察順)

ムナグロ
オバシギ
クロサギ
リュウキュウツバメ
セイタカシギ
ダイサギ
アオアシシギ
オオバン
マガモ
イソヒヨドリ
アオサギ
メダイチドリ
ハマシギ
ハシビロガモ
クロハラアジサシ
キアシシギ
コチドリ
ダイゼン
タシギ

計19種 目撃談:ツバメチドリの群れ

探鳥記 2018.4.8 奄美大島探鳥③ 2日目後半 12:40~21:45 晴れ

奄美自然観察の森から宇宿漁港へ。

宇宿漁港 12:40〜12:45

天候も穏やかで良い観察条件だったが、昨日に続きイソヒヨドリのみの観察となった。

ムネアカタヒバリとは出会えるのか?

大瀬海岸へ移動。

大瀬海岸 12:50〜13:08

昨日に比べて水際がより手前で観察しやすい条件ではあるが、鳥の種類・数ともに少ない。

シギチドリムナグロのみで残念であったが、昨日に続きクロハラアジサシを観察できた。

※早朝にここで岩の上にいるヤツガシラの目撃談があった。

見聞きした野鳥(観察順)

ダイサギ
チュウサギ
アオサギ
クロサギ
ムナグロ
クロハラアジサシ
ミサゴ
オナガガモ

計8種

アヤマル岬 13:15〜14:00

天気が良いので人が多く、探鳥には不向きな状況。

昨日不活発であったツバメは本日は悠々と青空を飛び回っていた。

あちこちに広がる芝生の上にいる珍鳥を妄想しながらの探鳥となったが、発見できず。

再度、奄美自然観察の森へ。

見聞きした野鳥(観察順)

ミサゴ
ツバメ
クロサギ
カワウ
イソヒヨドリ
ヒヨドリ
オオバン
カイツブリ

計8種

奄美大島自然観察の森 14:30〜18:10

3時間ぶりの観察の森、いよいよ後半戦のスタート!

先ほどよりは森が鳥の声でにぎやかに感じる。

アカヒゲの美声が相変わらず森に響き渡り(観察できないのだが)、上空高い場所からはカラスバトズアカアオバトの声、一度だけリュウキュウコノハズクの声が聞こえてきた!

そしてオーストンオオアカゲラのドラミング!

奥の水場に行くとちょうどルリカケスがいた。

水を飲む行動からも警戒心の強い鳥と感じた。

この旅、一番の近さでの撮影となって喜んだが、その間にアカヒゲが今まで待機していた場所に登場して観察機会を逸してしまった。

全てはうまくいかないものである、、、。

この頃、観察の森にY社とA社の野鳥ツアーが到着して、森がにぎやかになった。

我々はY社の皆さんの近くで引き続き野鳥観察を続けていたのだが、ここでY社担当のNさんと初めてお会いした。

Nさん担当のツアーの人気は何度も耳にしていたが、なるほどNさんの気配りと適切な指示と気さくさを目の当たりして納得した。

そばにいる我々一同もまるでツアー参加者ではないかと思ってしまうほど、Nさんや参加者と野鳥談義や情報交換をするなど雰囲気の良い時間を過ごすことができた。

ここではズアカアオバトの姿を観察することができた。

森の中で声は何度も聞いていたが、ようやくの御対面。

ズアカアオバトは周りの緑に溶け込んでおり、見つけにくい理由が改めて分かった。

夕方近くになり、今回の探鳥の主目的であるアマミヤマシギが今夜観察できるのか?そわそわしてくる。

自力で見つけたいという頑な考えはもはや不要だ。

朝から我々に優しいご対応のレンジャーの方におススメ観察ポイントをすがりつくように尋ねると快諾!

どうやらこの付近の林道ではたいてい観察できるとのこと。

まだ観察していないのに、もうアマミヤマシギに出会った気分となり、気持ちよく夕食を求めて市街地へ向かった。

夕食は豆腐料理専門店の島とうふ屋。前日に続き、ここの料理も美味しかった。

見聞きした野鳥(観察順)

ルリカケス
ヤマガラ
アカヒゲ
カラスバト
ズアカアオバト
ヒヨドリ
オオアカゲラ
キジバト
サンショウクイ
リュウキュウコノハズク
キビタキ

計11種

北部林道 20:00〜21:45

お腹も満たし、いよいよ夜の林道に出陣!

昨夜の林道探鳥と同様にリュウキュウコノハズクの声を聞きながらの探鳥となった。

今回はリュウキュウコノハズクの枝止まりの姿も是非見てみたい。

ゆっくり車両を進めながらアマミヤマシギがいないか道端付近の草地を凝視する。

しばらくすると道沿い高い斜面でシギらしき個体をメンバーが見つけた。

すぐに飛び去ってしまったが、目撃メンバーによると大きさとくちばしの形から多分アマミヤマシギだろうとのことであった。

いよいよアマミヤマシギと出会うチャンスが近づいて来た。

更に車を進めると今度は運転手の「いたー!」という叫びが。

どこだ?どこだ?と必死の探すと何と目の前の草地の斜面にいた。

車のライトだけではハッキリ見えなかったので、手持ちのライトを照らすと憧れのアマミヤマシギの姿が!

舞岡公園で長年ヤマシギを見てきたので、一目でヤマシギとは異なるのが分かった。

念願のアマミヤマシギと出会えて喜びと安堵感で胸が一杯となった。

更に別個体を見つけるべく車を進める。

前方50mぐらい前の路上中央で再びアマミヤマシギを発見。

この個体は全身の姿を観察できたので、ヤマシギと比べて長くガッシリした脚を持つことが分かった。

アマミヤマシギを観察した後、今度は夜の観察の森に立ち寄ってリュウキュウコノハズクとの接触を試みる。

接触といっても要は鳴きマネをして寄って来るのを観察するだけのことなのだが。

夜の森は真っ暗ではあるが、3個体の雄の「コホッ、コホッ」という声が響き渡り、時々その声に呼応する雌の間の抜けたような「プ~」という声がする。

4個体目の雄を目指して10分くらい「コホッ、コホッ」の鳴きマネをするが、雄雌ともに相手にされていないようで、私への雄の威嚇や雌の興味を示す接近がない。

やはり即席の鳴きマネでは通用しない。

のどの痛みと虚しさを感じたので森を撤収。

帰りの途中、林道で今回もアマミノクロウサギを観察して、無事2日目が終わった。

見聞きした野鳥(観察順)

リュウキュウコノハズク声18、アマミヤマシギ4、アマミノクロウサギ1

探鳥記 2018.4.8  奄美大島探鳥② 2日目前半 6:30~11:40 晴れ

本日2日目は奄美大島屈指の探鳥地・奄美自然観察の森がメインであるが、その前に付近にある秋名という探鳥スポットへ寄ることにする。

名瀬⇒秋名の移動途中  6:30〜7:50 

名瀬市から秋名までの道沿い、特に山間部では何度もルリカケスの枝止まりを観察できた。


ついに登場!鹿児島県の県鳥・国の天然記念物・日本固有種と多くの肩書を持つルリカケス

途中でいかにも野鳥がいそうな川沿いの草原で小休止した。

見事に当ては外れたが、そばにある民家近くの森では次々とルリカケスリュウキュウサンショウクイの姿、アカヒゲの美声を聞くことができて、一同大満足!

まさか民家の近くでアカヒゲの美声を聞くとは思わなかったので、一気にテンションが上がるとともに奄美の野鳥の濃さを垣間見た気がした。

見聞きした野鳥(観察順)

ヒヨドリ
シジュウカラ
ルリカケス
コサギ
チュウサギ
メジロ
サンショウクイ
ハシボソガラス
セッカ
ムクドリ

計10種

秋名 7:50〜8:40

田畑の広がる秋名は、水鳥観察はもちろん渡りの時期も思わぬ珍鳥との出会いがあるそうだ。

イメージしているより広くはなく、こちらでもよくある集落と田畑のある景観である。

ここではひょっこり草やぶから現れたシロハラクイナや繁殖?越冬中?のサシバを観察できた。

珍鳥がどこにいても不思議ではない時期と環境なのだが、見当たらず。

見聞きした野鳥(観察順)

カルガモ
ヒドリガモ
シロハラクイナ
ハシビロガモ
セッカ
イソシギ
イソヒヨドリ
カワセミ
キセキレイ
サシバ
キジバト
ハシブトガラス
ヤマガラ

計13種

奄美自然観察の森 9:10〜11:40

自然観察の森に近づいてきた。

車窓からルリカケスを何羽も簡単に観察できるようになる。

電線にはリュウキュウサンショウクイ

ついに観察の森に到着!

ここは山野の鳥の濃さと観察のしやすさは奄美で1番の探鳥地であるとのこと。

アカヒゲの声がさっそく森の奥から聞こえてくる。

入口にある事務室そばではオーストンオオアカゲラオオアカゲラの亜種)が営巣中で、その保護のため巣の周りにロープがかなり長く四方に張られている。

レンジャーによりコントロールされている状態なので、バーダーにとっても観察・撮影しやすくて良い。


動画前半は雌で後半は雄。雌が雄の帰りを待ちわびているような様子から抱卵中かと思っていたが、雄が削りくずを外に捨てていることから営巣作業中の状態と考えられる。

この森ではルリカケスを簡単に観察することがことできるが、いざ撮影となるとなかなか良いショットが撮れない。

時折アカヒゲの美声がそばから聞こえてくるので、簡単に観察できると思いきや必死に探すも見つからず。


このような森の雰囲気の中でアカヒゲの声が響き渡り、南国にいることを感じることができた。

そばで突然オーストンオオアカゲラのドラミングの音が響いた!


最後のスロー動画を分析したところ、約1.5秒間で23回突いていた!

ちなみに奄美大島にはコゲラオオアカゲラしか生息していない。

2時間半探鳥して、森の様子も把握でき、また野鳥の動きも朝に比べて不活発になったので、気分転換に昨日観察した探鳥地を巡ることにする。

見聞きした野鳥(観察順)

ルリカケス
サンショウクイ
ヤマガラ
シロハラ
アカヒゲ
ハシボソガラス
メジロ
カラスバト
コゲラ
オオアカゲラ

計10種

続きは次回!

探鳥記 2018.4.7 奄美大島探鳥① 1日目 15:40~22:30 曇り 強風

4月7~9日の3日間、鹿児島県奄美大島で探鳥をした。

奄美大島での探鳥は1995年3月以来23年ぶりである。

前回はルリカケスヤツガシラアカショウビンズアカアオバトなどを観察できたが、アマミヤマシギ観察できず。
ここ数年はシギチドリへの関心が特に高いので、アマミヤマシギへの思いは募るばかりであった。

今回は何としてもアマミヤマシギを探して、できれば捕食活動など様々な行動を長時間観察したい。

出発日当日は日本列島に強風が吹き荒れて、奄美大島も例外ではなく、奄美大島空港への着陸もやり直しを余儀なくされるほどであった。

宇宿漁港  15:40〜15:50

最初の目的地は空港から車で数分のところにある宇宿漁港で、渡りの時にムネアカタヒバリなどのタヒバリ類やセキレイ類が観察されることが多い。

最近も知り合いがムネアカタヒバリを観察している。

地上でも相変わらず風が強く探鳥コンディションはよくないが、芝生や空き地でじっとしている野鳥をイメージして探索開始。
強風の影響かタイミングが悪いのか岸壁にイソヒヨドリがいるのみ。

すぐそばにある大瀬海岸に移動。

見聞きした野鳥(観察順)
イソヒヨドリ

大瀬海岸  15:55〜16:55

渡りの季節はシギチドリ観察で有名なイントであり、海が荒れると沖合に思わぬ海鳥が登場する場所である。

到着時、海岸はほぼ干潮状態で鳥との距離が遠い。

シギチドリで最初に見つけたのはムナグロ

黄色の繁殖羽から非繁殖羽まで様々な個体がいる。

目が慣れてくるとメンバーでオオソリハシシギキョウジョシギメダイチドリと次々とを見つけていく。

いつの間にかオバシギ20羽の群れが飛来しており、遠目からでも胸の黒い繁殖羽が目立つ。

強風の中での割にはシギチドリを中心に観察できた方だと思う。

シギチドリ観察の合間にミサゴクロハラアジサシが不意に現れて間近まで飛んで来たりした。

見聞きした野鳥(観察順)

アオサギ
ダイサギ
オオバン
コガモ
ムナグロ15
オオソリハシシギ
キョウジョシギ
メダイチドリ2
アオアシシギ2
ミサゴ
シロチドリ
クロハラアジサシ
ダイゼン
オバシギ20
ヒヨドリ

計15種

アヤマル岬周辺  17:05〜17:30

次はさらに北上してアヤマル岬へ。

23年前はここで知り合いがヤツガシラを観察している。

渡りの時期は岬や島の突端などは渡り鳥が休んでいることが多いので注目である。

駐車場に到着すると、地面に20羽以上のツバメがうずくまっている。

時々地上1メートルくらいの高さで短い距離を飛んでは着地を繰り返している。

警戒心がないのか近づいても逃げず、こちらが心配するくらいだ。

やはり強風の影響はあるのだろう、鳥が少ない。

18時を過ぎたので、周辺の田んぼや畑をチェックしながらホテルのある名瀬市へ向かった。

見聞きした野鳥(観察)

ツバメ
キジバト
ハシブトガラス

南部林道  20:30~22:30

チェックインしてからホテルそばのよろこび庵で奄美名物の鶏飯を食べた。

美味しい鶏飯でお腹と冷えた体を整えて、個人的には最大の目的であるアマミヤマシギの探索に南部の林道へ向かう。

名瀬市から南部の林道までは車で1時間弱。

南部の林道では一定間隔ごとにリュウキュウコノハズクの「コホッ、コホッ」という声が闇夜から聞こえてきた。

全部で10個体の声を確認。

一方、アマミヤマシギは林道の両側を見逃しがないようにメンバーで集中して探索したが、結局、観察できず。

野鳥以外ではアマミノクロウサギを3回、ケナガネズミを1回観察した。

どちらも日本固有種であり、アマミヤマシギルリカケスと同様に非常に貴重な生き物だ。

ケナガネズミはその体の大きさと尾の長さが特に印象に残った。

22時半頃まで林道観察を続けて、ホテルへ戻ることに。

正直、アマミヤマシギは林道に行けば、観察するのは難しくないと思っていただけに意気消沈!

明日の夜しかアマミヤマシギを観察する機会がない。

明日の観察の成功を祈りながら夜の林道を後にした。

※夜間での林道観察における注意点です。最近、夜間走行中に貴重なカエルなど小動物を轢いてしまうロードキルが増えているそうです。野鳥だけでなく、路上にも注意が必要ですね。

見聞きした野鳥(観察)

リュウキュウコノハズク10回声、1回姿

※アマミノクロウサギ3
※ケナガネズミ