探鳥記 2017.8.11 三番瀬 10:50~13:40 曇り

ようやく東京湾岸の各地でシギチドリの観察例が増えて来た。

今回も飽きずに東京湾岸探鳥を実施。

最初の目的地は3週続けての探鳥となる三番瀬。

昨晩から雨が降ったり止んだりの天気なので、さすがに干潟はいつもより人が少ない。

まずは正面の階段上から干潟の野鳥状況を確認。

先週同様に今日も干潟の右奥にシギチドリが集中しているので、そちらに向かう。

到着して驚いたのがメダイチドリの多さだ。

ざっと約70羽近くが採餌中である。

その奥でオオソリハシシギダイゼンキアシシギミヤコドリが採餌。

手前)ダイゼン、奥)オオソリハシシギ、右)キアシシギ

水際近くでは20羽近くのミユビシギの群れがあちこち移動しながら採餌中。

採餌中のミユビシギの群れ

8月6日は3羽だったオオソリハシシギは今回9羽確認。

黙々と採餌中のオオソリハシシギ

動向メンバーが体の大きいメダイチドリを見つけた。

オオメダイチドリではないか?とのことで、スコープでじっくり観察すると、やはりオオメダイチドリの幼鳥だった。

オオメダイチドリ幼鳥 脚の黄緑色に注目!

このオオメダイチドリは、最初はメダイチドリと一緒に水気の多いエリアで採餌していた。
以下その動画。※前回と同じものです。

が、次第にメダイチドリの群れからは離れて、比較的乾いている干潟のエリア(陸地方面)を好んでカニの採餌を繰り返していた。※前回と同じものです。

 

オオメダイチドリのそばにはシロチドリの姿があった。
シロチドリもゴカイというよりはカニなどの生き物を探している感じで、両者に共通しているのは、高スピードで駆けて採餌する行動だろう。カニなど動きの速い生き物を捕まえるためには、このぐらいのスピードは必要なのだろう。

水際に目を向けるとミユビシギの群れが相変わらず盛んに採餌をしている。

今回はなるべく低い目線で動画を撮影すべく接近する。

以下がその動画で、オオソリハシシギも一緒に登場。

このぐらい密度が濃いとシギチドリの観察をしている!という実感が沸く。

一通り三番瀬にいるシギチドリをじっくり楽しく観察できた。

次の目的地、谷津干潟に向かう。

見聞きした野鳥(観察順)

キアシシギ
ウミネコ
カワウ
ダイサギ
メダイチドリ約70羽
ダイゼン12
オオソリハシシギ9
ミユビシギ
ミヤコドリ
オオメダイチドリ
アオサギ
シロチドリ
コサギ
ハクセキレイ

計14種

野鳥 オオメダイチドリの採餌

以下の動画は前回の続きで、三番瀬の同一個体のオオメダイチドリです。

通常移動の採餌

周囲にいるメダイチドリと動きに差はないように見えます。

高速移動採餌 (1倍、0.5倍、0.125倍の三本立て)

 

0:07に高速走りから一時停止して直角の左ターン!

0:09に穴に引っ込んだカニをほじくり出して捕まえる。
カニをそのまま飲み込むには足が邪魔で飲み込みづらいので、振り回したり地面に落としたりして足を取り除いている。胴体から外れた足をまず食べてから胴体を食べているように見える。

0:32に食べた後は飲み込みやすくしているのか?口内をきれいにするのか?水を飲んでいます。何回も食後に水を飲む行動を観察したので、行動パターンといえるかも知れません。

やはりカニを採餌するには、ゴカイを採餌するのとは違うスピードが要求されるのでしょう。

野鳥 オオメダイチドリの高速移動⇒頭掻き⇒採餌

以下は2017.8.11に三番瀬で撮影したものです。

2017.8.6掲載回でカニの捕食動画が見当たらない話をしましたが、こんなに早くカニの捕食動画を掲載できるとは!

動画

想像以上に高速で移動するのでカメラで追いつけずに何度も画面から消えてしまいました。

やはり今回もオオメダイチドリは姿勢を低くして走っていますね。

0:34に頭を脚で掻く頭掻きはチドリなので、翼の上から脚を伸ばして頭を掻く間接法をしています(反対側なのできちんと見えませんが翼を下に垂らしていますのが分かります)。

0:43にカニを瞬時に捕って、その後に丸呑みしています。

画像

やはり、くちばしの長さが目立ちます。

追加動画

メダイチドリの採餌の様子です。

もちろんオオメダイチドリも、高速移動してカニを採餌しているだけではなく、ゴカイなどを採餌する際はこのような動作をします。

採餌場面を0.125倍でリプレイしています。麺類をすするような動作をしているのが分かります。

 

野鳥 ダイシャクシギとホウロクシギの比較

ダイシャクシギとホウロクシギの簡単な比較

①くちばしの長さ

ダイシャクシギホウロクシギは頭の大きさの約3つ分です(⇔チュウシャクシギは約2個分)。

ホウロクシギの方が長いという話も時々聞きますが、個体差もあるので何とも言えません。

以下の動画ではダイシャクシギの方が長く見えます。

この時期は幼鳥も観察する機会がありますが、幼鳥は成鳥に比べて短いので注意です。

②外観の模様での特徴

両方とも体全体の色模様が似ています。

細かく見るとダイシャクシギは下腹から下尾筒、翼の下面、腰の各部分が白い

ホウロクシギは体全体が褐色で黒褐色の縦斑があります。

③体の大きさ

ダイシャクシギホウロクシギはほぼ同じです。

ホウロクシギの方が大きいとの話も時々聞きますが、野外での観察では難しいのではないでしょうか。

ダイシャクシギの動画

2017.8.6に葛西臨海公園の西なぎさから東なぎさの対岸にいる個体を撮影しました。

葛西ではダイシャクシギはいつも遠くの湾内にいることが多いので、今回近くで撮影できて良かったです。

0:58辺りでシャコのようなものを捕まえ食べています。

 

ホウロクシギの動画

上の動画のダイシャクシギとほぼ同じ場所で採餌していました。

カニを捕った後に何度も地面に落としているのは、おそらくカニの足を取り除いて食べやすくしているのでしょう。

下腹と下尾筒に注目です。ダイシャクシギのように白く見えません。

※都合により無音にしております。

探鳥記 2017.8.6 葛西臨海公園② 11:25~15:00 晴れ

鳥類園

西なぎさから鳥類園へ。

鳥類園そばの淡水池では、オオヨシキリのテンションの低い声を聞いてニンマリしたり、突如現れたゴイサギ幼鳥の飛翔中の羽根の模様に目を奪われたりした。

そして、いよいよ今回の葛西の目玉である擬岩観察舎へ。

数日前からコアオアシシギがいるとのこと。

コアオアシシギアオアシシギとのツーショットをじっくり観察したい。

擬岩に到着するなり急いで観察すると、ほとんどのシギが杭のそばで休憩中であり動きが少ない。

ここには2羽のコアオアシシギ(成鳥と幼鳥)を確認。

左)キアシシギ 右)コアオアシシギ

右のコアオアシシギは胸から脇腹にかけて繁殖斑の名残があるので成鳥。
くちばしは通常細く真っ直ぐだが、この個体のはやや上に反っている。
この個体は下の動画では左にいるが、上面に灰色の冬羽が見える。

 


動画の左から、コアオアシシギ成鳥(上の画像と同じ個体)、キアシシギコアオアシシギの幼鳥。

別のキアシシギが後ろから近づいて、中央のキアシシギをくちばしで突いてちょっかいを出している。

採餌中に喧嘩をするのは見かけるが、よほど嫌なことがあって八つ当たりでもしているのか?

コアオアシシギ成鳥は動じないが、幼鳥は驚いてアオアシシギの方に逃げていく様子である。

上の動画の続き。アオアシシギの方がコアオアシシギより一回り大きい。

アオアシシギの上面には灰色の冬羽が確認できる。

やっぱりシギも暑いのは苦手みたいだ。

同行メンバーが気が付いたのだが、上の画像の6羽のシギ達全部が日陰でじっとしている。

擬岩の観察舎内も蒸し風呂みたいな状況だが、そちらも暑いのだろうなぁと同情する。

じっとしても汗が噴き出てくる中で、一通り観察できたので帰ることに。

先週に続く東京湾岸探鳥だったが、先週よりシギチドリの状況が良くなってきたので一安心。

来週はどうなるか楽しみだ。

見聞きした野鳥(観察順)

カイツブリ
コサギ
ダイサギ
オオヨシキリ
オナガ
コムクドリ
ゴイサギ
カワセミ
ムクドリ
アオアシシギ
コアオアシシギ
キアシシギ
コチドリ

計13種

探鳥記 2017.8.6 葛西臨海公園① 11:25~15:00 晴れ

三番瀬から葛西臨海公園へ。

余りの暑さに西なぎさをパスして鳥類園だけの観察にしようという案も同行メンバーの中で浮上したぐらいだ。

取り敢えず鳥類園で観察してから、西なぎさに行くか考えることにする。

ところが運悪く、少しでも鳥類園に近い駐車場へ止めようとするも、葛西臨海公園で開催される野外フェスティバルの影響で最も離れた第二駐車場へ止めることになってしまった。

炎天下の中で罰ゲームを受けたみたいなものだ。

しかたなく駐車場からは鳥類園より西なぎさの方が近いので、まずは日陰の全くない西のなぎさへ!

東・西なぎさ周辺

※葛西臨海公園で初めて探鳥なさる方へ。
葛西臨海公園の臨海部には東なぎさ・西なぎさがあり、立ち入り禁止の東なぎさの方が圧倒的に野鳥が多いです。そのため東なぎさ探鳥の際は、一般的には西なぎさの最も東なぎさ寄りの場所から観察します。
文章の冒頭で「橋の上から東なぎさをチェックする」とありますが、橋の中央付近が通り道では最も高い場所であり、遠いながらも東なぎさの湾内の様子が分かり易いので、この場所で探鳥します。

いつものように西なぎさにかかる橋の上から東なぎさの様子をチェックする。

ほぼ干潮の中で大きなシギが目に留まる。

くちばしが頭の3つ分の長さなので、ダイシャクシギホウロクシギのどちらか。

下腹と下尾筒の白が遠くからでもハッキリ確認できたのでダイシャクシギと判断した。

同行者が東なぎさの外側の岸で採餌中の別個体のダイシャクシギを発見。

こちらの個体の方が近くからじっくり観察できるので、向かうことにする。

通りすがりに西なぎさの様子を観察するもシギチドリの姿はなし。

熱い砂浜を通ってようやく水路の向こうの東なぎさの岸で採餌中のダイシャクシギとご対面。

白い下腹と下尾筒が分かり易い識別ポイント!
カルガモとの大きさに注目!

ダイシャクシギを観察中に突然スピーカーからビートルズの名曲が聞こえて来た!

なぜ、この場所、このタイミングでYesterday?

「炎天下×ダイシャクシギ×Yesterday」の真夏の共演?狂宴?

大好きなビートルズだが、久々にYesterdayを聴いた。

これからYesterdayを聴く度にこの光景を思い出すことだろう。

以下がその動画。

曲が終わった後にカニのようなものを捕まえている。

 

そばにはイソシギソリハシシギキアシシギと似たもの同士が勢ぞろい。

3種の大きさ、形、動き方を確認した。(関連記事あり ここをクリック)

東なぎさの中に目を向けると干潟にはたくさんのウミネコダイサギカワウがいる。

最近東西なぎさ周辺でズグロカモメの観察例が多いので探すことにする。

しばらくすると頭部が黒いカモメが東なぎさの遠くの干潟に1羽ポツンといるのを発見!

後頭部まで黒いのでズグロカモメと推察したが、かなり遠くて陽炎が立っている状況なので断定は避けた。

次に東なぎさの突端でよく目撃するキョウジョシギを探すも、発見できず。

日陰になる場所がないので、そろそろ限界だ。

この場から逃げるように鳥類園へ向かう。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

スズメ
ダイシャクシギ
キアシシギ
ソリハシシギ
イソシギ
カルガモ
カワウ
アオサギ
ダイサギ
ウミネコ
ヒバリ
キジバト

計12種

野鳥 メボソムシクイの採餌&さえずり

ここのところ、昨日もシギチ!今日もシギチ!!明日もシギチ?とシギチドリ特集が続いておりますので、久々に山野の鳥をお届けいたします!

以下は2016.5.21に富士山麓の西臼塚で撮影したメボソムシクイです。

メボソムシクイを富士山麓で観察する機会が多い場所は、須走口(約2000m)や吉田口(約2300m)の5合目付近です。

5合目付近は森林限界に近いため樹木がまばらだったり、低かったりするので観察しやすいのです。

メボソムシクイは亜高山帯で生息する野鳥との先入観を持っていたので、西臼塚(約1300m)で観察したと時はこんな低いところにもいるのか?と驚いた記憶があります。

㈶日本鳥類保護連盟の「鳥630図鑑」によると、富士山北側のメボソムシクイの垂直分布は約1300~2500mとあります。

西臼塚は富士山南側で北側ではないですが、同じ富士山麓とした場合に垂直分布の最低地点ぐらいの位置なので、メボソムシクイが生息していることに納得できました。

動画


途中で首を伸ばして虫を捕まえます。
飛びつくという感じではなく、さり気なく捕まえているように見えて上手いですね。
映像の最後の最後で駆け込み?ワンコーラスをして終わりです。

おまけとして0.125倍の速度で捕捉シーンを再現します。

画像

野鳥 オオソリハシシギ&ダイゼンの飛び立ち

以下の動画は2017.8.6に三番瀬で撮影したものです。

動画を見ていると意志を持って飛び立つ個体もいれば、反射的に他のシギチドリにつられて飛び立つ個体もいるように見えます。

オオソリハシシギは飛翔時に腰が白く見るので、亜種コシジロオオソリハシシギと思います。

ダイゼンは飛翔時にやはり尾羽の白が目立ちますね。

動画速度は1倍、0.5倍、0.125倍に三本立てを用意しました。

探鳥記 2017.8.6 三番瀬 8:10~9:40 晴れ

1週間ぶりの三番瀬。

シギチドリの戻り渡りの状況は、先週と同じか?それとも好転しているのか?

8時10分に到着。

本日の干潮は10時だが、沖合まで潮がずいぶんと引いている。

ざっと見渡すと潮干狩りの人達があちらこちらにいる。

さぁ、シギチドリはどこかな?と双眼鏡で探すと、正面にミユビシギの小群とキアシシギを発見。

キアシシギの「ピュイー」という声が干潟に響く。

数人のバーダーが右手奥に見えて、その先にいる大小さまざまなシギチドリの姿を確認。

他の場所を探したが、現時点ではそのエリアだけにシギチドリがいるようなので向かうことにする。

移動中にメダイチドリの小群を発見。

先週三番瀬でメダイチドリの群れが飛来していないことを心配していたが、ようやく解決!

繁殖羽の胸のオレンジ色がすすけて見えて、まさにこの時期のメダイチドリといった感じだ。

ようやく渡って来たメダイチドリ

メダイチドリの群れの中には一回り小さいトウネンを発見。

このトウネン、繁殖羽のオレンジ色と眉斑、特に目の後方の白が目立つ個体だ。

バーダー達のそばではオオソリハシシギ3羽、幼鳥、繁殖羽、換羽途中など様々なダイゼン、水際を駆け回るミユビシギの姿がある。

オオソリハシシギとミユビシギ達

前回会えなかったミユビシギの小群がいよいよ渡って来た!

前からダイゼン、オオソリハシシギ、ダイゼン若、ウミネコ
この距離感が良い!オオソリハシシギ

9時15分、突然オオソリハシシギダイゼンミユビシギの群れがいっせいに舞い上がり浦安方面に飛び去ってしまった。

しばらく舞い戻ってくることを期待して待つことにする。

その間、潮が引いた時に現れる沖合の岩礁を観察する。

岩礁では数十羽のミヤコドリキアシシギが盛んに採餌をしている。

ふと、周りを見ると潮干狩りの人達が増えており、これから更にシギチドリが安心して採餌できる状況ではなくなるだろう。

ということで、思っていたより早い時間で三番瀬を離れることとなった。

次は葛西臨海公園だ!と意気込む前に、ガリガリ君(アイスの製品名)を食べたくなった!

あまりの暑さにソーダ味とコーラ味の両手持ちで食べようかと考えたが、ソーダ味だけにしておいた。

この夏、何本のガリガリ君を食べることになるのだろうか?

見聞きした野鳥(観察順)

ダイゼン
ミユビシギ
キアシシギ
メダイチドリ
ウミネコ
トウネン
オオソリハシシギ
シロチドリ
カワウ
ダイサギ
コサギ
ハクセキレイ
ミヤコドリ

計13種