野鳥 コアオアシシギとアオアシシギの比較

今回もコアオアシシギの内容です。

コアオアシシギアオアシシギの違いを画像や動画にしました。

私が野鳥観察を初めた頃、コ+アオアシシギという名前ですから、外観の色彩や体型がアオアシシギに似ていて、大きさが小型版のイメージを持っていました。

ところがコアオアシシギを初めてフィールドで見た時の第一印象は、外観の色彩は似ているが体型はアオアシシギよりもセイタカシギに似ていると感じました。確かにセイタカシギとは体の色も大きさ(セイタカシギコアオアシシギの2倍ぐらい)も異なりますが、両方とも細くて長いくちばしと脚を持ち、スマートな体型を持っています。

そこでコアオアシシギアオアシシギの違いは、羽根の色などの色彩より体型で識別した方が良いと思いました。

※ちなみに逆光下や夕暮れ時での観察の際は、コアオアシシギセイタカシギはシルエットが似ているので注意です。

体型の違い

以下は逆光気味のシルエットの方が体型の違いが分かり易いのではないかと思いましたので。

コアオアシシギ

長細いくちばしと脚が目立ちます。

アオアシシギ

くちばしは、細長いコアオアシシギのくちばしと比べると、ガッチリしていて上に反り気味です。
また脚、胴体も太いです。

外観の色彩の比較

コアオアシシギ幼鳥

脚の色はコアオ脚というより黄色です。

成鳥冬羽や幼鳥では眉斑の白さが目立ちます。

アオアシシギ幼鳥


脚の色は黄緑色から青緑色が多いが、この個体は黄色に見えます。個体差は大きいようです。

パッと見た外観の色彩は非常に似ていると思います。

体の大きさの比較 

手前がアオアシシギ、奥で顔を出しているのがコアオアシシギ。右はウズラシギ。頭の高さに差がありますね。

胴体はコアオアシシギの方が一回り小さく見えます。

コアオアシシギの方が体型がスマートに見えます。

採餌行動の比較

コアオアシシギ ※0.125倍の飛び立ちシーンを最後に添付

アオアシシギ

コアオアシシギの方が体が小さいので機敏に動き回われるようです。

コアオアシシギの方が体の割に脚が長いので、より前かがみになって採餌することがあります。

 

 

野鳥 コアオアシシギの装いの変化

この夏はコアオアシシギの幼鳥と成鳥が葛西臨海公園の汽水湖の擬岩付近で長く滞在中です(8月29日時点)。

今回は過去に撮影したものと合わせて、不完全ながら簡単なコアオアシシギの装いの変化を記載します。

幼鳥 2017.8.6 葛西臨海公園

画像からはまだ背中や肩羽に灰色の冬羽が見えないです。

第1回冬羽へ換羽中 2016.9.17  平塚市

第1回冬羽は雨覆と三列風切に幼羽が残ります。

この個体は背中や肩羽に冬羽がかなり出始めています。肩羽は冬羽と幼羽が半分づつくらいでしょうか。

第1回冬羽へ換羽中 2016.9.17  平塚市

この個体は上の個体と一緒にいましたが、この個体の方が換羽の進行(特に肩羽)が速いです。

上の画像と同じ個体です。

第1回冬羽 2016.11.6 稲敷市

上の画像と比べて、第1回冬羽では換羽しない幼羽が摩耗しています。頭部周辺の褐色模様も幼鳥に比べて目立たないですね。

第1回繁殖羽

コアオアシシギが繁殖羽となる春の渡りの観察記録(特に関東)は非常に少ないと思います。どうやら渡りのメインルートではないようです。開き直らずになんとか見つけたいと思います。

成鳥繁殖羽

同上

成鳥繁殖羽から冬羽へ換羽中 2017.8.6 葛西臨海公園

胸や胸側に繁殖羽の黒斑が残っていることから成鳥と判断しました。

 

上の画像と同一個体ですが、体上面に冬羽を確認できることから換羽中と判断しました。

冬羽 2016.11.6 稲敷市

水深がある蓮田を泳いでいる画像です。雨覆や三列風切も冬羽になっています。

野鳥 オバシギの採食行動 2017.8.27 三番瀬

 

オバシギの採食行動について

オバシギは二枚貝が好きなので、くちばしで地中にある二枚貝を見つけだして丸呑みして食べます。

同じ二枚貝が好きなミヤコドリの場合は、くちばしで二枚貝をこじ開けて中身だけを食べます。

また同じく二枚貝を丸呑みするスズガモの場合、排出時には貝殻が粒状にされており、スズガモの大群が休む海上の底には粒状の貝殻が堆積されている話を聞いたことがあります。

オバシギの便を見たことがありませんので分かりませんが、スズガモのように貝殻は粒状なのか?そのままの状態で排出されるのか?またはシギの仲間では見聞きしたことがありませんが、消化できなかった貝殻を口から出すのか?

オバシギが排出する中身や場面を見るのは難しいですが、今後は意識して観察したいと思います。

画像

この日は3羽のオバシギ幼鳥を観察できました。


幼鳥の体上面の羽根には白い羽縁がハッキリと出ています。


ずんぐりして大きいイメージのオバシギですが、やはりダイゼンの方が大きいです。動画でもダイゼンが登場しますので見比べてみて下さい。

動画

※最後に0.125倍速の動画あります。

冒頭0:50辺りで貝殻を飲み込んでいます。

1:20辺りで貝殻を飲み込もうとするも一度海面に落として再度飲み込み直しています。

もしかしたら中身の有無をくちばしでチェックして別の貝を採り直しているかも知れません。

そばにいるダイゼンが二枚貝を食べるオバシギを羨ましそうに見ている気がするのですが。

野鳥 タカブシギの幼鳥&成鳥 2017.8.26 海老名市

以下の画像は海老名市の休耕田で撮影したタカブシギの幼鳥と成鳥です。

同じ田んぼに2羽いて発見時は採餌中でした。

タカブシギの幼鳥 


体上面にある斑は画像では白く見えますが、実際は幼鳥の特徴である褐色です。

羽根は幼羽だけにきれいに並んで見えます。

顔つきもどこか幼く見えます。


相変わらず頭掻きに注目していますが、最近見かけることが多いのは、くちばしの付け根を掻いている場面です。

あの付近が1番かゆいところなのでしょうか。

タカブシギの成鳥


幼鳥と同じ田んぼにいた成鳥です。

体上面は摩耗して白っぽい斑はハッキリとは見えません。

胸の縦斑は幼鳥よりハッキリ出ています。

カモフラージュ? 


上記の幼鳥が田んぼの中央にある盛土で休んでいます。

この状態で通りがかっていたらタカブシギの存在に気が付かなかったかも。

参考動画 タカブシギの採餌 2017.8.19 平塚市

野鳥 ミユビシギの波際走り&飛び立ち 2016.8.7 辻堂海岸

今回は2016.8.7の夕方に神奈川県辻堂海岸で撮影したミユビシギです。

夏の辻堂海岸といえばビーチは海水浴客であふれて、探鳥どころではないのでは?と思われるかもしれません。

しかし、特に早朝や夕方の海水浴客が少ない時間帯では、シギチドリを観察できる機会が多いのです!

撮影時は今回の主役ミユビシギメダイチドリコチドリ、そして(鳥仲間が)オオメダイチドリ!も観察できました。

画像

体上面に白っぽい冬羽があり、繁殖羽から冬羽への換羽中です。

 

動画


先頭のミユビシギが跳び立ちのタイミングを主導しています。
後ろのミユビシギ達は波が近づいても先頭が飛び立つまでは我慢!我慢!という感じでしょうか。
前から2番目の反応の悪さと3番目の反応の良さが見ていて微笑ましいです。
飛翔時に翼に見える白線が目立ちます。また丸っこい胴体のイメージに反して翼は長細く見えます。
※0.125倍速も添付しました。

 


危機一髪!危うく波を被るところでした。
前の動画の飛び方と異なり、ほぼ真上への飛び方です。
※0.125倍速も添付しました。

探鳥地の風景

西を見れば富士山を望み、

東を見れば江の島を望む。

思い入れのある風景です。

 

野鳥 アオバズク 2014.9.23 舞岡公園

今回もアオバズクです。

前回掲載後にアオバズクの繁殖後が気になりました。

いつ頃アオバズクは南に帰るのでしょうか?

アオバズクが南に帰るまでの間に、どこでどのような生活をしているのか知りたいです。

繁殖後の観察例はありそうで非常に少ないのではないでしょうか。

と、ここで秋にアオバズクを見たことを思い出しました。

調べたところ、2014.9.23に横浜市の舞岡公園で観察していました。

アオバズクは薄暗い竹藪の縁の地上から50㎝ぐらいのところにじっとしていました。

こんな低い高さにも止まることに驚いたのを思い出します。

地上にうずくまっていたら心配でしたが、その後、その場を飛び去ったそうです。

このアオバズクは付近で繁殖していたのか?渡り途中で立ち寄ったのでしょうか?

以下がその動画と画像です。※縦撮りのため画面が狭くなっています。

野鳥 アオバズク 2014.7.21 神奈川県

今シーズンは依然としてアオバズクを観察できていません。

やはり毎年観察している野鳥に会えないのは寂しいものです。

ということで保存しているアオバズクの動画を見ることにして我慢することにします。

動画

 

画像

胴体がふっくらしてリラックスしているように見える。


私を警戒しているので胴体が細くなっている。

 

参考:アオバズクの食事&飛び立ち2017.7.25掲載回

野鳥 ダイゼンの換羽

2017.8.11に三番瀬で撮影したダイゼンです。

今回は換羽中の様々なダイゼンの姿を撮影することが目標の1つでした。

オオメダイチドリの登場に興奮して夢中になり、現場にいる全てのダイゼンの撮影は困難となりましたが、、、。

以下は繁殖羽から冬羽への移行を色合いの濃淡のイメージのみの視点で順番に掲載しました。

※今回の掲載にあたってダイゼンの換羽についてネットや書籍で調べてみたところ、成鳥の雄雌で繁殖羽の装いが違う可能性があるなど、恥ずかしながら初めて聞く興味深い内容も多くあり、今一度頭の中の整理と改善をしたいと思います。ともあれ今回はダイゼンの様々な装いをご覧ください。

 

探鳥記 2017.8.11 葛西臨海公園 15:50~18:00 曇り

谷津干潟から葛西臨海公園へ。

5日前に探鳥したばかりだが、今日はどんな出会いがあるか。

16時前の到着となったので、今回は東西なぎさには向かわずに鳥類園周辺の探鳥にした。

まずは前回シギチドリでにぎわった擬岩観察舎へ直行する。

キアシシギの群れが今回も休憩中でいつもの光景かと思いきや、群れの中に褐色のシギがいる。

こちらを振り向いた時に上頭部の茶色の帽子を被ったような顔が見えた。

ウズラシギだ!

繁殖羽は摩耗して黒ずんで見える

 

体上面の羽根が摩耗して黒ずんだ様子や胸から脇にかけて繁殖羽の黒褐色のV字斑があることからウズラシギ成鳥と判断。

ウズラシギはふっくらした胴体でキアシシギより気持ち小さいような感じがする。

体上面の羽根は1枚1枚固そうに見えて、エリマキシギの幼鳥を思い出させる。

松ぼっくりみたいな胴体

ウズラシギは昨日まで観察記録がなかったので、到着したばかりなのだろう。

長旅のせいか羽繕いや頭掻きをしたり、お腹が空いたのか採餌をしたりと落ち着かない。

ようやくキアシシギと共にまったりしているのが以下の動画。

 

前回観察できたコアオアシシギはタイミングが悪いのか観察できず。

今回地味に驚いたのは初めて複数のソリハシシギを観察できたことだ。

過去の観察では単独個体ばかりで一匹狼的なところが気になる存在であったのだが。

同行メンバーの話では4羽はいたようだ。

今回1番活発だったソリハシシギ達

今回は鳥類園だけでも十分シギチドリを楽しめた。

帰り道、水族館と鳥類園の間にある道の上空をツバメヒメアマツバメが盛んに飛び回っていた。

駆け足だったが今回は東京湾のシギチドリポイントを3か所も探鳥できて良かった。

見聞きした野鳥(観察順)

ツバメ
ムクドリ
キアシシギ
ソリハシシギ4
イソシギ
アオアシシギ
ウズラシギ
コチドリ
コサギ
カルガモ
ダイサギ
オナガ
ゴイサギ
ハクセキレイ
スズメ
オオヨシキリ
ウミネコ
カワウ
ヒメアマツバメ

計19種

探鳥記 2017.8.11 谷津干潟 14:20~15:00 曇り

三番瀬から谷津干潟へ。

たしかに今シーズンの谷津干潟でのシギチドリ観察は今のところはパッとしないようである。

しかしシギチドリの戻り渡りのこの時期は、いつどんなシギチドリが観察されるか分からない。

取り敢えず行ってみないと始まらないのだ。

当日の干潟の様子

まずはセンター側の干潟から観察。

干潟はパッと見て閑散とした様子で、肉眼ではシギチドリが見つからない。

すると数羽のシギチドリの群れが干潟の上空を行き来して降りる場所を探しているのが見えた。

ようやく向こう岸に着地したのでスコープで観察するとメダイチドリの群れだった。

メダイチドリの群れの近くではコチドリの姿も見える。

遠くからでも、メダイチドリの胸のオレンジ色とコチドリより大きな胴体は目立つ。

目が干潟の慣れたせいかキアシシギが点々としているのが分かる。

時々キアシシギが「ピュイー」と鳴いて存在感を示している。

右手の遊歩道を進む。

屋根付きの観察スペース前の干潟でアオアシシギ成鳥が採餌中だ。

首から胸にかけて繁殖羽の黒褐色の縦斑が残っているが、上面には灰色の冬羽が見えており、換羽中の個体である。

アオアシシギの脚の色は青緑色が多いが、この個体は黄色みが強いように見える。

 

以下の画像は2017.8.6葛西臨海公園で撮影したアオアシシギ成鳥。
同じアオアシシギ成鳥でも脚の色と換羽中の冬羽の状態が違う。

 

アオアシシギが草むらの影に隠れてしまったので、再度周囲を探鳥すると採餌中の1羽のオオソリハシシギ雌を発見。

体の大きい雌だけに長いくちばしと胴体の大きさはやはり目立つ。

盛んに地中深くくちばしを入れて採餌している。

 

オオソリハシシギをじっくり観察した後、スコープで再度干潟全体を観察するも変化がないようだ。

潮が満ちてくれば三番瀬辺りからシギチドリが飛来して来るだろうが、ここで待つより葛西臨海公園での探鳥を選択した。

谷津干潟から葛西臨海公園へ。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

アオサギ
ダイサギ
メダイチドリ
コチドリ
キアシシギ
カルガモ
アオアシシギ
イソシギ
オオソリハシシギ
コサギ

計10種