探鳥記 2017.4.30 富士山① 十里木周辺 4:00~6:15 晴れ 

前日のシギチドリ探鳥から帰宅後、一息ついてから深夜に富士山探鳥へ。

大好きな富士山探鳥だ。気力で何とかなるだろう!

富士山麓の裾野市十里木に2時半頃に到着。

しばし仮眠した後、暗闇の中で夜に鳴く野鳥の声を聞くために車外に出る。遠くの方(おそらく東富士演習場)からノビタキの声が聞こえる。

しばらくすると同行者がオオジシギのディスプレイフライトの音を聞く。

遠くからでも独特の羽音の音はしっかり分かる。

フクロウトラツグミの声も期待するが聞こえない、残念!

空を見上げると正に満天の夜空で感激する。

この星空を見るだけでも来たかいがあったというものだ。

天体に詳しい同行者のレクチャーが更に満天の夜空を印象深いものさせてくれた。

日の出前の暗い中、夜明けの野鳥のさえずりを聴くために付近の森に移動して待機することにする。

どの野鳥が静寂を破ってコーラスの先陣を切るか毎回楽しみだ。

ついに4時過ぎにコルリの元気の良い大きなさえずりでコーラス開始!

最初はコルリ同士で張り合っているかのようにあちこちからさえずりが聞こえる。

続いて夏鳥のさえずりの主役といってもよいクロツグミの登場。

のびやかなテンポ、大きいが騒がしくない音量、朗らかなメロディー。

さすが屈指の歌い手である。

続いてカラ類のさえずりをベースにして様々な鳥のさえずりが乗っかってくる。

ミソサザイの音量のある複雑なさえずり、「ピォー、ピォー」のアオゲラのホイッスル、「チヨチヨビー」のセンダイムシクイ、藪からは「ヒーツーキー、ヒーツーキー」のエゾムシクイの金属音などが周囲に響き渡る。

40分くらい続いたコーラスが落ち着くと、遠くの方からアオバトの「アオーアーオー」の声が聞こえて来た。

アオバトの声が聞こえることができるほど森も静かになったのだと実感する。

その後は、コルリキビタキウグイスカラ類を中心に時々さえずりが聞こえる感じで時が経過する。

もし、コーラスが終わった後に森に入って来たならば、こんなに野鳥がいるとは思わなかっただろう。

だいぶ明るくなったので、森の小道を歩くことにする。

小道の奥からキツツキのドラミングの音が定期的に響き渡たる。

キツツキの縄張り宣言だ。

アオゲラアカゲラオオアカゲラ?音の主を探すために進む。

近づくと離れて聞こえての繰り返しで結局正体はつかめず。

今度はコルリの鳴き声が奥から聞こえてくる。

どうやら木の上の方から聞こえてくる。

苦労の末にやっと見つけた!

首が痛くなるくらい高い場所にいたコルリ!

以下がその動画。

なんとかコルリをじっくり観察できて一安心。朝のコーラスを聞いて、この場所にどんな野鳥がいるか分かった。

あとでもう一度再訪することにして、もう少し標高の高いエリアで探鳥することにする。

目的地は2年前のGWにマミジロと出会った西臼塚だ。

マミジロとの再会を妄想して西臼塚へ。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

オオジシギ
ノビタキ
コルリ
クロツグミ
シジュウカラ
ゴジュウカラ
ヤブサメ
ミソサザイ
ヤマガラ
アオゲラ
センダイムシクイ
エゾムシクイ
イカル
キジバト
アオバト
キビタキ
ヒガラ
ウグイス
カケス
カワラヒワ
コサメビタキ

計21種

 

 

野鳥 オオソリハシシギの繁殖期の雄と雌の違い

今回(2017.4.29)の谷津干潟での探鳥中にオオソリハシシギの雄と雌を近くでじっくり観察しました。

以下はその画像(ピンボケていますがご勘弁を)です。

中央左がオオソリハシシギ雌、右が雄です。

この時期の雄は頭・首・胸・腹が橙色の繫殖羽になり、雄と雌の区別は簡単です。

ですからあまり注目されませんが、雌の方が雄よりも大きい体と長いくちばしを持つので、この点も是非とも観察をお願いします。

この点を意識していれば、秋の渡りなど非繁殖羽の状態での観察時にきっと役立つはずです。

日本で観察されるシギチドリでは、ほとんど雄雌の大きさは同じです。

違いがハッキリと分かるのはエリマキシギ(雄の方が雌より大きい)とオオソリハシシギ(雌の方が雄より大きい)です。

なぜ、雄と雌とで大きさが異なるのか?

これからの課題として勉強します!

 

 

野鳥 キョウジョシギの採食行動 2017.4.29 谷津干潟

今回(2017.4.29)の谷津干潟での探鳥中にキョウジョシギの採餌の様子をじっくり観察しました。

サイやカブトムシが敵をツノで跳ね上げるような動作で自分のくちばしを使って貝殻をひっくり返しては貝殻の下にいる生物を探していた。

以下がその時の動画です。

キョウジョシギの英名はRuddy TurnstoneまたはTurnstone。

意味は赤い(血色のよい)、石をひっくり返す鳥といったところか。

つまり、採餌動作が名前の由来であり、アリスイ=アリを吸うと同じ名前の付け方である。

シギチドリはくちばしの形と大きさからそのシギチドリがどのような餌をどのような方法で採るのかが想像できる。

キョウジョシギのくちばしは、他のシギチドリに比べて①太い②上部くちばしが下部のくちばしより太い(上下で均一ではない)③短い、の特徴を有している。

このくちばしの構造は、石などをひっくり返して裏に潜む虫などを採餌するのに適していると言えるのか?考えてみました。

①太さ
石や貝殻など重い物をひっくり返すにはくちばしに強い負荷がかかるため細いよりは太い方が良い。嘴が曲がったり折れてしまうことはシギチドリにとって致命傷となる。

②上部の方が太い
下から石などの物体を持ち上げるので、くちばしが物体に直接触れることになる。そのため上部のくちばしは下部より力が直接伝わるし痛みやすいので頑丈な方がより良い。

③短い
長いほうが物体の奥までくちばしを差し込めてより楽な力で動かせるが、短いくちばしの方がひっくり返した後の餌取りの動作を俊敏に行える。

以上を考えるとキョウジョシギのくちばしは、この採餌方法に相応しいと思う。

この採餌状況を他のシギチドリに置き換えてみると、オバシギ(二枚貝を丸呑みする)ぐらいの大きいシギチドリなら、くちばしでくわえて払いのけたりつまむことができる。

しかし、小さく機敏な動きをする昆虫などを補足するのは難しいだろう。

トウネンミユビシギなどの小型のシギチドリは機敏だがパワー不足で難しいだろう。

そうなると機敏で丈夫そうなくちばしを持つダイゼンあたりなら、Turn Stoneできそうだ。

私はまだその現場を見たことはありませんが、今後注意して観察していきたい。

特徴あるくちばしが持っていたから特徴ある採餌方法で今日に至るまで種を生存できたのか?

それとも特徴ある採餌方法を行うためにシギが長い時を経て洗練されて特徴あるくちばしを手に入れたのか?

キリンの首が長いのは、高い場所にある葉を食べることできる長い首を持ったキリンだけが生き残った結果として子孫を残しているとの考えに立てば、前者の考えなのか?

谷津干潟でキョウジョシギを見てこんなことを考えました。

探鳥記 2017.4.29 谷津干潟(後半)16:30~17:50 曇り

探鳥会が無事終了して再度干潟に向かう。

例年、悲しいかな探鳥会終了後に盛り上がりを見せる。

そして、今回もその通りになってしまった!

干潟では、ハマシギキョウジョシギの群れがしきりに落ち着きなく飛び回っいる。

飛翔中のキョウジョシギは、翼帯・腰・尾の白さが目立つ。

地上にいると赤褐色と黒のイメージが強いので、なおさら白が新鮮だ。

ここでいつもお世話になっている地元のバーダーからオバシギがいるとのこと。

いつの間にいたの!と久々の再会を喜んでいると、今度は淡水池でシマアジを待っていた仲間からシマアジ登場の一報が。

閉門間際に淡水池に駆け込んで、遠くにいるシマアジをなんとか観察できた。

閉門プレッシャーの中でのショット!
再度干潟の舞い戻ると、またまた地元バーダーから遠くのハマシギの群れの中にソリハシシギウズラシギがいるとのこと。

遠くて見ずらい状況だったが、ハッキリわかる黄色の脚と反ったくちばしのソリハシシギ

茶色の帽子がハッキリ確認できたウズラシギ

両者ともハマシギと同じような大きさだが、ハマシギの腹黒模様のおかげで簡単に見つかった。

だんだん潮が満ちてきて残された干潟を求めてシギチドリと共に高校側へ移動する。

ここではキョウジョシギが盛んに牡蠣殻をひっくり返して採餌中。

そばにいるメダイチドリは潮が満ちてきて大好きなゴカイが取れず休息モードへ。

自分だけ休みづらい雰囲気だな、、、。

一方、オオソリハシシギチュウシャクシギは潮が満ちてきても脚やくちばしが長いので、まだまだ採餌中。

いつもなら暗くなるまで観察してチュウシャクシギの塒入りを見たり、哀愁ある鳴き声を聞くのだが、突如雲行きが怪しくなり遠くに雷が光り出した。

急いで帰り支度をして名残惜しくも谷津干潟を後にした。

見聞きした野鳥(観察順)

ダイゼン
ハマシギ
オオソリハシシギ
キョウジョシギ
コサギ
アオサギ
カワウ
チュウシャクシギ
オバシギ
シマアジ
カルガモ
ソリハシシギ
ウズラシギ
メダイチドリ
ハクセキレイ
トウネン
ウグイス
オオバン
コガモ

計19種

 

探鳥記 2017.4.29 谷津干潟(前半)13:30~16:20 晴れ

葛西臨海公園から谷津干潟に移動。

南船橋駅側から探鳥スタート。

この辺りは冬の時期はカモが多く観察できる場所である。

もうGWだが数羽のヒドリガモコガモスズガモがいまだ滞在中。

居心地が良いので、なかなか帰らないのか?このまま居残るのか?興味がある。

向こう岸をイソシギが「チーリーリー」と鳴きながら飛んでいく。

イソシギを発見する時は姿を見るより声を聞いて気づくことが多い。

今回も声に反応して観察できた。

イソシギの声は同じ音量ではなく「チーリーリー」という節の中で音量に大小があり揺れるような音に聞こえる気がする。

観察センターの園内に入る。

淡水池では渡り鳥のシマアジが珍しく3週間近く長居をしている。

こんなに長い滞在は記憶にない。

この機会に是非観察しようと意気込んで向かったが、数十分の差で茂みに隠れてしまい観察できず。

シマアジがいることは間違いないのでシギチドリ観察が一段楽したら再度トライしよう。

センターを通り抜けて干潟に出た。

今日はどんな出会いがあるのか

ちょうどハマシギの群れが上空を右に左に飛んでいる。

ざっと干潟上を観察すると手前にはメダイチドリキョウジョシギが、中央付近にはダイゼンが、遠くの津田沼高校奥にはチュウシャクシギの姿を確認。

今度はじっくり観察しようと丁寧に観察すると、実は結構キョウジョシギメダイチドリがいることに驚く。

そして今回注目の先週観察したオオメダイチドリを探す。

先週いた付近にそれらしき個体を発見する。

脚は長いがくちばしがあまり長くなく、いかにもオオメダイチドリとハッキリ分かる個体ではないので、シギチドリに詳しい参加者らと話をして今回は認定しなかった。

突然、参加者が赤褐色のトウネン夏羽を見つけたと告げた。

先週の探鳥では見つからなかったので嬉しい。

トウネンは付近にいるメダイチドリハマシギとは一回り小さいが、赤褐色の色が鮮やかで存在感がある。

トウネンを探す際に小石が広がるエリアで休んでいるハマシギの群れを見つけた。

なかなかのカモフラージュだ。

君、もっと早く気が付きかなきゃ!

しばらくすると、満潮の三番瀬からの飛来か?知らない間にシギチドリが舞い降りていた。

赤褐色の鮮やかなオオソリハシシギ雄がしきりに採餌をしている。

そばではダイゼンの群れが良い距離感の間合いを取りながら、たたずんでは採餌を繰り返している。

繁殖羽のダイゼンの群れでは、一羽として同じ模様ではなく、冬羽に近い個体から繫殖羽になっている個体まで様々の容姿を楽しめ勉強になった。

実はゴカイではありません、誤解です

そろそろ探鳥会の終了時間だが、そうだ!シマアジ観察が残っていた。

今度こそはと期待して行ったが、またしても直前まで観察できたのに隠れてしまったとのこと、、、。

16時になったので参加者全員で今回のシギチドリ探鳥会で観察した野鳥の確認と簡単な補足説明をして無事終了。

今回はシギチドリ類を14種観察した。

例年より種類は少なかったが、シギチドリを葛西でも谷津干潟でも間近でじっくり観察できて良かった。

参加者の皆さん、お疲れ様でした。

そして有難うございました!

この後は任意参加で再度探鳥開始。

次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)

オオバン
ヒドリガモ
コガモ
カワウ
イソシギ
スズガモ
メジロ
シジュウカラ
ヒヨドリ
ムクドリ
カルガモ
ハシビロガモ
オナガガモ
セイタカシギ
カイツブリ
ダイゼン
ハマシギ
コサギ
ダイサギ
アオサギ
ユリカモメ
メダイチドリ
キョウジョシギ
チュウシャクシギ
トウネン
オオソリハシシギ
ハシボソガラス
ウグイス

計28種