そろそろシギチドリの春の渡りが楽しめる時期だ。
今回は葛西臨海公園・三番瀬・谷津干潟と東京湾最奥部のシギチドリの探鳥地を巡ることにしよう。
まず向かった先は三番瀬。
神奈川方面からだと葛西から順に西へ移動、あるいは谷津干潟から順に東へ移動が自然な流れだが、①ちょうど干潮へ向かうタイミングであること②なるべく干潟に人が入る前の時間に観察することを考えて三番瀬からスタートした。
干潟の前には干潟を高い所から望める施設が建設されていた。
まだオープンされていないが、どんな光景が見られるのか今から楽しみだ。
ただ、ここからシギチドリ観察はちょっと厳しいか?
干潟の前の立ち、最初に目に飛び込んできたのは何百羽?のカワウの大群の飛翔である。
大群が視界から消えたところで干潟に目を移す。
かなり遠くまで干潟となっている状態で、驚いたことに潮干狩り用の囲いのネットが広範囲に設営されて、干潟にいるシギチドリまで近づくことができない。
まぁ、どんな状況でも受け入れて楽しむのが大事と、観察を始める。
まずは目の前に小型のシギの群れがいる。
腹が黒くなったハマシギだ。
きちんと見ると腹黒にも個体差があり、見ていて楽しい。
ハマシギの識別点は、冬に観察する場合には下に曲がる特徴的なくちばしにまずは注目する一方、繁殖羽になっているこの時期は腹黒に注目ことが一番簡単で確実である。
ネット際には三番瀬では珍しいムナグロの群れが休んでいる。
ムナグロは干潟よりも畑や草地などで観察されることが多く、三番瀬のような干潟にいることは少ない。
そばにいるダイゼンと見比べると、ムナグロは姿は似ているが大きさに差があるのが分かる。
太陽光線を浴びて背中が金色に輝いて美しい。
正に英名のGolden Ploverだ。
ハマシギの群れが飛び上がって何回か上空を旋回してどこかへ飛んで行った。
地上にいるシギチドリもいつの間にか少なくなっていた。
その時はあまり意識していなかったが、同行者が干潟に降りているハヤブサを発見して、理由が分かった。
ハヤブサの出現でシギチドリ達が驚いて逃げてしまったのである(鳥業界では、ハヤブサに飛ばされたという表現が使われる)。
このハヤブサ、獲物を持っていないので狩りに失敗したようだ。
シギチドリ探鳥での最大のリスクはハヤブサを筆頭とする猛禽類の出現だ。
今回もハヤブサにより突然の中止を余儀なくされた。
ハヤブサは大好きな野鳥の1つだから、この状況には複雑な思いだ。
同じ飛ばすなら獲物を捕まえてくれよ、ハヤブサ君!
同行メンバーとの協議で、シギチドリはしばらくは干潟に戻らないだろうから一度谷津干潟に行って再度三番瀬に戻ってこようと決めた。
谷津干潟に向かう。
続きは次回。
見聞きした野鳥(観察順)
オナガ
ツバメ
ハマシギ
ムナグロ
オオソリハシシギ
ダイゼン
コサギ
ユリカモメ
ダイサギ
カワウ
スズガモ
ウミアイサ
ミユビシギ
ハヤブサ
セグロカモメ
ハシボソガラス
アオサギ
ムクドリ
計18種