野鳥 コチドリ 2016.11.6 稲敷

今回は前回のオジロトウネンのそばにいたコチドリを掲載します。

コチドリは関東では夏鳥ですから11月になってもまだいるの?というのが観察当時の感想でした。


全体図

コチドリの体上面の幼羽は当初サブターミナルバンドの模様ですが、だんだん摩耗してサブターミナルバンドの模様が消えて行きます。

この個体にもサブターミナルバンドの模様は見当たりませんでした。


頭部拡大図

頭部の、成鳥では白い部分がこの個体では薄い褐色であることから成鳥ではないと判断しました。


翼の拡大図

肩羽は綺麗な新羽ですが、雨覆は幼羽が摩耗した状態に見えます。

一番上の画像から引いて見ると、羽根の様子の違いが分かると思います。

観察時期や頭部・羽根の様子から、コチドリの第1回冬羽と考えています。

 

参考画像


第1回冬羽のイカルチドリ 2016.1.17 横浜市恩田川

イカルチドリの第1回冬羽と思われ、コチドリと似ているので敢えて掲載しました。

時期が約2か月後の1月なのでかなり雨覆が摩耗しています。

野鳥 オジロトウネン 2016.11.6 稲敷 ②

前回に続き稲敷オジロトウネンです。

今回は動画を中心に掲載します。

オジロトウネンの採餌

ヒバリシギトウネンヨーロッパトウネンなどと並び日本で見られるシギの中では小型のシギです。

小さいので機敏に動き回って採餌していますね。

オジロトウネンの水浴び ※0.125倍スロー再生あり

尾羽中央部は褐色ですが両側は幅広く白色です。

この部分が尾白トウネンの名前の由来となっています。

翼中央に幅広く白い翼帯が見えます。

オジロトウネンの羽繕い ※0.125倍スロー再生あり

黄色の脚が目立ちますね。

冬羽のオジロトウネンの識別は、①小型のシギ ②黄色の脚 ③体上面が単色の灰色でOKです。

野鳥 オジロトウネン 2016.11.6 稲敷 ①

前回の稲敷コチョウゲンボウの流れで今回・次回と昨年の稲敷オジロトウネンを掲載します。

収穫の終わった蓮田にオジロトウネンコチドリがそれぞれ数羽いました。

渡りの最中か?このまま越冬するのか?微妙な時期です。


採餌中のオジロトウネン


胸の模様がはっきりと分かれていますね。

当日は撮影に夢中でオジロトウネンの換羽の様子を意識していなかったのですが、今回改めて私なりの分析をしてみました。

第1回冬羽の個体

幼羽から冬羽への最初の換羽(通常秋に行われ、第1回冬羽呼ばれています)は、成鳥のように完全換羽ではなく部分換羽であり、雨覆と三列風切の部分は幼羽のままの状態で越冬します。

個体A


上の画像の濃い灰色の部分が換羽されずに残る幼羽で、その上のやや薄く中央に黒い線が入っている肩羽は冬羽に換羽しています。


上の画像の拡大図です。

オジロトウネンの幼羽はサブターミナルバンド(船の錨ののような模様)を持つ羽根です。

換羽が行われない幼羽はどんどん摩耗して行き、サブターミナルバンドの模様も見えなくなって行きます。

拡大してみて気が付きましたが、一番下の右端の羽根は摩耗して向こう側が透けて見えます。

 

個体B


この個体は成鳥の冬羽と思っていましたが、、、。


上の画像の拡大図です。

よく見ると前方の雨覆の部分に幼羽(サブターミナル模様)が残っているので、成鳥ではなく第1回冬羽ということになります。

一部しか残っていないので、前の個体よりも幼羽の摩耗が進んでいることが分かります。

 

 

野鳥 コチョウゲンボウ 2016.11.6 稲敷

先週の日曜日に稲敷で探鳥した知り合いの方からコチョウゲンボウを観察した話を聞きました。

いよいよ稲敷も冬鳥シーズンの到来です。

私も昨年のこの時期に稲敷でコチョウゲンボウを観察したので、今回掲載することにします。

幸運なことにコチョウゲンボウとの距離は10mもなく、発見者のS.Sさんには改めて感謝です!

画像


現場では成鳥雌か幼鳥かで迷いました。ちなみに成鳥雄の胸から下は橙褐色です。


 胸の縦斑の他に下脇の横斑が見えます。横斑は成鳥雌には見られないそうです。
雌の成鳥と幼鳥の違いは、体上面の羽根の状態が主な識別の判断材料になりますが、今回は見ることができませんでした。


上の頭部拡大図。
アイリンクと蠟膜(ろうまく、くちばしの付け根の部分)が黄色ではないので成鳥ではなく幼鳥。
また眼瞼輪(がんけんりん、アイリングの外側部分)が緑青色なので幼鳥。


後頭部が灰色っぽく見えるので雄の幼鳥?
成鳥雄の上面は青灰色、雌は暗灰褐色ですので、どちらも灰色を含みますから迷いますね。
今回はコチョウゲンボウの幼鳥までとしておきます。

動画


車内の会話、エンジン音など雑音がありますので消音にしています。

野鳥 ビンズイ タヒバリとの比較

今回はタヒバリと姿が似ていて共に横浜市内では冬に観察されるビンズイを特集します。

前々回のタヒバリと比較することでビンズイの特徴を簡単に記載したいと思います。

タヒバリとの主な共通点

両者とも約16㎝ぐらいの大きさで姿形も似ています。

体の下面には黒褐色の太い縦斑があります。

同じセキレイ科なので移動する際などよく尾を上下に動かします。


ビンズイ 2016.2.6  八景島


タヒバリ 2014.11.5  新横浜公園

タヒバリとの主な相違点

①体上面の色の違い


ビンズイ 2016.2.6  八景島

ビンズイの英名はOlive‐Backed  Pipitで、オリーブ色の背中を持つタヒバリという感じでしょうか。
オリーブ色というとキビタキの雌の背中もオリーブ色に見えて、オオルリコサメビタキなど他のヒタキ類との識別点の1つになっていますね。

タヒバリ 2014.11.5  新横浜公園

タヒバリの体上面の色は灰褐色です。
ちなみにタヒバリの英名はBuff‐bellied Pipitで薄い黄褐色の腹を持つタヒバリという感じでしょうか。

②目の後方に白斑と黒斑が上下に並んで見えるのがビンズイで、ないのがタヒバリです。
③越冬中の生息環境

ビンズイは別名Tree Pipitで山野の鳥のイメージがあり、タヒバリは別名Water Pipitで水辺の鳥のイメージがあり、簡単に言うと生息環境は異なると思います。

2種の生息範囲がまったく重ならないわけではありませんが、2種を同じ場所で観察したことは今までありません。

横浜市内の観察地

ビンズイは横浜市内では松林にいるところを観察する機会が多いです。

よく観察する場所は①八景島や野島などの金沢区の臨海部、②大池公園です。

が、この2か所だけでなく松林がある場所なら広い狭いを問わず要チェックであり、横浜市内にビンズイが越冬する環境はまだまだあると思います。

三渓園や横浜自然観察の森の中にはビンズイが越冬しそうなエリアがあると予測しています。

 

 

探鳥記 2017.11.4 舞岡公園 9:15~12:00 晴れ

ここ最近、舞岡公園と新横浜公園通いが続く。

1週間ぶりの公園内は紅葉が始まっていた。

まずは未解決のエゾビタキコサメビタキを解決すべくおおなばの丘へ。

シジュウカラの幼鳥を含む群れに出くわしただけで観察できず。

来年までお蔵入りの予感。

さくらなみ池へ向かう移動中に林内の下草でアオジを確認。

本日のさくらなみ池ではカワセミカルガモバン等の常連さんの姿は見えない。

周囲の高い所からモズの高鳴きが聞こえてきた。

辺りを見渡すと30mくらいの間隔でモズが3羽枝先に止まっている。

縄張り争い中なのか?確定したのか?どちらにしろ意外と近い距離間である。

きざはし湿地前では前回同様のモズが枝先に止まっている。


モズ雄 緊張感が漂う

しばらくバーダーと談義中もジョウビタキホオジロの声する。

ジョウビタキは先週確認した付近から声がしたので、冬季はこの辺りを縄張りにするのかも。

 

古民家そばの池では前回同様カワセミが枝の上でじっとしている。

カワセミ雄 眼光鋭く怒っている?ような表情

動画

 

瓜久保でミヤマホオジロが目撃されたので向かう。

途中、久々に知り合いバーダーと再会してまたまた野鳥談義が始まる。

この人の野鳥話は生態や識別など図鑑の解説にはない実体験に基づくもので、毎回勉強になる。

2人で瓜久保に向かい、ミヤマホオジロ探しを開始する。

目撃エリアで探索するも観察するのは、アオジシジュウカラウグイスばかり。

草原の中でこれらの野鳥がガサガサと移動して見えたり隠れたり、出たり入ったり。

なかなか集中力と持続力が必要とする観察である。

20分くらい経ってもミヤマホオジロは確認できず。

タイムオーバーとなって名残惜しくも舞岡を去った。

 

見聞きした野鳥(観察順)

シジュウカラ
ヒヨドリ
ムクドリ
ハシボソガラス
アオジ
ウグイス
モズ
ジョウビタキ
ホオジロ
カワセミ
コゲラ
メジロ
スズメ
コガモ

計14種

 

野鳥 タヒバリ 2014.11.5 新横浜公園

昨日、新横浜公園で今シーズン初めてタヒバリを観察しました。

しかし、惜しくも撮影間際に飛び去ってしまいました。

そこで3年前に新横浜公園で撮影したタヒバリに登場してもらいましょう!

画像


体の下面の黒褐色の太い縦斑が目立ちます。


白い羽縁が目立ちます。


ずいぶん無理して背伸びしているようですね。

動画

タヒバリセキレイ科なので、セキレイの仲間と同じように尾をよく上下に動かしますね。

尾の長さはハクセキレイセグロセキレイなどと比べると短いので、体型はそこまで似ていません。

ただし、タヒバリはこれらのセキレイと似たような環境で生息しています。

横浜市内の観察地

タヒバリは横浜では冬鳥なのでおよそ11月~3月ぐらいまで観察できるでしょう。

タヒバリはそれほど珍しくもない普通種ですが、水辺であればどこでも観察できる野鳥ではなく意外と観察できる場所は少ないです。

私がよく観察する場所は①恩田川流域(特に長津田駅付近)②鶴見川の鴨居駅付近上流 ③新横浜公園 ④境川遊水地です。

今回は新横浜公園が舞台ですので、更に詳しくポイントをお伝えします。

以前に記載した通り、①小机駅から陸橋を渡るまでの間にある畑 ②公園内のサッカー場や野球場のグランド ③公園内の長い池と小さい池の周辺がポイントです。

観察しやすいとはいえ、ハクセキレイのように人慣れしていないので過度に接近すると飛び去ってしまいます。

ちなみに新横浜公園内はランナーの数が多いところで、ランナー専用のゾーンが設けれています。

観察に夢中になってしまい、ランナーとの接触事故がないように気をつけて下さい。

 

探鳥記 2017.11.3 新横浜公園 12:00~13:00 晴れ

またまた新横浜公園へ。

カモのシーズンが到来したばかりだが、すでに4回目の新横浜公園である。

午後から用事があるので一時間一本探鳥である。

小机駅から足早に公園内へ。

池へ向かう途中にある野球場のグランドにタヒバリがポツンと1羽採餌している。

今シーズンのタヒバリ初認である。

長い池の前に出て、左端から観察開始。

バンの成鳥と幼鳥が見えた。

天気が良いのでバンの頭部の赤と黄色が映える。

前回観察したハシビロガモは見当たらない。

再度じっくり観察するのが今回の目的の1つだったので残念だ。

ざっと水面を見渡すとオオバンがポツンポツンといるだけかな?と思いきや、2羽のキンクロハジロを発見!


下腹を見せながら羽繕いするなどリラックスした様子。

キンクロハジロを観察中に道をはさんだ背後の茂みから「チッ、チッ」と懐かしいアオジの地鳴きが聞こえて来た。

アオジはまだ警戒心が強いのか姿をじっくり観察できない。

すると今度はこちらに向かってチョウゲンボウが飛んで来た。

バッタを捕まえて近くの鉄柱の上で食事を開始。


チョウゲンボウ雄

食べた直後に池の奥へ移動して、しばらく休憩した。

小池の方ではカワセミを発見。


本日も綺麗な背中を披露。


カワセミの観察機会が多い小池からスタジアムを望む。

投擲場の周りも探索したが、コガモが2羽いただけだった。

そろそろ切り上げる時間だ。

あっという間の1時間だった。

今回は冬鳥のタヒバリアオジと会えて、さらに冬が近づいて来た感じがした。

 

見聞きした野鳥(観察順)

スズメ
モズ
ハクセキレイ
タヒバリ
バン
オオバン
コサギ
キンクロハジロ2
アオジ
ハシボソガラス
チョウゲンボウ
カワセミ
カルガモ
コガモ
カワラヒワ
シジュウカラ
カワウ

計17種

野鳥 カルガモ 雄雌・成鳥幼鳥の違い 

カルガモの雄雌の違い

カルガモの雄雌は他のカモ類のように外観上分かり易い違いがありません。

雄雌の違いは
①上・下尾筒の色の違い(黒なら雄、褐色なら雌)、
②雄の方が雌より大きい、
③雄の方が羽根の羽縁の幅が狭く全体的に暗く見える
などがあります。

今回は特徴①の上・下尾筒の観点から動画を見てみましょう。

0:00 1羽目は下尾筒が黒くないので雌と推定。
0:23 2羽目は下尾筒が黒いので雄。
0:32 3羽目は下尾筒が黒いので雄。
0:46 4羽目は下尾筒が黒く見えたので雄と推定。
0:48 5羽目は下尾筒が褐色なので雌。
0:50 5羽目の雌が翼を上げる⇒上尾筒も褐色。

と、私は動画からの情報でのみ判断しましたが、個体差や羽根の状態や太陽光線によって見え方が変わりますので識別には苦労します。

雄雌の識別を学ぶ時期ついては、春先から始まる繁殖期になるとカルガモがペアになって行動しますので、その際に観察して理解するのが良いと思います。

以下はカルガモの交尾の画像と動画で、上が雄で下が雌です。

交尾の場面では雄雌を間違えることはありませんから問題なしです。


雄の上尾筒の黒と、雌の下腹から下尾筒の褐色がハッキリと分かります。


交尾後の雄の喜びが水面を進む姿に現れていて微笑ましいですね!

カルガモの成鳥と幼鳥の違い 羽縁を見てみる

カルガモの幼鳥の特色には、
①脇や肩羽の淡色の羽縁が羽先で欠けてことが多い、
②脇の最上列の羽根は、成鳥は丸いが幼鳥は尖っている
③胸から腹にかけて細かい縦斑が蜜に生えていること
などがあります。

今回は特徴①の羽縁の様子を以下の画像で確認してください。


カルガモ雌 下尾筒が黒くないので雄ではなく雌です。


上の個体の部分拡大図

拡大すると脇や肩羽だけでなく、雨覆(青い翼鏡の右側に続く羽根です)も先端で羽縁が途切れていますね。

そこでこの個体は成鳥ではなく幼鳥の可能性が高いです。

※参照文献:「日本のカモ識別図鑑」氏原巨雄・氏原道昭

野鳥 オナガガモ雌 非繁殖羽から繁殖羽へ

非繁殖羽の雌 2017.10.21  上野不忍池

下記の2枚とも同一個体です。

一番外側の三列風切が黒くないので雄ではなく雌で、胸の模様が均一で小さくないので幼鳥ではなく成鳥です。


雌の割には翼鏡のオレンジの帯が太い方だと思います。


灰色の雨覆が見えますが、白い羽縁が目立ちます⇔雄成鳥は一様に灰色です。

非繁殖羽から繁殖羽へ移行中?の雌 2015.1.24   横浜市 鶴見川 

頭部や肩羽の褐色模様が、非繁殖羽に比べて赤みをあるように見えるし、繁殖羽に比べて赤みが薄いように見えませんか?

 

繁殖羽の雌 2015.1.24   横浜市 鶴見川

 

非繁殖羽に比べて三列風切に茶色の模様が出て来て、また体全体が赤褐色味を帯びてきます。

灰色の雨覆が見えていますが、成鳥の雄が一様な灰色なのに比べて、雌は白い羽縁が目立ちます。

※参照文献:「日本のカモ識別図鑑」氏原巨雄・氏原道昭

野鳥と野鳥が好きな人を応援します

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