「神奈川探鳥記」カテゴリーアーカイブ

探鳥記 2018.11.18 多摩川 登戸 8:15~10:40 晴れ

シギ・チドリの夏から秋にかけての戻り渡りも終わり、しばらくシギ・チドリ観察はお休みかな?

という分けにはいかず、これからの季節はイカルチドリイソシギなどの留鳥組とヤマシギや先日の金沢臨海部のキョウジョシギのような越冬組の観察に移行するのである!

ということで今回は毎年多摩川の登戸で越冬するオジロトウネンが今シーズンも飛来しているか確認することにした。

登戸駅付近の神奈川県側の河川敷から探鳥開始。

河川沿いの草地では例年見聞きすることが多いモズやジョウビタキがいないので寂しい。

堰の上流側から水面にオカヨシガモとホシハジロの群れを観察。


上流から見た堰

例年ならこの辺りのもっとカモがいたような気がするが、まだ時期尚早ということか。


以上の3枚全て左が雄、右が雌。雄の方が大きいのが分かる。

堰の下流に移動。

水が流れ落ちる付近にはオカヨシガモヒドリガモマガモの小群が見える。

ここでも例年よりオカヨシガモの姿が目立つ。

堰の上にはカモ達に混じってセグロカモメも見える。


下流側から見た堰

ここからすぐ下流に広がる浅瀬が本日の主役オジロトウネンが観察されるポイントである。

その他のシギチドリでは冬季にイカルチドリハマシギイソシギを観察したことがある。


オジロトウネンらを観察した浅瀬

毎回オジロトウネンを観察する場所は東京都寄りの河川敷で遠くから見ると灰色の岩盤付近にいることが多い。

この岩盤、ちょっと調べて見ると登戸パミスと呼ばれている130年前の泥岩層のようで、この地層が川原に露呈・浸食されてを灰色の川原に見えるそうだ。

双眼鏡でざっと見ただけでもセグロセキレイハクセキレイキセキレイタヒバリセキレイの仲間があちこちで動き回っている。

セキレイに混じって、尾を上下に振りながら歩き回るイソシギや川原の砂利にうずくまって休んでいるイカルチドリを発見。

イカルチドリは目が慣れてくると次々に見つかり、10羽以上はいる模様。

仲間がハマシギを見つけた。


※中央右がハマシギ、左奥にイカルチドリ

ハマシギの冬羽は繁殖羽と違って地味な色合いなので、遠目からの観察ではダウンカーブしたくちばしが頼りになる。

後は本命のオジロトウネンを見つけるだけだ。

先ほどから何度も灰色の岩盤の登戸パミス付近を丁寧に探索しているが見つからない。

冬羽のオジロトウネンの探索ポイントは、小さい体と黄色の脚とのっぺりと見える灰色の上面である。

登戸パミスを何往復したか忘れたが、ついに無事発見!しかも2羽!

いままで岩陰などの死角にいたのかな。


※非常に小さいですが、灰色の岩盤の上にいます

発見してからは2羽が付かず離れずの距離間で動き回っていた。

今年も無事越冬してくれて嬉しい。

シギ・チドリは年々減少傾向にあり、毎年観察記録のある場所が途絶えてしまうケースを耳にすることが多いからだ。

その後、ハヤブサが下流から上流に向かって通過していったのを見届けてお開きとした。

冬の多摩川登戸流域はカモシギチドリサギ、冬の小鳥、そしてそれらを捕食する猛禽類と様々な野鳥を観察でき、しかも登戸駅から徒歩数分で河川敷に着くアクセスの良い場所でもある。

今度は上流の聖蹟桜ヶ丘付近や羽村堰、あるいは下流の丸子橋や河口付近も探鳥したい。

見聞きした野鳥(観察順)

オオバン
カワウ
コサギ
ダイサギ
アオサギ
ハシボソガラス
オカヨシガモ
コガモ
キンクロハジロ
ホシハジロ
ユリカモメ
マガモ
セグロカモメ
タヒバリ
ハクセキレイ
イカルチドリ
キセキレイ
イソシギ
ハマシギ
オジロトウネン
ハヤブサ

計21種

探鳥記 2018.10.9 権現山 9:15~14:30 曇り

ここのところ、シギチドリ観察に夢中になり、タカの渡りの観察が疎かだったので、本日は権現山でタカの渡りを観察することにした。

権現山の展望台に9時15分に到着。


湘南平方面を望む


箱根山・足柄峠を望む ここを通過するタカが向かう方面である

ここでタカの渡りの調査をしている皆さんに御挨拶を済ませて、ご一緒に探鳥開始。

この日は9:27サシバ10、10:13サシバ17、10:30サシバ12と3回のサシバの鷹柱を比較的近い距離で観察できた。

※音声は消しています

鷹柱の他にも、不意に目の前にサシバが2羽湧いて来るように姿を見せる場面があり、観察者を嬉しいパニックに陥れた。

※最後にスロー再生あり。

また、上空高く飛ぶタカの識別にあれこれ悩むのも楽しい時間だった。

もちろん写真判定すれば識別できることが多いのであるが、上空を飛んでいるタカをリアルタイムに肉眼で判断するのは緊張感があって楽しい。

ところで権現山はタカの渡りの観察地であるとともに、この時期は夏鳥・渡り鳥・冬鳥と様々な小鳥達が観察できる場所である。

地上ではエゾビタキコサメビタキオオムシクイキビタキモズなどの小鳥達が観察されていた。


渡り途中のエゾビタキ


モズ 梢で秋の高鳴きを何度も披露してくれた。

午後になると、タカの渡りはほとんど動きがなくなり、時々のノスリツミが現れるだけの状態。

14時過ぎに観察を終了した。

この日は滞在中サシバ59羽、ハイタカ1羽、ノスリ2羽、ツミ羽現れたと記憶している。

確かに合計数はそれほど多くはなかったが、サシバの鷹柱を3回観察したり、至近距離で観察するなど充実した探鳥となった。

見聞きした野鳥(観察順)

スズメ
ヒヨドリ
メジロ
モズ
サシバ
ハイタカ
トビ
ノスリ
ツミ
キジバト
アオバト
コゲラ
エゾビタキ
ハシボソガラス
アオゲラ

計15種

 

 

 

探鳥記 2018.4.1 酒匂川下り② 開成町~飯泉取水堰 12:15~13:00 晴れ

丹沢湖から開成町付近の酒匂川中流域へ。

昨年11月19日にこの辺りでクサシギカワアイサをじっくり観察した。

まだカワアイサは観察できるかな?と淡い期待をしたが、川面にその姿はなかった。

カワアイサの代わりに注目を浴びたのはコチドリ達だ。

川幅が広いので上空を飛翔している姿も地上に降りたってじっとしている姿も遠いが、存在感は抜群である。

コチドリのそばにコチドリより大きく脚が長く見える個体がおり、遠目で観察条件が悪かったがイカルチドリと判断した。
草原にはモズジョウビタキアオジの姿もなく、冬鳥シーズンの終わりを改めて実感する。

河口に向けて移動しても状況に差ほど変化はなかったが、草原の合間にある水たまりや水路にバンオオバンコガモがいた。

飯泉取水堰前の橋を渡って右岸に移動、堰に広がる水面を見ると、カワウと大型カモメの2つの群れを発見。

大型カモメ類の群れを注視すると、オオセグロカモメセグロカモメに混じってワシカモメがいるのを発見!


以上3枚ともワシカモメ

簡単な識別点は背中と初列風切りが同じグレーであること。

くちばしの先に黒斑があることから成鳥ではなく第4回冬羽から夏羽へ移行中の個体と推定。

動画 ※音声は消去しています

 


オオセグロカモメ 手前が第2回冬羽から夏羽へ、奥が第1回冬羽から夏羽へそれぞれ移行中と推定。


上画像と同じ個体 手前の個体は第2回冬羽に比べて肩羽の灰色がだいぶ濃くなっています。

堰にはヒドリガモの群れがまだ残っている。

この先の下流は面白い探鳥ポイントがたくさんあるが、今回は時間切れで、ここで探鳥は終了。

見聞きした野鳥(観察順)

コチドリ
イカルチドリ
カワウ
バン
オオバン
コガモ
オオセグロカモメ
セグロカモメ
ヒドリガモ
ウミネコ
ワシカモメ
コサギ
ダイサギ
カワウ

計14種

探鳥記 2018.4.1 酒匂川下り① 丹沢湖 8:45~11:30 晴れ

冬鳥観察には遅く、夏鳥観察には早いこの時期、どこに探鳥に行こうか?

頭に浮かんだのは丹沢湖の水面を飛ぶヤマセミの姿だ。

せっかく丹沢湖に行くなら、酒匂川の上流に位置する丹沢湖から河口まで探鳥するのも面白いということで、酒匂川下りを計画した。

8時45分にダム湖畔に到着、上空ではイワツバメが飛んでいる。

いつものように世附方面から探鳥開始。

ヤマセミを求めて、水面はもちろん湖面に突き出た枝などヤマセミが止まっていそうな場所を丁寧にチェックする。

水面にはヤマセミはもちろんカモオオバンカワウすらも見当たらず。

水辺探索に疲れたら、クマタカ等猛禽類を求めて、周囲の山々の斜面、稜線上空をチェックする。

なんと今年1月の神奈川支部の丹沢湖探鳥会ではイヌワシ幼鳥が観察された。

イヌワシ観察の淡い期待を胸に秘めて、ちょっとした鳥影も見逃すことがないように探索するも、何も見つからず。

世附の奥にある渓流沿いを進む。

この辺りはヤマセミに加えて、カワガラスイカルチドリも現れることが多い。

ポール上にキセキレイが「チチチッ、チチチッ」とさえずっている。

メンバーが渓流の対岸にある砂防ダムの排水口にいるカワガラスを見つけた。
一番下の段の側壁にある排水口で目撃された。

どうやら左右2つの穴を出入りしているようだ。

しばらく観察した後、今度は丹沢湖の東岸にある旧丹沢湖ビジターセンターへ移動。

移動中も見晴らしの良い場所を見つけてはヤマセミを探索するもいない。

センター前の駐車場付近は桜が満開で、湖畔に咲くこの風景を見るだけでも来た甲斐があったというものだ。

満開の桜が出迎えてくれた。



センター前から湖面を望む。

桜の上空ではイワツバメが何羽も気持ち良さそうに飛び回っている。

時々、地表におりては巣材に使うのであろう草をくちばしにつかんで飛び去って行く。


イワツバメ よく見ると脚にも羽毛が付いているのが分かる。


腰の白さはやはり目立つ!

思いがけずイワツバメと桜をじっくり鑑賞することができて良かった。

ヤマセミクマタカは観察できず残念であったが、気持ちよく酒匂川中流へ。

見聞きした野鳥(観察順)

イワツバメ
カワラヒワ
ヒヨドリ
アオサギ
キセキレイ
ウグイス
トビ
ハシブトガラス
ホオジロ
ゴジュウカラ
イカルチドリ
カワガラス
コゲラ

計13種  目撃談 ベニマシコ

探鳥記 2018.3.11 毘沙門湾&恵奈湾 13:50~14:45 晴れ

城ケ島探鳥を終えて、三崎港でマグロ丼を食べた後、次の目的地を検討する。

三浦半島西岸の長井に行くか?東岸の毘沙門湾や恵奈湾に行くか?

毘沙門湾や恵奈湾はシギチドリの渡りの中継地として貴重な場所であり、春の渡り時はメダイチドリチュウシャクシギキアシシギキョウジョシギなどを観察できる。

さきほど城ケ島上空を通過したチュウシャクシギが観察できるかも。

期待を込めて毘沙門湾や恵奈湾に向かうことに決めた。

毘沙門湾 13:50~14:20


静かな雰囲気の毘沙門湾

到着して直ぐに湾内を見渡すと、浜辺に近い海面でカモメ達が水浴びをしている最中だった。

ミツユビカモメが飛んで来て、この群れに加わった。

ミツユビカモメウミネコオオセグロカモメとの大きさの違いが分かる。

しばらくじっくりとカモメ観察をしたかったが、爆音を響かせる車が通過した際に飛び去ってしまった!

ここで我に返ってチュウシャクシギの件を思い出して探索スタート。

毘沙門湾で撮影されたチュウシャクシギの画像は磯にいる場面が多いので、磯を中心に探索する。

大きいシギなので目立つはずだが、見当たらず。


チュウシャクシギがポツンと1羽たたずんでいる場面を妄想してしまった風景


探索中のチュウシャクシギ 2014.5 平潟湾にて

チュウシャクシギよ、どこにいるのか?

探索を断念して恵奈湾に向かう。

見聞きした野鳥(観察順)

ミツユビカモメ
ウミネコ
オオセグロカモメ
セグロカモメ
マガモ
イソシギ
ハクセキレイ
ヒヨドリ
セグロセキレイ
ヒドリガモ

計10種

恵奈湾 14:25~14:45


恵奈湾に現れた干潟

到着時、目の前には干潟が現れていた。

水辺の鳥がたくさんいる雰囲気ではあったが、干潟の中央にコサギが、奥にマガモが2羽がいるだけであった。

渡りの時期ならシギチドリを中心とした水鳥が観察されるのだろう。

湾内の海面にはヒドリガモウミネコセグロカモメがポツンと浮いている。

冬の真っ只中ならともかく、もう春の陽気で湾内はのんびりとした雰囲気に包まれていた。

続いて金田湾に行き、テトラポット付近で越冬しているシノリガモを探索したが、姿は見えず。

海上にも海鳥の姿はなかった。

もう、シノリガモは北に旅立ったのだろう。

ここでここで今回の三浦半島探鳥はお開きとなった。

※この後も金田湾でシノリガモが観察されていたことが判明!テトラポットの裏にいたのだろうか。

見聞きした野鳥(観察順)

コサギ
マガモ
ヒドリガモ
ウミネコ
セグロカモメ
ツグミ
カワウ
ウグイス
ハシブトガラス

計9種

探鳥記 2018.3.11 城ケ島 8:15~12:15 晴れ

この時期は三浦半島の南端に位置する城ケ島の岩礁から海面に浮かぶカンムリウミスズメを観察することができる。

陸地からカンムリウミスズメを観察できるのは非常に珍しく貴重な場所である。

たいていカンムリウミスズメは沖合にいることが多いので、どうしてもスコープ観察がメインとなり、カメラ撮影には厳しい条件ではある。

しかし、時々すぐそばで確認できるくらいの距離に浮いていることもあるそうだ。


画像の左端にある長津呂崎が今回の舞台 駐車場からは遠い距離ではない

駐車場から商店を抜けて長津呂崎に到着。

今の時期なら早朝から鳥仲間のグループがここで熱心に観察をしているのだが、今日は一人もいない!

いないということは今日は観察条件があまり良くないということか、、、。

凄腕ベテランバーダーの皆さんがいない中でのスタートとなった。
目の前に広がる海  中央の岩場付近で水鳥がいれば、近くで観察できていると言える

快晴で弱い東風が吹いている。

何はともあれお目当てのカンムリウミスズメを探そう!

スコープを左右にサッと振って海面を見入ると、すぐにウミスズメ類を4羽発見!

カンムリウミスズメウミスズメ

喉だけでなく胸にかけてまで黒いのでウミスズメの繁殖羽と判断。

眉斑もカンムリウミスズメの方がもっと太い白線に見える。

しばらくすると海上観察にようやく慣れてきたのか、次々とウミスズメを見つける。

非繁殖羽の個体も混じっており、繁殖羽との違いを確認する。

※今回ウミスズメが遠すぎて撮影が困難でしたので、掲載済みの動画を再アップします。

こんなにウミスズメがいるのだから、そろそろカンムリウミスズメを観察したい。

しかし、この後も観察するのはウミスズメだけであったが、後から来たバーダーさんによると、一度だけカンムリウミスズメを目撃したそうだ。

見たかった、残念!

※ということで、以前城ケ島で撮影した画像を掲載します。

今回ウミスズメの次に目立ったのはミツユビカモメだろう。


ミツユビカモメ 第1回冬羽   Sさん撮影

この日は目の前を何度も通過したり、数十羽の群れが上空を舞っては魚を取るために海面にダイブする姿を目撃した。

ほぼ垂直に水面に突っ込んでいく採食行動は予想外に豪快で驚いた。


クロサギ

時々、クロサギがゆっくりとした羽ばたきで目の前を通過していく。

独特の存在感があってお気に入りの鳥だ。

同行者がクロサギを観察して、体色は黒ではなく墨色と言っていたが、確かに墨色の方が良い表現と思った。


シロエリオオハム Sさん撮影

シロエリオオハムがずいぶんと近くまでやって来た。

体上面の白斑や後首部の白っぽくなっているが、首の前方はまだ非繁殖羽のままに見える。

昨シーズンの三浦半島周辺は冬鳥の水鳥の当たり年であって、金沢八景島そばでもシロエリオオハムが観察された!

が、今シーズンは不調であって、ようやく初めてシロエリオオハムを観察することができた。

この観察中に同行者が上空を通過するチュウシャクシギを発見!

シギチドリ好きにとっては有意義な目撃情報となった。

12時を過ぎて、お腹が空いて来たので、ここで城ケ島探鳥はお開きとした。

三崎港でマグロを食べてから次の探鳥場所を考えよう。

見聞きした野鳥(観察順)

イソヒヨドリ
トビ
スズメ
ヒヨドリ
ウミスズメ
ミツユビカモメ
カワウ
オオハム
クロサギ
ウミネコ
シロエリオオハム
ウミウ
オオミズナギドリ

計13種  目撃談:カンムリウミスズメ、チュウシャクシギ

探鳥記 2017.12.3 長井 9:30~11:15 晴れ

午後から横須賀で用事があるので、その前に三浦半島で探鳥しよう。

どこに行くか迷ったが、越冬キョウジョシギウミスズメとの出会いを期待して井に行くことにした。


快晴で海も穏やかな景色にしばしホッコリ。

冬季は目の前の磯でイソシギイソヒヨドリ、越冬中のキョウジョシギなどを観察する機会が多いのだが、今日は見当たらない。

沖を見るとハジロカイツブリが1羽ポツンと浮いているだけでウミスズメオオハムなどの姿はない。

いない、いない、お目当てがいない!

湾内に目を向けると長井の冬の主役?のウミアイサの群れを発見!

じっくり観察するとウミアイサ7羽の群れが潜水して採餌行動を繰り返していた。
動画

 1羽が潜水すると次々と潜水するのが見ていて面白い。

先日酒匂川でカワアイサをたくさん観察したので両方の比較をするなど観察を楽しんだ。

対岸の佐島方面を望む

再び磯に目を向けて、目的の1つである越冬キョウジョシギを探すも見つからず。

岩陰に隠れて見えないことも多いので、時間を空けたつもりだったが、、、。

隣接する富浦公園そばの海岸に移動する。

岸から10mくらいのところに砂地が現れており、そこにオオセグロカモメセグロカモメウミネコユリカモメカルガモマガモなどが50羽ぐらいだろうか集まっていた。

ゆっくり距離を詰めながら観察・撮影を開始。

特にオオセグロカモメセグロカモメの背中の色合いの違い、これらとウミネコユリカモメの大きさの違いを確認した。

おそらく引き潮に現れた場所と推定するが、シギチドリの渡りの時期も何かが観察できるかも。


オオセグロカモメ成鳥冬羽


左からマガモの雄と雌

一方が体の向きを変えると一方がそれに合わせて向きを変えるなど、既にペアになっているのか良い雰囲気。

撤収時間も近づいて来たので、そろそろお開きにしようと思っていたら、最後の最後で目の前をカワセミが通り過ぎたり、沖合をミサゴが悠然と飛ぶ姿を観察でき、気持ち良く探鳥を終えることができた。

見聞きした野鳥(観察順)

ユリカモメ
カワウ
アオサギ
セグロカモメ
ウミアイサ7
ウミネコ
イソヒヨドリ
マガモ
ハジロカイツブリ
ヒドリガモ
オオセグロカモメ
カンムリカイツブリ
ミサゴ
カワセミ

計14種

探鳥記 2017.11.19 酒匂川② 8:00~16:30 晴れ

前回酒匂川探鳥①の続き。

開成駅付近の左岸

いつも右岸からの観察で左岸から見える光景をどんなものかと気になっていた。

そこで今回は狩川合流点付近から対岸に渡って左岸から観察することにした。

左岸からの観察場所を求めてしばらく北上する。

車で通れてじっくり観察できる場所があるのか?紆余曲折を経て開成町付近にたどり着く。

到着して直ぐに同行者が後背地の池にいるクサシギを発見する。

クサシギシギの中でも警戒心が強いので、ゆっくり隠れながら進んで撮影する。

動画

最初、タカブシギに見えた。

クサシギが飛び去ってしまったので、今度は酒匂川に目を移すと、本日2度目のカワイアイサ系4羽を発見。

祈るように観察するもコウライアイサではなかった。

カワイアイサは流れに身を任せて下ったり、流れに逆らって採餌をしていた。

カワアイサ雌タイプ   左個体はボサボサした冠羽から成鳥雌、他の2個体は目先にストライプ斑があるので幼鳥と推定。

それにしても広々とした河川敷にいると、柔らかな日差しと心地良い風を受け、富士山や丹沢の山容を眺められて気持ち良いものだ。

小田原城北工業高校付近の酒匂川左岸

ふと後ろの後背地を見るとまたクサシギが戻っていた。

草陰から撮影

クサシギしばらくするとまた飛び去ってしまった。

再度酒匂川を見ると、いつの間にかカワアイサは何と10羽に増えており堤防で休んでいるではないか!

今度は体全身ハッキリと観察できるのでコウライアイサ診断をするも駄目。

どっと疲れが出てしまい、お腹も空いて来たので、移動する。

開成水辺スポーツ公園

ようやく折り返し地点に到着した。

前回この付近を探鳥した際に電線に止まるハヤブサがいたのを思い出した。

広い河川敷ではユリカモメカルガモが行き交い、ダイサギが獲物を求めてじっと水面を見ている。

猛禽類が止まりそうな周囲の鉄塔をチェックするも確認できず。

結局、河口から開成町までの往路では、コウライアイサは観察できず。

コウライアイサが観察時に死角にいる場合や移動してくる可能性があるので復路に期待しよう。

開成駅付近左岸

またしても先ほどと同じ後背地にクサシギが採餌していた。

お気に入りの場所なのだろう。

カワアイサも相変わらず堤防上で休憩中で進展はなし。

時間がない!まだ見ぬコウライアイサを求め河口に進もう!

報徳橋付近右岸

ずっと左岸からの観察が続いたので、報徳橋を渡ってすぐの右岸へ移動。

またしても同行者が小さな川筋の水たまりにいるクサシギを発見する。


背中のオリーブ色が濃くイソシギを連想させる。

この辺りの草原ではアオジジョウビタキベニマシコ、オオジュリン辺りがいそうであるが、まだ時期尚早か。

どうしてもこの辺りは走行も駐車もしにくいので左岸に戻る。

小田原アリーナ付近左岸


山の稜線上に出っ張っている山が矢倉岳。ワシタカの渡り時のランドマークである。

ここでは4羽のカワアイサを発見。
辺りはだんだん暗くなって観察条件は悪くなるが、逆に体色や模様より動き方に関心が移ってくる。


左)雄のエクリプスから繁殖羽へ移行中の個体 右)雌タイプ

夕方近くだが川の上流に向かって水面に身をかがめて活発に採餌する個体もいる。

カワアイサを観察していると、突如褐色の猛禽類が目の前の石の上に止まった。

オオタカ若鳥だ!

夕陽に照らされていつもより格好良く見える!

今回は狩川でも観察しているが、同じ個体だろうか?

おそらく水浴びをしに来たのだろう。

しばらくじっとしていたが、我々が気になるのか中州の草むらに入ってしまった。


夕暮れの河川敷 背景には富士山と矢倉岳の姿

日没となって急に寒くなったので、お開きとすることにした。

探鳥した日以後もコウライアイサを撮影した画像を見ていないし、ハッキリ目撃談も耳にしていない。

おそらく誤報だったと思うが、この時期なら人知れず飛来していた、あるいは今後も飛来する可能性は十分ある。

今回こんなにカワアイサを食い入るように観察したのは初めで、カワアイサの勉強に非常に役立った。

見聞きした野鳥(観察順)①②合計

ヒヨドリ
モズ
カワラヒワ
ユリカモメ
オオバン
アオサギ
ダイサギ
カルガモ
イカルチドリ
ハシボソガラス
コガモ
ムクドリ
マガモ
タヒバリ
ハシブトガラス
イソシギ
カワセミ
トビ
ヒバリ
ツグミ
セグロセキレイ
カワアイサ
ヒドリガモ
カイツブリ
カンムリカイツブリ
キンクロハジロ
オカヨシガモ
オオセグロカモメ
セグロカモメ
ウミネコ
オオタカ
ホオジロ
クサシギ
チョウゲンボウ
キジバト

計35種

探鳥記 2017.11.19 酒匂川① 8:00~16:30 晴れ

ここ数年この時期にコウライアイサが神奈川県内の酒匂川や相模川で短期間立ち寄る姿が観察されている。

昨年も酒匂川で目撃されていたそうで、今年はコウライアイサの飛来を念頭に入れてカモの季節を待っていた。

そろそろかな?と思っていたら、どうやら酒匂川に飛来しているという噂を聞いた。

そこで今回は1日かけて河口から中流域の開成町付近までコウライアイサを主目的にして探鳥することになった。

それでは酒匂川のどこで探すのか?

酒匂川は上流は丹沢湖から下流は小田原市街地の東側を流れているが、河川の状況や過去の観察例から判断して開成町から下流域で探索するのが良いと考えた。

そこで河口からスタートして狩川合流点までは右岸を、そこから左岸に渡って開成町付近まで行き、同じ道を戻って飯泉取水堰手前で終えるコースと採った。

河口右岸付近

前回11月5日の探鳥時は2羽のクロハラアジサシユリカモメともに河川敷上空を頻繁に行き来していたが、今回は見当たらず。

前回登場したクロハラアジサシ幼鳥 Sさん撮影

カモの姿もポツンポツンと見えるだけである。

河口から丹沢を望む。これからの季節、山を眺めるのも楽しみの1つである。

運動場の芝生にはヒバリの姿を久々に間近で観察できた。

ヒバリの仲間には珍鳥が多いので、珍鳥を識別するためにもヒバリをこういう機会にじっくり観察しよう。

 


以上2枚ともヒバリ。冠羽が立ってないと一瞬ドキッとしませんか?

東海道線の高架下付近ではカワセミを発見。

河口から高架下辺りまでは、カワセミイソシギイカルチドリの3種が最も観察しやすい場所だ。

カワセミイソシギは活発に飛び回るので見つけやすいが、鳴きながら飛ぶことが多いので鳴き声を覚えると更に見つけやすくなる。

一方イカルチドリは河川敷の石ころに紛れてじっとしていることが多いので目立たないが、漠然とフワッと見るのではなく意識して探せば見つかるだろう。

河川敷では今シーズン初めてのツグミを見つけた。

冬季は普通に観察できるツグミではあるが、やはり初認は嬉しい。


ツグミの登場で本格的な冬鳥シーズンが開幕!

この付近河川敷は奥行きがあり、オオタカミサゴなどの猛禽類が安心して食事をできるところなのだろう観察する機会は多いが、今回は観察できず。

飯泉取水堰付近

堰の手前の川の流れが滞っている場所では小魚がいるのだろうユリカモメカワウコサギダイサギアオサギの群れが水面を漁ったり、上空を飛び回っている。


堰から下流を望む。

堰の上流では前回より気持ちカモの数が増えたように感じる。

堰から上流を望む。

奥のカモの群れの中に遠くからだと体が白っぽいのがいる。

カワアイサコウライアイサか?

緊張が走るも脇腹にうろこ模様がなかった!残念!

結局ここにはカワイアイサ雄1と雌タイプ3がいた。

左からカワアイサ雄、マガモ雄、オカヨシガモ雄、奥にオカヨシガモ雌

狩川合流点

ここで開成町付近の上流からコウライアイサを探索してきた鳥仲間と合流。

残念ながら上流ではカワアイサを観察するもコウライアイサは発見できなかったとのこと。

探索を中止して丹沢湖への探鳥に切り換えるか考えたが、このままのプランで続けることにした。

ここでは枝止まりするオオタカ若鳥をじっくり観察することができた。

若鳥といえども眼光は鋭い。

猛禽類と言えば、酒匂川沿いには高圧電線の鉄塔が多くあり、ハヤブサチョウゲンボウオオタカなどが止まっているイメージで1本1本チェックするようにしている。

例年この辺りの河川敷ではカワアイサを目撃することが多いのだが観察できず。


合流点の方からかり狩川上流を望む。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

ヒヨドリ
モズ
カワラヒワ
ユリカモメ
オオバン
アオサギ
ダイサギ
カルガモ
イカルチドリ
ハシボソガラス
コガモ
ムクドリ
マガモ
タヒバリ
ハシブトガラス
イソシギ
カワセミ
トビ
ヒバリ
ツグミ
セグロセキレイ
カワアイサ
ヒドリガモ
カイツブリ
カンムリカイツブリ
キンクロハジロ
オカヨシガモ
オオセグロカモメ
セグロカモメ
ウミネコ
オオタカ

計31種

探鳥記 2017.11.5 酒匂川河口 10:30~13:30 晴れ

相模川河口から酒匂川河口へ。

2016.12.3以来の探鳥である。

今回は相模川河口と同様に台風の影響で飛来して来ただろうアジサシ類の観察が主目的である。

コースは国道1号線そばの小田原側の河川敷から飯泉取水堰までとした。

スタート地点の高台から河川敷を探鳥する。

スタート地点から河口を望む。

間もなく、目の前にクロハラアジサシ幼鳥が現れ、同じコース取りで何度も往復している。

幸先良いスタートだ。

このクロハラアジサシ幼鳥が河口に向かったので、一緒に河口へ移動する。

河口付近で再度クロハラアジサシ幼鳥を見つけて観察していたが、どうやら2羽いるようである。

外見が同じく白っぽく見えるユリカモメも一緒に飛んでいたが、大きさはユリカモメの方がずっと大きい。
クロハラアジサシ幼鳥 Sさん撮影

観察中に向こう岸の河川敷でオオタカ成鳥が一直線に通り過ぎるのを目撃!

これからの季節、オオタカミサゴハヤブサチョウゲンボウなど猛禽類の観察も増えて楽しみである。

クロハラアジサシ観察も一段落したので、ここから上流に向かって歩くことにする。

休日なので河川敷のグランドはソフトボール大会で大盛況である。

この辺りの河川敷では前回はイカルチドリを観察したが、今回は見当たらず。

中州にはユリカモメの小群が休憩中である。

幼鳥がいないか確認すると群れの中にクロハラアジサシの成鳥が2羽いた。


左の2個体)クロハラアジサシ 右の2個体)ユリカモメ

この2種では大きさが全然違う。

このクロハラアジサシ達は成鳥夏羽から冬羽へ換羽中で、頭部が黒色から白色へ、肩羽や雨覆などが灰色から更に薄い灰色になりつつある。

この付近ではクロハラアジサシが活発に飛び回り少なくとも4羽を確認した。

電車の鉄橋から取水堰までの広大な中州では、過去に食事中のミサゴオオタカの姿を何回も目撃したことがある。

ここは猛禽類にとっては食事しやすい場所なのだろう。

取水堰内ではカモの姿はまだまだ少なかったが、オカヨシガモヨシガモキンクロハジロなどの姿を見つけることができた。

しかし何か物足りないと思ったら、冬の酒匂川の名物カワアイサを本日は見ていない。

そろそろ酒匂川に渡って来ても良い頃である。

祈りが通じたのか対岸付近の遠くのほうで潜水を繰り返して採餌中のカワアイサの発見に成功!

雌タイプの色合いだが、遠いので雄のエクリプスか雌なのか分からなかった。

 

ここで酒匂川での探鳥を終える時間が来た。

冬の酒匂川は猛禽類、カモ類、カモメ類、冬の小鳥などバラエティに富んで観察種類数も50種前後と非常に楽しめる探鳥地である。

次回は冬の最盛期に再訪して冬鳥を堪能しよう!

帰り道、平塚の水田地帯に立ち寄ることを決めて酒匂川を後にした。


遠く丹沢山地を望む。

見聞きした野鳥(観察順)

モズ
ハクセキレイ
セグロセキレイ
ユリカモメ
クロハラアジサシ
ダイサギ
アオサギ
マガモ
カワセミ
オオタカ
トビ
ヒヨドリ
カワラヒワ
ホオジロ
タヒバリ
コサギ
カルガモ
コガモ
オカヨシガモ
ヒドリガモ
ヨシガモ
オナガガモ
キンクロハジロ
カンムリカイツブリ
カイツブリ
オオセグロカモメ
カワアイサ
ジョウビタキ
スズメ
イソシギ

計30種