「中部エリア探鳥記」カテゴリーアーカイブ

探鳥記 2017.5.20 戸隠④ 戸隠キャンプ場 8:50~10:00 晴れ

植物園の外に出て奥社参道の鳥居の脇の小道を抜けて戸隠キャンプ場へ向かう。

しばらくこの風景が続く

コゲラヤマガラシジュウカラの小鳥が活発に森の中を動き回っている。

前方の道の上でシジュウカラが地面を突いている。

何か獲物でも捕まえたのかと見てみると、大きな羽毛をさらにくちばしで細かくちぎってくわえ込んでいる。

おそらく巣の中で卵の下に敷くためのものだろう。

以下がその様子。

キビタキコサメビタキメジロゴジュウカラ、エナガなどの野鳥もいそうな気がするが、思っていたより野鳥が少ない。

そんな中、森の奥からアカゲラが近くの大木に飛んできて、じっくり観察する。

アカゲラ参上

視界が開けてきたところで、雪を被った高妻山が現れた。

まさに三角形の山容であり、鹿児島の開門岳を思い出した。

戸隠は高妻山を始め二百名山の戸隠山、飯綱山、黒姫山がある登山エリアでもある。

日本百名山・高妻山(2353m)

40分かけて戸隠キャンプ場に到着。

隣接する戸隠牧場を含めて草原で観察できる野鳥を目当てに来たのだが、牧場は解放されておらず、周囲も野鳥の影が薄い。

1998年5月に初めて戸隠探鳥を行った際に、このキャンプ場でテントを張った。

日没後、牧場の方からヨタカの声を聞いた時は感激したのを覚えている。

牧場の背景にある山々を眺めていると、上空を猛禽類が飛んでいるのに気が付く。

トビではない。ノスリでもない。

頭部のとんがり具合、尾羽の扇型の尾羽と黒い2本の横斑からハチクマと分かる。

しばらく様子を観察すると両方の翼を持ち上げて打ち付けるディスプレイフライトをやった。

話には聞いていたので、実際観察できて嬉しい。

キャンプ場正面 ハチクマはこの上空でディスプレイフライトをした

しばらく待っていればハチクマを再度観察できるが、バスに乗る時間が来てしまった。

ここから戸隠神社の一の鳥居跡地へ向かう。

ミズバショウの最盛期で植物園や奥社周辺は混むと予想して、しばらく別のエリアで探鳥した後に奥社に戻るプランにした。

続きは次回。

※個人的見解ですが、このコースは①人通りが少ない②野鳥が少ない③行程の半分くらいは道沿いに笹薮があるので、熊との出会い頭の遭遇の可能性がある等の理由で現時点では回避した方がよいと思います。
奥社参道とキャンプ場を結ぶ道はもう1本奥にありますが、この道は今回親子熊が目撃されていますので、このコースも回避した方が良いと思います。
もし、戸隠キャンプ場や牧場での探鳥をするのならば、バスでの移動をおススメします。

見聞きした野鳥(観察順)

コゲラ
ヤマガラ
シジュウカラ
ウグイス
アカゲラ
キセキレイ
アオジ
コサメビタキ
ハチクマ

計9種

 

探鳥記 2017.5.20 戸隠③ 森林植物園 6:30~8:50 晴れ

奥社から植物園に戻ってきた。

早朝の夏鳥のコーラス時は園内は暗くて見るより聴く野鳥観察となったので、この時間からは見る野鳥観察をしたい。

特にクロジを戸隠に来てから見ていないので、クロジポイントにまずは向かう。

途中でミソサザイのさえずりがあちこちで行われている。

ミソサザイファンとしてはスルーできずに足を止める。

今回は舞台裏からさえずるミソサザイを撮影。

BGMにクロジの「ホーイチヨチヨチー」のさえずりが入っている。

 

クロジの声がしたので、声の方に急行するとそのエリアは昨日のコルリポイントだった。

しかし、クロジの声は森の奥の方から聞こえてくる状況なので、時間を置いて次のチャンスにかけることにする。

一方、コルリは昨日と同じ場所でさえずっては休憩するのを繰り返している。

早朝は地表に降りて採餌していたそうだ。

早くペアを見つけてね!

餌を探索中のオオアカゲラを発見。

園内ではアカゲラと同じくらいオオアカゲラを目撃する機会が多い。

背中の白黒模様がアカゲラと違うことに注目

コサメビタキがすぐそばの枝に止まった。

それにしても戸隠ではコサメビタキを目撃する機会が多い。

コサメビタキは鳴き声も小さいし体も小さいので、見つけにくい鳥といえる。

それでも一番目撃されることが多いということは、園内にはもっとたくさん生息しているのだろう。

戸隠では基本種のコサメビタキ

昨日は帰り際にノジコの声を聞いただけだったので、今回は是非とも姿も見たい。

ノジコが観察されているポイントでノジコを待つことにする。

待っている間、ここで知り合ったベテランバーダーの方との野鳥談義は面白く勉強になることが多かった。

野鳥観察ももちろん大事だが、こういう談義の中で出会った人の野鳥観察や撮影への取り組み、経験、情報などを知ることは自分の考えやスタイルに合う合わないは別として勉強になる。

もっとこのような機会も増やしていきたい。

バーダーとの談義中、キセキレイアオジカワラヒワオオアカゲラサンショウクイヒガラコサメビタキノジコと次々と現れて、実は鳥見には良い場所だった。

白いアイリングに注目のノジコ

 

胸を反らしてさえずるノジコ

もっと野鳥談義を続けたかったが、戸隠キャンプ場付近での探鳥があるので、再会を楽しみにして別れる。

続きは次回。

 

見聞きした野鳥(観察順)

キビタキ
ヤマガラ
ヒガラ
コガラ
ヒヨドリ
エナガ
アオジ
ウグイス
コルリ
ミソサザイ
アカハラ
クロツグミ
アカゲラ
サンショウクイ
コサメビタキ
クロジ
アオゲラ
オオアカゲラ
ノジコ
キセキレイ
カワラヒワ
コゲラ

計22種

 

 

探鳥記 2017.5.20 戸隠② 奥社周辺  5:00~6:30 晴れ

 

植物園から参道入口の鳥居へ。

パワースポットとして名高い戸隠奥社。

奥社が朝日を受ける時間が最もパワーが放出される?御利益がある?と勝手に思い、植物園でコーラスを聴いている時から早く行こうとそわそわしていた。

誰もいない静けさの中で鳥居の前に立つだけで気分が高揚する。

いざ奥社参道へ

もちろん、野鳥観察への関心が下がっているわけではない。

このエリアは野鳥の密度が濃い場所で、植物園では見づらい野鳥を観察できる可能性が高い。

観察したい鳥はクロジオオルリジュウイチだ。

鳥居のそばの木にいるシジュウカラを発見。

戸隠ではヒガラコガラ方が多い気がする。意外と少ない?

戸隠ではマイナーな存在?のシジュウカラ

参道を進むと並木のてっぺんでクロツグミのさえずりが始まった。

今回の探鳥で初めて姿を確認できた。

鳴き声はたくさん聞いてきたが、なかなか姿を見ることは難しい。

早朝は目立つ場所でさえずるので観察のチャンスである。

2日目でようやく観察できた

参道沿いは早朝だけあって、昨日の昼間の探鳥より見聞きできる野鳥が多い。

植物園の森からは、アカハラアオゲラキビタキイカルの声が聞こえてくる。

参道沿いでは小鳥が多く、カラ類、コサメビタキニュウナイスズメを観察。

随神門に到着。脇にある杉の大木には数羽のキバシリが活発に採餌中。

ここで出会ったバーダーから付近の小径にツキノワグマの親子がいるとの情報を得た。

ちょっと寄り道してその場所に行こうと思っていたので助かった!

更に奥にはただならぬ気配が、、、。

随神門を過ぎるとそばを流れる小川付近からミソサザイの声、斜面からはコルリ、森の上の方からはオオルリの声がする。

ここのオオルリのさえずりはクロジの「ホーイチヨチヨ」というさえずりに似た節があり、最初クロジと迷ってしまった。

 

ついに奥社に到着。正面から太陽を受けてパワーを注入という場面を想像していたが、妄想に過ぎなかった。

朝日に照らされる奥社
突然、左手の斜面からジュウイチのけたたましいヒステリックな鳴き声に静寂は破られた。

しばらくジュウイチ探しに没頭することになったが、結局見つからず。

ジュウイチオオルリコルリなど青い鳥に托卵するので、なるほどジュウイチが奥社付近で観察される理由が分かる。

奥社の斜面では毎回オオルリを観察しているので、来年以降もジュウイチが観察できる可能性は十分ある。

奥社本殿

奥社からもらったパワーが今後の探鳥にどう出るか。

下山して随神門そばから植物園に入る。

続きは次回。

 

見聞きした野鳥(観察順)

シジュウカラ
ウグイス
ミソサザイ
コガラ
カワラヒワ
クロツグミ
コサメビタキ
アカハラ
ニュウナイスズメ
アオゲラ
ウグイス
キビタキ
ヒガラ
ヤマガラ
イカル
キバシリ
コルリ
コゲラ
オオルリ
ジュウイチ
キジバト
ハシボソガラス
カケス
ツツドリ

計24種

探鳥記 2017.5.20 戸隠① 森林植物園 3:30~5:00 晴れ

深夜2時50分にアラームが部屋に鳴り響いた!

即座に着替え手荷物をまとめて3時に宿を出発する。

辺りは真っ暗である。足元も見えない。

携帯のライト機能を使ってゆっくり前に歩き始める。

街灯がないことは分かっていたので、昨夜植物園から宿に向かう際に道は頭に叩き込んでいる。

それでも道を間違えていないか心配しながら歩く。

途中、ホトトギスが鳴いてくれて心が和む。

この状態で30分かけて植物園入口に無事到着。

ここで昨日「クマ出没注意」の看板が園内にあったことを思い出した!

昨日は一回も目撃情報がなかったが、うわさでは親子連れが付近にいるらしい。

しばらく考えたが、手をたたきながら進むことを決意。

※今回、植物園内では幸運?にもツキノワグマ親子とは遭遇しませんでしたが、奥社参道にある随神門から戸隠キャンプ場へ向かう道で早朝目撃されました。
当初の出没エリアから植物園を経由して移動したと考えられます。
偶然、随神門で会ったバーダーに注意されましたので助かりました。
最低限、熊よけの鈴などで音が発して熊に自分の存在を分からせることは必要です。
また単独行動も非常に危険です。
最新の熊の出没情報は植物園内にある「八十二 森のまなびや」や自治体に問い合わせることをお勧めします。
最近全国で熊の生活圏が広がっているので、戸隠に限らず熊と遭遇する確率も高くなっています。
お互い熊にも注意して野鳥活動していきましょう。

 

「小川の小径」付近を歩いていると、フクロウの声が聞こえて来た。

時刻は3時47分である。

合計3コールしてくれてしばらく余韻に浸る。

今日の早朝コーラスの鳴き出しはどの鳥か?前回はアカハラだったな、とあれこれ考えていると、突然、闇夜の静寂を破って「キョロン、キョロン チー」とアカハラが鳴き始めてしまった。

3時50分開幕である。

しまった!

早朝のコーラスを聴く場所を決めていたので、急いで向かう。

その間にもアカハラ同士の鳴き合いが始まり、どんどん回数も増えていく。

少なくとも5羽以上の声がする。

しばらくすると今度はクロツグミの鳴き声が加わる。

いよいよ主役の登場である。

両者ともツグミの仲間なので声の質が似ている。

さえずりが共鳴して森に響き渡る。

こんなにクロツグミがこの森にいたのか!嬉しい悲鳴を上げる。

この頃(3:55)のコーラスの様子が下記の動画。

続いてキビタキアオジミソサザイコルリが続く。

昼間ならミソサザイコルリも鳴き声でその存在がはっきり分かるが、このコーラスの中では存在感はそれほどでもない。

金管楽器系のメロディーに時々カッコウツツドリハシブトガラスの打楽器系が加わりアクセントを付ける。

意外に思ったのにツツドリの声がこのコーラスの中でも良く通るのである。

おそらく植物園内でただ一人であろう、この全方位から野鳥のさえずりに包まれて至福の時を過ごした。

1時間近く続いたコーラスだったが、あっという間だった。

 

日の出前(4:15)の植物園から戸隠連峰を望む

早朝の夏鳥のコーラスの規模にも驚いたが、更に驚いたことはコーラスが終わると野鳥のさえずりがパタリと鳴き止んで、森が急に静かになったことである。

このギャップは新鮮かつ衝撃的だった。

今この瞬間にこの場所に探鳥に来たならば、「戸隠は夏鳥が減ったねぇ~」という残念な感想を持つことだろう。

少なくとも夏鳥に関しては、そのエリアの野鳥の生息状況は早朝の最初のコーラスでさえずる野鳥の種類と数をバロメーターにするのが日中観察より正確に表していると思う。

水芭蕉目線で戸隠連峰を望む(4:51)
日の出とともに一気に明るさを増す東の空(4:51)

野鳥のさえずりも一段落したので、次は参拝者の少ない早朝に奥社と参道の杉並木の雰囲気を味わいたくなった(もちろん探鳥もバッチリするが)。

奥社の参道が始まる鳥居へ向かう。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

ホトトギス(宿から植物園に向かう途中の越水が原で声を確認)
フクロウ
アカハラ(コーラス開始)
クロツグミ
キビタキ
アオジ
ミソサザイ
コルリ
ツツドリ
カッコウ
コサメビタキ
ハシブトガラス
サンショウクイ
ヒヨドリ
ノスリ
カワラヒワ
カルガモ

計17種

探鳥記 2017.5.19 戸隠④ 森林植物園 15:50~18:20 晴れ

鏡池から隣接する森林植物園へ。

植物園に戻ると観光客もバーダーもほとんどいないので、ビックリした。

野鳥達は早朝ほどではないが、夕方寝る前に活発に行動することが多いので、夕方の観察も実は面白いのだ。

森の中は野鳥の姿は観察できないが、ここで今日見られた野鳥達の様々な声が聞こえてくる。

夕日に照らされるミズバショウ

そういえば今日はまだ園内の森林エリアの行っていないので、森へ入ることにする。

森の中はさらに暗くなっており、探鳥に期待できないと思って歩いていると、アカゲラの鋭い音が近くでする。

最初は立ち並ぶ木々の幹を上下に見て探索したが見つからない。

ここにいました!

もう一回周辺部を探すとアカゲラが横枝に止まってじっとしていた。

本当はこの向きが正解!

その場所からしばらく動く気配がなくリラックスしている感じがする。

本当は横向きの方が楽なのかな~。

私が立ち去るまでずっとその場にいた。

木道に戻るとオオアカゲラがそばにやって来た。こちらもじっとしている。

暗くても下面の縦斑が目立つ

帰り際、今年のノジコのポイントで、昼間観察できなかったノジコを観察できたので、気持ちよく帰れる。

夕暮れの戸隠連峰 明日もお邪魔します!

明日は早朝から植物園入りして朝のコーラスを堪能するぞ!と気合を入れて、ここから歩いて30分かかる宿に向かう。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

カワラヒワ
カケス
エナガ
コガラ
ウグイス
キビタキ
サンショウクイ
コゲラ
キセキレイ
アカゲラ
シジュウカラ
ヒガラ
ミソサザイ
オオアカゲラ
コルリ
ノジコ
アカハラ
カルガモ
モズ ※宿へ向かう途中、越水が原で観察。

計19種

探鳥記 2017.5.19 戸隠③  鏡池周辺 14:00~15:50 晴れ

植物園周辺の野鳥の様子はだいたい把握できたので、奥社参道の随神門から鏡池まで行くことにする。

以前探鳥した際には鏡池までの途中の道でたくさんのキビタキを観察できた。

今回はどうだろう。

このコースは人通りが少なく静かな雰囲気の中で探鳥ができる。

前方に声もなく森を移動する大きな鳥が見えた。

ゆっくりした羽ばたきと腰の白さが目立つ、カケスだ。

カケスは警戒心が強い鳥なので、その存在感の大きさと数の割には、じっくり観察できない。

今回は意外と近くまで来てくれた。

久々にカケスをきちんと撮影できた

この森でもコサメビタキの多さが目立つ。

一休み中のコサメビタキ
下から見ると二等辺三角形のくちばしと半分以上を占める黄色の部分に注目

遠くからツツドリの声がする。

ツツドリは主にセンダイムシクイに托卵するが、もう托卵を終えてのんびりしているのか、それとも次の托卵の備えて準備中なのか。

ここまでキビタキを観察していないが、今回は植物園内でも少ないので仕方ないか。

鏡池にたどり着く。

戸隠といったら戸隠連峰とその姿が水面に映る鏡池の風景が季節を問わず有名である。

実は鏡池は2016年大河ドラマの真田丸のオープニング映像でも使われていたそうだ(奥社の続く杉並木も)。

しばらく涼しい風にあたりながら景色を楽しむ。

遠くからはサンショウクイクロツグミの声が聞こえる。

鏡池から戸隠連峰を望む

前回探鳥時は稜線上空でハチクマのペアが旋回していた。

今回は観察できなかったが、ハチクマの他にイヌワシクマタカノスリなどは観察可能性がある。

帰り道、ようやくキビタキの声が奥の森から聞こえて来た。

また木の幹を上に移動するキバシリを発見。

戸隠はキバシリが比較的多く観察される場所だが、体が小さく、体の色も樹皮に似ているので見つけにくい。

「ティリリリリ」という小さい鳴き声を覚えると格段に見つけやすくなる。

 

16時近くになった。日没までの間、もう一回植物園を探索して明日の探鳥に役立つポイントを探しておこう。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

ウグイス
カケス
ゴジュウカラ
エナガ
アオゲラ
アオジ
コサメビタキ
イカル
ツツドリ
カワウ
トビ
サンショウクイ
クロツグミ
キビタキ
シジュウカラ
コゲラ
キバシリ
オオルリ

計18種

探鳥記 2017.5.19 戸隠② 奥社参道 13:00~14:00 晴れ

参道の鳥居から随神門へ。

奥社に続く参道は植物園の外縁に位置する。

観光客が多く、また木の高いところにいる野鳥を観察することが多いので、観察条件はあまり良くない。

しかし野鳥の種類も数も多いエリアではある。

さっそく鳥居そばの針葉樹の上の方からキクイタダキの複雑でか細い声が聞こえる。

良く同じ場所でいることが多いヒガラがいないかチェックする。

隣接する植物園の方からはセンダイムシクイウグイスの声がする。

しばらくすると、コサメビタキのさえずりが頭の上から聞こえて来た。

複雑なか細い声を覚えると格段に見つけやすくなる。

それにしてもコサメビタキをよく目にする。

頭上の止まるコサメビタキ

そばの林から聞こえるゴジュウカラサンショウクイを楽しみながら進んで行くと、近くの枝に小鳥が飛び乗った。

カラ類かな?と一応確認してみると何とオオルリである。

毎回きちんと双眼鏡で確認することはやはり大事と反省。

さえずりは一休みして、栄養補給中かな。

杉並木の向こうに随神門が見えてきた。

この辺りは以前アカショウビンが繁殖していたエリアだ。

私の母も以前この場所でアカショウビンの声を聞いたことを思い出した。

野鳥にさほど興味のない母がアカショウビンの声と分かったのは、家に野鳥の声がする壁時計があったからだ。

アカショウビンは11時の時を告げる鳥だった。

だから母は随神門でアカショウビンの声を聞いた時、とっさに「11時の鳥だ!」と叫んだそうである。

杉並木の中にたたづむ随神門

そのまま奥社に進むか迷ったが、明日早朝の人が少ない時間帯に行くことにして、鏡池に向かうことにする。

 

続きは次回。

 

見聞きした野鳥(観察順)

キクイタダキ
ウグイス
センダイムシクイ
カワラヒワ
エナガ
ゴジュウカラ
サンショウクイ
コサメビタキ
メジロ
オオルリ

計10種

探鳥記 2017.5.19 戸隠① 森林植物園 9:45~13:00 晴れ

 

毎年初夏を迎えると夏鳥探鳥の聖地「戸隠」に行きたくて仕方なかった。

今回ようやく重い腰を上げて1泊2日の一人旅に出発した。

東京駅から始発6時16分の北陸新幹線で長野駅へ。

車中からの風景では、佐久地方の田植えしたばかりの田園が印象に残った。

7時38分に到着して、ここからは8時30分発のバスで戸隠に向かう。

今回は2日間戸隠で探鳥するので「戸隠高原フリーきっぷ」を購入した。

長野駅⇔奥社入口の片道運賃が1350円なので、往復利用だけでもお得!

9時38分に戸隠森林植物園に到着。

2016.10.13のムギマキ探鳥(⇦ここをクリックすると記事あり)以来、7か月ぶりの戸隠訪問。

夏鳥探鳥で言えば2001年以来!となる。

まずは基礎情報の収集のため、入口にある「八十二 森のまなびや」に立ち寄って植物園内の案内図を入手する。

今回の探鳥では案内図を利用して野鳥の観察場所をできるだけ記録していきたい。

 

探鳥準備を終えて9時45分探鳥開始。

目の前にそびえる戸隠連峰を望み、これから始まる探鳥に高揚感が沸き立つ。

森の奥からはアカハラカッコウの声が聞こえる。

近くの梢ではアオジがさえずっている。

戸隠連峰の山容に修験者を引き付けた魅力を感じてしまう

園内の中心部に向かって木道を進む。

歩きにくい場所には木道が設置されており園内は非常に歩きやすい。

「小川の小径」に来ると、正に今がミズバショウの最盛期。

この時期に過去3回探鳥に来ているが、いつもミズバショウの終わった頃で残念な思いをしていた。

話によると今年は例年に比べて半月ほど春の到来が遅いとのこと。

しばらく野鳥を忘れて見入ってしまった

木道の先にはバーダー(私は野鳥好きの観察者、カメラマンを含めてバーダーと呼ぶ)が集まっている。

その先にはオオアカゲラの巣があり、子育ての真っ最中とのこと。

しばし現れるのを待つが、現れず。

まずはポイントだけ把握して次に進む。

その先にまたもバーダーが集まっている。

目の前でコルリがこちらを向いてさえずっている。

そういえば、ここは通称コルリの小径と呼ばれている場所だ。

コルリはこちらの興奮をよそにマイペースでさえずり続けている。

画質は奥の方に置いといて、この姿がけなげで可愛い!

木道を進む。今度はミソサザイの出番だ。

あちこちから複雑で大きなさえずりが聞こえる。

いつでもどこでも一生懸命にさえずるミソサザイ

ミソサザイの鳴いているそばで、黒っぽい鳥が移動する。

キビタキの雄だ。

キビタキは体の下面の黄色が見えればすぐわかるが、黄色が見えないと上面が黒いので一瞬迷う。

キビタキ雄の近くにはキビタキ雌がいる。

すでにペアとなっているようで一緒に行動している。

その先の東屋付近ではクロツグミイカルサンショウクイなどの声が聞こえたり、ニュウナイスズメアカゲラが何度も現れてくれた。

そばには3人の御婦人グループがいて、会話を聞いていると相当野鳥に詳しい感じがする。

先ほど来たばかりなので、戸隠の野鳥の情報を教えてもらおうと話しかけたところ、何とその一人の方は私の知り合いだった!

思わぬ戸隠での再会を喜び、しばらく野鳥談義に花が咲く。

途中まで一緒に探鳥することをお願いして、来た道を引き返すことにする。

オオアカゲラポイントでは、巣に出入りするオオアカゲラを観察。

巣に餌を運ぶとすぐにまた餌を探しに森に消えた。

オオアカゲラの雄 アカゲラに比べて色合いが暗い印象

※このオオアカゲラの巣では無事に雛が巣立ちしたとの話を聞いたので、今回ブログにアップすることにしました。

子育て中ということで長居無用。

奥社の鳥居に向かい、ここで皆さんとお別れした。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)


ヒガラ
メジロ
アカハラ
ウグイス
アオジ
カッコウ
カイツブリ
カルガモ
カワラヒワ
ゴジュウカラ
コサメビタキ
ヤマガラ
アカゲラ
コルリ
ミソサザイ
キビタキ
クロツグミ
イカル
サンショウクイ
ニュウナイスズメ
カケス
トビ
ノスリ
オオアカゲラ
ツツドリ
キクイタダキ
センダイムシクイ

計25種

 

探鳥記 2017.5.14 富士山⑤ 山中湖畔 16:20~18:00 晴れ

奥庭から山中湖畔の森へ。

16時過ぎに森に到着。

いつものように遠からず近からずの距離からクロツグミのさえずりが聞こえる。

この森の緑は目に優しい

昨年キビタキノジコがさえずっていたポイントに向かう。

キビタキの朗らかな声が聞こえてきた。

このキビタキ、通常のさえずりの他にコジュケイのような鳴き声もする。

今年も同じ場所で会えたキビタキ

そしてすぐそばではノジコが木のてっぺんでさえずっている。

雨覆にある2本の白いラインが目立つ。

今年もいつもの定位置で見つけたノジコ

だんだん森が暗くなってくる。

そろそろ帰ろうと思うと、いろいろと鳥が現れてくるから困ってしまう。

やはり夕方は野鳥の動きが活発となる。

コムクドリコサメビタキなども次々と現れて気がつけば20種も観察していた。

早朝4時からスタートして、河口湖、5合目、山中湖を14時間かけて探鳥してきた。

カイロを貼っていた時はどうなることやら展開が読めなかったが、気持ち良く終えることができた。

見聞きした野鳥(観察順)

アオゲラ
クロツグミ
ヒヨドリ
キビタキ
ノジコ
ツバメ
コゲラ
シジュウカラ
ヒガラ
イカル
ハシボソガラス
メジロ
センダイムシクイ
コムクドリ
エナガ
カワラヒワ
コサメビタキ
ハシブトガラス
キジバト
キクイタダキ

計20種

 

探鳥記 2017.5.14 富士山④ 奥庭 13:30~14:30 晴れ

5合目終点から奥庭へ。

奥庭で主に観察される野鳥は5合目終点と同様に亜高山帯で生活する野鳥である。

ただ5合目終点より良い点は、鳥との距離が近いことである。

水場には、ウソメボソムシクイルリビタキキクイタダキホシガラス等がやってくる。

また周回コース内のカラマツ等の針葉樹は背丈が低いので、そこに止まる野鳥を低い位置で観察できる。

以前、キクイタダキを見下ろして観察したことがある。

奥庭とは

奥庭荘の脇を抜けて自然庭園で探鳥を開始するも、この日は鳥の出が悪くキクイタダキの姿を、コガラの声を1回づつ確認しただけ。

残念だが、ここから見る富士山の眺めが大好きなので、良しとしよう。

横浜から見る秀麗な富士山も好きだが、このワイルドな富士山も良い。

自然庭園から富士山を望む

奥庭荘で名物コケモモジュースを飲んで一休みした後は、隣にある水場で鳥を待つことにする。

数日前の雨により森にも即席?の水場があるので鳥の出はイマイチとのこと。

それでも3羽のヒガラが水浴びにやって来た。

ここで待機中に同行者が上空でカラスに追われているハチクマを発見!

しばらく旋回したのち視界から消えた。

ハチクマは富士山麓の北富士演習場で観察したことがあるが、まさか奥庭上空で目撃するとは思わなかった。

それにしてもこの同行者は探鳥中に猛禽類を見つけるのが得意で感謝!感謝!

水場で水浴びをするヒガラ達

まだ時間はある。御殿場への通り道沿いにある山中湖畔で最後を飾ろう。

続きは次回。

見聞きした野鳥(観察順)

キクイタダキ
ヒガラ
コガラ
ハチクマ
ハシボソガラス

計5種