今回の特集は先日平塚市で観察した2羽のセイタカシギです。
東京湾岸部(最近では東京港野鳥公園六郷干潟など)では観察することが多いですが、田園地帯で予期せぬ出会いは嬉しいもの。
渡り途中の立ち寄りで、この日に到着したと思われます。
以下は雄です。上面に羽縁の白い羽根が見え、また深緑色の光沢がまだないので若鳥と思います。
以下は雌です。頭部や後頸付近に褐色の斑が見えるので、夏羽から冬羽へ換羽中です。下嘴の基部が赤いので成鳥ではなく若鳥と思います。
最後に動画をどうぞ!
以下の動画は2017年6月上旬に千葉で撮影したセイタカシギの頭搔きと羽繕いの様子です。
動画の最初と最後の方に頭掻きに場面が出てきます。
セイタカシギは頭部を脚で掻くのに翼を下げて翼越しにする脚を持ってくる間接法ですね。
頭掻きを終えた後は、くちばしを使って尾脂腺(尾の付け根にある脂が出る場所)から出る脂を羽根に塗っている様子が分かります。
太陽に照らされて脂の付着しているくちばしや脂を塗られた羽根が光っています。
またくちばしで羽根に脂を塗った場所に頭部を擦り付けて頭掻きならぬ頭塗りを何度もしています。
脂を羽根に塗る理由は、
①羽根に撥水性を持たすため。
水辺で生活する野鳥は水を含んで羽根が重くなるのを避けたいのです。水中に飛び込むカワセミや水面に浮くカモなどには特に重要ですね。
②脂を塗ることで羽根をしなやかで丈夫な状態にするため。
鳥にとって飛ぶために必要な羽根をメンテナンスすることは大事である。
等が考えられます。
以下の動画はセイタカシギの採食行動です。
かかと(人間の体でいうと膝に見える部分)から上が水面から出る位置を保って移動しています。
かかとから上に水面がくると動きづらいのは人間でも同じですね。
セイタカシギは脚が長いため、トウネンやハマシギなど脚が短いシギに比べて、浅瀬から水深がある場所まで広い範囲で餌を探すことができます。
種の生存期間や繫殖力が餌の獲得量によって影響を受けるのならば、セイタカシギはもっと個体数が多く広範囲の環境に渡って生息しているのではないかと単純に思ってしまう。
実際には生存期間や繫殖力は、ヒナが無事に育ちやすい繁殖方法や場所なのかどうか、繁殖地の環境など様々な要素が関わっているとは思いますが。
この画像では水面近くにいる生物を採餌しているように見えます。
以下の画像は2014.6.8に葛西臨海公園で撮影したセイタカシギの交尾です。
アップに至るまでは長い道のりでした、、、。
マスターテープの謎の紛失。
当事者との一触即発の交渉。
ほんの少し?の羞恥心。
もはやお蔵入りか!
最後まで折れそうな心を支えてくれたのは、鳥仲間からの早くアップせよ!との有言無言の圧力でした!!
ということで、本題の入ります。
6月8日ですから交尾の時期としては遅いと思います。
1回目の繁殖に失敗して、2回目の繁殖活動を始めた可能性もあります。
脚が長いのですが、上手く交尾するものですね。
交尾後のくちばしを交わすシーンなど何度見ても微笑ましいです。