探鳥記 2019.1.19 諫早干拓地① 1日目前半 11:00~18:00 晴れ

今回は諫早干拓地を探鳥、1泊2日の強行遠征である。

前回の訪問は約1年前の2017年12月9日、ナベコウを終日探索したが見つからず、残念無念のまま出水平野に向かったのを覚えている。

前回からこの1年、ずっと頭の片隅にナベコウが住み続けるので、今回はナベコウを何としても観察したい。

そのナベコウ探索メンバーは、前回参加の3人と、ナベコウに過去3回フラれているが4度目の正直を願う大物女性バーダーの計4人。

つまり4人ともナベコウは未見であり、目をギラギラさせた状態で羽田空港から諫早干拓地入り!

さぁ、いよいよ探鳥だ!というムードで機材の準備をしていると、島原鉄道線の黄色の可愛い車両が通過するのが見え、しばしホッコリ気分となった。


車体側面には、日本の1号機関車が走った島原鉄道 との文字

仕切り直しで周囲を見渡すとミヤマガラスの群れを発見。

諫早干拓地の探鳥第1号の鳥は、九州らしいのだが渋すぎる。

ミヤマガラスの群れを見ると反射的にコクマルガラスを探してしまうが、確認できず。

いよいよ本格的に干拓地に入り込んでナベコウを探すため、前回同様にナベコウの目撃談が多い中央旧干拓地へ。

目の前に広がる1年ぶりの風景を見て、前回の広大な農耕地とその脇を通る水路を1本1本丁寧に探索し続けた苦労を思い出してしまい、今回も見れないのではないか?と不安がよぎった。

そんな気持ちを打破したのは突如間近に現れたハイイロチュウヒ雄だ。

どうやら近くの水路から飛び立ったようで、狩りでもしていたのだろう。

ハイイロチュウヒ雄の登場に興奮冷めやらぬうちに、今度は仲間がはるか上空を飛翔する未確認飛行物体を発見!

急いで双眼鏡で入れると首を伸ばして悠然と舞う大きな鳥の姿が見えた。

ナベコウ

更に凝視すると下面の白と黒の模様がナベコウと符合した(前日にナベコウの体下面の模様をチェックしたばかりだった)。

ナベコウだ!

突然のナベコウの出現に現場は興奮状態。

今度は60倍のスコープで確認すべく苦労して視界に入れると、特徴であるくちばしと脚の赤を確認できた。

まさにナベコウ

探鳥開始間もなく訪れた、いきなりのクライマックス!

メンバーと顔を合わせて喜びを分かち合いたいのだが、今はせっかく遭遇したチャンスを逃すまいとナベコウがどこに降りたつのか?スコープでの追跡に専念した。

60倍スコープの視界にずっと入れて、はるか上空を舞いながら奥へ移動するナベコウを数分は追跡したと思う。

ついにナベコウは遠くの工場や病院施設のような建物の手前に舞い降りた。

ここからどれくらい離れているのだろうか。

ナベコウが次の場所に移動しないうちに降り立った付近に急行することにする。

目印の屋根を頼りに付近を捜索するが見当たらない、、、が、探索中にコチョウゲンボウチョウゲンボウノスリ猛禽類を次々に発見した。

取り敢えずナベコウを見たのだから、本日のねぐら入りや明日以降の観察を期待して、中央新干拓地に移動。

ここでの目標はオオカラモズだ。

話は前後するが、ナベコウ発見時に我々と同じく遠征中のバーダーと出会った。

この方からは初対面にもかかわらず惜しげもなく諫早干拓地の貴重な情報をいただいた。

中でもナベコウの最近の行動の様子やねぐらポイントだけでなく、オオカラモズが諫早干拓地にいるという情報は有難かった。

というのも、秋に諫早干拓地と大授搦で観察されたオオカラモズがまだどちらかに滞在中であることは把握していたのだが、どちらにいるのか?分からないまま来てしまったのだ。

そこで無事ナベコウを観察した際はオオカラモズを求めて大授搦へ行く準備もしていただけに、まさに吉報となった。

話を戻すとして、ナベコウを見つけた勢いでオオカラモズも見つけるぞ!と、中央新干拓地奥の駐車場に到着。

最近のオオカラモズのポイントは、①そこから堤防に上がって面前に広がる広大な草原が一部スクエアに刈り取られたエリアと②駐車場前に広がる農耕地とのこと。

オオカラモズが止まりそうな樹木、ポール、杭などを何度もチェックするも、オオカラモズがいる雰囲気がない。

オオカラモズ探索をしつつ、今朝道路脇に出ていたというマミジロタヒバリや、猛禽類、サンカノゴイ、水辺のカモを探索した。


ここでは普通種のタゲリ 

これといった成果がないまま、貴重な時間が過ぎていく。

タイミングの問題もあると考えて、もう一度ここに戻ることに決めて、いったん森山干拓地へ移動することにした。

続きは次回。


前)イソシギと奥)クサシギ  やはり諫早でもシギ・チドリは気になる存在である。似たもの同士だが、大きさは明らかに違う。

見聞きした野鳥(観察順) 今回の中央新干拓地まで

ミヤマガラス
アオサギ
ダイサギ
カルガモ
ハクセキレイ
カワラヒワ
アトリ
トビ
チョウゲンボウ
ノスリ
ヒバリ
スズメ
クサシギ
コサギ
カワセミ
コガモ
ホオジロ
オオバン
ハシボソガラス
ハイイロチュウヒ
ナベコウ
タヒバリ
ミサゴ
セグロセキレイ
ムクドリ
モズ
カイツブリ
イソシギ
ハシビロガモ
マガモ
ベニマシコ
ヒドリガモ
オカヨシガモ
コチョウゲンボウ
タゲリ
ツグミ
チュウヒ
ジョウビタキ
カシラダカ
アメリカヒドリ
カワウ

計41種

 

野鳥 チョウゲンボウの停空飛翔 2019.1.20 諫早干拓地

今回はチョウゲンボウの停空飛翔です。

諫早干拓地では猛禽類、特にチョウゲンボウを観察する機会が多かったです。

この個体は成鳥雌か幼鳥か不明でしたので雌タイプとしておきます。

強風の中、我々の正面を向いて停空飛翔する雌タイプを見つけました。

幸運にも正面しかも近くで撮影できたので、翼や尾の微妙な動かし方を観察できて良かったです。

ちなみに停空飛翔には、①羽ばたきながら、空中の一点にとどまる「ホバリング」と、②羽ばたかずにとまる「ハンギング」の2パターンがあります。(新訂 ワシタカ類  飛翔ハンドブック 山形則男 著   文一総合出版を参照)

※この動画では①と②の両方を見ることができます。後半のスロー再生での飛翔テクニックに注目です!

2019.2.11追加動画

この飛び方はホバリングですね。

野鳥 ハマシギ 2019.1.27 三番瀬

今回はハマシギの採餌行動と飛翔です。

見たところ、登場するハマシギ達は第1回冬羽です。

くちばしの長さが見る角度によって変わりますね。

飛び立つ場面を見る時は、最後まで残っているハマシギがつい気になっちゃいます。

おまけ飛翔動画です。クリアーな動画を次は撮りたいと思います。

探鳥記 2019.1.14 舞岡公園 11:15~13:00 晴れ

本日は探鳥する予定も意欲も珍しくなかったが、鳥仲間が舞岡公園でヤマシギを観察中という連絡をもらったので、新年の挨拶を未だしていないヤマシギ詣へ。

ヤマシギが見えなくなる恐れがあるので、駐車場から真っ直ぐきざはし湿地へ急行。

見えにくい場所にいるが、取り敢えず観察できてホッと一息。


下を向いているか思いきや正面顔でした!


でっぷりとして美味しそうである、、、これは禁句かな

足踏み行動※音声は消しています

いつものようにヤマシギ観察と並行して道を挟んで反対の草地でアリスイも探索するも、こちらは相変わらず観察できず。

気分転換に公園整備のため閉鎖中の瓜久保の様子見に行く。

入れないことは分かっているが、この冬鳥シーズンに観察できないのは痛い!

工事は3月29日までとのこと。

再びきざはし湿地の戻って地上で採餌行動をするカシラダカを観察。

このカシラダカ、2016年にIUCN(国際自然保護連合)のより絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されたのは知っているが、舞岡では今年も例年通り探鳥すると必ず会えるので、いまいち危機感がない。

しかし、北海道で夏に繁殖するシマアオジも普通種の時代があったわけで、これから先、カシラダカも同じ道を進むことになってしまうのか?気になるところではある。

帰り際に駐車場近くの針葉樹でキクイタダキを観察することができた。

過去に横浜で針葉樹好きのヒガラも一緒に観察したことがあるので、キクイタダキを観察した時は要チェック!

もともと2時間1本勝負!と決めて舞岡に来たが、その割には念願のヤマシギや予想外のキクイタダキを観察できて満足して帰宅した。

見聞きした野鳥(観察順)

ヒヨドリ
ヤマガラ
コゲラ
ヤマシギ
カシラダカ
シメ
トビ
マガモ
カワセミ
アオジ
ジョウビタキ
ハシブトガラス
キクイタダキ
メジロ

計14種

速報 探鳥記 2019.2.3 葛西臨海公園 13:30~16:40 晴れ

三番瀬探鳥会を終えて、葛西臨海公園へ。

鳥類園周辺は2月とは思えないポカポカ陽気と冬鳥の少なさで、まるで冬鳥が渡去する3月頃の雰囲気。

帰り際に西なぎさで冬の名物クロツラヘラサギを観察して、冬の葛西らしい締めとなった。

見聞きした野鳥(観察順)

ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、ムクドリ、ノスリ、ウグイス、スズガモ、カンムリカイツブリ、ユリカモメ、カモメ、セグロカモメ、イソシギ、カルガモ、クイナ、タシギ、ハクセキレイ、アオサギ、カワウ、カイツブリ、オナガ、コサギ、オオバン、キジバト、アオジ、カワセミ、ハジロカイツブリ、シジュウカラ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、クロツラヘラサギ、アオアシシギ、ダイサギ 計33種 同行者観察 キンクロハジロ、オオジュリン

野鳥 シロチドリ雄 2015.2.11 三番瀬

今回の特集はシロチドリの採餌行動です。

正面から見ると、コチドリイカルチドリなどとは違い、胸の黒帯が途中で途切れているので、その部分だけ白さが目立ちます。

シロチドリという名前は江戸時代にはすでに付けられており、ムネシロチドリとも呼ばれていたようです。

ムネシロチドリの方が直接的で分かり易いですね。

先月、葛西臨海公園の西なぎさでシロチドリを観察したのですが、遠くにいても正面からの観察の場合は白さが際立って見えて、なるほどやはりシロチドリという名が付くだけのことはあると納得したのでありました。

ちなみに江戸時代といえば、品川などの海岸に面した場所では冬場にお酒を飲みながら海から聞こえて来るチドリの鳴き声を聴くことが楽しみだったそうです。

時期と場所から判断するとチドリの正体はシロチドリと思われますが、このことは当時の東京湾岸には声をたしなむ程の数のシロチドリが生息していたということで、今からは想像できない光景が広がっていたのでしょう。

動画 ※スロー再生付きです

余りの素早さ、しかも前進移動ではなく横移動、に一時フレームアウトしてしまいました!

丸呑みした後に、おそらく捕まえた際に離れたカニの足も抜け目なく拾っていますね。