探鳥記 北海道縦断⑥ 2018.6.16 稚内⇒旭川 4:30 ~16:10 晴れ

メグマ沼 11:20~12:00

メグマ沼周辺は稚内空港から東側へ徒歩10分程度に位置する湿原で、特にツメナガセキレイを観察しやすいとのこと。

到着するとさっそく黒い頭のオオジュリンを発見。

 

様々な野鳥に会えそうな雰囲気であるが、湿原内に入ってからは強風のせいか鳥の気配がなく、戸惑いながら木道を進む。

ようやく間近にツメナガセキレイが飛んで来た。

巣が近くにあるのだろう、くちばしにエサをたくさんくわえている。

沼のほとりに到着。

強風で水面が波打っている。

沼にも周辺にも鳥がいない、、、ので引き返した。

復路ではまたもやツメナガセキレイが登場!

ペアで行動中のようで、我々の周辺を飛び回ってはお気に入りの止まり木で鳴いている。

評判通り、ツメナガセキレイの観察に適した場所であった。

正午を過ぎた。

次の目的地、兜沼へ。

メグマ沼でのツメナガセキレイのまとめ動画

前半は往路、後半は復路の映像。鳴き声はビジッ、ビジッという感じでキセキレイのチチン、チチンではない。外側尾羽2枚の白さがやはり目立つ。

※木道の幅は、スコープや大型レンズ装着のカメラの三脚を使用するには狭いので、ここでは手持ちか一脚をおススメします。

見聞きした野鳥(観察順)

オオジュリン
ツメナガセキレイ
ノビタキ
ウグイス
トビ
コヨシキリ
ヒバリ

計7種

兜沼 12:45~13:10

大学2年の夏に宗谷本線を途中下車して兜沼で探鳥した記憶がある。

入口にある兜沼公園とある看板を見て、ここで初めてオオアカゲラを観察して喜んだことを思い出した。

入口付近の森からはチヨチヨビーのセンダイムシクイ、草むらからフィッ、フィッというベニマシコの声がする。

この公園はキツツキ類の観察する機会が多いとのことなので、特に樹木での鳥の動きを注意しながら奥へ進む。

不意にムクドリの群れが樹木を移動する。

コムクドリは混じっていないか!

いない、、、。

兜沼にアカエリカイツブリがいるか気になるので先に行って沼を探索。

残念ながらアカエリカイツブリはいなかったが見事な繁殖羽のカンムリカイツブリがいた。

後方のメンバーがニュウナイスズメコムクドリを発見したので、合流後に無事観察した。


水浴びをするために降りて来たニュウナイスズメ


コムクドリ

両者ともこの旅で初めての観察となった。

30分弱の探鳥となったが、再度シマアオジをじっくり観察したいので、足早にサロベツ湿原センターへ。


兜沼から利尻岳を望む

見聞きした野鳥(観察順)

センダイムシクイ
ウグイス
ベニマシコ
コヨシキリ
ムクドリ
カンムリカイツブリ
ニュウナイスズメ
コムクドリ
カッコウ
アオバト
トビ
アオジ

計12種

探鳥記 北海道縦断⑤ 2018.6.16 稚内⇒旭川 4:30 ~16:10 晴れ

豊富自然公園 6:50~8:00

シマアオジ観察というこのツアーの最大の目的を達成し、安堵感と開放感一杯でセンター近くの豊富自然公園へ。

ここでは森林性の野鳥を観察したい。

アカハラコマドリコムクドリコルリキビタキセンダイムシクイアカゲラツツドリカッコウハシブトガラなどが観察できるそうだ。

7時前に公園駐車場に到着。

早朝の夏鳥のコーラスを期待するには遅い到着ではあるが、さっそく森のほうからキビタキツツドリの鳴き声が聞こえて来た。

期待を膨らませて森の中へ。

豊富自然公園は平地にあるレジャー施設と森とで構成されているようだ。

森に入ると意外と鳥が少ないので戸惑った。

鳥影が薄い中、キビタキの姿を見て一安心。

森の散策コースはフラットではなく山の斜面をのぼる設定である。

普段からあまり利用されていないのか、森の散策コースの小径は荒れ気味であった。

森の中はうっそうとした雰囲気で、サロベツ原野のそばなのに先ほどまで湿原にいたことを忘れてしまうほどの深さである。

野鳥がたくさんいる匂いがするのだが、、、。

鳥達が繁殖期に入り、観察しにくいだけなのか?そもそもいないのか分からない。

この森の中ならコマドリコルリの声が響き渡って素晴らしいのだろうなぁと妄想モードに。

時々センダイムシクイヤブサメキビタキの声が聞こえ、ヒガラコゲラがそばに現れてくれた。

静かな雰囲気なので、特にヤブサメの声がいつも以上に際立って聴くことができた。

森の中をずいぶんと登り、ようやく尾根沿いの小道に出ると、そこにはサロベツ原野と利尻岳を見渡せる展望が待っていた。


洋上アルプスと謳われる利尻岳

野鳥観察の方は予想外であったが、次回道北に来る際はまた是非探鳥しようと思う場所であった。

次の目的地は稚内市に戻り、またもや森林性の野鳥を求めて稚内森林公園へ。

見聞きした野鳥(観察順)

キビタキ
ウグイス
アオジ
ツツドリ
キジバト
センダイムシクイ
シジュウカラ
コゲラ
ヤブサメ
ヒガラ
ハシボソガラス

計11種

稚内森林公園&稚内港 9:20~10:50

実は昨夜の宿の裏山付近に稚内森林公園がある。

夜間、裏山から盛んにエゾセンニュウの声がしていたので、エゾセンニュウを是非観察したいものだ。

この森林公園、コマドリコルリアカハラコサメビタキキクイタダキキビタキなど、このエリアでは一番森林性の野鳥が観察できるとの話。

知り合いの情報によると、コマドリの密度が高いこと、以前この時期にギンザンマシコ!の群れを観察したとのこと。

車中でイメトレ探鳥を終えて、後は現実を確認するだけ!と幸せな気分で現地入り。

早速、駐車場付近で遠くの方から複数のコマドリの声がする。

近くからの声なら何とか見つけ出したいが、この様子ならどこかで必ず観察できるだろう。

依然として楽観モードであったが、いかんせん公園内は広すぎてポイントが分からず、野鳥と会えない状態が続いてしまった。

針葉樹林帯の斜面を登ることとし、針葉樹の好きなキクイタダキギンザンマシコなどに注意して探索するも気配なし。

このまま登り切ると稚内市街を見渡せる場所にたどりついた。

はるか遠くに宗谷岬が見える。


眼下に稚内港を望む

そばではホオジロが気持ちよさそうに囀っていた。

道北の景色を味わった後、鳥影が少ないので別ルートで駐車場へ戻ることに。

途中、シマエナガの群れに遭遇して、一同喜びに沸く。

シマエナガ北海道で生息するエナガの亜種で、成鳥は頭部が真っ白なのでエナガとの識別は簡単である。

カワイイ!カワイイ!と言いながら観察していると、群れの中にエナガのように頭部の一部が黒い個体がいる。

エナガ?と一瞬考えたが、シマエナガの幼鳥の特徴であることを思い出した。

ようやく盛り上がって、この勢いでドンドン観察するぞ!と息を吹き返したが、結局駐車場までサプライズはなかった。

北海道探鳥を実感するシマエナガを観察できて良かったが、アカゲラオオアカゲラヤマゲラなど大型キツツキ類を豊富自然公園でもそうだったが、観察できなかった。

豊富自然公園に続き想定外の探鳥結果となってしまった。

良い探鳥地なのだから、もう少し詳細な下調べが必要だった反省、、、。

駐車場上空をオオセグロカモメが舞っているのを見て、稚内港で海鳥をチラ見したくなった。

次に行く探鳥ポイントはまだまだあるが、急遽稚内港へ。

港内にはオオセグロカモメウミネコセグロカモメが舞っている。

水面に何か浮いていないか?とりあえず見ると、まっ黒な水鳥を発見。

スコープで見ると背中の金属光沢が綺麗なヒメウであった。

ちょっと得した気分で、次の目的地メグマ沼へ向かった。

見聞きした野鳥(観察順

コマドリ
エゾセンニュウ
ハシボソガラス
キジバト
ヒガラ
カケス
ウグイス
センダイムシクイ
ツツドリ
ホオジロ
エナガ
キビタキ
シジュウカラ
オオセグロカモメ
セグロカモメ
ウミネコ
ヒメウ

計17種

探鳥記 北海道縦断④ 2018.6.16 稚内⇒旭川 4:30 ~16:10 晴れ

サロベツ湿原センター 4:30~6:40

北海道探鳥2日目。

4時半にセンターに到着。

そばの森からエゾセンニュウの声が聞こえている。

昨日の夕方から鳴き続けているのだろうか。昨夜稚内市内の宿の裏山で鳴くエゾセンニュウの声が街路まで響いていたので、そんなことをふと考えた。

センター内に入って、昨日最後にシマアオジが観察された湿原奥のポイントへ真っ直ぐ進むと、昨日お世話になったバーダーがすでに待機中。

話によるとすでにシマアオジは4時過ぎに登場したそうだ。

昨日に比べて寒くなく風もほぼなく良い観察状況である。

目の前に広がる湿原の向こうには利尻岳が雲間から姿を現わしており、サロベツ原野にいることを実感させてくれた。

観察環境は整った!後はシマアオジを探索するのみ。

近場はカメラマンに任せるとして、スコープで遠くを重点的に探索することにする。

あこがれ続けたシマアオジ、、、。

自分自身で何とか探したいと近年稀にみる執着心で探索を続ける。

全長14㎝のシマアオジスズメぐらいの大きさなので、遠目での観察ではちょっとした動きに反応しないと厳しい状況である。

探索当初は風に揺れる草にも反応していたが、徐々にこの場で飛び回るノビタキを観察して行くうちに鳥の動きを素早くキャッチできるようになった。

そしてついにその瞬間が来た!

距離はおよそ70mくらいか、ついに草の上でじっとしているシマアオジを発見!
ついに登場したシマアオジ雄 以下4枚の画像は全て同行者Sさんが撮影

前日、豪快に誤判定したので何度も確かめたが、下面の黄色と上面の赤栗色の姿がハッキリと分かる。

ついにシマアオジを見ることができた、、、。

仲間やバーダー達に急いで知らせて、周囲は一気に盛り上がりを見せた。

喜びより安堵感が先行して意外と冷静であったつもりだったが、ふと気が付くと足が小刻みに震えているではないか!

このシマアオジ、遠くにいても体下面の黄色が非常に目立つ鳥で、一度見つけると目が慣れたせいか次に見つけるのがずっと容易になった。

発見した5時以降、雄が1時間に4回も登場しては、我々がいる木道近くを2回も横切っては付近にある樹上にとまったり、あの涼やかなさえずりを2回聞くなど、地元バーダーいわく久々の大サービスをしてくれた。

動画
記録よりも記憶に!と咄嗟に、まずは撮るより見入ってしまうのがバードウォッチャーの性。今回もついスコープでシマアオジに見入ってしまい、撮影は飛び出し直前の2場面のみとなってしまいました。

念願のシマアオジ観察して、ようやく周囲の野鳥を観察する余裕が出て来た。

先ほどから時々マキノセンニュウの連続音が聞こえていたので、本格的に探索開始。

声のする方向を見て、以前の観察経験から地上1メートルくらいを上限にして探すと、意外と直ぐに見つかった。

場所は木の根元付近にある横枝の上で、以前霧多布で観察した個体も同じような場所であった。

マキノセンニュウ探索のご参考に!

マキノセンニュウの観察を終えて、再度シマアオジを観察しようと目の前に広がる湿地を探索したが、鳥の気配がない。

最後にシマアオジを観察してから30分以上経っている。

鳥達の早朝の活発な時間帯が終わって、しばらくはこの状態が続くと思い、一度センターを離れて他の探鳥地に行くことにした。
シマアオジがいる風景 去り際に利尻岳が姿を見せた。

次は山野の鳥を観察すべく、付近にある豊富自然公園へ。

見聞きした野鳥(観察順)

エゾセンニュウ
ウグイス
ハクセキレイ
ノビタキ
コヨシキリ
ハシボソガラス
ツツドリ
オオジシギ
アオジ
ヒバリ
カッコウ
シマアオジ
ホオアカ
マキノセンニュウ

14種

探鳥記 北海道縦断③ 2018.6.15 旭川⇒稚内

サロベツ湿原センター 16:10~18:00

幌延ビジターから移動。

いよいよシマアオジと会える!

興奮を抑えながらセンター内の木道に入る。

ちょうど木道から数人のバーダーが帰ってきたので、シマアオジのことを尋ねると目撃していないという。

衝撃告白にしばし呆然としたが、よし!何とか見つけるぞ!と鼓舞して動き出した。

木道からはマキノセンニュウの虫の鳴き声のような連続音、鮮やかなベニマシコ雄の姿を見聞きして、これよ!これよ!これぞ北海道の湿原よ!とテンションが上がってきた。

動画 ※音声は消しています。0.125倍のスロー再生あり。

繁殖期の鮮やかなベニマシコ雄を観察できるのが北海道探鳥の楽しみの一つ!

奥に進むと今年のシマアオジの観察ポイントの1つと言われている池の前の湿原に到着。

絶対見つけるぞ!と肉眼と双眼鏡と60倍のスコープを駆使して、ひたすら周囲を探索する。

だんだん集中力が低下するととも妄想力が上昇し、茂みの草模様が草陰に潜むシマアオジに見えてしまい、シマアオジ発見!と一人で興奮してしまうこともあった。

シマアオジ探索に疲れ始めた頃に、突然綺麗な鳴き声がそばで聞こえた。

赤い喉が綺麗なノゴマだ!

ノゴマが飛び去った後、更に奥の木道に進み、バーダーが集まっている観察ゾーンに到着。

バーダーの話によると、最近は悪天候が続き、また低温のためシマアオジの活動は非常に不活発であること、本日は午後3時頃に鳴き声と飛び去る姿を目撃したのが最後で、おそらく本日はもう観察できないだろうとのことであった。

シマアオジが一時間前までここにいたという生存情報だけでも確認できて嬉しい!

目撃情報を聞いて、目の前に広がる湿原のどこかにいるのだからギリギリの時間まで探すぞ!と再度テンションが上がる。

探索中、何度もオオジシギが頭上をディスプレイフライトをする。

鳴き声と羽音をこんなに間近で感じることができるとは!

シギチドリ大好き人間としては丁寧に観察したくて仕方ないが、この時間はシマアオジに集中!

結局、18時まで粘って探索したが、シマアオジは発見できず。

帰り際、センター付近の森からはエゾホトトギスの異名を持つエゾセンニュウの鳴き声が聞こえてきた。

明日はシマアオジを観察できるかどうか?期待と不安の中で稚内の宿へ向かった。

見聞きした野鳥(観察順)

カワラヒワ
ハクセキレイ
ベニマシコ
マキノセンニュウ
カッコウ
オオジシギ
ノゴマ
ハシボソガラス
カワウ
ノビタキ
ハシブトガラス
エゾセンニュウ

計12種

探鳥記 北海道縦断② 2018.6.15 旭川⇒稚内

14時を過ぎて、ようやくサロベツ原野に入る。

途中休憩しながらも旭川空港から5時間であるから、遠い場所に来たのだという実感が沸く。

サロベツ原野には南北2つのビジターセンターがあり、どちらも有名な野鳥観察スポットとなっている。

北側にあるのがシマアオジが観察できるサロベツ湿原センター、南側にあるのが長沼を中心とする幌延ビジターセンターである。

まずは幌延ビジターセンターへ向かう。

幌延ビジターセンター 14:20~15:20

センターに到着して、まず驚いたのは気温の低さと風の強さである。

これでは野鳥の観察は厳しい!

この状況なので今日はさらっとフィールドを把握して、明日再度じっくり観察することにしよう。

センター内の木道を進むとさっそくノビタキアオジを間近で観察。

幸先良いスタートで観察条件は悪いが何となると思ったが、その後はコヨシキリオオジュリンを時々観察するだけ。


センター入口付近から長沼を望む

長沼では繁殖羽のアカエリカイツブリが観察できるのを楽しみにしていたが姿なし。

本来なら北に帰るべきオオハクチョウが1羽ポツンと浮いているのを確認、怪我でもして取り残されてしまったのか。

湿原の奥に進むにつれて寒々とした空気と野鳥の不活発さにテンションが下がり始めて来た。

観察条件が良ければ、ベニマシコシマセンニュウエゾセンニュウオオジシギなどを見聞きすることができるのだろうなぁと現実逃避妄想モードへ。

停滞した雰囲気を打開したのがツメナガセキレイであった。

ペアでの行動やえさを巣に運ぶ姿を何度も観察することができた。

寒々とした雰囲気のせいか、黄色の体色は綺麗なだけでなく暖かさまでも感じてしまった。

動画 ※3つの場面を合わせました。必ずしも同一個体とは限りません。

最後も場面はくちばしに雛のエサとなる羽虫のようなものをたくさんくわえています。じっとしているので、おそらく我々のそばに巣があるのでしょう。お邪魔しました!

ツメナガセキレイをじっくり観察することもできたが、繁殖活動真っ盛りで長居無用!ということでセンターに引き返すことにした。

戻る途中、遠くの草原ではチュウヒがの強風中で低空をヒラヒラと舞っている。

チュウヒは関東では冬鳥として観察する機会が多いが、繁殖地の北海道では夏に観察できる。

センターの戻ってレンジャーの方に最近の野鳥の動向を尋ねたところ、最近は悪天候と低温のため野鳥の活動が不活発であること、ここでは早朝から午前中までが野鳥観察には良いとのことであった。

明日の素晴らしい野鳥観察を期待して、サロベツ湿原センターへ向かうことにする。

※残念ながら翌日は時間がなくなり、ここで探鳥することなく旭川へ戻ることになった。

見聞きした野鳥(観察順)

カワラヒワ
ウグイス
ノビタキ
アオジ
コヨシキリ
オオジュリン
カワウ
ツメナガセキレイ
トビ
オオハクチョウ
チュウヒ
ノゴマ

計12種