探鳥記 2017.9.10 九州探鳥⑥ 佐賀市 大授搦 6:40~13:30 晴れ 

大川市内の宿泊先を6時に出発して大授搦に向かう。

6時45分に大授搦に到着。

本日の満潮時刻は11:38だから5時間前に到着!気合入りすぎ?

本日は日本野鳥の会佐賀支部主催の探鳥会が9時から開催されるので、開始まで干潟で自主探鳥である。

干潟の中央から右端まで進んで戻ってくるコースを取る。

昨日の様子から右側の方がシギチドリの出が良いような気がする。


早朝のため観察エリアのバーダーも少ない

干潟に降りると今回もダイゼンハマシギメダイチドリオオメダイチドリが目に入る。

今日はオバシギ幼鳥が近くで採餌中。

オバシギ幼鳥

遠くまで潮が引いてシギチドリは見にくいが、大授搦の探鳥に慣れて来たのか見つけにくいことはない。

メンバー全員で次々とシギチドリを見つけていく。

特にアオアシシギの群れの中にカラフトアオアシシギが混じっていないか?トウネンの群れの中にヘラシギが混じっていないか?細心の注意を払って観察する。

ハマシギの小群にキリアイを見つけた。

遠くからだとくちばしの短いタシギたいに見える。

キリアイは東京湾岸では観察されると話題になるシギチドリだが、ここでは少なくとも20羽前後はいるようで普通種の感じで観察できた。

またキリアイは採餌中も休憩中もハマシギのそばで見かけることが多かった。

コオバシギキアシシギを発見するも近くで観察すれば問題ないが、遠くでの観察となると意外と迷う。

右端までたどり着くと目の前で2羽のトウネンがそばで採餌中。

はるか遠くではダイシャクシギが広い干潟でポツンと採餌中。

くちばしの長さと下腹の白さで判定した。

九時の探鳥会に間に合うように戻る途中、干潟にアカアシシギを見つけた。

このアカアシシギ、昨日に比べて発色の良い赤脚が目立つし、採餌に夢中になって動き回っている。

こんなに機敏にくちばしを水面上で横に振って採餌するアカアシシギの姿を初めて見た。

もうすぐ9時だ、先を急ごう。

佐賀支部の探鳥会の集合場所は堤防上にある展望台付近である。

案内板と右奥に望遠鏡が設置されている。

9時になりいよいよ探鳥会がスタートする。

今回の探鳥会は特別にヤング探鳥会と名打っており、中心となってヤング探鳥会を行っている東京支部の方も多く参加している。

遠くはなんと北海道からの参加者もいた。

総勢50人以上はいるだろうか。

いよいよ干潟に降りて探鳥スタート。


探鳥会の様子

だんだん潮が満ちてきてシギチドリが近づいて来ている。

やはり距離が近いと観察の楽しさも増す。

さらに探鳥しながら地元の参加者の方と大授搦や付近の探鳥地など探鳥談義に盛り上がった。

普段は話しづらくて挨拶で終わってしまうことが多いが、参加者というだけで初対面で話すハードルが低くなるのが探鳥会の良いところだ。

あまりに話に夢中になって集団から遅れ出したので急いで向かう。

追いついた先で参加者が興奮気味にスコープでシギチドリを観察している。

ついにヘラシギ登場か?

残念!カラフトアオアシシギであった(何と贅沢なセリフ)。

カラフトアオアシシギがいつ飛んでしまうか分からないので、とりあえず観察者のスコープをのぞかせてもらった。

やはり昨日と同じずんぐりした印象であった。

自分のスコープで観察しようとした矢先、もっと先の方に移動してしまった。

急いで観察するために先を急ぐことにするも、さらに奥に飛び去ってしまったそうで結局その後は観察できず。

昨日と同じようにじっくり観察する時間があると思い込んでいただけに残念だ。

悔しがっていると目の前に今回の探鳥ツアー初観察のオオハシシギがいる、しかも2羽。

採餌中のシギチドリが多い中でお休みモードである。

オオハシシギは珍しいシギではないが観察する機会が意外と少ないシギだ。

上面は灰褐色が目立ちほぼ冬羽といってもよさそうだが、下部はまだ繁殖羽の名残が見える。

更に潮が満ちて来て、ハマシギキリアイメダイチドリトウネンなどの小型のシギチドリは干潟にこれ以上採餌ができなくなり、飛び去り始めた。

これと変わるようにホウロクシギダイシャクシギが飛来して目の前の水面に降り立つ。

ダイシャクシギホウロクシギが観察できる葛西臨海公園でもここまで近くで観察するのは難しい。


ダイシャクシギの立派なくちばし!


奥)ダイシャクシギ 手前)ダイゼン

潮が満ちて来る中、私達観察者が柵越しにいるのでシギチドリもこれ以上前に移動できない状況になったので、昨日同様に堤防上からの観察に切り換える。

このタイミングで佐賀支部の探鳥会も終了した。

探鳥会中もヘラシギは観察できなかったが、現在この場所でいるだろうシギチドリは観察できた。

佐賀支部の皆さん、お疲れさまでした!

 

引き続き堤防上から観察する。

今回も干潟に残っている観察者がいる。

昨日同様、人を警戒してシギチドリはそばまで飛来しないのか?周囲に困惑の空気が広がる。

そんな中で右端のほうにハマシギダイゼンキリアイトウネンメダイチドリなどのシギチドリの大群が降り立った。


観察者を避けて一番奥で休憩中のシギチドリ


その後、潮が引き始めて干潟が現れると飛び去った。

潮が引き始めるとシギチドリが群れで干潟の上空を行き来し始めた。

その群れを狙って今日もハヤブサが登場するも狩りは失敗、、、。

ダイシャクシギホウロクシギの飛行はゆっくりで優雅な雰囲気がある。


腰が白いのがダイシャクシギで他はホウロクシギ

柵上ではチュウシャクシギオオソリハシシギ幼鳥が休憩中。

このオオソリハシシギはくちばしが短く見えるので雄と思われる。

並んでみるとチュウシャクシギの方が大きいのが分かる。


左)チュウシャクシギ 右)オオソリハシシギ

 

13:15頃の干潟の様子。

ハマシギダイゼンの群れを中心に干潟に降り立っているが、ほとんど採餌行動をしていない。

その様子の動画

今回も昨日同様に大多数のシギチドリがそのまま干潟で本格的に採餌をするのではなく、しばらくすると飛び去ってしまった。

そしてその様子を待って我々の探鳥も終了となった。

地元の方から鹿島市のため池にツルシギが集団で観察できる場所があると聞いたので、食事休憩後にそちらに向かうこととした。

見聞きした野鳥(観察順)

カササギ
キジバト
ハシボソガラス
スズメ
ツバメ
ハクセキレイ
ダイゼン
ハマシギ
アオサギ
ダイサギ
メダイチドリ
オオメダイチドリ
オバシギ
トウネン
アオアシシギ
オグロシギ
キリアイ
ソリハシシギ
シロチドリ
ウズラシギ
コオバシギ
キアシシギ
アカアシシギ
チュウシャクシギ
コアオアシシギ
ダイシャクシギ
ハシビロガモ
ホウロクシギ
カラフトアオアシシギ
オオハシシギ
トビ
ハヤブサ
キョウジョシギ
オオソリハシシギ
セッカ

計35種

探鳥記 2017.9.9 九州探鳥⑤ 佐賀市 大授搦 15:30~18:40 晴れ 

大授搦探鳥、午後の部のスタートである。

今日は昨日と違って日没まで時間が十分ある。

潮が遠くまで引いている状況なので、シギチドリ観察には適さないのは重々承知。

それでも、わずかな望みを持ってヘラシギを探したい。

1羽の見逃しもしない気持ちで観察エリアの中心から右端まで行って折り返し左端まで行くコースで探鳥開始。

堤防からは見えにくいが干潟のそばの柵まで行くと、距離は遠いもダイゼンハマシギアオアシシギオバシギと次々と観察できる。

昨日に続き今日もオグロシギの小群が採餌をしている。

お尻を向けて採餌中のオグロシギ。さすがに干潮時では遠くに見える。

干潟の右端まで移動する間にダイシャクシギアオアシシギオバシギトウネンハマシギダイゼンなどをたっぷり観察した。

再び中央付近に戻ってくると、先ほどは観察できなかったチュウシャクシギがいつの間にか飛来して採餌している。


背びれが目立つムツゴロウ、トビハゼ、大型のカニの多さに驚く。

潮が満ちて来る頃はたくさんの様々なシギチドリに紛れてしまうため目立たぬシロチドリだが、干潮時では私達の目の前で採餌する姿を見せてくれた。


小柄で地味だが素早い歩き方で目立つ存在のシロチドリ

 

オオメダイチドリは今日も目の前で採餌に夢中。

このオオメダイチドリは脚もくちばしも文句なく長い個体。

オオメダイチドリシロチドリは三番瀬でも感じたことだが採餌場所が重なるようだ。

どちらも甲殻類が好きだから似たような環境で採餌するし、素早く甲殻類を取るためにダッシュする行動も似ている。

 

メンバーEさんがかなり遠くの方に下面がオレンジ色をしたシギを発見。

最初西日を受けて体がオレンジ色に染まっていると思ったがそうでもない。

幸運にも近くにいたメダイチドリがいた。

メダイチドリの胸のオレンジ色も西日を受けているとはいえ地毛と分かる。

今の時期ならあの大きさでオレンジ色の下面となっているのはサルハマシギコオバシギ

スコープを90倍にセットして再観察してみるとくちばしと体つきからコオバシギの繁殖羽と判断した。

 

暗くなり始めて今度はメンバーYさんがウズラシギを見つけてくれた。

動画の0:15付近でそわそわして周りで一番大きい石に身を隠すような動作をしている。

今回の遠征でのウズラシギ第一発見者は全てこの方。

よく猛禽類を見つけてくれるので猛禽使いの異名を持つが、ウズラシギを始めシギチドリまで手を広げるのか?今後が大いに楽しみである。

辺りが暗くなってきた。左端までは行けなかったが、やるだけのことはやった。

今回もヘラシギを発見できなかったが、楽しいシギチ観察の時間を過ごせた。

昨日より更に綺麗な夕陽を見て探鳥を終えた。

見聞きした野鳥(観察順)

カササギ
ムクドリ
ハシボソガラス
ダイゼン
ハマシギ
アオアシシギ
オバシギ
オグロシギ
ツバメ
ハクセキレイ
トウネン
ダイシャクシギ
ソリハシシギ
チュウシャクシギ
キリアイ
オオメダイチドリ
メダイチドリ
キョウジョシギ
コオバシギ
ウズラシギ

計20種

探鳥記 2017.9.9 九州探鳥④ 佐賀市 佐賀空港周辺 13:30~15:15 晴れ 

まずは大授搦の背後にある田畑を車でゆっくり流しながら、休耕田や畔や水たまりなどに淡水系のシギチドリがいないか探すことにする。

タシギなどのジシギ類、タカブシギクサシギヒバリシギエリマキシギコチドリイソシギなどをイメージして探す。

遠くの電柱や電線にとまるカササギを観察するも、すぐに飛び立ってしまうのはもはや見慣れた光景。

カササギ観察をするか迷ったが、しばらくはシギチドリ観察に集中しよう。

田畑ではコサギチュウサギダイサギサギ類は目立つが、シギチドリは見当たらず。

どんどん探索エリアを広げて佐賀空港経由で早津江川河口付近にたどり着く。

いかにもシギチドリがいそうな場所だ。

と毎回どこでも同じことを言うが、今回は本当にいた。

遠くにソリハシシギがざっと20羽ほど。

ソリハシシギは孤独のシギと長年勝手なイメージを持ち続けており、先日の葛西臨海公園で4羽も同時に見て戸惑ったばかり。

今度は20羽ですか?

ちなみに翌日大授搦で聞いた話では8月中旬には1000羽近くのソリハシシギが現れたそうである!

干潟の水際の草むら付近ではチュウシャクシギがひっそりとたたずんでいる。

 

更に今季初めてエクリプス状態ようなマガモを6羽確認した。

この暑い中でマガモを見て、久々に冬を意識してしまった。

 

そろそろ昨日に続き午後の大授搦の探鳥の時間だ。

ゆっくり戻りながらチョウゲンボウアマサギ、そして2か所でカササギを観察。

今回は比較的じっくり観察できた。

外に出れば逃げられると思い車窓から撮影した。

 

カササギが飛び去ったので我々も再出発。

大授搦の堤防が見えて来た。

午前中にヘラシギを観察できなかったので、なんとか午後に観察条件が悪くても見つけたい。

昨日は観察時間が短かったので、今回はたっぷり3時間の予定を組んだ。

いざ探鳥である!

次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)

カササギ
スズメ
ムクドリ
キジバト
セッカ
ヒバリ
ダイサギ
コサギ
チュウサギ
ハシボソガラス
ソリハシシギ
チュウシャクシギ
マガモ
チョウゲンボウ
アマサギ

計15種

探鳥記 2017.9.9 九州探鳥③  佐賀市 大授搦 8:10~13:00 晴れ 

宿泊先を7時半に出て、大授搦に向けて今日の行動を開始する。

8時頃に昨日カササギを観察した市街地に到着。

運転中の車窓から今日もカササギを簡単に見ることができた。

カササギが近くの電線に止まったので、車から降りて観察・撮影するも警戒心が強く直ぐに飛び去ってしまう。

直ぐにまた別のカササギを見つけるのだが近からず遠からずの距離。

周囲が民家なのでカメラを構えてうろつくこともできず再出発。

広大な田畑の間を通り抜けて大授搦の堤防が見えて来たが、堤防上にはすでに5台の車がある。

彼らに続け!と堤防に車を止めて急いで準備する。

干潟を見渡すとまだ満潮11時1分の3時間前だが、思っていた以上に潮が満ちており、ダイゼンハマシギの姿が見える。

柵越しには30名以上はいるだろうかバーダーがすでに観察中。

我々も干潟に降りて探鳥開始。

目の前にメダイチドリトウネンオオメダイチドリが採餌している。

特にトウネンを見る際はヨーロッパトウネンヘラシギ?とじっくり観察するようにした。

だんだん潮が満ちてくるとオバシギアオアシシギの姿も目に付き始めた。

アオアシシギの小群を流し見していると、群れの中に違和感のある個体がいる。

じっくり観察するとアオアシシギの色合いなのだが胴体がオバシギのようにずんぐりしている。

念願のカラフトアオアシシギ?と思ってくちばしをチェックしたいも運悪く羽根の中にしまっている。

脚の長さはどうか?と見るとやはり周囲のアオアシシギに比べて短いのが分かる。

いつ特徴あるくちばしを見ることができるかと待っていると、ついに基部の太い反ったくちばしを見せてくれた。

周りのバーダーも大興奮。

しかも幼鳥が2羽もいることが判明。

カラフトアオアシシギ幼鳥2羽 右はオバシギ幼鳥

カラフトアオアシシギは世界的希少種で環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種に認定されている。

観察できた喜びももちろんあるが、絶滅の恐れのある種の幼鳥が2羽もいてくれることに希望を感じた。

カラフトアオアシシギの観察に夢中になってしまい、ふと辺りを見渡すと20mくらいまで潮が満ちてきている。

それに応じてシギチドリ達もこちらに近づいて来る。

カラフトアオアシシギも間近に観察できるのか!と喜んでいると、何とアオアシシギの群れと一緒に飛び去ってしまった!

10時頃になるとハマシギの大群やダイゼンがさらに近づいて来た。

そのタイミングを見計らってバーダー達が防波堤の上に移動し始めた。

私達観察者が防波堤に移動することで、シギチドリ達がさらに柵を超えてこちらに近づくことができて、シギチドリ達に潮が満ちて干潟が消えている間の休憩場所を作るという目的だ。

この行動は大授搦での長年行われてきた観察マナーであり、シギチドリと観察者両方にとっても良いことだ。

しばらく堤防上から眼下のシギチドリ達を観察していたが、満潮になって干潟が消滅するとあんなにたくさんいたシギチドリ達は群れをなして飛び去ってしまった。

どうしたものかとぼんやりていると堤防下のコンクリートブロックのスペースにメダイチドリオオメダイチドリシロチドリトウネンの小型のシギチドリが休憩しているではないか。

しばらくするとダイゼンの群れを中心に柵の上に止まって干潟が出るまで休憩に入った。


今回初めて見るチュウシャクシギ。ダイゼンの群れにいても目立つ存在。

次に現れたのはヒバリシギ

干潟ではあまり見ないヒバリシギ。渡りの最中に降り立ったのかな。

更に続く。今度は目の前の堤防に何とアオバトが2羽降り立った!

これには周囲のバーダーも大興奮。


大授搦にアオバト降臨!

満潮を過ぎた頃から今までどこにいたのかダイシャクシギホウロクシギの群れが干潟上空を優雅にゆっくり飛翔したり、何百羽のハマシギの群れやダイゼンの群れなどが行ったり来たりし始めた。

それに合わせてハヤブサが群れに突っ込むが失敗する。

三番瀬ならハヤブサが現れて引っ掻き回したらシギチドリは飛び去ってしまい観察はそこで終了となるが、ここは大授搦。

ハヤブサぐらいでは動じない?何事もなかったように平穏になる。

さらにはシマアジが干潟上を飛ぶ姿までも目撃してしまい、堤防上では飽きることなく野鳥観察ができた。

そうこうしている間に潮が引き始めてシギチドリも干潟が早く現れるポイントで待機するために小移動が盛んである。

右手の奥の方では干潟が出ていない中でダイゼンアオアシシギらが水面で採餌をしている。

これらの群れの中に脚が赤いシギを見つけた。

アカアシシギツルシギか?

くちばしを見てアカアシシギと分かった。


最初キアシシギと思ってしまったアカアシシギ

どんどん潮が引いていくにつれて、シギチドリが増えていく。

キョウジョシギウズラシギなど今日初めて見るシギも現れる。

このままシギチドリが増えて行くのかなぁと楽しみにしていると、逆にどんどんシギチドリが遠方に飛び去り始めて、気が付くと目の前に広がる干潟にはほとんどシギチドリは残っていない。

シギチドリは休憩に行ったのか?ここよりもさらに良い餌場を求めに行ったのか?

ここは潮の高さが5mを超える世界であり、分からないことが多い。

潮の満ち引きのスピード感とそれに応じたシギチドリの行動は想像を超えていた。

結局最後までヘラシギは現れなかった。

明日も満潮時のベストなシギチドリ観察をする機会が残っている。

大授搦での観察の仕方を経験できたのは大きい。

明日こそヘラシギを見つけるぞ!

午後からはカササギ撮影を中心に近場を探鳥することにする。

次回に続く。

見聞きした野鳥(観察順)

カササギ
キジバト
ハシブトガラス
ダイゼン
ハマシギ
メダイチドリ
トウネン
オオメダイチドリ
アオサギ
ダイサギ
アオアシシギ
オバシギ
カラフトアオアシシギ
オグロシギ
キリアイ
ツバメ
ハクセキレイ
ダイシャクシギ
ホウロクシギ
ソリハシシギ
シロチドリ
ヒバリシギ
チュウシャクシギ
ハヤブサ
シマアジ
オオソリハシシギ
アオバト
ウズラシギ
アカアシシギ

計29種

探鳥記 2017.9.8 九州探鳥② 佐賀市 大授搦(だいじゅがらみ) 17:00~18:40 晴れ 

烏帽子岳から大授搦へ。

移動中の車内ではアカハラダカの興奮が冷め止まない状態(私だけかな?)。

佐賀市に入る手前の白井市にあるハス田には、今の時期なら淡水系のシギチドリがよく観察されるとのこと。

立ち寄ろうと考えたが、広すぎてポイントが分からずに時間をロスする可能性が高い。

地元バーダーに教えてもらってから明日以降探鳥することに決めて、真っ直ぐ大授搦へ。

佐賀市内に入り大授搦付近の市街地を走行中に前方上空を尾の長い黒い鳥が横切った。

カササギだ!

佐賀ではカササギは探す鳥ではなく目に入って来る鳥だと言われていたが、その通りだった。

しばらく車移動しながら車窓からのカササギ探鳥をしたが、思ったより近くに来てくれない。

遠くの電線止まりや飛んでいる姿は何回も目撃するのだが。

地元佐賀ではカチガラスの愛称で呼ばれている。2017.9.9撮影。

時間がある時に再挑戦ということで再出発。

市街地を抜けて広大な田畑を通り抜けると目の前に堤防が見えて来た。

車で堤防に上がると目の前には広大な有明海が広がっている。

ついに大授搦(干潟よか公園)に来たことを実感する。

ようやくシギチドリの聖地に来た!

引き潮の時間帯はずっと沖合まで干潟が広がるからシギチドリ観察には向かないとの助言を聞いていたが、実際に自分の目で確かめたかった。

それでも干潟があるのだから何かシギチドリはいるでしょ!と干潟に降りた。

直ぐにダイゼンアオサギダイサギ、そしてオオメダイチドリが観察できた。

大授搦にはオオメダイチドリが多いと聞いていたが、こんなに簡単に観察できるとは!

カニを捕まえたオオメダイチドリ

動画ではオオメダイチドリがカニの足を振り回して胴体と離しては食べているが、胴体は大きすぎたのか食べていない。それなのに終盤に更に大きいカニにちょっかいを出しているのが面白い。また大きいカニの方はオオメダイチドリに食べられないことを見切っているのかじっと動かない姿も面白い。

左手からはオバシギ幼鳥が歩いてきた。

西日を受けて白黒のコントラストが映える。

今回のツアーで1番のお気に入り画像。

遠くに盛んに採餌をするオグロシギの小群を発見。

オオソリハシシギと迷うが真っ直ぐなくちばし、立ち姿、そして尾の黒さを確認できた。

他の観察者もおらず静かな時間を過ごすことができた。

下見を完了して後は明日、明後日と思う存分シギチドリ観察に集中できる。

初めて見る有明海の夕陽の美しさをしばし堪能して本日の探鳥を終えた。

 

見聞きした野鳥(観察順)

カササギ
ハシボソガラス
キジバト
スズメ
ダイゼン
アオサギ
ダイサギ
オオメダイチドリ
オバシギ
ツバメ
ハクセキレイ
シロチドリ
オグロシギ
セッカ
イソシギ

計15種

探鳥記 2017.9.8 九州探鳥① 佐世保市 烏帽子岳 11:30~14:40 晴れ 

はじめに

9月8~10日にかけて念願の九州探鳥に出かけた。

今回の探鳥では、世界中で推定生息数400羽と言われているヘラシギ渡りの最盛期を迎えたアカハラダカの大群を是非とも観察したい!

8日は長崎行き始発便で佐世保にある烏帽子岳でアカハラダカの観察をした後、その日のうちに佐賀に移動して10日の佐賀発の最終便まで有明海の大授搦(だいじゅがらみ)でシギチ観察という計画。

今回の九州探鳥記を9回に分けて掲載する予定。

烏帽子岳

羽田発6:55の便で長崎へ。

飛行機が諫早湾を通過した頃に知り合いの方からご親切にも大授搦で最近ヘラシギが観察されたとの吉報が届いた!

長崎空港に到着間際だが、こちらのテンションは急上昇!

8:45到着後、急いでレンタカー手続きや食料補給をして佐世保市へ。

烏帽子岳までは佐世保の市街地から車で20分くらいで、途中アカハラダカの観察標識が道沿いに何か所もあり迷うことはない。

標識からもアカハラダカは観光資源として認知されており、標識を見る度にニンマリして気分が高揚して来る。

11:30に烏帽子岳の駐車場に無事到着。

駐車場の隣がアカハラダカの観察場所のようで、すでに20人近くのバーダーが上空を見上げて観察している。

駐車場で機材の準備をしている最中にメンバーが「アカハラダカだ!」と叫んだ。

上空を見上げるとアカハラダカが何羽も飛んでいるではないか!

初めて見るアカハラダカは、やはり小さいというのが第一印象だ。

ツミぐらいの大きさで翼の先端の黒色が目立つ。

アカハラダカ雌 Sさん撮影

心の準備?がないままのあっけない出会いとなってしまった。

約20年前のバーダー誌で烏帽子岳でのアカハラダカの渡りの存在を知って以来、ようやく念願がかなった!

機材をセットして観察場所に向かい、観察者の皆さんにご挨拶をする。

ここ烏帽子岳では日本野鳥の会長崎支部の皆さんが毎年アカハラダカの渡りの調査や探鳥会を行っている。

今回の観察に際しては長崎支部のHPで事前に場所や観察状況等を知ることができて大変参考になった。

烏帽子岳の野鳥案内板


アカハラダカの渡りの説明板

長崎支部の皆さんとの鳥談義は後にすることにして、我々も早速観察に加わる。

皆さん、観察慣れしているので広大な青空の中でアカハラダカの群れを次々と見つける。

遠くても翼の先端の黒は目立つ。左端は目立たないので幼鳥に見える Sさん撮影

「薄い雲の右端!」

「雲と雲の切れ間!」

「稜線の向こうからもうすぐ出てくる!」

「もうすぐ鷹柱ができる!」

こちらはおおよその渡るルートすら分からないので、これらの声に双眼鏡で右往左往するだけである。

この画像の正面の方向に対馬、朝鮮半島があり、主要な渡りルートになっている。

しばらくして、ようやく観察場所の空気やアカハラダカの動き方、見つけ方に慣れてきた。

というよりは直ぐに慣れるぐらいアカハラダカの群れが次々と現れたのである。

前日までの4日間は天候不良だったので、多くのアカハラダカが渡りをできず朝鮮半島や対馬辺りで停滞していた。

おそらく晴天の今日は爆発するだろうと想定していたが、ここまでとは思わなかった。

13時頃だろうか200羽、300羽の群れが次々と現れて現場は最高に盛り上がった。

以下の動画はその時の様子。それぞれスローモーション付き。


この画面に39羽のアカハラダカがいる。

たくさんの数を見出すと今度はもっと近くでアカハラダカを見たい撮影したいと思うようになってきた。

長崎支部の皆さんの話によると、近くで観察したいなら朝8時頃までに来ればアカハラダカが面前を飛ぶそうだ。

これらは前日の夕方に烏帽子岳付近で塒入りして朝にねぐら立ちする個体とのこと。

皆さんからは何度も明日の早朝に烏帽子岳に来ることを勧められた。

しかし、ホテルは佐賀市内にあるので、往復の時間やヘラシギ探索に支障が出る可能性はあるので断念した。

次回訪問時は早朝に観察できるように計画したい。

アカハラダカ以外にも付近で繁殖するハチクマミサゴが優雅に旋回したり、チゴハヤブサが目の前を颯爽と通り抜けて行った。

また時折ハヤブサアカハラダカの群れに接近しては群れがばらけるなど緊迫した場面にも遭遇した。

多くはないが渡りの時期だからハチクマサシバも観察する機会があることだろう。

長崎支部の公式記録によると8日のアカハラダカの飛来総数は3465羽。

我々の到着時に約1000羽で出発時に約3300羽が記録されたので、滞在中に約2300羽が我々の上空を通過したことになる。

今回はアカハラダカ観察はビギナーズラックだったが、それにしても非常に幸運なタイミングで観察できたのである。

この勢いでヘラシギを観察するぞ~。

明日の下見を兼ねて鼻息荒く佐賀県佐賀市の大授搦へ向かう。

最後に長崎支部や観察者の皆さん、大変御世話になりました!!

見聞きした野鳥(観察順)

アカハラダカ 約2300
トビ
ツバメ
ハチクマ1
チゴハヤブサ2
ミサゴ1
キジバト
ウグイス
カケス
メジロ
シジュウカラ
ヒヨドリ

計12種

野鳥 アメリカウズラシギ 2015.8.9 平塚市

 

今回は2015.8.9に平塚市の休耕田で撮影したアメリカウズラシギです。

観察時は盛んに休耕田の中を動き回り採餌していました。

 

成鳥か幼鳥か

①上面の羽根の模様と状態
この個体は全体的に繁殖羽が摩耗して黒さが目立ちます。肩羽の一部にバフ色の羽縁の太い冬羽が見えます。一方、幼鳥はウズラシギ幼鳥のように赤褐色の羽縁と黒の羽軸がハッキリとしてフレッシュな状態です。

②特徴である胸模様の下地の色
成鳥は白っぽく見えますが、幼鳥はより褐色に見えます。

以上から成鳥と判断しました。

雄か雌か

①大きさ
アメリカウズラシギエリマキシギと同じように雄の方が雌より大きいです。雄雌を一緒に見た方の話によると一回り大きいようです。ちなみにエリマキシギの雄はツルシギぐらい、雌はクサシギぐらいとの大きさです。

②特徴である胸飾りのような繁殖羽
雄は雌より縦斑が太くて密度が濃いです。冬羽でもこの模様は繁殖羽ほどではありませんが残ります。

それでは、この個体はどうでしょうか。

観察時この個体は単独でいましたし、付近に比較するシギチドリもいなかったので、大きさで判断するのは難しいです。

それでは、この個体の胸飾りのような模様はどうでしょうか。

この画像は濃く見えますね。

この画像ではそれほど濃くは見えません。

以上の観察状況を考えると今回は雄と雌の判断はしないことにします。

アメリカウズラシギは簡単には観察できないので、次回の観察の機会に恵まれた時には個体細部の観察はもちろん、他のシギとの比較などして雄雌の大きさも意識していきたいです。

動画

 

 

画像

野鳥 キリアイの採食行動 2016戻り渡り 谷津干潟

今回は昨年谷津干潟で観察したキリアイです。

少なくとも私が観察した8月14日と9月4日の間の約3週間中は谷津干潟で観察され続けました。

おそらく同一個体の長期滞在と思われますが、タイミング良く個体が入れ替わることも十分あり得ます。

皆さん、同一個体かどうか似たような向きの画像を以下に掲載しました。

どう思われますか。

2016.8.14 谷津干潟

この個体の観察場所はセンター対岸の高校寄りでした。

キリアイは水面を盛んについばんでいましたが、何を食べているかは分かりませんでした。

おそらくバイオフィルムではないでしょうか。

2016.9.4 谷津干潟

この個体の観察場所は、高校側やセンター対岸ではなく、南船橋駅側のセンター入口付近の干潟です。

キリアイは腐敗したアオサ付近にいる虫を盛んに採食していました。

太陽に照らされて発色の良い羽根模様がきれいでした。

動画

 

2015、2016と連続で戻り渡りの時期に谷津干潟で観察されていたキリアイでしたが、今年は未確認の日々が続ました。

しかし9月12日のセンターHPについにキリアイの観察記録が!

3年連続の記録で一安心です。

※9月13日は確認されませんでしたが、9月14日は確認されました。

 

野鳥 チョウゲンボウの砂浴び 

これは2014年10月19日の17時頃に神奈川県藤沢市の今田遊水地で撮影しました。

辺りが暗くなり始めて、そろそろ探鳥を終了しようとしていた頃でした。

遠くの地面で何やら生き物がモゾモゾしていたので観察すると、何とチョウゲンボウではないですか!

チョウゲンボウの砂浴びを初めて見ました。

ねぐら入りの前に体を清潔にしようということでしょう。

頭部が灰色なので雄ですね。


チョウゲンボウ雄 2016.1.17 横浜市

動画

※0.125倍速も添付しています。頬の辺りも砂に着けていて微笑ましいですね。

こちらはスズメの砂浴びです。

野鳥 背中の白いV字模様 ~ヒバリシギ、ウズラシギ、ヨーロッパトウネン、トウネン、キリアイ~

白いV字模様

5種ともだいたい同じ色合いと模様で幼鳥であることが共通しています。

ヒバリシギウズラシギは大きさは一回り以上ウズラシギの方が大きいですが、白いV字模様の他に茶色のベレー帽をかぶったような頭頂と黄色の脚が似ています。

ヒバリシギウズラシギキリアイは黄色の脚が共通です。大きさはウズラシギキリアイヒバリシギです。

また白いV字模様はヨーロッパトウネンの識別点の判断材料として有効で有名ですが、トウネンも白いV字模様がある個体もいますので、V字模様だから即ヨーロッパトウネンであるという判断はキケンです。


ヒバリシギ幼鳥 2017.8.26 平塚市


ウズラシギ幼鳥 2015.11.3 江の島 Yさん撮影


ヨーロッパトウネン幼鳥 2017.8.27 三番瀬


トウネン幼鳥 2017.8.27 三番瀬


キリアイ幼鳥 2016.8.14  谷津干潟