野鳥 ササゴイの採餌行動

動画① 採餌

以下の動画は2017.7.17に平塚市で撮影したものです。

録音ボタンを押して直ぐにササゴイが魚を捕まえました!

贅沢な話ですが、ササゴイがしばらく水面を覗きこんで捕まえるタイミングを計っている様子を撮った後に捕捉シーンを撮りたかったです(笑)。

それにしてもササゴイが身を低くして水面を見ている様子は緊張感に包まれて、見ている私も緊張しました。

0:57 ササゴイの採餌が失敗しました。
1:30 上空に猛禽が飛んだのでしょうか、上を見ていますね。

動画② 採餌のための移動

次の動画は、魚がいないのか別の採餌ポイントに移動する様子です。

そのまま真っ直ぐ川岸進むのではなく、外側にふくらんで半円を描くような軌道で移動しています。

この動画の前後でも移動する際はこの動作をしていました。

おそらくササゴイは川の中にいる魚から見えなくなる場所にいったん移動して自分の存在を消していると思います。

真っ直ぐ歩いたら魚からずっと見える状態となり、魚の警戒心を解くことはできないのでしょう。

この歩き方は本能なのか学習したものなのか。

コンクリートの護岸が幅が広いので、こういう動きができたのか。

こういう動きをした方が魚の獲得率が高いという経験からなのか。

確か熊本市の水前寺公園で観察されたササゴイは、葉などの固形物を疑似餌として水面に浮かべてそれに寄ってくる魚を捕まえるという話を聞いたことがあります。

この話から、ササゴイが道具を使うことのできる頭の良い野鳥ということが分かり、このような歩き方も学習したのではと思えてしまいます。

野鳥 セイタカシギのヒナの採食行動 2017.6 千葉県

以下の動画は2017年6月上旬に千葉で撮影したセイタカシギのヒナです。

シギの仲間は孵化すると直ぐに自分でエサを探さなければなりません。

そのためヒナの脚とくちばしは自分で採餌できる大きさと形にすでになっています。

画像もどうぞ。


親子の距離は付かず離れずという感じです。といってもバンがヒナに近づいた時は物凄い声で威嚇していました。

 


水草の上の乗ったので、脚の様子が分かる。かかと(人間でいう膝)から下が太い!
採餌の姿勢はさすが親子そっくり。

 


親の面影を残しつつもやっぱりヒナです、ちょっと可愛いぞ!

野鳥 セイタカシギの頭掻き&羽繕い 2017.6 千葉県

以下の動画は2017年6月上旬に千葉で撮影したセイタカシギの頭搔きと羽繕いの様子です。

動画の最初と最後の方に頭掻きに場面が出てきます。

セイタカシギは頭部を脚で掻くのに翼を下げて翼越しにする脚を持ってくる間接法ですね。

頭掻きを終えた後は、くちばしを使って尾脂腺(尾の付け根にある脂が出る場所)から出る脂を羽根に塗っている様子が分かります。

太陽に照らされて脂の付着しているくちばしや脂を塗られた羽根が光っています。

またくちばしで羽根に脂を塗った場所に頭部を擦り付けて頭掻きならぬ頭塗りを何度もしています。

脂を羽根に塗る理由は、

①羽根に撥水性を持たすため。
水辺で生活する野鳥は水を含んで羽根が重くなるのを避けたいのです。水中に飛び込むカワセミや水面に浮くカモなどには特に重要ですね。

②脂を塗ることで羽根をしなやかで丈夫な状態にするため。
鳥にとって飛ぶために必要な羽根をメンテナンスすることは大事である。

等が考えられます。

 

野鳥 セイタカシギの採食行動 2017.6 千葉県

以下の動画はセイタカシギの採食行動です。

かかと(人間の体でいうと膝に見える部分)から上が水面から出る位置を保って移動しています。

かかとから上に水面がくると動きづらいのは人間でも同じですね。

セイタカシギは脚が長いため、トウネンハマシギなど脚が短いシギに比べて、浅瀬から水深がある場所まで広い範囲で餌を探すことができます。

種の生存期間や繫殖力が餌の獲得量によって影響を受けるのならば、セイタカシギはもっと個体数が多く広範囲の環境に渡って生息しているのではないかと単純に思ってしまう。

実際には生存期間や繫殖力は、ヒナが無事に育ちやすい繁殖方法や場所なのかどうか、繁殖地の環境など様々な要素が関わっているとは思いますが。

この画像では水面近くにいる生物を採餌しているように見えます。

 

野鳥 セイタカシギの交尾 2014.6.8 葛西臨海公園

以下の画像は2014.6.8に葛西臨海公園で撮影したセイタカシギの交尾です。

アップに至るまでは長い道のりでした、、、。

マスターテープの謎の紛失。

当事者との一触即発の交渉。

ほんの少し?の羞恥心。

もはやお蔵入りか!

最後まで折れそうな心を支えてくれたのは、鳥仲間からの早くアップせよ!との有言無言の圧力でした!!

 

ということで、本題の入ります。

6月8日ですから交尾の時期としては遅いと思います。

1回目の繁殖に失敗して、2回目の繁殖活動を始めた可能性もあります。

脚が長いのですが、上手く交尾するものですね。

交尾後のくちばしを交わすシーンなど何度見ても微笑ましいです。

野鳥 クロジのさえずり 2015.7.12 尾瀬

以下の動画は2015.7.12に尾瀬の一の瀬付近で撮影したクロジのさえずりです。

体が鉛色のクロジ雄の成鳥。

赤・青・黄などを配さない。鉛色である。

こういうシブい野鳥が好きです。

カモならオカヨシガモ雄とか。

なんちゃって季節外れの登場!オカヨシガモ雄

クロジの主な繁殖地は世界中で本州中部以北、千島列島、サハリン、カムチャッカ半島南部の限られた範囲。

クロジの繫殖期のさえずりを聴くことができる日本人は実は幸せ者?なのです。

7月中旬ですから夏鳥の繁殖活動のピークは過ぎていましたが、クロジは尾瀬沼に至る道沿いで何個体もさえずっていました。

尾瀬のクロジ密度は高いとの印象を持ちました。

動画①

典型的な「ホーイ チチチチー」という感じでさえずっています。

 

動画②

①と同じ個体ですが 2コール目からは「ホーイ チチチチヨチヨー」という感じでさえずっています。

 

それにしてもクロジのさえずりが森に響き渡り良い時間でした。

野鳥 ジュウイチのさえずり


以下の動画は2015.5.31に富士山の須走口5合目付近にある小富士で撮影したジュウイチです。

小富士から100mくらい離れた樹林帯のてっぺんでさえずっていました。

ちょうど目線と同じ高さにジュウイチがいましたので、観察状況は良かったです。

画像の後半のジュウイチの声は別個体によるものです。

この年の小富士はジュウイチの当たり年で付近に4個体いるという話でした。

 

ジュウイチが主に托卵するのはオオルリコルリルリビタキなど青い小鳥です。
5合目付近の標高ですと托卵されるのはルリビタキの可能性が高いです。

野鳥 キクイタダキの頭掻き

以下の動画は2015.5.31に富士山須走口5合目から小富士に向かう森で撮影したキクイタダキです。

薄暗い森ですが、キクイタダキヒガラミソサザイルリビタキメボソムシクイなどが観察できます。

このキクイタダキ、画面には見えませんが、翼を下げて翼の上から右脚を使って頭部を掻いています(間接法)。

小鳥は原則として間接法で掻くと言われています。

直接掻く方が楽な動作に見えるのですが、ぎこちなく見える間接法を取る理由があるはずです。しかし現時点では解明されていないようです。

野鳥 コサメビタキの巣

前回サンショウクイの巣がコサメビタキの巣に似ていると書きました。

そういえば最近はコサメビタキの巣を探鳥地で見ることが多いです。

そこで今回はコサメビタキの巣(未完成も含む)をいくつか紹介します。

今回の主役コサメビタキです!

 

富士吉田市 2015.5.31

横枝ではなく斜めの枝の上にあります。折れた枝の根元の部分を滑り止め?にして上手に作っています。

くちばしにくわえているのはコケに見えるのですが。修復それとも作成中でしょうか?

 

御殿場市 2016.4.29

幹から横に30㎝ぐらい突き出た枯れ枝の上にあります。

この巣の外壁のコケの付け方は巧ですね。

この巣の中の様子です。

5月3日に来た時に、巣が横枝ごと無くなっており、下には巣が落ちていました。

カラスに落とされたのでしょうか?

枯れ枝なのでカラスが勢いよく乗れば折ることも可能でした。

 

御殿場市 2016.5.3

落ちた巣を見つけて落胆していたところ、近くで巣を造成中のコサメビタキを見つけました。

巣を落とされたコサメビタキと同一個体でしょうか。

今度は学習?して真上に枝がある屋根付きの巣です。

土台ができた段階でしょうか。

これ以降に発見したコサメビタキの巣はこのタイプです。

 

 

 

根室市 春国岱 2016.6.5

この巣も巣の上に枝があります。

 

裾野市 2017.5.4

まだ土台を作り始めたばかりの感じですね。

この巣も左斜めに伸びる太い枝に覆われています。

戸隠 森林植物園 2017.5.19

この巣も上に枝があります。

外壁のコケと枝にあるコケと色合いがピッタリですね。

 

まとめ

巣を設置する位置や樹木の色に適合させて巣を作っていることが分かります。

特に最近見る巣は上の間に必ず枝がある屋根付き物件です。

カラスからの攻撃や雨をしのぐためのものなのか?単なる偶然なのか?興味があります。

野鳥 サンショウクイの巣

 

以下の動画と画像は2017年のGWに富士山麓の御殿場市内の森で撮影したサンショウクイの巣作り(仕上がり前)の様子です。

サンショウクイの巣を今回初めて観察しました。

サンショウクイがどこでどのような巣を作るのか?を皆さんにもお伝えしたく掲載しました。

2017.4.30の観察

春を迎えたばかりの新緑の森。

サンショウクイがペアで森の上空を「ヒリリ、ヒリリ」とさえずりながら飛び回っている。

同行者が枝止まりのサンショウクイを教えてくれたので、観察すると枝の又のところに座っているように見える。

じっくり観察すると何と巣に座っていた。

サンショウクイのオス
サンショウクイのメス

動画ではサンショウクイのメスが巣に座りながら巣の側面をくちばしでいじくっている。

巣の完成度が高いので、座り心地や側面整備など最終的なメンテナンスをしているように見える。

BGMにはヤマガラの声がしますが、横浜近辺のヤマガラの声と微妙に違う気がするのですが、どうでしょうか。

2017.5.4の観察

5日ぶりにやって来ました。

サンショウクイがもう抱卵している状態なら巣を放棄してしまう可能性があるので観察しないつもりでした。

到着時は巣やその周辺にはサンショウクイのペアはいません。

巣のそれ自体は変化がないようですが、巣の周りの芽が前回より開いているように見える。

外壁にコケを付けている。

かなり高い位置で営巣していることが分かります。

葉が生い茂ると観察は困難になるでしょう。

画面の真ん中の巣がある。

しばらくすると「ヒリリ、ヒリリ」と鳴きながらやって来た。

以下の動画では、

最初にオスが巣の中でこちらに背を向けて外壁をメンテナンスしている。

0:29にメスが左手から飛んできてオスと入れ替わって巣に入る。

メスも同様にメンテナンスをしている。

その間、オスが巣の近くでしきりに鳴いている。

この鳴き声は何を意味しているのか?

メスの作業を催促しているのか?

巣の存在を他のサンショウクイに誇示しているのか?

2羽が去った後もしばらく観察していたが、その後は現れず。

巣もほぼ完成しているようで熱心に作る時期は過ぎたようだ。

4時間後に再度この森に来たが、遠くでサンショウクイの声を聞いただけで巣のそばにはいなかった。

 

BGMでアオゲラシジュウカラヒヨドリウグイスヤマガラの鳴き声がしています。

まとめ

巣の高さは地上から15mくらいの木の上部にありました。
サンショウクイというと上空を鳴きながら飛翔する姿や、木に止まる際も木の上部で忙しく動いている姿を思い浮かべます。
生活空間が木の上部ですから、やはり巣も木の上部で設営していました。

巣材は樹皮を素材にしてクモの糸で固定し、外壁にはコケを付けて周りの枝に似せているようです。
巣を作る場所ですが、今回は枝と枝との又に掛けていましたが、ネット上の画像からも又に掛けるのが多いです。
ちなみにコサメビタキの巣に似ていますが、コサメビタキの巣は枝の又ではなく横枝の上部に作り、巣の形はより底が浅い形です。

オスとメスの両方で巣作りをしています。
この時期は繁殖期ですから一緒にいることが多いと思いますが、特にサンショウクイは他の野鳥の比べてペアで行動しているように思いました。

カラスなどの天敵から巣が見つからないようにするため、葉が生い茂って外から巣が見えない時期を待って抱卵に入るのではないかと思いました。

GWの頃に南から日本に渡って来るサンショウクイもいれば、このペアのように早くから渡って来てペアとなり巣まで作ってしまうサンショウクイもいて、渡りの時期もばらつきがありますね。

今回はその後の抱卵、子育てまでの観察も考えましたが、繁殖活動の邪魔になる可能性が高い場所なので止めました。