今回、不忍池でエクリプス状態のハシビロガモ雄を観察しました。
エクリプスを簡単に説明すると、繁殖のために派手な格好をしていたカモの雄が繁殖を終えて雌のような地味な格好になる状態をいいます。
日本に渡って来る頃の雄カモはエクリプス状態あるいは繁殖羽に移行中の状態で観察されることが多いです。
画像 雄のエクリプス(≒非繁殖羽)
成鳥雌に比べて全体的に体色が暗いです。特に頭部の黒が目立ちます。
綺麗な翼鏡の白と緑、雨覆の青。三列風切の白い軸斑が先まで伸びているので成鳥雄です。
参考画像 雄のエクリプス⇔雄の繁殖羽
画像角度が悪いですが、エクリプスから繁殖羽に変化すると最終的にこの雄の姿になります。2014.3.14 不忍池
おまけ動画 ハシビロガモの採餌
以前、不忍池に来た時に撮影したものを探していましたら採餌の動画もありましたので、この機会に掲載します。
ハシビロガモは掃除機の吸い込み部分のようなくちばしで水中にあるプランクトンなどを食べます。
私個人は掃除機の吸込み部分と表現しましたが、英名はNorthern Shovelerですから命名者はシャベルに見えたのでしょう。
他のカモのように1羽単独で採餌することもありますが、動画のように複数のハシビロガモが集まってグルグルと回って採餌することがあります。
中心に渦を作って餌をかき集めて採餌しやすくしていると思います。
このような採餌をするカモはハシビロガモ以外には見たことがありませんが、他のカモもするのでしょうか。
※参照文献:「日本のカモ識別図鑑」氏原巨雄・氏原道昭