今回の羽村堰での探鳥ではノビタキをじっくり観察する機会に恵まれました。
①ノビタキの雄と雌の区別は、繫殖期であれば外見から容易に区別できますが、換羽したこの時期はどうでしょうか?
分かり易い識別点は、雄は顔の周辺(喉元や頬など)が黒く(成鳥の方が幼鳥より黒い傾向)、雌は顔の周辺が灰褐色の色合で特に喉は白っぽく見えることである。
分かり易いと言いながら、黒さには濃淡がありますから明らかに黒っぽいのなら雄で良いと思いますが、微妙なケースがたくさんあり今回はかなり迷ってしまいました!
この際に識別のヒントになるのは、羽毛が風で逆立った時などに羽根の根元の方が見える場合があるので、ここをチェックすることです。
この時に根元が黒く見えれば、雄の可能性が高くなります。
なぜなら繁殖期のノビタキ雄の黒い頭部は、繁殖のために黒い羽根に換羽するのではなく、秋に換羽した羽根がどんどん摩耗して黒い部分が露呈している状態だからです。
ちなみに繁殖期に頭部が黒くなるオオジュリンやコジュリンなども同様の羽根の構造です。
②この時期の成鳥と幼鳥の区分は、幼鳥には初列雨覆の先端に幅広い白い羽縁があり遠目からだと白斑のように目立ちます。
ただし幼鳥でも白斑が目立たない個体もありますし、また成鳥の初列雨覆にも羽縁があり、まして換羽したばかりですときれいな状態ですから識別には注意が必要です。
つまり、なかなか識別が難しいということです。
また雄の顔周辺の黒さは成鳥のほうが幼鳥よりハッキリと濃い傾向にあります。
当日の情報によりますとノビタキが3羽いるとのことでしたが、少なくとも2個体は観察しました。
2個体とも顔周辺が明らかに黒い状態ではなかったので、ノビタキ成鳥雄ではなかったと思います。
以下、登場時間ごとに分けましたが、枠内のノビタキは同一個体です。
15:08登場!
観察時は雌と思っていたが、目の後方が黒っぽいのがちょっと気になる。
初列雨覆の先端の白斑は目立たないので成鳥として、成鳥雄ならもっと顔が黒いので、成鳥雌と思います。
皆さんはどう思われますか?
15:28登場! (以下15:36、15:43と同一個体と思われる)
控えめ?に尾を上下によく動かす。
15:36 登場! (以下15:28、15:43と同一個体と思われる)
15:43登場! (以下15:28、15:36と同一個体と思われる)
動画からは初列雨覆の白斑が見えるので幼鳥と判断するとして雄か雌か?
雄ならもっと黒みが出ても良いし、喉も白く見えるので幼鳥の雌と思うのですが。
皆さんはどう思われますか?
ノビタキのこの時期の識別については、今回はここまでにして今後勉強して行きます!
正直、この時期のノビタキをここまで考えて観察せず、今回も現場では雌が2羽いると思っていただけでした。
改めて何かノビタキ界をにぎわす出来事が起きましたら掲載します。