以下の動画と画像は2017年のGWに富士山麓の御殿場市内の森で撮影したサンショウクイの巣作り(仕上がり前)の様子です。
サンショウクイの巣を今回初めて観察しました。
サンショウクイがどこでどのような巣を作るのか?を皆さんにもお伝えしたく掲載しました。
2017.4.30の観察
春を迎えたばかりの新緑の森。
サンショウクイがペアで森の上空を「ヒリリ、ヒリリ」とさえずりながら飛び回っている。
同行者が枝止まりのサンショウクイを教えてくれたので、観察すると枝の又のところに座っているように見える。
じっくり観察すると何と巣に座っていた。
動画ではサンショウクイのメスが巣に座りながら巣の側面をくちばしでいじくっている。
巣の完成度が高いので、座り心地や側面整備など最終的なメンテナンスをしているように見える。
BGMにはヤマガラの声がしますが、横浜近辺のヤマガラの声と微妙に違う気がするのですが、どうでしょうか。
2017.5.4の観察
5日ぶりにやって来ました。
サンショウクイがもう抱卵している状態なら巣を放棄してしまう可能性があるので観察しないつもりでした。
到着時は巣やその周辺にはサンショウクイのペアはいません。
巣のそれ自体は変化がないようですが、巣の周りの芽が前回より開いているように見える。
かなり高い位置で営巣していることが分かります。
葉が生い茂ると観察は困難になるでしょう。
しばらくすると「ヒリリ、ヒリリ」と鳴きながらやって来た。
以下の動画では、
最初にオスが巣の中でこちらに背を向けて外壁をメンテナンスしている。
0:29にメスが左手から飛んできてオスと入れ替わって巣に入る。
メスも同様にメンテナンスをしている。
その間、オスが巣の近くでしきりに鳴いている。
この鳴き声は何を意味しているのか?
メスの作業を催促しているのか?
巣の存在を他のサンショウクイに誇示しているのか?
2羽が去った後もしばらく観察していたが、その後は現れず。
巣もほぼ完成しているようで熱心に作る時期は過ぎたようだ。
4時間後に再度この森に来たが、遠くでサンショウクイの声を聞いただけで巣のそばにはいなかった。
BGMでアオゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤマガラの鳴き声がしています。
まとめ
巣の高さは地上から15mくらいの木の上部にありました。
サンショウクイというと上空を鳴きながら飛翔する姿や、木に止まる際も木の上部で忙しく動いている姿を思い浮かべます。
生活空間が木の上部ですから、やはり巣も木の上部で設営していました。
巣材は樹皮を素材にしてクモの糸で固定し、外壁にはコケを付けて周りの枝に似せているようです。
巣を作る場所ですが、今回は枝と枝との又に掛けていましたが、ネット上の画像からも又に掛けるのが多いです。
ちなみにコサメビタキの巣に似ていますが、コサメビタキの巣は枝の又ではなく横枝の上部に作り、巣の形はより底が浅い形です。
オスとメスの両方で巣作りをしています。
この時期は繁殖期ですから一緒にいることが多いと思いますが、特にサンショウクイは他の野鳥の比べてペアで行動しているように思いました。
カラスなどの天敵から巣が見つからないようにするため、葉が生い茂って外から巣が見えない時期を待って抱卵に入るのではないかと思いました。
GWの頃に南から日本に渡って来るサンショウクイもいれば、このペアのように早くから渡って来てペアとなり巣まで作ってしまうサンショウクイもいて、渡りの時期もばらつきがありますね。
今回はその後の抱卵、子育てまでの観察も考えましたが、繁殖活動の邪魔になる可能性が高い場所なので止めました。