野鳥 キョウジョシギの採食行動 2017.4.29 谷津干潟

今回(2017.4.29)の谷津干潟での探鳥中にキョウジョシギの採餌の様子をじっくり観察しました。

サイやカブトムシが敵をツノで跳ね上げるような動作で自分のくちばしを使って貝殻をひっくり返しては貝殻の下にいる生物を探していた。

以下がその時の動画です。

キョウジョシギの英名はRuddy TurnstoneまたはTurnstone。

意味は赤い(血色のよい)、石をひっくり返す鳥といったところか。

つまり、採餌動作が名前の由来であり、アリスイ=アリを吸うと同じ名前の付け方である。

シギチドリはくちばしの形と大きさからそのシギチドリがどのような餌をどのような方法で採るのかが想像できる。

キョウジョシギのくちばしは、他のシギチドリに比べて①太い②上部くちばしが下部のくちばしより太い(上下で均一ではない)③短い、の特徴を有している。

このくちばしの構造は、石などをひっくり返して裏に潜む虫などを採餌するのに適していると言えるのか?考えてみました。

①太さ
石や貝殻など重い物をひっくり返すにはくちばしに強い負荷がかかるため細いよりは太い方が良い。嘴が曲がったり折れてしまうことはシギチドリにとって致命傷となる。

②上部の方が太い
下から石などの物体を持ち上げるので、くちばしが物体に直接触れることになる。そのため上部のくちばしは下部より力が直接伝わるし痛みやすいので頑丈な方がより良い。

③短い
長いほうが物体の奥までくちばしを差し込めてより楽な力で動かせるが、短いくちばしの方がひっくり返した後の餌取りの動作を俊敏に行える。

以上を考えるとキョウジョシギのくちばしは、この採餌方法に相応しいと思う。

この採餌状況を他のシギチドリに置き換えてみると、オバシギ(二枚貝を丸呑みする)ぐらいの大きいシギチドリなら、くちばしでくわえて払いのけたりつまむことができる。

しかし、小さく機敏な動きをする昆虫などを補足するのは難しいだろう。

トウネンミユビシギなどの小型のシギチドリは機敏だがパワー不足で難しいだろう。

そうなると機敏で丈夫そうなくちばしを持つダイゼンあたりなら、Turn Stoneできそうだ。

私はまだその現場を見たことはありませんが、今後注意して観察していきたい。

特徴あるくちばしが持っていたから特徴ある採餌方法で今日に至るまで種を生存できたのか?

それとも特徴ある採餌方法を行うためにシギが長い時を経て洗練されて特徴あるくちばしを手に入れたのか?

キリンの首が長いのは、高い場所にある葉を食べることできる長い首を持ったキリンだけが生き残った結果として子孫を残しているとの考えに立てば、前者の考えなのか?

谷津干潟でキョウジョシギを見てこんなことを考えました。

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