探鳥記 2018.5.20 栃木県民の森 矢板市 3:30~11:30 晴れ

初めて行く探鳥地で夏鳥の早朝のコーラスを聴く!ことが今回のコンセプト。

いつものようにギリギリ(今回は東北自動車道の車内で!)まで鹿沼市の井戸湿原と迷ったが、矢板市の栃木県民の森へ。

暗闇の中、県民の森の大駐車場へ到着。

外に出ると早速ヨタカの「キョ、キョ、キョ、キョ、、、、」という連続する声が聞こえてきた!

暗闇の中、声を頼りにドキドキしながらどんどん駐車場の端へ進むと、仲間が飛翔するヨタカを発見。

しばらくした後、ヨタカが山の斜面上にある杭のような枝の先端に止まったところを無事観察。

声は何度も聞いているが、姿を見たのは初めて、しかも繁殖地で観察できたのが嬉しい。

動向メンバーの観察を総合するとその後2羽のヨタカが飛翔していたそうで、斜面の奥の方へ飛び去ってしまったとのこと。

ヨタカを見聞きできただけでもテンションが上がるのに、今度はそばの森から木魚のような連続音をするオオコノハズクの声が聞こえて来たではないか!

一度だけの連続音を頼りに付近の樹木を駄目元探索したが、見つからなかった。

まだ日の出前ではあったが、キビタキの第一声で夜明け前のコーラスが開始。

依然として駐車場付近は暗く、周囲の様子が分からない。

どんな地形が広がっているのか、野鳥の声を頼りに想像した。

キビタキの次はクロツグミの朗らかな声が聞こえて来た、それも複数いる模様。

遠くではフクロウの声が聞こえている。

この頃になると、ようやく周囲が明るくなり始めて、周囲の様子が分かってきた。

先ほどヨタカを見聞きした場所は伐採した後の斜面であり、いかにもヨタカが好きそうな場所であった。

私が早朝コーラスで注目していたエリアからはサンショウクイサンコウチョウも聞こえてきて予想以上にいろいろな野鳥がいる。

それもそのはず、そのエリアは今回これから探鳥しようとする宮川渓流歩道の下流域であった。

上流域も探鳥する予定だが、まずは下流域から探索開始。

渓流に沿って散策路を進む。

渓流といっても、年によっては地下に水が伏流することがあるようで、今回は水枯れの状態であった。

渓流といえばオオルリミソサザイ直ぐに思い浮かべるが、お約束通り?オオルリの囀る姿を簡単に観察することができた。

水は流れていないが、感じの良い雰囲気の中を進む。

上空を時々「ヒリリ、ヒリリ」と鳴きながらサンショウクイが通過する。

下草からは強い高音でシシシシシとヤブサメの声がする。

近くで声がするから姿も観察できるのでは?といつも淡い期待をするが、今回も姿は見れず。

そして、このコースの主役のクロツグミの登場。

間近で朗らかな声を聞いたり、姿を見せてくれた。

また早朝コーラスで頑張ってお腹が空いたのか地上で捕食行動をするクロツグミを雄雌共に観察することができた。

宮川渓谷下流遊歩道の終点まではゆっくり歩いて30分くらい、今来た道を折り返す。

復路では復路で楽しんだ鳥の他にキビタキを見聞きしたり、森の奥から聞こえて来るサンコウチョウの声を聞いた。

 

下流コースのスタート地点に戻り、今度は上流コースを探鳥。

上流コースは渓流に水が流れており、カワガラスミソサザイがいかにもいそうな雰囲気。

周囲の夏鳥の声を気にかけながらも川沿いに意識が向かう。

しばらくすると川面に黒っぽいものが動いた。

カワガラスだ!

残念ながら直ぐに川の上流へ飛び去ってしまったが、我々もそちらに向かうのでまた会えるだろう。

カワガラスの次はミソサザイの出番だ。

ミソサザイのいる雰囲気はあるのだが、この日は結局最後まで見聞きできなかった。

上流コース折り返し付近ではオオルリを間近で観察する機会に恵まれ、ここまでイマイチの観察状況が好転。

復路ではカワガラスを何度も観察する機会に恵まれ、このコース内に少なくとも2ペアいることが分かった。

上流コース探索を終えて、そばにある森林展示館に立ち寄る。

森林展示館には野鳥の剥製が多数展示されていた。

オオコノハズクヤマドリの剥製も印象に残ったが、何より驚いたのはヤマショウビンの剥製!

県内での落鳥個体であったが、ヤマショウビンといえば対馬を筆頭に南西諸島や日本海側の島での観察記録が多い。

関東平野も通過するんだ!と新鮮な驚きであった。
※この原稿を書いていて思い出しましたが、数年前に谷津干潟で春の渡り時に観察されていましたね。

展示館の見学を終えて、再度下流コースをざっくり流し探鳥を開始。

早朝の1回目に比べて時間が遅いので見聞きする機会は明らかに少ない。

2回目の主役はキビタキであった。

美しい声と姿を何度も見聞きできた。

 

今回は8時間近く滞在したが、夜のヨタカオオコノハズクフクロウホトトギスから始まり、クロツグミサンショウクイオオルリキビタキなど夏鳥を十分堪能でき、当初の目的も達成された。

まだまだ自分の知らない素晴らしい探鳥地があり、あるはずだと再認識した旅となった。

見聞きした野鳥(観察順)

ヨタカ(2羽を確認 声・姿)
ホトトギス
オオコノハズク声
キビタキ
クロツグミ
フクロウ声
センダイムシクイ
キジバト
ホオジロ
ウグイス
ヒヨドリ
メジロ
サンショウクイ
ハシブトガラス
イカル
ハシボソガラス
サンコウチョウ
オオルリ
コゲラ
ヤブサメ
アカゲラ
シジュウカラ
メボソムシクイ
アオゲラ
ヤマゲラ
ヒガラ
アオバト
カワガラス

計28種

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