冬の北海道の寒さをまだ体験したことがないので、今まで探鳥することに不安を抱いてきた。
頭では分かっているが、実際に北海道で探鳥をして寒さを肌で感じ、防寒対策、交通事情、野鳥観察上の注意点を習得すれば、今後は冬の北海道での探鳥がやりやすくなるだろう。
ということで今回は探鳥しながら北海道の寒さを味わう(あわよくば耐性をつける)1泊2日の短期合宿をすることにした。
その合宿の舞台に選んだのは、寒さの厳しい内陸部や網走ではなく札幌近郊である。
とりあえず、天候悪化や体調不良になっても生活インフラが整備された札幌市なら臨機応変な対策が取れるだろうという理由である。※帰還後、札幌とは合宿の割にはずいぶん日和っているね!というツッコミを各方面からいただいた。
おおまかな計画では、1日目は新千歳空港近郊の北海道大学苫小牧演習林とウトナイ湖。2日目は札幌市内の探鳥地をいくつか回ることにした。
是非とも観察したい野鳥はクマゲラ、ヤマゲラ、エゾライチョウ、イスカ、ベニヒワあたり。
今シーズンの北海道は暖冬であったが、ついに探鳥前日に本格的な降雪があり、否応なしに合宿の舞台は整った。
すでに飛行機内でのアナウンスでマイナス気温であることは分かっていたが、新千歳空港の出口から出た時の外気の寒さはゾクッとするものだった。
新千歳空港後、急いで北海道大学苫小牧演習林へ。
移動の車中からさっそくノスリ、オジロワシを発見。
本日のもう一つの目的地ウトナイ湖は通り過ぎ、北海道の心の故郷セイコーマートで食料を補給して、ついに念願の演習林に到着。
ここでは主にクマゲラとエゾライチョウを観察したい。
ついにやって来たのだ!としばし看板に見とれてしまった
駐車場そばの池にはひっそりとマガモの群れがいる。
流れ込む川沿いにヤマセミがいないかチェックする。
マガモ以外は鳥の気配がない。
真っ直ぐに広い道を進むとようやくヤマガラとヒヨドリを見聞きできた。
ふと上空を見上げると幸運にもオオワシが森の奥へ飛翔する姿が!
オオワシ観察でテンションが上がり、いよいよ充実した探鳥の幕開けか!と思いきやその後は再び沈黙する森の中を進むことになった。
研究室のそばの池で地元バーダーの皆さんと出会い、最近の野鳥状況を聞くことができた。
クマゲラは9時頃に観察されたが飛び去ってしまい、いつ戻ってくるか分からないそうだ。
その後、地元バーダーの方々と一緒にさらに奥へと探鳥したが、状況は好転せず。
先ほどの池に戻ると、ホオジロガモ雌を発見。
好きなカモなので、寒さの中でホッコリした気分になった。
腹芸に興じる?ほどリラックス状態のホオジロガモ雌
※苫小牧演習林でまさかホオジロガモの画像をアップするとは、、、。
次の目的地ウトナイ湖での探鳥時間もあるので、残念ながら移動することに。
帰り道、午前中クマゲラが観察されたエリアで、ようやく近くにカラ類の混群がやって来た。
いまや知名度抜群のシマエナガ、何とか撮影したいが動きが速くてついていけない。
ゴジュウカラがそばにやって来た。
本州と違い、北海道では平地でも観察できるのが魅力の1つ。
脇腹が淡い橙色ではない亜種シロハラゴジュウカラ
混群が立ち去ると森の中は再び静かな雰囲気となった。
クマゲラだけでなくアカゲラ、オオアカゲラなどキツツキ類の気配がなく、ここでの主目的がキツツキ類の観察だったので困ってしまった。
ここでクマゲラを観察して、明日の札幌市内での探鳥の負担を軽くしたかった。
我々が到着する前に観察されていただけに残念!
次の探鳥地ウトナイ湖へ。
見聞きした野鳥(観察順)
マガモ
ヤマガラ
ヒヨドリ
オオワシ
ダイサギ
トビ
コゲラ
ホオジロガモ
シジュウカラ
ゴジュウカラ
ヒガラ
エナガ
ハシブトガラ
キバシリ
ハシボソガラス
計15種
※移動中に観察 ノスリ、オジロワシ