シギ・チドリの夏から秋にかけての戻り渡りも終わり、しばらくシギ・チドリ観察はお休みかな?
という分けにはいかず、これからの季節はイカルチドリやイソシギなどの留鳥組とヤマシギや先日の金沢臨海部のキョウジョシギのような越冬組の観察に移行するのである!
ということで今回は毎年多摩川の登戸で越冬するオジロトウネンが今シーズンも飛来しているか確認することにした。
登戸駅付近の神奈川県側の河川敷から探鳥開始。
河川沿いの草地では例年見聞きすることが多いモズやジョウビタキがいないので寂しい。
堰の上流側から水面にオカヨシガモとホシハジロの群れを観察。
上流から見た堰
例年ならこの辺りのもっとカモがいたような気がするが、まだ時期尚早ということか。
以上の3枚全て左が雄、右が雌。雄の方が大きいのが分かる。
堰の下流に移動。
水が流れ落ちる付近にはオカヨシガモ、ヒドリガモ、マガモの小群が見える。
ここでも例年よりオカヨシガモの姿が目立つ。
堰の上にはカモ達に混じってセグロカモメも見える。
下流側から見た堰
ここからすぐ下流に広がる浅瀬が本日の主役オジロトウネンが観察されるポイントである。
その他のシギ・チドリでは冬季にイカルチドリ、ハマシギ、イソシギを観察したことがある。
オジロトウネンらを観察した浅瀬
毎回オジロトウネンを観察する場所は東京都寄りの河川敷で遠くから見ると灰色の岩盤付近にいることが多い。
この岩盤、ちょっと調べて見ると登戸パミスと呼ばれている130年前の泥岩層のようで、この地層が川原に露呈・浸食されてを灰色の川原に見えるそうだ。
双眼鏡でざっと見ただけでもセグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイ、タヒバリとセキレイの仲間があちこちで動き回っている。
セキレイに混じって、尾を上下に振りながら歩き回るイソシギや川原の砂利にうずくまって休んでいるイカルチドリを発見。
イカルチドリは目が慣れてくると次々に見つかり、10羽以上はいる模様。
仲間がハマシギを見つけた。
※中央右がハマシギ、左奥にイカルチドリ
ハマシギの冬羽は繁殖羽と違って地味な色合いなので、遠目からの観察ではダウンカーブしたくちばしが頼りになる。
後は本命のオジロトウネンを見つけるだけだ。
先ほどから何度も灰色の岩盤の登戸パミス付近を丁寧に探索しているが見つからない。
冬羽のオジロトウネンの探索ポイントは、小さい体と黄色の脚とのっぺりと見える灰色の上面である。
登戸パミスを何往復したか忘れたが、ついに無事発見!しかも2羽!
いままで岩陰などの死角にいたのかな。
※非常に小さいですが、灰色の岩盤の上にいます
発見してからは2羽が付かず離れずの距離間で動き回っていた。
今年も無事越冬してくれて嬉しい。
シギ・チドリは年々減少傾向にあり、毎年観察記録のある場所が途絶えてしまうケースを耳にすることが多いからだ。
その後、ハヤブサが下流から上流に向かって通過していったのを見届けてお開きとした。
冬の多摩川登戸流域はカモ、シギ、チドリ、サギ、冬の小鳥、そしてそれらを捕食する猛禽類と様々な野鳥を観察でき、しかも登戸駅から徒歩数分で河川敷に着くアクセスの良い場所でもある。
今度は上流の聖蹟桜ヶ丘付近や羽村堰、あるいは下流の丸子橋や河口付近も探鳥したい。
見聞きした野鳥(観察順)
オオバン
カワウ
コサギ
ダイサギ
アオサギ
ハシボソガラス
オカヨシガモ
コガモ
キンクロハジロ
ホシハジロ
ユリカモメ
マガモ
セグロカモメ
タヒバリ
ハクセキレイ
イカルチドリ
キセキレイ
イソシギ
ハマシギ
オジロトウネン
ハヤブサ
計21種