富士山麓での探鳥は、4月から6月の夏鳥シーズンはずいぶんと多く実施している。
それに比べて冬鳥シーズンの探鳥は少ないので、どうなっているかもっと知りたい。
ということで、行く先は未定にして取り敢えず富士山周辺探鳥を実施することにした。
横浜を7時半に出発。
車中でどこに行くか決めることになった。
プラン① 北富士演習場での猛禽類や小鳥、山中湖畔でのカモやレンジャク
プラン② 奥駿河湾でのウミスズメやカモなどの海鳥、浮島が原での猛禽類
プラン③ 富士川河口での水鳥や猛禽類、朝霧高原周辺での小鳥や猛禽類、の観察案が出た。
車中では、行先を巡って怒号や札束が乱れ飛ぶこともなく、今年の冬鳥は低調であるので無難な富士川河口をまずは探鳥しよう!ということですんなり落ち着いた。
前回富士川河口を探鳥した際は左岸からの観察を試みたのだが、堤防工事の影響や駐車スぺースや探鳥場所が分からないことなどで、さっと観察して浮島が原に流れてしまった。
今回は東名高速道路の富士川SAで降りて、右岸をゆっくり進みながら河口へ向かうことになった。
右岸は駐車スペースや運動場が点在しているおかげで、野鳥のいる雰囲気だ!と思えば近くで観察できる機会に恵まれた。
さすが富士川である。川幅は広く酒匂川の2倍くらいはあるだろう。
同行メンバーがさっそくカワアイサを発見したとのこと。
その他はカモ類が少々とタヒバリを含むセキレイ類を観察。
はるか上空に相当数のツバメ類が乱舞しており、ヒメアマツバメは少なくとも確認した。
このまま河口に向かって右岸をゆっくり進む。
岸の草原ではキジ、シメ、ホオジロ、アオジなどを観察していく。
ベニマシコ、カシラダカ、オオジュリン辺りもいると思ったが見つからなかった。
途中途中車を止めては探鳥して、河口そばのグライダーの滑走路のたどり着いた。
ざっと河川敷を眺めると中州で休憩中のハヤブサを発見!
胸の濃い縦斑があることからハヤブサの若い個体だろう。
この個体、時々止まり木から飛び出しては獲物の鳥を追いかけ回し、一度はカワセミを狙ってこちらの方に向かってきたこともあった。
しかし、若鳥ゆえかいつも失敗してしまい、狩りは難しいものだなぁと実感。
同じ猛禽類ではミサゴはトビ以上に観察したと思うぐらい悠然と目の前を何度も通り過ぎた。
ここでは印象深い観察が2つあった。
1つはウミアイサとカワアイサの両方が一緒にいるところを観察したことだ。
同時観察は初めてであり、カワアイサの方が明らかに大きいことが改めて分かった。
もう1つは河川敷でタゲリを観察したことだ。
タゲリというと農耕地でしか観察したことがなかったので新鮮だった。
このエリアで探鳥するバーダーから見れば、よくある光景なのかも知れないが。
遠く雲にかかった富士山を望む。次回は天晴の富士山を是非拝みたい!
そろそろ場所を移動しようと思い始めた頃、ふと気が付くと目の前の水面にカモがずいぶんと集まっていた。
ヒドリガモ、スズガモ、ハシビロガモ達だ。
淡水・汽水の混在する河口付近だからかスズガモとハシビロガモの2ショットは意外に見ることが少ないのではないか?
河口付近は広大な河川敷なので、鳥との距離が遠く撮影には苦労というかほとんど良い画像が撮れなかった。
しかし、スコープでの観察ならば、話は変わる。
大河の河口ということで、カモメ類、猛禽類、シギチドリ類、カモ類、小鳥類、そして直ぐ隣で離着陸する飛行機とグライダーと多種多様な観察ができて、とても楽しい探鳥となった。
更には大河の雄大でのんびりした雰囲気とおそらく富士山の素晴らしい眺めを味わえる場所でもあり、また必ず来たいと思わせてしまう富士川河口であった。
次は朝霧高原方面に行くことにした。
続きは次回。
見聞きした野鳥(観察順)
メジロ
マガモ
カワアイサ
カルガモ
ハクセキレイ
セグロセキレイ
タヒバリ
コガモ
ツグミ
ホシハジロ
キンクロハジロ
ヒヨドリ
アオジ
イソヒヨドリ
ムクドリ
トビ
ヒメアマツバメ
キジ
シメ
ハシボソガラス
ホオジロ
オカヨシガモ
キジバト
カワセミ
ハヤブサ
スズメ
ミサゴ
ウミアイサ
カワアイサ
カワラヒワ
ヒドリガモ
ノスリ
ジョウビタキ
カワウ
ケリ
タゲリ
カンムリカイツブリ
スズガモ
ハシビロガモ
ユリカモメ
セグロカモメ
計40種