はじめに
9月8~10日にかけて念願の九州探鳥に出かけた。
今回の探鳥では、世界中で推定生息数400羽と言われているヘラシギと渡りの最盛期を迎えたアカハラダカの大群を是非とも観察したい!
8日は長崎行き始発便で佐世保にある烏帽子岳でアカハラダカの観察をした後、その日のうちに佐賀に移動して10日の佐賀発の最終便まで有明海の大授搦(だいじゅがらみ)でシギチ観察という計画。
今回の九州探鳥記を9回に分けて掲載する予定。
烏帽子岳
羽田発6:55の便で長崎へ。
飛行機が諫早湾を通過した頃に知り合いの方からご親切にも大授搦で最近ヘラシギが観察されたとの吉報が届いた!
長崎空港に到着間際だが、こちらのテンションは急上昇!
8:45到着後、急いでレンタカー手続きや食料補給をして佐世保市へ。
烏帽子岳までは佐世保の市街地から車で20分くらいで、途中アカハラダカの観察標識が道沿いに何か所もあり迷うことはない。
標識からもアカハラダカは観光資源として認知されており、標識を見る度にニンマリして気分が高揚して来る。
11:30に烏帽子岳の駐車場に無事到着。
駐車場の隣がアカハラダカの観察場所のようで、すでに20人近くのバーダーが上空を見上げて観察している。
駐車場で機材の準備をしている最中にメンバーが「アカハラダカだ!」と叫んだ。
上空を見上げるとアカハラダカが何羽も飛んでいるではないか!
初めて見るアカハラダカは、やはり小さいというのが第一印象だ。
ツミぐらいの大きさで翼の先端の黒色が目立つ。
アカハラダカ雌 Sさん撮影
心の準備?がないままのあっけない出会いとなってしまった。
約20年前のバーダー誌で烏帽子岳でのアカハラダカの渡りの存在を知って以来、ようやく念願がかなった!
機材をセットして観察場所に向かい、観察者の皆さんにご挨拶をする。
ここ烏帽子岳では日本野鳥の会長崎支部の皆さんが毎年アカハラダカの渡りの調査や探鳥会を行っている。
今回の観察に際しては長崎支部のHPで事前に場所や観察状況等を知ることができて大変参考になった。
烏帽子岳の野鳥案内板
長崎支部の皆さんとの鳥談義は後にすることにして、我々も早速観察に加わる。
皆さん、観察慣れしているので広大な青空の中でアカハラダカの群れを次々と見つける。
遠くても翼の先端の黒は目立つ。左端は目立たないので幼鳥に見える Sさん撮影
「薄い雲の右端!」
「雲と雲の切れ間!」
「稜線の向こうからもうすぐ出てくる!」
「もうすぐ鷹柱ができる!」
こちらはおおよその渡るルートすら分からないので、これらの声に双眼鏡で右往左往するだけである。
この画像の正面の方向に対馬、朝鮮半島があり、主要な渡りルートになっている。
しばらくして、ようやく観察場所の空気やアカハラダカの動き方、見つけ方に慣れてきた。
というよりは直ぐに慣れるぐらいアカハラダカの群れが次々と現れたのである。
前日までの4日間は天候不良だったので、多くのアカハラダカが渡りをできず朝鮮半島や対馬辺りで停滞していた。
おそらく晴天の今日は爆発するだろうと想定していたが、ここまでとは思わなかった。
13時頃だろうか200羽、300羽の群れが次々と現れて現場は最高に盛り上がった。
以下の動画はその時の様子。それぞれスローモーション付き。
たくさんの数を見出すと今度はもっと近くでアカハラダカを見たい撮影したいと思うようになってきた。
長崎支部の皆さんの話によると、近くで観察したいなら朝8時頃までに来ればアカハラダカが面前を飛ぶそうだ。
これらは前日の夕方に烏帽子岳付近で塒入りして朝にねぐら立ちする個体とのこと。
皆さんからは何度も明日の早朝に烏帽子岳に来ることを勧められた。
しかし、ホテルは佐賀市内にあるので、往復の時間やヘラシギ探索に支障が出る可能性はあるので断念した。
次回訪問時は早朝に観察できるように計画したい。
アカハラダカ以外にも付近で繁殖するハチクマやミサゴが優雅に旋回したり、チゴハヤブサが目の前を颯爽と通り抜けて行った。
また時折ハヤブサがアカハラダカの群れに接近しては群れがばらけるなど緊迫した場面にも遭遇した。
多くはないが渡りの時期だからハチクマやサシバも観察する機会があることだろう。
長崎支部の公式記録によると8日のアカハラダカの飛来総数は3465羽。
我々の到着時に約1000羽で出発時に約3300羽が記録されたので、滞在中に約2300羽が我々の上空を通過したことになる。
今回はアカハラダカ観察はビギナーズラックだったが、それにしても非常に幸運なタイミングで観察できたのである。
この勢いでヘラシギを観察するぞ~。
明日の下見を兼ねて鼻息荒く佐賀県佐賀市の大授搦へ向かう。
最後に長崎支部や観察者の皆さん、大変御世話になりました!!
見聞きした野鳥(観察順)
アカハラダカ 約2300
トビ
ツバメ
ハチクマ1
チゴハヤブサ2
ミサゴ1
キジバト
ウグイス
カケス
メジロ
シジュウカラ
ヒヨドリ
計12種