本日は夕暮れ探鳥会なるものを二子山で行った。
夕暮れに行ったのは、①明るい時間帯はウグイスや渡ってきた直後のオオルリ、センダイムシクイ、ヤブサメなどの姿を観察したり鳴き声を聴くため、②暗い時間帯はフクロウやミゾゴイの鳴き声をあわよくば聴くためである。
コースは大山林道を往復するコースで、折り返し地点の林道終点で日没を迎える予定である。
大山林道手前にある橋付近の斜面や林道入口の辺りでは、例年この時期になると2つのポイントでオオルリが美声を披露してくれるのだが、今日は聞こえない。
今年はすでにオオルリの観察記録があるので、どこかしらで観察できるとは思う。
しかし、確認するまでは企画者としては安心できない。
3か所目のオオルリポイントに近づくと、ようやく懐かしいオオルリの「ピールーリーリー、ジィジィ」という伸びやかな美声が高い所から聞こえて来る。
今年も同じ枯れ枝でさえずっている。
しばらくその姿と美声を味わう。
オオルリは渡来直後は主に縄張り宣言や雌への求愛活動のために木のてっぺんなど高い所でさえずる。
なので、この時期は下からのオオルリ観察となり、見たい上面の瑠璃色よりも下部の白い部分を見る機会が多くてもどかしい。
ようやくオオルリを観察できて一安心。
ウグイスの美声を聞きながら林道を進む。
二子山のウグイスは本当に綺麗に聞こえる。
美声の持ち主がそろっているのか?
狭い谷沿いという地形がそうさせているのか?
4か所目のオオルリポイントに近づくと、ここでも今年さえずりが聞こえてくる。
ここのオオルリは他とは少しさえずりが異なる。
さえずりの途中か最後にジュウイチに似た「ジュウイチ」と鳴くのである。
その声がこちら(⇦ここをクリック)
昨年初めて聞いて注目したのだが、今年も同じようなさえずりである。
昨年と同じ個体かな?
その後、
センダイムシクイや
ヤブサメの声も聞くことができ、18時30分に無事林道終点に到着。
昨年の探鳥会は日没後ここで幸運にも山の奥の方からミゾゴイの声を聞いた。
今年はどうなることやら?
ちなみにミゾゴイは夜行性ではないが、繁殖期は夜に鳴く。
それも日没後30分後くらいから鳴き始めるそうだ。
19時まで参加メンバーとミゾゴイの動画を見ながら静かに待つ。
しかし、今年は鳴き声が聞こえない。
残念だが、復路の途中で聞こえる可能性もあるので、戻ることにする。
夜の森は静かで怖いくらいだ。
一人では怖くて歩けないだろう。
懐中電灯で足元を照らして慎重に歩く。
途中で参加メンバーが太鼓を叩くような音を何度も聞く。
私は最後尾にいたので聞き漏らしたが、どうやらツツドリの声のようだ。
参加メンバー同士で検討するも確信が持てないので、今回は野鳥リストに敢えて入れていない。
そして遂にその瞬間がやって来た!
「ボォー、ボォー、ボォー、ボォー」の4コールが遠くの山の方から聞こえて来る。
待ちに待ったミゾゴイの声である。
願望が強すぎて幻聴かと一瞬、耳を疑ったが、、、。
今度は全員が聞くことができた。
今年も二子山のどこかに飛来してくれたのだ。
観察できなくても存在を確認するだけで嬉しい。
参加メンバー同士で聴いたことを興奮気味に確かめ合いながら喜ぶ。
企画者としては最高の瞬間だ。
アンコールを期待したが、それ以後は探鳥会終了までミゾゴイの声は聞こえなかった。
今回、ミゾゴイの声を聞けてラッキーだったが、更に探鳥会をより充実したものとしたのは参加メンバーの野鳥以外の話だ。
天文に詳しいメンバーが夜空を眺めながら星座を解説したり、夜空を輝きながら移動する国際宇宙ステーションを見つけてくれた。
また世界で最も二子山に詳しい?Sさんが暗闇で光るクロマドホタルの幼虫を解説してくれた。
もちろん、ミゾゴイやフクロウなど夜の声を聞くことがメインだが、探鳥会の良いところはこういう野鳥以外の話を聞けることだとつくづく思う。
ジュウイチ似のオオルリの鳴き声、国際宇宙ステーションの輝き、クロマドホタルの控えめな光、遠くからのミゾゴイの声、そして無事探鳥会を終えることができたことに感謝。
見聞きした野鳥(観察順)
イワツバメ
メジロ
ムクドリ
ヒヨドリ
カワラヒワ
ホオジロ
ウグイス
ハシブトガラス
シジュウカラ
アオゲラ
オオルリ
カルガモ
ヤブサメ
ヤマガラ
センダイムシクイ
コゲラ
エナガ
ミゾゴイ
計18種