この冬、初めての金沢臨海部へ。
まずは鳥浜付近の防波堤からチェックする。
遠くの波打ち際で採餌中のキョウジョシギ2羽とイソシギを発見。
毎年この辺りでキョウジョシギの小群を観察している。
横浜の工業地帯の中でひっそりと越冬しているキョウジョシギを見ると、実は身近な場所に何かいるのではないか?という探鳥心が沸き起こる。
ちなみに例年横浜で冬に観察できるシギチドリ類はイソシギ、キョウジョシギ、イカルチドリ、タシギの4種類である。
シギチドリ観察は春秋の渡りだけでなく冬も楽しめる。
目の前に広がる湾内には100羽ぐらいのスズガモの群れにカンムリカイツブリやホシハジロが混じっている。
例年この時期はもっとたくさんのスズガモがいるのだが、今年は少ない。
防波堤の先にはウミウが1羽休んでいる。
ウミウは金沢臨海部ではあまり見かけない。
ウミウはカワウに比べて目の後方に広がる白い部分の大きさが目立つ。
カワウでは白い部分が目より上に広がらず、ウミウより白い面積が小さい。
遠くからの識別では両者の違いをこの点で判断している。
次に少し南へ移動する。
ここではカンムリカイツブリの群れが例年観察できる。
今年は100羽前後の群れである。
ここでの観察の楽しみは群れの中にアカエリカイツブリやヒメウを見つけることだ。
1羽1羽丁寧に観察していくと、カンムリカイツブリの白さに比べて黒っぽい個体を見つけた。
アカエリカイツブリだ!
辺りを見るともう1羽いる。
黄色のくちばしも識別ポイントだが、野外だと黄色がそこまで目立たない。
全長はカンムリカイツブリが56㎝、アカエリカイツブリが47㎝で大きさに差があるように思える。
しかし実際の印象では体の大きさはそこまで差がなく見える。
これは大きさ=胴体で見るからである。
カンムリカイツブリは首が長いので、その差が全長の差に反映するのだろう。
このことは特にくちばしや尾が長い野鳥との識別では大事である。
この点を意識しないと全長と見た目(胴体)の差に違和感を覚えることになる。
突然、鳥仲間が「白いのがいる」と言った。
ただのカンムリカイツブリと思ったが、よく見ると確かに普通のより白い個体だ。
こんな白いカンムリカイツブリを初めて見た。
今回勉強不足でこの個体をアルビノと思ってしまった!
アルビノと白変種の違いはなんだろう?
簡単に説明すると、
①アルビノは動物を色付ける元となるメラニン色素を作る遺伝子が欠損しているので全身白色となる。
目の色素もないので赤目となる(カンムリカイツブリはもともと目が赤いのに、目が赤い→アルビノと早とちりしてしまった)
②白変種は正常な遺伝子の作用により体の皮膚や毛が白くなる。
メラニン色素が残っているので全身が白くなることはない。
この個体は体の一部に本来の褐色が残っているので白変種となる。
群れの中にヒメウを探すも今回は残念ながら見つからず。
次は八景島に向かった。
シーサイドライン八景島駅付近から湾内を探鳥する。
目の前には300弱のスズガモの群れがいる。
この群れは人や船が近くを通ると野島沖に移動する傾向にあるようだ。
湾内では遠くにウミアイサを点々と確認できる。
海岸沿いの松林ではビンズイの群れが活発に採餌している。
横浜ではビンズイは冬に観察できる鳥であり、こども自然公園と八景島が観察しやすい場所だと思う。
駆け足の金沢臨海部探鳥はここで終了。
更にこの勢いで三浦半島に向かった。
続きは次回!
見聞きした野鳥(観察順)
キョウジョシギ
イソシギ
セグロカモメ
ウミネコ
ホシハジロ
スズガモ
カンムリカイツブリ
ウミウ
カワウ
ミサゴ
ムクドリ
スズメ
アカエリカイツブリ
ハジロカイツブリ
オオバン
カルガモ
ウミアイサ
ハジロカイツブリ
オオセグロカモメ
ハシボソガラス
ビンズイ
キジバト
コサギ
ユリカモメ
計24種