探鳥記 2018.2.18 多摩森林科学園 10:00~14:30 晴れ

前日に野鳥の会神奈川支部の事務所でホオジロ類の談話会を先輩方と行った。

探鳥経験が豊富な先輩達との談義は面白く勉強になる内容であった。

談話会を終えて、ミヤマホオジロのこと、特に地鳴きをきちんと把握しておきたいと考えた。

ミヤマホオジロは関東では珍鳥ではないが、観察機会が多い鳥でもない。

どこで観察しようか?

そこで思い浮かんだ場所が高尾にある多摩森林科学園だ。

高尾山の近くにあり高尾山と同じくらい野鳥が観察できる場所として以前から関心があった。

最近はミヤマホオジロの越冬場所として有名で、個体数も多いようなので観察頻度も高いことだろう。

今回は時間があれば高尾山と両方行くつもりで出発。
入口にある森の科学館

JR高尾駅から歩いて10分もかからずに到着、アクセスの良い場所だ。

入場料は300円(桜の開花時期は400円)で駐車場はない。

ここは全国の主要な桜を集めたサクラ保存林があり、3月後半から4月下旬まで楽しむことができる。

この時期は入園者が多く、野鳥観察に不向きといえよう。

広大な園内のため、入園時にミヤマホオジロの観察されやすいポイントを聞くと、柳沢林道沿いが良いとのこと。

そこで柳沢林道でミヤマホオジロをじっくり観察してから、園内をできるだけ観察することにする。

入口付近で遠くからイカルの朗らかな声が聞こえて、目の前にはジョウビタキの雌を観察。

第2樹木園の中は、週末であるが人影がなく静かな雰囲気である。

森の中を抜けると、斜面に植えられているたくさんの桜の樹木が目に入り、一足早く桜の開花状態を想像してみた。

道沿いでは桜や野鳥の案内板が設置されており、種の識別点はもちろん、他種との相違点も丁寧に記載されている。

ここまで詳細に記載した掲示板はあまり見たことがない

ここの職員の方のおもてなしの気持ちが伝わってくる掲示板であった。

柳沢林道に入ると初めて人と出会った。

やはりバーダーの皆さんである。

観察・撮影の先には斜面で採食中のミヤマホオジロが見える。

まずは雌が目に留まり、カシラダカとの違いを意識してじっくり観察する。

ミヤマホオジロ雌 

動画

次は雄の観察に移る。

発色の良い黄色と黒のコントラストが良い!

ミヤマホオジロ

動画

盛んに地面に降りたり草木の周囲で動き回って実などを食べている様子だった。

画像の日陰部分でミヤマホオジロが採食していた

当初、数羽しかいないと思っていたが、じっくり観察してみると少なくとも8羽を確認した。

30分ぐらい観察しただろうか、群れが奥の茂みに入って行ったので、一旦観察を止めて園内を回ることにする。

園内を見渡せるくらいまでの高さを登り、園内の外周を進む。

桜の満開の頃は良い眺めであろう

緑が濃いのでヤマドリアオゲラアカゲラカケスなどの登場を期待したが、見聞きできたのはカラ類やモズジョウビタキであった。

鳥影が少ないので先ほどのミヤマホオジロのポイントに戻ると、ミヤマホオジロが歩道に出てきて採食中であった。

これは絶好のチャンス!と興奮を必死に抑えて、こちらに近づくように念じながら動かないでいると、だんだん近づいて来た。
動画

最後は3mくらいまで接近して、おいおい!こんなに近づいて大丈夫?と思ってしまうほどだった。


ミヤマホオジロ雄 右脚に足輪が付いている

念願の地鳴きもたくさん聴くことができた。

カシラダカの優しい「ティッ」とアオジの鋭い「チッ」とは違い、その中間?の感じに聴こえた。

しばらくすると、ミヤマホオジロの群れは隣の樹林帯へ移動したが、移動する際に数を確認したところ、30羽くらいだった。

「えぇ、そんなにいたの!」と驚いてしまった。

関東地方ではミヤマホオジロが一番多く越冬している場所ではないかと思った。

雄・雌・若鳥・地鳴き・採食行動などミヤマホオジロを堪能できて、当初の目的も達成された。

その後、ここで出会ったバーダーさんとしばらく楽しい鳥談義となった。

私と同様にミヤマホオジロに絞って観察に来た方で、お住まいの千葉の探鳥地を聞いたり、神奈川の探鳥地を紹介したりした。

ふと時計を見ると13時を過ぎており、次の目的の高尾山へ行くか微妙な時間となった。

それでもせっかくだから、行って見よう!とバーダーさんと別れて50mを過ぎたところで、ミヤマホオジロをまたまた見つけてしまった。

その時、おそらくミマホオジロを探しているだろう若者2人が目に入った。

ここにいるよ!と手招きすると、やはりミヤマホオジロ目的の二人であったので一安心。

2人にとってはミヤマホオジロは初めての出会いだったので、声を掛けて良かった。

2人は野鳥観察を始めて間もないようで、野鳥観察を楽しさが言葉の端々から感じ取れた。

こういう方々との野鳥談義も大好きで、しかも爽やかで感じの良い若者達である。

先ほど野鳥談義を終えたばかりなのに、まさかの第2幕の開幕である。

高尾山探鳥は置いといて、楽しい時間を過ごした後、真っ直ぐ帰宅した。

ビギナーの若者2人が今後も楽しく野鳥観察を続けて、いつかどこかで再会できたら嬉しいな!

見聞きした野鳥(観察順)

イカル
ジョウビタキ
アオジ
シロハラ
ミヤマホオジロ
コゲラ
シジュウカラ
ヤマガラ
ヒヨドリ
エナガ

計10種  目撃談:カシラダカ、ルリビタキ

この冬の観察情報:ヤマドリ、アオバト、ツミ、ノスリ、トラツグミ、カワセミ、ウソ、ミソサザイ、カケスなど

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