探鳥記 2017.11.5 相模川河口 8:00~10:00 曇り

前週の台風の通過後、神奈川県各地の沿岸でオニアジサシハシブトアジサシクロハラアジサシなどのアジサシ類が観察された。

これらアジサシ類は週末までには残っていないだろうと諦めていたが、知り合いの話ではまだ観察の可能性はあるようだ。

そこで駄目元で相模川河口と酒匂川河口に行くことにした。

相模川河口に近づいて来て、手前の茅ヶ崎寄りか橋を渡った先の平塚港かどちらで探すか迷ったが、港の防波堤の上にアジサシがいるというイメージから平塚港に決めた。

平塚港に到着して鼻息荒く探鳥しようと車外に出たら、湾内には多数の釣り人がいて、イメージは早くも崩壊。

湾内は期待できないと港外の方に目を向けて探索開始。

手前の河口付近の海上にコンクリートの堤防が見え、そこに鳥が休憩している。

中央にはユリカモメウミネコセグロカモメが、そして右端に2羽のアジサシ類を発見!

いくら手前にある堤防にいるとはいえ距離はかなりあってスコープでも明確に観察できない。

第1印象はクロハラアジサシ幼鳥かハジロクロハラアジサシ幼鳥のどちらかの可能性。

2羽とも体上面には灰色の冬羽がずいぶんと生えていたため、幼鳥の主要な識別点となる背中や肩羽の褐色斑が分かりづらいので現場では苦労した。

※目の後方にある通称ヘッドフォン模様の位置による識別法は採用せず。

現時点ではクロハラアジサシ幼鳥から第1回冬羽へ移行中の個体と考えている。

個体A 薄い褐色斑に混じって黒っぽい斑が見え、クロハラアジサシ幼鳥の上面模様に似ている。


個体B 残った上面の褐色斑から平べったい褐色斑の名残が見えるような気もするので、ハジロクロハラアジサシ幼鳥の上面模様に似ていなくもない点は気になるところではある。羽根の模様の見え方は個体差や摩耗状況などによって変わるので難しい。

現場で知り合ったバーダーからは2羽の脚の長さが違うように見えるとのこと。

掲載前に脚の長さの違いについて調べてみたが、記載している文献はなかった。

脚を覆う羽毛の状態で見える脚の長さが変わることや個体差ということで現時点では少なくともクロハラアジサシの幼鳥から第1回冬羽へ移行中の個体を観察したとしておく。

並んでみると確かに脚の長さが違うように見える。Sさん撮影。前が個体A、後ろが個体B。

 

アジサシ類への熱視線の気分転換にふと周囲を見ると、私達から10mくらい離れた先の護岸にはハマシギ2羽とキョウジョシギの姿が!

のんびりと休憩している様子だ。

左)中央)ハマシギ 右)キョウジョシギ

この時期だから渡り途中なのか越冬するのか微妙だ。


左)ハマシギ 右)キョウジョシギ

3羽とも釣り人の残した釣り餌の興味を示すも採餌まではせず。

その後、キョウジョシギはずいぶんと水分補給をしていた。

やがてそれぞれ飛び去って対岸の砂浜へ降り立ていった。

一通り観察し終えて、移動しようと駐車場へ向かったのだが。

最後の最後にサプライズゲストが登場!!

探鳥中、周辺で時折イソヒヨドリの朗らかな美声や綺麗な姿を見聞きしていた。

ので、帰り際、前方の堤防に止まっている鳥にさほど関心もせずにイソヒヨドリの雌と思っていたら、同行者が「イソヒヨドリじゃない!ホシムクドリだ!」と叫んだ。

半信半疑で急いで双眼鏡で見たら、太陽光線を浴びてメタリックに輝く紛れもなくホシムクドリ


ギラギラ輝くまさにスター! 

すぐに後方の電線の飛び移りしばらくいたが、運悪くトビが上空に現れて向こう岸の茅ヶ崎方面の飛び去ってしまった。

ホシムクドリはおそらく渡りの最中に立ち寄っただけだったのだろうと推察した。

※実は前日もその数日間は観察されていたそうです。

興奮冷め止まぬまま次の目的地、酒匂川河口へ向かった。

見聞きした野鳥(観察順)

スズメ
トビ
イソヒヨドリ
ユリカモメ
カワウ
ウミネコ
クロハラアジサシ
セグロカモメ
キョウジョシギ
ハマシギ
ハシボソガラス
ハシブトガラス
ムクドリ
ホシハジロ
ホシムクドリ

計15種

 

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